東大 過去問 2004年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2004年 理科「化学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化 学

第1問

Ⅰ 自然界には高圧下で起こる様々な化学変化や物理現象がある。例えば,地球内部での化学変化は数百万気圧に及ぶ圧力下で起こっている。近年,図1—1に示したダイヤモンドアンビルセルという簡便な装置を用いることにより,実験室においても百万気圧を超える超高圧を発生させることが可能となった。この装置では,図1—1のように金属板にあけた小さな穴の中に試料を充填し,これを上下から,もっとも硬い物質であるダイヤモンドで圧縮することにより超高圧を得る。

 ダイヤモンドアンビルセルを用いて酸素を圧縮する実験を行った。これについて以下の問ア〜エに答えよ。ただし,計算においてはその過程を明示し,答えは有効数字2桁で記すこと。また,気体定数 R=0.082 atm·l·K−1·mol−1,アボガドロ定数 NA=6.0×1023 mol−1 とする。

〔問〕

ア 実在気体は,理想気体の状態方程式

PV=nRT(1)

を完全には満たさない。ここで,P,V および n は気体の圧力,体積および物質量を表し,T は温度である。理想気体からのずれを表すパラメーター Z は,

Z=PVnRT(2)

で与えられ,理想気体では Z は常に1である。図1—2は,メタン,酸素について,温度 300K における P と Z の関係を示したものである。低圧において,Z<1 となる原因を50字程度で述べよ。

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イ 高圧では Z>1 となる原因を50字程度で述べよ。

ウ 温度 300K において,装置の試料空間に 10atm の酸素を封入した。この時,対向する2つのダイヤモンド面間の距離 d は 0.40mm であった。これを圧縮し,内部の圧力が 800atm に達したときの距離 d を求めよ。ただし,試料空間は常に直径 0.40mm の円柱であり,加圧による温度の変化はなく,酸素の漏れはないものとする。また,酸素は 10atm では理想気体とみなす。

エ さらに圧縮すると酸素は約10万気圧でオレンジ色の分子結晶となる。図1—3に示すように,この分子結晶は直方体の単位格子をもち,酸素分子の重心がその頂点および各面の中心に位置している。ダイヤモンド面間の距離 d が 0.0020mm の時にこの酸素分子結晶が生成されたとして,その単位格子の体積を求めよ。

図1—1 ダイヤモンドアンビルセル
図1—1 ダイヤモンドアンビルセル
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図1—2 Z と P の関係
図1—2 Z と P の関係
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図1—3 酸素分子結晶の構造
図1—3 酸素分子結晶の構造
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Ⅱ 1823年,ドイツの化学者デベライナーは,白金の粉末を酸素と水素の混合気体にさらすと,白金表面で水が生成することを発見した。この現象は,後に,スウェーデンの化学者ベルセリウスによって“触媒反応”と呼ばれるようになった。この反応について考えてみよう。

 酸素と水素の混合気体中に置かれた白金の表面では,それぞれの分子が解離して,酸素原子および水素原子として吸着している。白金表面の温度が高い場合には,これらの酸素原子と水素原子が反応し,次のように,反応中間体である OH を経て水分子を生成する。生成した水分子は白金表面から気体中に放出される。

O+H→k1OH(1) OH+H→k2H2O(2)

ここで,k1,k2 はそれぞれ反応(1),(2)の反応速度定数である。白金表面の酸素原子,水素原子の単位面積当りの物質量(表面濃度,単位は mol·cm−2)をそれぞれ [O],[H] とすると,例えば,反応(1)による OH の生成速度は気体反応と同様に,k1[O][H](単位は mol·cm−2·s−1)で表される。

 一方,白金表面の温度が低い場合には,白金表面に留まった水分子が,吸着している酸素原子と反応して次のように OH を生成する。

O+H2O→k32OH(3)

ここで,k3 は反応(3)の反応速度定数である。

 高温 T1 および低温 T2 におけるこれらの反応について,以下の問オ〜キに答えよ。ただし,高温 T1,低温 T2 における反応速度定数は表1のようであり,高温 T1 では反応(3)は起こらない。また,すべての反応は白金表面上でのみ起こるものとする。計算においてはその過程を明示し,答えは有効数字2桁で記すこと。

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表1 高温 T1,低温 T2 における反応(1),(2),(3)の反応速度定数
表1 高温 T_1,低温 T_2 における反応(1),(2),(3)の反応速度定数

〔問〕

オ 高温 T1 では,反応(1)によって生成した OH は,直ちに反応(2)によって水分子となる。このとき,反応(1)による OH の生成速度と反応(2)による OH の消費速度は等しいと考えてよい。今,何も吸着していない白金を高温 T1 に保ちながら酸素と水素の混合気体にさらすと,酸素原子および水素原子の表面濃度がそれぞれ [O]=6.2×10−10 mol·cm−2,[H]=2.5×10−9 mol·cm−2 になった。このときの水分子の生成速度を求めよ。ただし,酸素原子および水素原子の表面濃度は常に一定に保たれるものとする。

