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化 学
第1問
次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。構造式は例にならって示し,鏡像異性体は区別しなくてよい。
Ⅰ 次の文章を読み,問ア~オ に答えよ。
黒田チカ博士は日本の女性化学者のさきがけであり,天然色素の研究で顕著な業績を残した。以下では,黒田が化学構造を解明した色素成分に類似の芳香族化合物Aの構造を考える。Aは分子量272で,炭素,水素,酸素の各元素のみからなる。次の実験1~8を行い,Aの構造を決定した。
実験1:136 m g のAを完全燃焼させると,352 m g の二酸化炭素と 72.0 m g の水が生じた。
実験2:Aを亜鉛末蒸留(解説1)すると,ナフタレンが生成した。
解説1:試料を粉末状の金属亜鉛と混合して加熱・蒸留すると,主要炭素骨格に対応する芳香族炭化水素が得られる。例えば,下式に示すように,モルヒネを亜鉛末蒸留するとフェナントレンが生成する。
実験3:酸化バナジウム(Ⅴ)を触媒に用いてナフタレンを酸化すると,分子式 C 8 H 4 O 3 の化合物Bと分子式 C 10 H 6 O 2 の化合物Cが生成した。Cは平面分子でベンゼン環を有し,同じ化学的環境にあるために区別できない5種類の炭素原子をもつ(解説2)。なお,Aは部分構造としてCを含む。すなわち,Cの一部の水素原子を何らかの置換基にかえたものがAである。
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解説2:解説1に示したフェナントレン(分子式 C 14 H 10 )を例に考えると,分子の対称性から,同じ化学的環境にあり区別できない炭素原子が7種類ある。
実験4:Aに塩化鉄(Ⅲ)水溶液を作用させると呈色した。
実験5:Aに過剰量の無水酢酸を作用させると,アセチル基が2つ導入されたエステルDが得られた。
実験6:Dにオゾンを作用させたのちに適切な酸化的処理を行い(図1—1(a)),続いて実験5で生成したエステル結合を加水分解すると,化合物E,化合物F,コハク酸 H O O C − C H 2 − C H 2 − C O O H ,二酸化炭素および酢酸が生じた。この酢酸は,アセチル基に由来するものである。また,反応途中で生成する1,2-ジカルボニル化合物は,酸化的分解を受けてカルボン酸となった(図1—1(b))。一連の反応でベンゼン環は反応しなかった。
図1—1 実験6の反応の概要:(a)炭素間二重結合のオゾン分解(R 1 ~ 3 :炭化水素基など),(b)1,2-ジカルボニル化合物の酸化的分解(R 4 ,R 5 :ヒドロキシ基や炭化水素基など)
実験7:Eにヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を作用させると,黄色固体Gと酢酸ナトリウムが得られた。
実験8:Fは分子式が C 8 H 6 O 6 であり,部分構造としてサリチル酸を含み,同じ化学的環境にあるために区別できない4種類の炭素原子をもつ。また,Fを加熱すると分子内脱水反応が起こり,化合物Hが得られた。
〔問〕
ア 実験1より,化合物Aの分子式を示せ。
イ 実験3より,化合物BおよびCの構造式をそれぞれ示せ。
ウ 化合物Eの構造式を示せ。
エ 化合物Hの構造式を示せ。
オ 化合物Aの構造式を示せ。
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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~サ に答えよ。
三員環から七員環のシクロアルカンのひずみエネルギーを図1—2(a)に示す。メタン分子の H − C − H がなす角は約 109 ∘ である(図1—2(b))。シクロプロパンの C − C − C がなす角は 109 ∘ より著しく小さく(図1—2(c)),ひずみエネルギーが大きい。そのため,①シクロプロパンは臭素と容易に反応し,化合物Iを生じる。
図1—2 (a)シクロアルカンの環構成炭素数と分子あたりのひずみエネルギー,(b)メタンの立体構造,(c)~(e)正多角形の内角と正四面体構造の炭素がなす理想的な角度とのずれ
シクロアルカンが平面構造であると仮定すると,内角が 109 ∘ からずれることにより,シクロヘキサンよりもシクロペンタンの方がひずみエネルギーが小さく,安定であると予想される(図1—2(d),(e))。しかし,実際にはシクロヘキサンが最も安定である。これは分子構造を三次元的に捉えることで説明できる。
分子の立体構造を考える上で,図1—3に示す投影図が有用である。ブタンを例にすると,C α と C β の結合軸に沿って見たとき,投影した炭素と水素がなす角はおよそ 120 ∘ である。②C α ,C β 間の単結合が回転することで異性体の一種である配座異性体を生じる。ブタンのメチル基どうしがなす角 θ が 180 ∘ のときをアンチ形という。C α と C β の結合をアンチ形から 60 ∘ 回転すると置換基が重なった不安定な重なり形の配座異性体となる。さらに 60 ∘ 回転した配座異性体をゴーシュ形という。ゴーシュ形はメチル基どうしの反発により,アンチ形より約 4 k J / m o l 不安定である。
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シクロヘキサンのいす形の配座異性体J(図1—4)の各 C − C 結合の投影図を考えると,すべてにおいて C H 2 どうしが a となる。また,C − C − C がなす角が 109 ∘ に近づくため,ひずみエネルギーをもたない。Jには環の上下に出た水素(H b ,H y )と環の外側を向いた水素(H a ,H x )がある。不安定なKを経て配座異性体Lへと異性化することで,水素の向きが入れ替わる。
図1—4 シクロヘキサンの環反転(いくつかの中間体は省略。一部の C H 2 は略記。)と投影図(C α は●で,C β は○で示す。シクロヘキサンの残りの部分は ⌒ で略記。)
③1,2-ジメチルシクロヘキサンには立体異性体MとNがある。立体異性体Mにはいす形の配座異性体としてエネルギー的に等価なもののみが存在する。④立体異性体Nにはエネルギーの異なる2つのいす形の配座異性体がある。
〔問〕
カ 下線部①について,化合物Iの構造式を示せ。
キ 下線部②について,ブタンの配座異性体のエネルギーと角 θ との関係の模式図として相応しいものを図1—5の(1)~(4)の中から1つ選べ。なお,メチル基どうしの反発に比べ水素と水素,水素とメチル基の反発は小さい。
図1—5 ブタンのメチル基どうしがなす角 θ とエネルギーの関係
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ク 空欄 a に入る語句として適切なものを以下から選べ。
アンチ形
重なり形
ゴーシュ形
ケ 下線部③に関して,最も安定ないす形の配座異性体の投影図を立体異性体M,Nについてそれぞれ示せ。投影図はメチル基が結合した2つの炭素の結合軸に沿って見たものをJの投影図(図1—4)にならって図示すること。なお,C H 2 とメチル基がゴーシュ形を取るときの反発は,メチル基どうしのそれと同じとみなしてよい。
コ 最も安定ないす形の配座異性体において,立体異性体M,Nのどちらが安定か選び,理由とともに答えよ。
サ 下線部④に関して,Nの最も安定ないす形の配座異性体において,2つのメチル基が占める位置を図1—6の構造式中の空欄 b ~ e から選べ。
図1—6 1,2-ジメチルシクロヘキサンの構造式
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第2問
次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。
Ⅰ 次の文章を読み,問ア~オ に答えよ。
フッ化水素 H F は,①他のハロゲン化水素とは異なる性質をもつ。また,フッ素樹脂の原料として用いられるほか,②ガラスの表面加工や半導体の製造過程における酸化被膜の処理においても重要な役割を果たす。
