東大 過去問 2024年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2024年 理科「化学」(東京大学公式サイト)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化  学

第1問 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

t1-0

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~カに答えよ。

 ①シュウ酸二水和物 HOOC−COOH·2H2O とエタノールからシュウ酸ジエチルを得るために以下の実験を行った。フラスコにシュウ酸二水和物の固体 42.0g を入れ,エタノール 100mL とベンゼン 140mL を加えてシュウ酸溶液を調製した。次に濃硫酸 0.50mL と沸騰石を加え,図1—1に示す実験装置で反応液が沸騰し続けるように加熱し十分な時間反応させたところ,目的のシュウ酸ジエチルを得ることはできたが,②エステル化を完全に進行させることはできなかった。

 そこで,同じ量の試薬を用い,図1—2に示す改良した実験装置を用意して同様の実験を行ったところ,エタノール,ベンゼンおよび水は蒸発し,生じた蒸気は側管内を上昇し,冷却器において凝縮して液だめ(図1—2)にたまった。反応時間の経過に伴い,液だめにたまる液体は③上層(ベンゼンとエタノールの混合物)と下層(水とエタノールの混合物)の二層に分離した。液だめの容積は反応液の体積よりも小さく,あふれた上層の液体は側管を通ってフラスコに戻った。十分な時間反応させると,④エステル化はほぼ完全に進行した。その後,⑤適切な分離操作を行ったところ,シュウ酸ジエチルが液体として高い収率(理論上の最大生成量に対して実際に得られた量のモル百分率)で得られた。

 このように,⑥反応の仕組みに基づき実験装置や操作を工夫すると,目的物を効率よく得ることができる。

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図1—1 改良前の実験装置
図1—1 改良前の実験装置
図1—2 改良後の実験装置
図1—2 改良後の実験装置

〔問〕

ア 下線部①の化学反応式を記せ。水和水は含めなくてよい。

イ 下線部②の理由を 2 行以内で簡潔に説明せよ。

ウ 下線部④について述べた以下の文章について,空欄aにあてはまる語句を記せ。また,3 つの化合物の構造式を全て記せ。

 反応の終了直後に,濃硫酸を中和する目的で水酸化ナトリウム水溶液を加えたところ,誤って過剰量を加えてしまい,aとよばれる反応が起きてシュウ酸ジエチルの収率が低下してしまった。これは,シュウ酸ジエチルから 3 つの化合物が生じたためであった。

エ 下線部⑤について,溶媒を用いた抽出以外の方法で,純粋なシュウ酸ジエチルを得るための方法を簡潔に述べよ。

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オ 下線部③について,下層の溶液の体積を測れば反応の進行度合いを知ることができる。ある時点においては,水とエタノールの混合物が 52.0mL 得られた。この混合物の組成は,水とエタノールを 1:1 の体積比で混合したものと同じであった。この時点では,全てのカルボキシ基のうち何%がエステル化されたと考えられるか。計算過程を示しつつ有効数字 2 桁で求めよ。

 ただし,シュウ酸二水和物は溶媒に完全に溶解し,水和水は溶媒の一部として振る舞う。ここではエステル化のみが進行し,水の移動はエステル化の進行より十分速く,フラスコ内の水は全て液だめに移るものとする。水の密度は 1.00g·cm−3 として計算せよ。実験に用いたエタノールの純度は 95.0%(体積百分率)で,残りの 5.0% は水である。液体の混合による体積変化,およびベンゼンまたは濃硫酸に含まれる水は無視してよい。

カ 下線部⑥に関して,濃硫酸を用いた酢酸とエタノールのエステル化では,エタノール由来の酸素原子のみが酢酸エチルの炭素—酸素単結合を形成する。これを確認するには,安定に存在する同位体を用いた実験を行えばよいと考えられる。では,どのような化合物を用意して,どのような実験を行えば確認できるか。2 ~ 3 行程度で具体的な手順を説明せよ。

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Ⅱ 次の文章を読み,問キ~コに答えよ。

 単糖は⑦分子式 CnH2nOn (n≧3) で表される化合物群であり,炭素原子数 n の直鎖状飽和炭化水素の全ての炭素原子に 1 つずつヒドロキシ基が結合した分子が,酸化された構造をもつ。多くの生物の体内には,グルコースなどの C6H12O6 の分子式をもつ単糖が大量に存在する。しかし同じ C6H12O6 の分子式をもち,生体内で重要な役割を果たす分子であるイノシトールは,⑧シクロヘキサンの全ての炭素原子に 1 つずつヒドロキシ基が付いた分子であり,単糖ではない。

 単糖は,アルデヒド構造(ホルミル基)をもつアルドースと,ケトン構造(カルボニル基)をもつケトースに分類され,いずれも塩基性水溶液中で加熱すると徐々に構造が変化する。例えばグルコースからは,化学的に不安定で酸化されやすい中間体Aを経由して,フルクトースとマンノースが徐々に生成する(図1—3)。

図1—3 グルコースの塩基性条件下での加熱による別の単糖の生成
図1—3 グルコースの塩基性条件下での加熱による別の単糖の生成

 一方,フルクトースの塩基性水溶液を加熱すると,上記の中間体Aを経由してグルコースとマンノースが,また化学的に不安定で酸化されやすい別の中間体Bを経由して,⑨ケトースであるプシコースなどが徐々に生成する(図1—4)。

図1—4 フルクトースの塩基性条件下での加熱による別の単糖の生成
図1—4 フルクトースの塩基性条件下での加熱による別の単糖の生成
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 フルクトースはケトースであるが,フェーリング液と混合,加熱するとすぐに反応して赤褐色沈殿を生じる。また,以下の実験結果 1,2 が知られている。