カ オの条件下で,OH の表面濃度 [OH] を求めよ。

キ 低温 T2 では,反応速度定数 k1 が極めて小さいため,反応(1)による OH の生成は起こらないと考えてよい。今,何も吸着していない白金を低温 T2 に保ちながら酸素と水素の混合気体にさらし,酸素原子と水素原子をオと同様に吸着させたところ,水の生成は見られなかった。これに対し,酸素原子,水素原子の表面濃度に比べてごく少量の水分子を追加して吸着させると,何が起こると予想されるか。理由と共に100字程度で述べよ。

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第2問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。

Ⅰ 以下の文を読み,問ア〜オに答えよ。

 ホタル石(CaF2)型構造とよばれる結晶構造をもつ酸化物は,酸化物イオン O2− が移動しやすく,その現象を利用して酸素センサーや酸素ポンプなどに応用されている。

 図2—1はホタル石型構造の単位格子を示している。ホタル石型構造では,陽イオンは立方体の各頂点と各面の中心に位置し,陰イオンは4個の陽イオンに囲まれた位置にある。ホタル石型構造をもつ ZrO2 に少量の CaO を混合して高温で熱すると,ホタル石型構造を保ったまま陽イオン位置に Zr4+ と Ca2+ が均一に分布した酸化物(Zr1−xCaxO2−y)となる。CaO は ZrO2 より陽イオン1個当りの O2− の数が少ないため,この酸化物では陰イオン位置に欠損(酸素空孔)が生じている。

 酸素空孔をもつ Zr1−xCaxO2−y を 800 ℃ 程度に加熱すると,酸素空孔を介して O2− が速やかに移動するようになる。この Zr1−xCaxO2−y を隔壁としてその両側に多孔質の白金電極を設け,酸素中 800 ℃ で両電極間に数 V の電圧をかけると,この隔壁は固体の状態で電解質として働くようになる。すなわち,酸素分子は陰極で還元されて O2− となってこの電解質に入り,その中を陽極へ移動し,陽極で酸化されて酸素分子に戻る。このような操作で陰極側から陽極側へ酸素を移動させることにより,酸素ポンプとして用いることができる。

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〔問〕

ア ホタル石型構造の単位格子には,陽イオンと陰イオンがそれぞれ何個存在するか。

イ ZrO2 と CaO が物質量(mol)の比で 0.85:0.15 である酸化物を合成した。この酸化物において,下線部①で示される酸素空孔は,陰イオン位置の何 % 存在しているか。結果だけでなく導く過程も記せ。

ウ 問イの酸化物において,1.00cm3 当りに含まれる酸素空孔の数を求めよ。ただし,単位格子の体積 a3 を 1.36×10−22 cm3 とし,有効数字2桁で示せ。結果だけでなく導く過程も記せ。

エ 下線部②の反応での,陰極と陽極における反応式を示せ。

オ 1.93A の電流を500秒間流すことにより,酸素を陰極側から陽極側へ移動させた。移動した酸素の体積は,1atm,800 ℃ で何 ml となるか,有効数字2桁で示せ。ただし,ファラデー定数を 9.65×104 C·mol−1,気体定数を 0.082 atm·l·K−1·mol−1 とする。結果だけでなく導く過程も記せ。

図2—1 ホタル石型構造の単位格子
図2—1 ホタル石型構造の単位格子

図では,各イオンの位置が模式的に示されている。

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Ⅱ 次の文章を読み,以下の問カ〜サに答えよ。必要があれば原子量として以下の値を用いよ。La:138.9 Sr:87.6 Cu:63.5 O:16.0

 銅を含んだ金属酸化物(以後,銅酸化物と略す)は,現在見つかっている物質の中で最高の温度で超伝導(電気抵抗が零となる現象)を示す物質が発見されるなど,興味深い物質群である。銅酸化物における超伝導の出現の条件は,酸素含有量と密接に結びついている。いま,超伝導を示す代表的な銅酸化物である La2−xSrxCuO4−y の酸素含有量を,ヨウ素の酸化還元滴定により求めてみよう。

 試料 La2−xSrxCuO4−y を過剰のヨウ化カリウム(KI)の存在下で酸性水溶液(たとえば,6 mol·l−1 の塩酸)に溶かすと,式(1)で示す反応が起こる。この水溶液において,La イオンおよび Sr イオンの価数はそれぞれ 3+ および 2+ であるが,Cu イオンは複数の価数をとり,その平均した値を (2+p)+ とする。また,CuI は難溶性の白色の沈殿である。