気体では H F 2分子が会合し,1分子のようにふるまう二量体を形成する。かつては低濃度のフッ化水素酸(H F の水溶液)中においても,気体中と同様に二量体を形成し得ると考えられていた。しかし,③凝固点降下の実験で,低濃度のフッ化水素酸中における二量体の形成を裏付ける結果は得られていない。現在ではフッ化水素酸中において,主に以下の二つの平衡が成り立つと考えられている。
H F ⇌ H + + F − K 1 = [ H + ] [ F − ] [ H F ] = 7.00 × 10 − 4 m o l · L − 1 (式1)
H F + F − ⇌ H F 2 − K 2 = [ H F 2 − ] [ H F ] [ F − ] = 5.00 m o l − 1 · L (式2)
④これらの平衡にもとづき,[ H + ] と [ H F ] の関係を考えることができる。ここで K 1 ,K 2 は平衡定数であり,[ H + ] ,[ F − ] ,[ H F ] ,[ H F 2 − ] はそれぞれ H + ,F − ,H F ,H F 2 − のモル濃度を表す。また,以下の問では水の電離は考えないものとする。
〔問〕
ア 下線部①について,H F ,塩化水素 H C l ,臭化水素 H B r ,ヨウ化水素 H I を沸点の高いものから順に並べよ。また,沸点の順がそのようになる理由を,以下の語句を用いて簡潔に答えよ。
〔語句〕 水素結合,ファンデルワールス力,分子量
イ 下線部②について,二酸化ケイ素 S i O 2 とフッ化水素酸の反応では,2価の酸であるAが生成する。S i O 2 と気体のフッ化水素の反応では,正四面体形の分子Bが生成する。AとBの分子式をそれぞれ答えよ。
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ウ 下線部③について,フッ化水素酸中の二量体の形成が凝固点降下に与える影響を考える。ある濃度のフッ化水素酸中において,二量体を形成すると仮定したときに,凝固点降下の大きさは二量体を形成しないときと比べてどうなると考えられるか,理由とともに簡潔に答えよ。ただし,ここではフッ化水素酸中の H F の電離は考えないものとする。
エ 下線部④について,十分に低濃度のフッ化水素酸は弱酸としてふるまうため,式1の平衡を考えるだけでよい。式1のみを考え,p H が 3.00 のフッ化水素酸における H F の濃度 [ H F ] を有効数字2桁で求めよ。答えに至る過程も記せ。
オ 下線部④について,(a) 式1の平衡のみを考える場合および(b) 式1と式2の両方の平衡を考える場合における [ H F ] と [ H + ] の関係として最も適切なものを,図2—1のグラフの(1)~(5)からそれぞれ選べ。ただし二量体の形成は考えないものとする。
図2—1 フッ化水素酸における [ H F ] と [ H + ] の関係
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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~コ に答えよ。
金属アルミニウム A l および金属チタン T i は,地殻に豊富に存在する元素からなる軽金属で,様々な分野で用いられている。
金属 A l の主な工業的製造プロセスでは,原料として酸化アルミニウム A l 2 O 3 を主成分とするボーキサイトが用いられる。⑤ボーキサイトに水酸化ナトリウム N a O H 水溶液を加えて高温・高圧とし,不溶物を除去する。不溶物を除去した溶液を冷却し,⑥p H を調整して水酸化アルミニウム A l ( O H ) 3 を沈殿させ,これを 1300 ∘ C 程度で熱処理することで高純度の A l 2 O 3 を得る。最後に,A l 2 O 3 の溶融塩(融解塩)電解により金属 A l を得る。
金属 T i の主な工業的製造プロセスでは,原料として酸化チタン T i O 2 を主成分とする鉱石などが用いられる。ここでは,T i O 2 を原料として考える。⑦T i O 2 とコークスを 1000 ∘ C 程度に加熱し,ここに塩素ガス C l 2 を吹き込むことで,塩化チタン T i C l 4 を得る。蒸留精製した⑧T i C l 4 を金属マグネシウム M g を用いて還元することで,金属 T i を得る。この過程で生成した⑨塩化マグネシウム M g C l 2 は,溶融塩電解により,金属 M g と C l 2 としたのち,再利用される。
金属 A l と金属 T i の性質の違いとして,⑩展性・延性の違いが挙げられる。金属 A l は展性・延性が高く加工性に優れる。金属 T i は展性・延性が低く変形しにくいため,強度が要求される用途に用いられる。
〔問〕
カ 下線部⑤に関して,ボーキサイトに含まれる化合物として,A l 2 O 3 ,酸化鉄 F e 2 O 3 ,二酸化ケイ素 S i O 2 を考える。これらの中で,加熱下で N a O H 水溶液と反応し,溶解する化合物をすべて挙げ,各化合物と N a O H 水溶液の化学反応式を書け。
キ 下線部⑥に関して,3価の A l イオンは,溶液中では水分子 H 2 O あるいは水酸化物イオン O H − が配位した錯イオン [ A l ( H 2 O ) m ( O H ) n ] ( 3 − n ) + (m ,n は整数,m + n = 6 )および沈殿 A l ( O H ) 3 (固)として存在し,それらが平衡状態にあるとする。平衡状態における錯イオンの濃度の p H 依存性が図2—2のように表されるとき,錯イオンの濃度の合計が最も低くなり,A l ( O H ) 3 (固)が最も多く得られる p H を整数で答えよ。
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図2—2 p H と錯イオンの濃度の関係
ク 下線部⑦,⑧,⑨に関して,それぞれの化学反応式を書け。また,全体としての化学反応式を書け。下線部⑦の反応では,コークスは C のみからなるものとし,C O 2 まで完全に酸化されるものとする。下線部⑨の反応に関しては,溶融塩電解全体としての化学反応式を書け。
ケ 下線部⑨に関して,2価の M g イオンの還元には,M g C l 2 水溶液の電気分解ではなく,溶融塩電解が用いられる理由を簡潔に述べよ。
コ 下線部⑩に関して,結晶構造から考察する。金属原子が最も密に詰まった平面(ここでは最密充填面と呼ぶ)の数は結晶構造によって異なり,最密充填面の数が多い金属結晶ほど変形しやすい傾向がある(注)。金属 T i の結晶構造は六方最密構造に分類されるが,理想的な六方最密構造からずれた構造をとる。ここでは,図2—3に示すような図中の矢印方向に格子が伸びた結晶構造を考える。このとき,最密充填面の数は1つとなる。一方,金属 A l は面心立方格子の結晶構造をとる(図2—4)。図2—5の(ⅰ)~(ⅲ)の中から,面心立方格子の最密充填面として最も適切なものを答えよ。また,面心立方格子における最密充填面の数を答えよ。互いに平行な面は等価であるとし,1つと数えること。
(注) 金属に力が加わるとき,金属原子層が最密充填面に沿ってすべるように移動しやすいことが知られている。
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図2—3 六方最密構造の模式図と最密充填面 球は金属原子を示す。矢印は理想的な六方最密構造からのずれの方向を示している。
図2—4 面心立方格子の模式図 球は金属原子を示す。
図2—5 面心立方格子の最密充填面(網掛け部分)の候補
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第3問
次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。
気体定数 R = 8.31 × 10 3 P a · L / ( K · m o l ) ,アボガドロ定数 N A = 6.02 × 10 23 / m o l ,
円周率 π = 3.14 ,標準状態:273 K ,1.01 × 10 5 P a
すべての気体は,理想気体としてふるまうものとする。
Ⅰ 次の先生と生徒の議論を読み,問ア~オ に答えよ。
先生 アンモニア N H 3 は,空気中の窒素 N 2 と水素 H 2 から合成されているのを知っているかい?
N 2 ( 気 ) + 3 H 2 ( 気 ) = 2 N H 3 ( 気 ) + 92.0 k J
最近では,二酸化炭素を排出しないエネルギー源として注目されているよ。
生徒 授業で習いました。a の原理と呼ばれる①平衡移動の原理があって,この反応では b 圧にするほど,また,c 熱反応なので d 温にするほど,アンモニア生成の方向へ平衡が移動するのですよね。でも,反応速度を増加させるためには e 温にしなければなりません。
先生 そうだ。産業上極めて重要な化学反応だけれど,とても困難な反応なんだ。この反応を可能としているのが触媒だ。触媒は一般的に,図3—1のように,触媒反応を起こす金属と,それを支える担体とからなっているんだ。触媒を用いたアンモニア合成法は,触媒を開発した人の名前から,ハーバー・ボッシュ法とも呼ばれているんだ。ここでは,a の原理とともに,アンモニア合成法について考えてみよう。
図3—1 触媒の構造
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先生 ある触媒 1.00 g 上へ吸着した窒素の体積 V と圧力 p の関係を図3—2に示しているよ。真空状態から大気の圧力 p 0 まで少しずつ窒素の圧力 p を大きくし,吸着した窒素量を標準状態における体積 V 〔m L 〕に換算して図に表しているんだ。窒素は触媒表面に可逆的に吸着する(図3—3左)。②触媒上に窒素分子が一層で吸着すると考えると,一分子が占有する面積が分かれば,吸着量から触媒の表面積を求めることができるね。この吸着した窒素は,圧力を下げることで完全に脱離するんだ。再度圧力を大きくして窒素を吸着させても,同じ量を吸着するんだ。
図3—2 触媒 1.00 g への窒素の吸着体積と圧力の関係図
図3—3 N 2 (左)および H 2 (右)の触媒表面への吸着(断面図)
先生 水素の方はどうなるか,知っているかい?
生徒 窒素が担体と金属のいずれにも分子のまま吸着するのに対して,水素分子は表面金属原子に対しては原子状に解離して強く吸着する(図3—3右)から,容易に脱離せず圧力に対して不可逆とみなせる吸着現象であると聞きました。
先生 そうだね。だから水素の吸着体積と圧力の関係図は,図 f で表される形になるんだ。この場合,水素を解離する金属上に,水素原子と表面金属原子が1対1で水素が吸着するから,金属だけの表面積を求めることができる。担体を含めた触媒全体の表面積が算出できる窒素とは対照的だね。
生徒 ③金属 1.00 m o l に対して,水素原子が 0.100 m o l しか吸着しないとすると,表面を構成している金属原子が 10 % しかないことを示すのですね。
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先生 そうだね。さて,吸着した窒素に対して触媒が果たすべき役割を考えてみよう。ハーバー・ボッシュ法に e 温が必要な理由が他に分かるかい?
生徒 触媒には g という能力が必要になり,そのために e 温が必要になります。
先生 その通り。a の原理だけではなく,触媒についても勉強になったね。
生徒 はい。私も大学で,アンモニア合成を簡単にする触媒研究に挑戦します!
〔問〕
ア 下線部①に関して,a ~ e にあてはまる語句を記せ。
イ 下線部②に関して,窒素一分子の占有面積を 0.160 n m 2 (1 n m = 10 − 9 m )とし,触媒 1.00 g に対する標準状態の窒素の飽和吸着量を図3—2から読み取ると,触媒 1.00 g の表面積は何 m 2 か,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。
ウ 図 f に相当する図で最も適切なものを図3—4の(ⅰ)~(ⅲ)の中から一つ選べ。なお,吸着3回目以降の結果は2回目と同じであった。
図3—4 触媒 10.0 g への水素の吸着体積と圧力の関係図 体積 V は,300 K ,1.01 × 10 5 P a における換算体積である。
エ 下線部③に関して,ある触媒 10.0 g 上に 300 K で水素を吸着させた。この触媒上の金属が 5.00 × 10 − 2 m o l であったとして,ウ で選んだ図から水素の吸着量を読み取ると,表面を構成している金属原子は何%になるか,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。
オ g にあてはまる語句を10文字程度で答えよ。
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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~サ に答えよ。
コロイド溶液は,粒子の表面状態や大きさに依存したふるまいを示す。水酸化鉄(Ⅲ)粒子を 53.4 g / L の濃度で純水中に分散したコロイド溶液を用いて,以下の2つの実験を行った。なお,粒子は半径のそろった真球であり,実験の過程で溶解しないものとする。また,コロイド溶液の密度は粒子の濃度によらず一定で,純水の密度 1.00 g / c m 3 と同じとしてよい。
実験1:粒子表面の電荷は,粒子表面のヒドロキシ基と溶液中のイオンとの可逆反応(図3—5)により,p H に応じて変化する。コロイド溶液の p H を 3.0 に調整した。このコロイド溶液を電気泳動した結果,粒子は h 極側へ移動した。また,p H = 3.0 のコロイド溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加していったところ,④ある時点で沈殿を生じた。なお,粒子表面の電荷が全体として 0 となる p H (等電点)は,7.0 だった。
実験2:半透膜で仕切られたU字管の左側にコロイド溶液,右側に純水をそれぞれ 10.0 m L ずつ入れた。液面の高さの変化がなくなるまで待った結果,⑤左右の液面の高さの差 Δ h 〔c m 〕は 1.36 c m となった(図3—6)。粒子の半径によらず,粒子の組成は F e ( O H ) 3 ,⑥粒子の単位体積当たりに含まれる鉄(Ⅲ)イオンの数は 4.00 × 10 4 m o l / m 3 であるものとする。これらから,粒子の半径 r 1 〔m 〕は i m と算出される。なお,この実験では溶液中のイオンの影響は考えなくてよいものとし,コロイド溶液および純水の温度を 300 K ,U字管の断面積を 1.00 c m 2 ,大気圧 1.01 × 10 5 P a に相当する水銀柱の高さを 76.0 c m ,水銀の密度を 13.6 g / c m 3 とする。
図3—5 粒子表面のヒドロキシ基とコロイド溶液中の水素イオン,水酸化物イオンの可逆反応
図3—6 実験2の模式図
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〔問〕