Cu(2+p)++(2+p)I−⟶CuI↓+{(1+p)/2}I2(1)

 次に,反応式(1)で生成したヨウ素(I2)を以下の反応によって,チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)水溶液で滴定する。

I2+2Na2S2O3⟶2NaI+Na2S4O6(2)

 このような操作で,遊離したヨウ素(I2)の量を測定することにより,La2−xSrxCuO4−y における酸素含有量を求めることができる。

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〔問〕

カ 反応式(2)における反応の終点を決めるためには指示薬が必要である。適切な指示薬を記せ。また,指示薬を加えた状態で,反応終点前後の色の変化を記せ。

キ 反応式(1)および(2)に基づいて,滴定に要した Na2S2O3 と試料中の Cu(2+p)+ の物質量 N(mol) の比 N(Na2S2O3)N(Cu(2+p)+) を求めよ。結果だけでなく求める過程も記せ。

ク 試料 La2−xSrxCuO4−y のモル質量を M(g·mol−1),試料の質量を W(g),滴定に要した Na2S2O3 水溶液の濃度および体積をそれぞれ C(mol·l−1) および V(l) とする。このとき,Cu(2+p)+ における p を M,W,C,V の関数で表せ。結果だけでなく求める過程も記せ。

ケ 試料 La2−xSrxCuO4−y は,全体として電荷をもたない中性の物質である。これに基づいて,y を x および p の関数で表せ。ただし,La,Sr,O のイオンの価数はそれぞれ 3+,2+,2− とする。結果だけでなく求める過程も記せ。

コ 試料 La2−xSrxCuO4−y のモル質量 M(g·mol−1) を x および p の関数で表せ。ただし,数字の部分は小数点以下1桁までとする。結果だけでなく求める過程も記せ。

サ このような手順で,Na2S2O3 水溶液の濃度 C(mol·l−1) がわかっていれば,試料の質量 W(g),滴定に要した Na2S2O3 水溶液の体積 V(l) を測定することにより,試料 La2−xSrxCuO4−y における銅イオンの価数 (2+p)+ が決まり,結果として酸素量 (4−y) を決定することができる。Cu(2+p)+ における p を試料の質量 W(g),滴定に要した Na2S2O3 水溶液の濃度 C(mol·l−1) と体積 V(l),および x の関数で表せ。ただし,数字の部分は小数点以下1桁までとする。結果だけでなく求める過程も記せ。

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第3問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。

Ⅰ ポリスチレンに関する次の文章を読み,問ア〜オに答えよ。

a)ポリスチレン試料 A,B,C がある。試料 A は,スチレンの重合実験によって合成した分子量未知の試料であり(注),また,試料 B は分子量が 2.00×104 のポリスチレンの標準試料である。一方,試料 C は少量の p-ジビニルベンゼンとともにスチレンを付加重合して合成した。これら3種類のポリスチレンを用いて,次の実験を行った。

 試料 A 50.0mg をトルエンに溶かして,溶液の全量が 100ml になるようにした。この溶液を,半透膜で仕切ったU字型容器の右側に入れた。また,半透膜の左側には,右側と同じ高さになるまでトルエンを入れた(図3—1)。溶媒が蒸発しないように工夫して 30 ℃ で十分に長い時間にわたり放置したところ,半透膜の両側の液面の高さに 5.5mm の差ができた。一方,試料 B 50.0mg をトルエンに溶かして 100ml にした溶液について,試料 A で行ったのと全く同じ実験を行った。半透膜の両側の液面差は 7.5mm であった。また,試料 C について同じ実験をしようとしたが,試料 C はトルエンに不溶であった。

図3—1 半透膜で仕切ったU字型容器
図3—1 半透膜で仕切ったU字型容器
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 (注) 重合体は一般にさまざまな分子量をもつ分子からなるが,この問題では,同じ分子量の分子からなるものと仮定せよ。

b)ポリスチレンに濃硫酸を作用させてイオン交換樹脂を作った。この樹脂をカラムに充填し pH 3.4 の緩衝液を十分に流した。カラムの上部にアラニン,リシン,グルタミン酸を少量の緩衝液(pH 3.4)に溶かしたものを入れ,次に,同じ緩衝液をカラムの上から少しずつ流したところ,はじめにアミノ酸 D が溶出し,次にアミノ酸 E が溶出した。ついで pH 9.2 の緩衝液をカラムの上から流したところアミノ酸 F が溶出した。

〔問〕

ア スチレンにおいて,結合角を図3—2のように定義する。炭素 C1 のまわりの3つの結合角の和(θ1+θ2+θ3)は,下線部①の重合反応において大きくなるか小さくなるかを記せ。また,この結合角の和は,重合体では何度か。次の中から最も近い値を一つ選んで記せ(405°,390°,375°,360°,345°,330°,315°)。