カ h にあてはまる語句を答えよ。また,その理由を図3—5の反応にもとづいて述べよ。
キ 下線部④に関して,その理由を図3—5の反応にもとづいて述べよ。
ク 下線部⑤に関して,この結果から推定される,液面の高さの変化がなくなった後のU字管左側のコロイド溶液中の粒子のモル濃度は何 m o l / L か,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。なお,コロイド溶液は希薄溶液であり,粒子 6.02 × 10 23 個を1モルとする。
ケ 下線部⑥に関して,粒子の半径を 1.00 × 10 − 8 m と仮定した場合の,粒子1モルあたりの質量は何 g か,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。
コ i にあてはまる値は 1.00 × 10 − 8 よりも大きいか小さいか,理由とともに答えよ。
サ 実験2と同様の実験を,粒子の質量濃度が同じく 53.4 g / L ,半径 r が r 1 よりも大きい水酸化鉄(Ⅲ)コロイド溶液を用いて行ったとする。得られる Δ h と r の関係として最も適切なものを図3—7の(1)~(5)の中から一つ選べ。また,その理由を簡潔に述べよ。
図3—7 r と Δ h の関係
第1問 1680 通りの候補を実験でしぼると 1 つになる/いす形はゴーシュの数で比べる 出題の意図(東大) 有機分子の構造と性質を論理的に考える力,分子の構造を三次元的に捉える力,および化学変換の過程を論理的に考察する力を問うことを意図しています。
東大の解答例(選ぶ問題だけ) Ⅱ キ:(3) Ⅱ サ:b, e 下の答えと全部一致
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 Ⅰは、色素に似た化合物 A の構造を、実験結果を1つずつ当てはめて決める問題。流れは「分子式(実験1)→ 骨組み(実験2・3:ナフタレン、しかも 1,4-ナフトキノンを含む)→ 付いているもの(実験4・5:フェノールの OH が 2 つ)→ 分解して出てきた破片から残りを組み立てる(実験6〜8)」。
実験6 のオゾン分解は、C=C の二重結合を切って、両側の炭素を C=O にする反応。図1—1 の決まりでは、H が付いていた炭素はさらに酸化されて –COOH になり、C=O がとなり合った所(1,2-ジカルボニル)も切れて両方 –COOH になる。ベンゼン環は切れない。破片をもとの位置にもどして、つなぎ直す のが解き方。
Ⅱ(p30 から)は、分子の立体の形とエネルギー。単結合のまわりを回して見たときの形(アンチ形・ゴーシュ形・重なり形)を使って、いす形のシクロヘキサンと 1,2-ジメチルシクロヘキサンの安定さを比べる。大事な数は「ゴーシュ形はアンチ形より約 4 kJ/mol 不安定」だけ。
ア 燃焼で出た C O 2 と H 2 O から、C と H の質量を出す。
C : 352 × 12.0 44.0 = 96.0 m g H : 72.0 × 2.0 18.0 = 8.0 m g
O は残りで 136 − 96.0 − 8.0 = 32.0 mg。
A 136 mg は 136 272 = 0.500 mmol。1 分子あたりの原子の数は
C : 96.0 / 12.0 0.500 H : 8.0 / 1.0 0.500 O : 32.0 / 16.0 0.500
イ ナフタレン C 10 H 8 を酸化してできる物を考える。
B(C 8 H 4 O 3 ):炭素が 2 つ減っている。ナフタレンの片方の環が酸化されて切れ、ベンゼン環のとなり合う炭素に –COOH が 2 つ付いたフタル酸になり、さらに水がとれて五員環の無水フタル酸になった物。
C(C 10 H 6 O 2 ):炭素は 10 個のまま、H が 2 つ減って O が 2 つ入った物。片方の環の 2 か所が C=O になったナフトキノン。C=O の位置の候補は、1,4(向かい合う位置)と 1,2(となり)。
区別には「区別できない炭素が 5 種類」を使う。1,4-ナフトキノンは、分子を上下・左右に折り返すとぴったり重なる形なので、10 個の炭素が 2 個ずつ 5 組にまとまる。1,2-ナフトキノンは折り返しても重ならないので 10 種類のまま。
答え B:無水フタル酸(ベンゼン環のとなり合う 2 つの C に − C O − O − C O − の五員環)、C:1,4-ナフトキノン(ナフタレンの片方の環の 1・4 位が C=O、2・3 位が CH=CH)
ウ 実験7 で、E はヨードホルム反応(黄色い C H I 3 ができる)を示し、酢酸ナトリウムができた。ヨードホルム反応では C H 3 C O − R の C H 3 が C H I 3 として外れ、残りが R − C O O N a になる。残りが酢酸ナトリウム C H 3 C O O N a なので、R = C H 3 。
つまり E は、C=O の両側に C H 3 が付いた物。オゾン分解でこれができるのは、A の側鎖のはしに = C ( C H 3 ) 2 (二重結合の片側に C H 3 が 2 つ)があったから。
エ F は C 8 H 6 O 6 で、サリチル酸(ベンゼン環のとなり合う位置に –OH と –COOH)の形をふくみ、炭素は 4 種類。
F のベンゼン環の出どころは、A の中の 1,4-ナフトキノンのベンゼン環のほう(ベンゼン環は切れない)。キノン側の環が切れると、ベンゼン環にもとの C=O の炭素が –COOH として 2 つ、となり合って残る(フタル酸の形)。H の 2 か所には、実験5 でアセチル化された –OH が 2 つあった(加水分解で –OH にもどる)。
C 8 H 6 O 6 は、フタル酸 C 8 H 6 O 4 に O が 2 つ増えた形で、OH 2 つと合う。炭素 4 種類(左右対称)とサリチル酸の形を満たす OH の位置は、2 つの –COOH のそれぞれ外側のとなり。
F を加熱すると、となり合う 2 つの –COOH から水がとれて、無水フタル酸(B)と同じ五員環ができる。これが H。
答え 3,6-ジヒドロキシフタル酸無水物(無水フタル酸のベンゼン環で、C=O の付いた炭素のとなり 2 か所に OH)
オ 分子式 C 16 H 16 O 4 から、1,4-ナフトキノン(C 10 H 6 O 2 )の部分と OH 2 つを引くと、残りは C 6 H 11 の側鎖 1 つ。この側鎖に C=C が 1 つある(E ができるため)。
破片をつなぎ直す。キノン側の環の C=C(2 位と 3 位)が切れると、H の付いた 3 位は –COOH になり、となりの C=O と 1,2-ジカルボニルになってさらに切れ、最後は C O 2 まで酸化される。側鎖の付いた 2 位は、側鎖の側に –COOH として残る。
側鎖のほうは、はしの = C ( C H 3 ) 2 がアセトン(E)になり、二重結合のもう片方の炭素は H があるので –COOH になる。2 位からきた –COOH と、この –COOH のあいだが、コハク酸 H O O C − C H 2 − C H 2 − C O O H の C H 2 C H 2 。だから側鎖は、2 位から「C H 2 ・C H 2 ・C H = 」とつながり、はしに = C ( C H 3 ) 2 。
OH は、エで決めた F の位置から、ナフトキノンのベンゼン環の 5 位と 8 位(キノン側に近い 2 か所)。デモでは、候補 1680 通りが、実験を1つ入れるたびに 1568 → 12 → 6 → 1 と減っていく。コハク酸を分子式だけで見ると、メチルマロン酸になる側鎖も残ってしまうので、「C H 2 が 2 つ並ぶ」形の情報が決め手。
答え 5,8-ジヒドロキシ-1,4-ナフトキノンの 2 位に − C H 2 − C H 2 − C H = C ( C H 3 ) 2 (C の 2 位の H を側鎖に、ベンゼン環の 5・8 位の H を OH にかえた形)
カ シクロプロパンは、C–C–C の角が 60° と、ふつうの 109° よりとても小さく、無理に曲げられている(ひずみが大きい)。臭素と反応すると、環の C–C 結合が1本切れて、ひずみから解放される。
切れた両はしの炭素に Br が 1 つずつ付き、3 つの炭素がまっすぐにつながった物になる。
キ メチル基どうしのなす角 θ を 0° から回していくときのエネルギーを考える。
θ = 0 ∘ :メチル基どうしが重なる重なり形。いちばん反発が大きく、いちばん高い。θ = 60 ∘ :ゴーシュ形(ねじれていて、メチル基どうしが 60° 離れる)。谷になるが、メチル基が近いので少し高い。θ = 120 ∘ :重なり形だが、メチル基は H と重なる。0° よりは低い山。θ = 180 ∘ :アンチ形。いちばん低い谷。
図1—5 で、0°(と 360°)がいちばん高く、180° がいちばん低く、60°・300° は 180° より少し高い谷、120°・240° は 0° より低い山、になっているグラフを選ぶ。
ク いす形 J のとなり合う炭素の結合にそって見ると(図1—4 の J の投影図)、手前の炭素の C H 2 (環の続き)は右上、奥の炭素の C H 2 は右下にあり、その角は 60°。
キで見たように、60° 離れて並んだ形はゴーシュ形。いす形では、6 本の C–C 結合のどれにそって見ても、環の C H 2 どうしがこの形になっている。重なり形が1つも無く、角も 109° に近いので、いす形はひずみが無い。
ケ 図1—4 の J の投影図で、H がどちらを向いているかを読む。手前の C α は H a 左上・H b 下、奥の C β は H y 上・H x 左下。H b ・H y は環の上下を向く(a、アキシアル)、H a ・H x は環の外側を向く(e、エクアトリアル)。
1,2-ジメチルシクロヘキサンの2つの立体異性体は、メチル基が環の同じ側(シス)か反対側(トランス)か。いす形では、となりの炭素で「a と e」の組がシス、「a と a」「e と e」の組がトランスになる。
M:いす形を裏返し(J → L)ても、a・e が e・a になるだけで同じエネルギー。これはシスで、a・e の組。N:裏返すと e・e と a・a が入れかわり、エネルギーが違う。これはトランスで、最も安定なのは e・e の組(次のコで比べる)。
投影図では、M は a の H と e の H を1つずつ、N は e の H を2つ(H a と H x )をメチル基にかえて描く。
答え J の投影図と同じ置き方で(手前 C α :H a 左上・H b 下・CH 2 右上、奥 C β :H y 上・H x 左下・CH 2 右下)、M は H b と H x を CH 3 に(手前 CH 3 下・奥 CH 3 左下)、N は H a と H x を CH 3 に(手前 CH 3 左上・奥 CH 3 左下)
コ ゴーシュ形の数を数えて比べる。問題の約束で、メチル基と環の C H 2 のゴーシュも、メチル基どうしのゴーシュと同じ約 4 kJ/mol とする。
N(e・e):投影図でメチル基どうしは 60° でゴーシュが 1 つ。それぞれのメチル基は、となりの炭素の環の C H 2 と 180° 離れていて(アンチ形)反発しない。
M(a・e):メチル基どうしのゴーシュが 1 つ。そのうえ、a のメチル基は環の上下に突き出ていて、両どなりの結合で環の C H 2 とゴーシュになる(2 つ)。合わせて 3 つ。
エネルギーにすると N は約 4 kJ/mol、M は約 12 kJ/mol で、N のほうが約 8 kJ/mol 安定。メチル基が a に来ると、環とぶつかって不安定になる。
答え N。N はメチル基を 2 つとも環の外向き(e)にでき、ゴーシュはメチルどうしの 1 つだけ(約 4 kJ/mol)。M はどちらか 1 つが上下向き(a)になり、メチルどうし 1 つ+そのメチルと環の CH 2 2 つで ゴーシュが 3 つ(約 12 kJ/mol)になるから
サ N の最も安定ないす形は、2 つのメチル基がどちらも e(環の外側を向く)の形。
図1—6 で、それぞれの炭素の 2 本の手のうち、環の上下にまっすぐ出ているのが a、横に広がっているのが e。d(上)と e(左下)が同じ炭素、b(右)と c(下)がとなりの炭素に付いている。d と c は上下にまっすぐ出た a、e と b は横に出た e。となり合う炭素の e どうしを選ぶ。
e と b は、片方が少し下・片方が少し上を向いていて、環の反対側(トランス)になっていることも、N の条件に合う。
第2問 HF は濃くすると 2 つ目の平衡が効く/Al は pH 7 でいちばん沈む/すべる面が 4 つある Al 出題の意図(東大) 無機化学に関する様々な項目(無機物質の性質,反応,化学結合,結晶の構造)に関する基礎的な理解力,与えられたデータをもとに現象の本質を見抜く力、論理的かつ総合的に考察する力を問うことを意図しています。
東大の解答例(選ぶ問題だけ) Ⅰ オ:(a) (3) (b) (2) 下の答えと全部一致
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 Ⅰはフッ化水素 HF。F は電気陰性度(電子を引きつける強さ)がとても大きいので、HF は水素結合をつくり、ほかのハロゲン化水素と違うふるまいをする。フッ化水素酸の中では、ふつうの電離(式1)のほかに、HF と F − がくっついて H F 2 − になる平衡(式2)がある。薄いときは式1だけでよいが、濃くなると式2 が効いてくる、というのがエ・オの芯。
Ⅱ(p36 から)はアルミニウムとチタンのつくり方。アルミニウムは「両性(酸にも強い塩基にも溶ける)」を使って不純物と分け、pH を調整して沈める。チタンは塩素と結びつけてからマグネシウムで還元し、できた塩化マグネシウムを電気分解して使い直す。最後に、金属の変形しやすさを、原子がいちばん密に並んだ面の数で比べる。