図3—2
図3—2

イ 下線部②で,半透膜の左側と右側のどちらの液面が高くなるかを記せ。また,液面に差ができる理由を15字以内で解答せよ。

ウ 下線部③で,試料 C はなぜトルエンに不溶なのか。15字以内で理由を解答せよ。

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エ a)における実験から求まる試料 A の分子量はいくらか。有効数字2桁で解答せよ。ただし,用いたポリスチレンのトルエン溶液は十分に希薄であり,また液面移動に伴う濃度変化は無視できるものとする。

オ アミノ酸 D,E,F の組み合わせとして正しいものを(1)〜(6)から一つ選び,番号で記せ。

(1) D. アラニン  E. リシン  F. グルタミン酸

(2) D. アラニン  E. グルタミン酸  F. リシン

(3) D. リシン  E. グルタミン酸  F. アラニン

(4) D. リシン  E. アラニン  F. グルタミン酸

(5) D. グルタミン酸  E. アラニン  F. リシン

(6) D. グルタミン酸  E. リシン  F. アラニン

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Ⅱ 次の文章を読み,以下の問カ〜シに答えよ。なお,構造式は例にならって解答せよ。

(例)

p21a

 分子式 C4H10O で表されるすべての異性体8種類を用意した。沸点の高い方から順番にこれらの化合物に 𝐀1,𝐀2,𝐀3,・・・と試料番号をつけると,沸点は以下の表に示すとおりであった。なお,𝐀3 と 𝐀4 の沸点は完全に同一であった。試料 𝐀1〜𝐀8 を用いて,以下に示す実験1を行い試料 𝐁1〜𝐁8 を得た。また,試料 𝐁1〜𝐁8 を用いて実験2の操作を行い,試料 𝐂1〜𝐂8 を得た。

p21b

実験1:𝐀1〜𝐀8 のそれぞれの試料に希硫酸酸性中,二クロム酸カリウムを穏やかな条件で作用させた後,有機成分を蒸留によって精製した。𝐀1 を用いた場合に得られた有機成分を 𝐁1,𝐀2 からのものを 𝐁2,以下同様に番号をつけて 𝐁8 までの試料が得られた。𝐁1〜𝐁8 の中で最も沸点が高かった試料では,実験1の操作前後で沸点に変化はなかった。

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実験2:𝐁1〜𝐁8 のそれぞれの試料に,十分な量のアンモニア性硝酸銀の水溶液を作用させた後,酸性にして,有機成分を蒸留によって精製した。𝐁1 を用いた場合に得られた有機成分を 𝐂1,𝐁2 からのものを 𝐂2,以下同様に番号をつけて 𝐂8 までの試料が得られた。𝐂1〜𝐂8 の中で最も沸点が高かった試料は 𝐂1 であった。

〔問〕

カ 試料 𝐀1〜𝐀5 と試料 𝐀6〜𝐀8 では沸点に大きな開きがある。その原因となる分子間力は何か。

キ 試料 𝐀1〜𝐀8 のうち,実験1で化学変化が起こったものは何種類か。また,化学変化した場合,反応の前後で,(あ) すべて沸点が高くなった,(い) すべて沸点が低くなった,(う) 沸点が高くなったものと低くなったものがある,のいずれが正しいか。記号で解答せよ。

ク 試料 𝐁1〜𝐁8 の中に同一の化合物はあるか。あれば,その構造式を示せ。

ケ 試料 𝐁1 の化合物の構造異性体の中には不斉炭素原子を有する化合物がいくつかある。そのうち一つの構造式を示せ。

コ A,B,C 各試料群の中で最も沸点の高い化合物の沸点をそれぞれ TA,TB,TC とする。不等号あるいは等号を用いて,沸点の大小関係を示せ。以下の解答例を参考に TA,TB,TC の関係が明確になるように記述すること。

 解答例:TA>TB>TC,TA=TB>TC

 不適切な例:TA<TB>TC(TA と TC の大小関係が不明)

サ A,B,C 計24個の試料の中には同一の化合物も存在する。この点を考慮し,24個すべての試料中には実際に何種類の化合物が存在するか解答せよ。

シ 多くの有機化合物には複数の水素原子が含まれているが,化合物中の水素原子の中には化学的性質が同一であり,等価なものも存在する。例えば,メタンやベンゼン,ジメチルエーテルなどの化合物では分子内に存在するすべての水素原子が等価であり,1種類の水素原子から成り立っているといえる。一方,ジメチルエーテルと同様2つのメチル基を有する酢酸メチルでは,メチル基の置かれている環境が異なるため,分子内に2種類の水素原子が存在する。また,ブロモエタンの場合にも,分子内に2種類の水素原子が存在することになる。𝐀1〜𝐀8 の8種類の化合物の中で,分子内の水素原子の種類が最も少ない化合物の構造式をすべて示せ。

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