ア 沸点は、分子どうしを引き離すのにどれだけエネルギーが要るかで決まる。
HF は、F に付いた H がとなりの分子の F と強く引きあう水素結合をつくる。この引きあいはとても強いので、分子量がいちばん小さいのに沸点はいちばん高い(約 20 ℃)。
HCl・HBr・HI は水素結合をしない。分子どうしを引きつけるのは、どの分子にも働く弱いファンデルワールス力で、分子量が大きい(電子が多い)ほど強い。だから分子量の順に、HI(約 −35 ℃)> HBr(約 −67 ℃)> HCl(約 −85 ℃)。
答え H F > H I > H B r > H C l 。HF は分子の間に水素結合があるのでいちばん高い。ほかの 3 つは水素結合が無く、分子量が大きいほどファンデルワールス力が強いので HI > HBr > HCl
イ ガラスの主成分 S i O 2 は、フッ化水素と反応する(ガラスを溶かす)。Si と F が強く結びつくため。
気体の HF とは、Si に F が 4 つ付いた四フッ化ケイ素ができる:S i O 2 + 4 H F → S i F 4 + 2 H 2 O 。Si を中心に F が 4 方向に付くので正四面体形。これが B。
水溶液(フッ化水素酸)では HF がたくさんあるので、S i F 4 にさらに F − が 2 つ付いた S i F 6 2 − ができ、H + 2 つとあわせて 2 価の酸になる:S i O 2 + 6 H F → H 2 S i F 6 + 2 H 2 O 。これが A。
ウ 凝固点降下の大きさ Δ t = K f m は、溶けている粒の数 (質量モル濃度 m )に比例する。粒の種類や重さにはよらない。
HF 2 分子が二量体になると、2 つの粒が 1 つの粒としてふるまうので、粒の数が減る。全部が二量体になれば粒は半分になり、凝固点降下も半分になる。
だから、もし二量体ができていれば、同じ濃さの HF から予想されるより凝固点降下が小さく出るはず。実験でそうならなかったことが、「薄いフッ化水素酸では二量体はほとんどできない」という根拠になっている。
答え 小さくなる。凝固点降下は溶けている粒の数(質量モル濃度)に比例し、2 分子が 1 つの粒になると粒の数が減るから(全部二量体なら半分)
エ 式1 だけを考える。HF が電離すると H + と F − が同じ数だけできるので [ H + ] = [ F − ] 。pH 3.00 なので
[ H + ] = [ F − ] = 1.0 × 10 − 3 m o l / L
[ H F ] = [ H + ] [ F − ] K 1 = ( 1.0 × 10 − 3 ) 2 7.00 × 10 − 4
ここで問われているのは「溶かした HF の量」ではなく、平衡で残っている HF の濃さ [ H F ] そのもの。
この濃さなら [ H F 2 − ] [ F − ] = K 2 [ H F ] ≈ 0.007 で、式2 はほとんど効かない。「十分に低濃度なら式1だけでよい」がちゃんと成り立っている。
答え [ H + ] = [ F − ] = 1.0 × 10 − 3 , [ H F ] = ( 1.0 × 10 − 3 ) 2 7.00 × 10 − 4 = 1.4 × 10 − 3 m o l / L
オ (a) 式1 だけ:[ H + ] = [ F − ] なので [ H + ] 2 = K 1 [ H F ] 、つまり
[ H + ] = K 1 [ H F ]
[ H F ] を 4 倍にすると [ H + ] は 2 倍。だんだん増え方がゆるやかになる曲線。[ H F ] = 0.25 で 7.00 × 10 − 4 × 0.25 ≈ 0.0132 。
(b) 式1+式2:プラスは H + だけ、マイナスは F − と H F 2 − なので、電荷のつり合いは [ H + ] = [ F − ] + [ H F 2 − ] = [ F − ] ( 1 + K 2 [ H F ] ) 。[ F − ] = K 1 [ H F ] [ H + ] を入れると
[ H + ] 2 = K 1 [ H F ] ( 1 + K 2 [ H F ] )
[ H F ] が大きくなると K 2 [ H F ] が効いて、(a) より大きくなる。[ H F ] = 0.25 では 1 + 5.00 × 0.25 = 2.25 で、[ H + ] ≈ 0.0198 。
図2—1 の右はし([ H F ] = 0.25 )の値を見くらべて、それぞれに合う線を選ぶ。式2 で F − が H F 2 − に取りこまれると、式1 の平衡が右に進んで H + がもっと出る。濃いフッ化水素酸がふつうの弱酸より強くなるのはこのため。
答え (a) (3) ( [ H + ] = K 1 [ H F ] ) , (b) (2) ( [ H + ] = K 1 [ H F ] ( 1 + K 2 [ H F ] ) )
カ ボーキサイトの中の3つの酸化物のうち、NaOH(強い塩基)に溶けるのは、両性酸化物と酸性酸化物。
A l 2 O 3 は両性酸化物で、NaOH の液に溶けてテトラヒドロキシドアルミン酸イオン [ A l ( O H ) 4 ] − になる。S i O 2 は酸性酸化物で、加熱した NaOH の液と反応してケイ酸ナトリウム N a 2 S i O 3 になる。
F e 2 O 3 は塩基性酸化物で、塩基には溶けない。これが「不溶物」として取りのぞかれる。反応式は、原子の数(Al・Si・Na・O・H)がそろうように、水の数で調整する。
答え A l 2 O 3 と S i O 2 。 A l 2 O 3 + 2 N a O H + 3 H 2 O → 2 N a [ A l ( O H ) 4 ] , S i O 2 + 2 N a O H → N a 2 S i O 3 + H 2 O
キ 沈殿が最も多く得られるのは、溶けている錯イオンの合計が最も少ない pH。図2—2 は縦軸が 10 倍ずつの目盛りなので、合計はほぼ「そこで一番上にある線」で決まる。
中性の [ A l ( H 2 O ) 3 ( O H ) 3 ] はどの pH でも 10 − 4 で一定。そのほかに、酸性側では + 1 の [ A l ( H 2 O ) 4 ( O H ) 2 ] + が、塩基性側では − 1 の [ A l ( H 2 O ) 2 ( O H ) 4 ] − が残る。+ 1 の線は pH が 1 上がるごとに 10 分の 1、− 1 の線は 10 倍になる。
2 本の和がいちばん小さくなるのは、2 本が交わる所。図では pH 7 で、どちらも 10 − 5 。+ 2 ・+ 3 の線はそこではずっと下なので効かない。
+ 1 と − 1 の線が同じ傾きで逆向きなので、谷の底は2本の交点にぴったり来る。
ク ⑦:T i O 2 の O を C が C O 2 として持ち去り、あいた Ti に Cl が 4 つ付く。O 2 つには C 1 つ、Cl 4 つには C l 2 2 分子。
⑧:T i C l 4 の Cl 4 つを、Mg 2 つが M g C l 2 2 つとして受けとる。Mg は電子を出して Ti を還元する。
⑨:溶かした M g C l 2 を電気分解すると、陰極で Mg、陽極で C l 2 ができる。
全体:⑦+⑧+⑨×2 を足すと、C l 2 と Mg と M g C l 2 は左右で打ち消しあい、T i O 2 ・C・Ti・C O 2 だけが残る。塩素とマグネシウムは、ぐるぐる回って使い直されているだけ。
答え ⑦ T i O 2 + C + 2 C l 2 → T i C l 4 + C O 2 ⑧ T i C l 4 + 2 M g → T i + 2 M g C l 2 ⑨ M g C l 2 → M g + C l 2 全体 T i O 2 + C → T i + C O 2
ケ Mg はイオン化傾向(陽イオンへのなりやすさ)がとても大きく、M g 2 + は電子を受けとって金属にもどりにくい。
M g C l 2 の水溶液を電気分解すると、陰極では M g 2 + より先に水が電子を受けとって水素が出る(2 H 2 O + 2 e − → H 2 + 2 O H − )。いくら電気を流しても Mg はできない。
水の無い、融かした M g C l 2 なら、陰極で電子を受けとれるのは M g 2 + しかないので、Mg が得られる。アルミニウムを溶融塩電解でつくるのも同じ理由。
答え Mg はイオンになりやすく、水溶液を電気分解すると陰極では Mg 2 + より先に水が還元されて H 2 が出るだけで Mg が得られない。水の無い溶融塩なら Mg 2 + が還元される
コ 面心立方格子は、立方体の角と各面のまん中に原子がある形。図2—5 の3つの面に乗る原子の並び方を見くらべる。
(i) 立方体の面:角の 4 つとまん中の 1 つで、原子は正方形に並ぶ(すき間が大きい)。(ii) 向かい合う辺を通る長方形の面:正方形よりもっとまばら。(iii) 3 つの角を結ぶ三角形の面:角の原子と、3 つの面の中心の原子が乗り、原子が六角形にすき間なく並ぶ。これが最密充填面。
(iii) の三角形は、立方体の体の対角線(角から反対の角へ)に垂直な面。立方体の体の対角線は 4 本あるので、向きの違う最密充填面も 4 つ(平行な面は同じとして数える)。
最密充填面が 4 つの向きにあるので、Al はどの向きから力がかかってもすべりやすく、よくのびる。Ti はそれが 1 つしかないので、変形しにくい。
第3問 吸着で触媒の表面を数える/浸透圧で粒の大きさを量る 出題の意図(東大) 化学における様々な項目(化学平衡,気体の状態方程式,触媒,コロイド,分子間力,等電点)に関する基礎的な理解力と,これらの現象を与えられた情報とともに論理的かつ総合的に考察する力を問うことを意図しています。
東大の解答例(選ぶ問題だけ) Ⅰ ウ:(iii) 下の答えと全部一致
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 Ⅰは、アンモニア合成の平衡と、触媒の表面積を「気体がどれだけくっつくか(吸着量)」で数える話。窒素は分子のまま一層にくっつき、圧力を下げれば離れる(可逆)。水素は金属の原子の上でだけ H 原子に分かれて強くくっつき、離れない(不可逆)。この違いを使うと、窒素では触媒全体の表面積、水素では金属だけの表面の原子の数が分かる。
Ⅱ(p44 から)は水酸化鉄(Ⅲ)のコロイド(ふつうの分子より大きい粒が水に散らばった液)。粒の表面の –OH が pH によって H + を受けとったり手ばなしたりして、電荷が変わる(図3—5)。後半は、半透膜の U 字管の液面の差(浸透圧)から粒の数を数え、「質量の濃さ」とあわせて粒 1 個の重さ、そして大きさを出す。
浸透圧の式 Π = c R T (c は粒のモル濃度)が、分子でも大きな粒でも「粒の数」だけで決まることが、Ⅱの芯。
ア 平衡移動の原理は、ルシャトリエの原理(条件を変えると、その変化をやわらげる向きに平衡が動く)。
圧力:左は気体の分子が 1 + 3 = 4 個、右は 2 個。圧力を上げると、分子の数が減る向き(アンモニアができる向き)へ動く。
温度:右向きは 92.0 kJ の熱を出す発熱反応。温度を下げると、熱を出す向き(右)へ動く。
ところが、温度が低いと反応が遅すぎて、いつまでたっても平衡に着かない。反応を速くするには温度を上げる必要があり、平衡とは逆の要求になる。これが「困難な反応」の意味。
答え a ルシャトリエ、b 高、c 発、d 低、e 高
イ 図3—2 で、圧力を上げると吸着量が増え、やがて平らになる。平らになった所が、表面が窒素分子で一層にうめつくされた量(飽和吸着量)で、図から 112 mL(標準状態)と読める。
物質量は、標準状態で 1 mol が 22.4 L なので
112 × 10 − 3 22.4 = 5.00 × 10 − 3 m o l
分子の数は、これにアボガドロ定数をかける。1 分子が 0.160 n m 2 = 0.160 × 10 − 18 m 2 を占めるので、表面積は
5.00 × 10 − 3 × 6.02 × 10 23 × 0.160 × 10 − 18 m 2
わずか 1 g の触媒に、数百 m² の表面がある。細かい穴だらけの形だから。
答え 112 × 10 − 3 22.4 = 5.00 × 10 − 3 m o l , 5.00 × 10 − 3 × 6.02 × 10 23 × 0.160 × 10 − 18 = 4.8 × 10 2 m 2
ウ 水素は、担体と金属の両方に分子のまま弱くくっつく分(可逆)と、金属の上で原子に分かれて強くくっつく分(不可逆)がある。
1 回目の吸着では、両方の分がくっつく。圧力を下げると、可逆な分だけが離れ、金属の上の H 原子は残ったまま。2 回目に圧力を上げても、金属の席はもううまっているので、くっつくのは可逆な分だけ。3 回目以降も同じ。
だから、1 回目が大きく、2 回目以降はずっと小さい曲線になる図を選ぶ。(i) は 1 回目と 2 回目が同じ(全部可逆)、(ii) は 2 回目が遅れて同じ量まで来る形で、どちらも「離れない分がある」ことと合わない。
エ 図3—4 の (iii) から、1 回目は 200 mL、2 回目以降は 20 mL と読める。その差 180 mL が、金属の上に原子としてくっついて離れなかった水素。図の説明文にあるとおり、この体積は 300 K・1.01 × 10 5 Pa での値なので、p V = n R T で物質量にする:
n H 2 = 1.01 × 10 5 × 0.180 8.31 × 10 3 × 300 ≈ 7.29 × 10 − 3 m o l
H 2 1 分子は H 原子 2 個に分かれ、H 原子 1 個が表面の金属原子 1 個にくっつくので、表面の金属原子は 2 × 7.29 × 10 − 3 ≈ 1.46 × 10 − 2 mol。金属は全部で 5.00 × 10 − 2 mol なので、その割合を出す。
2 回目の 20 mL を引かずに 200 mL を使うと、金属以外にくっついて出入りする分まで数えてしまい、表面の原子を多く見積もる。
答え 金属に付いた H 2 =1 回目 − 2 回目 = 200 − 20 = 180 m L → 1.01 × 10 5 × 0.180 8.31 × 10 3 × 300 = 7.29 × 10 − 3 m o l → H 原子 1.46 × 10 − 2 m o l , 1.46 × 10 − 2 5.00 × 10 − 2 = 29 %
オ 吸着した窒素 N 2 は、N≡N の三重結合でつながっていて、とても切れにくい。アンモニアをつくるには、窒素分子を N 原子に分けて、水素と結びつけなければならない。
触媒の役目は、この三重結合を切って窒素分子を原子に分ける(解離させる)こと。それには大きなエネルギーが要るので、高温が必要になる。10 文字程度でまとめる。
答え 窒素分子を原子に解離させる(N≡N の三重結合を切る)
カ 図3—5 では、粒の表面の –OH が、H + が多いと H + を受けとって − O H 2 + (正)になり、O H − が多いと H + を取られて − O − (負)になる。
等電点(表面の電荷が全体で 0 になる pH)は 7.0。pH 3.0 はそれより H + がずっと多いので、右向きの反応が進み、粒の表面は正に帯びる。
電気泳動(液に電圧をかける)では、正に帯びた粒はマイナスの電極のほうへ引かれて動く。
答え 陰。pH 3.0 は等電点 7.0 より H + が多く、図3—5 の右向き(−OH + H + → −OH 2 + )が進んで粒の表面が正に帯電するから
キ pH 3.0 のコロイドでは、粒はどれも正に帯びていて、たがいに反発しあうので、集まらずに散らばっている。
水酸化ナトリウムを加えていくと、O H − が − O H 2 + から H + を取って –OH にもどすので、表面の正の電荷がだんだん減る。等電点 7.0 の近くで電荷がほぼ 0 になると、粒どうしの電気の反発が無くなり、ぶつかった粒がくっついて大きくなり、沈む(凝析)。
答え 加えた OH − が −OH 2 + の H + を取って −OH にもどし、表面の正の電荷が減る。等電点付近で電荷がほぼ 0 になると、粒どうしの電気的な反発が無くなって集まり(凝析)、沈むから
ク 液面の差 Δ h = 1.36 cm の水の柱の重さが、浸透圧とつりあっている。これを水銀柱にかえる。水銀は水の 13.6 倍重いので、同じ圧力の水銀柱は 1.36 13.6 = 0.100 cm。大気圧 1.01 × 10 5 Pa が水銀柱 76.0 cm なので
Π = 0.100 76.0 × 1.01 × 10 5 ≈ 1.33 × 10 2 P a
c = Π R T = 1.33 × 10 2 8.31 × 10 3 × 300
粒 1 個を「1 つの粒」として数えるので、粒がどれだけ大きくても、この式がそのまま使える。
答え Π = 1.36 / 13.6 76.0 × 1.01 × 10 5 = 1.33 × 10 2 P a , c = Π R T = 1.33 × 10 2 8.31 × 10 3 × 300 = 5.3 × 10 − 5 m o l / L
ケ 4 3 π r 3 = 4 3 × 3.14 × ( 1.00 × 10 − 8 ) 3 ≈ 4.19 × 10 − 24 m 3
1 m³ に鉄(Ⅲ)イオンが 4.00 × 10 4 mol なので、粒 1 個にふくまれる F e ( O H ) 3 は 4.00 × 10 4 × 4.19 × 10 − 24 ≈ 1.68 × 10 − 19 mol。
粒 1 mol(6.02 × 10 23 個)では、F e ( O H ) 3 が 1.68 × 10 − 19 × 6.02 × 10 23 ≈ 1.01 × 10 5 mol。F e ( O H ) 3 の式量は 55.8 + 3 × 17.0 = 106.8 なので、これをかけて粒 1 mol の質量になる。
答え 4 3 π r 3 = 4.19 × 10 − 24 m 3 , Fe は 1 個に 4.00 × 10 4 × 4.19 × 10 − 24 m o l → × 6.02 × 10 23 × 106.8 = 1.1 × 10 7 g
コ 実験の粒の 1 mol あたりの質量を、ク の結果から出して、ケ の値と比べる。
液面の差ができたとき、水は右から左へ移り、断面積 1.00 cm² で左は 0.68 cm 上がるので、左の液は 10.0 + 0.68 = 10.68 mL に薄まっている。粒の質量は 53.4 × 0.0100 = 0.534 g なので、質量の濃さは 0.534 10.68 × 10 − 3 ≈ 50.0 g/L。
粒 1 mol の質量は、質量の濃さ ÷ モル濃度で
50.0 5.33 × 10 − 5 ≈ 9.4 × 10 5 g
これは半径 1.00 × 10 − 8 m のとき(ケ)の値より小さい。粒 1 mol の質量は体積、つまり半径の 3 乗に比例するので、半径も 1.00 × 10 − 8 m より小さい(計算するとおよそ 4.4 × 10 − 9 m)。
答え 小さい。実験の粒 1 mol の質量は(左が 10.68 mL に薄まって 50.0 g/L) 50.0 ÷ 5.33 × 10 − 5 = 9.4 × 10 5 g で、半径 1.00×10 − 8 m の 1.1×10 7 g より小さい。1 mol の質量は半径の 3 乗に比例するので r 1 はおよそ 4.4×10 − 9 m
サ 質量の濃さが同じまま粒を大きくすると、粒 1 個が重くなるので、粒の数は減る。粒 1 個の質量は半径の 3 乗に比例するので、粒の数(モル濃度)は半径の 3 乗に反比例する。
浸透圧は粒の数に比例するので、Δ h はおよそ ( r 1 r ) 3 に比例して小さくなる。半径が 2 倍なら約 1 8 、3 倍なら約 1 27 。
図3—7 で、r 1 から右へ急に下がって 0 に近づいていく曲線を選ぶ。直線でゆっくり下がる (4) は、3 乗に反比例する急な減り方と合わない。(1)(2) は増え、(3) は変わらないので×。大きな粒のコロイドでは浸透圧がとても小さくなるので、浸透圧で大きさを量れるのは粒が小さいときに限られる。
答え (5)。質量濃度が同じなら粒の数(物質量)は 1 個の質量=半径の 3 乗に反比例し、浸透圧は粒の数に比例するので、 Δ h はおよそ ( r 1 / r ) 3 に比例して急に小さくなる