実験結果1 フルクトースがフェーリング液と反応して赤褐色沈殿を生じる速さは,アルドースであるグルコースとほぼ変わらない。

実験結果2 以下の化合物C,D,Eそれぞれをフェーリング液と反応させると,C,Dからは赤褐色沈殿が生じるが,Eからは赤褐色沈殿はほとんど生じない。

p33a

〔問〕

キ 下線部⑦に関して,C3H6O3 の分子式をもつ最小の単糖の構造式を,下の例にならって全て記せ。なお不斉炭素原子を含む場合には,その炭素原子に*を付けて示すこと。

p33b

ク 下線部⑧に関して,イノシトールにはb種類の立体異性体が存在し,その中で鏡像の関係にある異性体はc組存在する。b,cにあてはまる適切な数字をそれぞれ答えよ。なお,立体異性体の総数を数える際には,鏡像異性体はそれぞれ別の分子として数えよ。また,炭素—炭素単結合の回転により生じる異性体(配座異性体)については区別しないものとする。

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ケ 中間体A,Bは化学的に不安定で酸化されやすいという事実,及び実験結果 1 と 2 から,フェーリング液と反応して赤褐色沈殿を生じるために重要と考えられる単糖の化学構造(部分構造のみでよい)を記せ。また実験結果 2 で,化合物C,Dからは赤褐色沈殿が生じるが,化合物Eからは赤褐色沈殿がほとんど生じない理由を 50 字程度で説明せよ。なお,C6H12O6 の分子式で表される単糖は,水溶液中で直鎖状分子と環状分子の平衡混合物として存在していることが知られているが,本問ではどの単糖も直鎖状分子として存在する比率は同じであるとする。

コ 下線部⑨に関して,プシコースの構造式を,以下の図1—5(iii)に示した投影図にならって記せ。ただし,プシコースのカルボニル基の炭素原子の位置番号はフルクトースと同じである。

図1—5 グルコースの構造を表す方法
図1—5 グルコースの構造を表す方法
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第2問 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

元素 N,O,Cl,Ag,Au / 原子量 14.0,16.0,35.5,107.9,197.0

ファラデー定数 9.65×104C·mol−1

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~キに答えよ。

 両性金属(両性元素)である金属AとBは,酸および強塩基の水溶液のいずれに対しても反応し,気体を発生する。鉛も両性金属に分類されるが,他の両性金属に比べ①酸および強塩基の水溶液に対する反応性が低い。鉛(Ⅱ)イオン,Aの 2 価の陽イオン A2+,Bの 2 価の陽イオン B2+ のいずれかを含む中性から塩基性の水溶液に硫化水素を加えると,鉛(Ⅱ)イオンからは黒色沈殿が,A2+ からは白色沈殿が,B2+ からは灰黒色の沈殿がそれぞれ得られる。A2+ から得られる上記の白色沈殿を構成する物質の結晶構造中の原子Aと硫黄原子を全て炭素原子に置き換えると,ダイヤモンドと同様の構造になる。鉛(Ⅱ)イオンと A2+ のいずれかを含む水溶液に②二クロム酸カリウム水溶液を加えると,それぞれ③黄色沈殿が得られる。一方で,④B2+ を含む水溶液に硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液を加えると,Bの 4 価の陽イオン B4+ を生成し暗緑色の溶液が得られる。

〔問〕

ア 金属Aの元素記号を記せ。

イ 金属Bの元素記号を記せ。

ウ 下線部①に関して,十分量の希硫酸に鉛を加えると,はじめ気体が発生したが,その後固体が残っているにもかかわらず気体の発生が止まった。その理由を 20 字程度で説明せよ。

エ 下線部②に関して,赤橙色の二クロム酸イオンは水溶液中でクロムを含む黄色のイオンXと化学平衡にあり,溶液の pH によって平衡が移動する。Xの化学式を示し,この化学平衡を表すイオン反応式を記せ。

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オ 下線部③に関して,十分量の鉛(Ⅱ)イオンを含む水溶液に二クロム酸カリウム水溶液を加えると,二クロム酸鉛(Ⅱ)の沈殿ではなく,鉛(Ⅱ)イオンとイオンXからなる物質の黄色沈殿が生成し,溶液部分はほぼ無色になった。下線部の結果が得られた理由を以下の語句を全て用いて簡潔に説明せよ。

〔語句〕 平衡,溶解度

カ 下線部④のイオン反応式を B2+ と B4+ を用いて記せ。

キ 一般に,酸化作用のある化合物の水溶液の濃度はヨウ素還元滴定によって決定できる。この方法を用いて,ある過マンガン酸カリウム水溶液の正確な濃度を以下の手順で決定した。

 過マンガン酸カリウム水溶液 3.00mL に希硫酸を加え酸性にした後,十分量のヨウ化カリウム水溶液を加えた。反応が完結した後,デンプン水溶液を加えて濃青色の溶液を得た。この溶液に 2.00mol·L−1 のチオ硫酸ナトリウム水溶液を 3.40mL 滴下した時点で,溶液の色が無色に変化した。過マンガン酸カリウム水溶液の濃度〔mol·L−1〕を有効数字 2 桁で答えよ。

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Ⅱ 次の文章を読み,問ク~シに答えよ。

 金と銀は 11 族に属し,結晶の構造はいずれもaで,単位格子中に含まれる原子の数は 4 個である。金は銀よりもbが小さく,酸化されにくい性質をもつ。金は硝酸とは反応しないが,王水(注1)や⑤ヨードチンキ(注2)とは反応し溶解する。一方,⑥銀は硝酸と反応し,銀イオンとなり溶解する。

 金や銀などの貴金属は希少であるため,使用済みの電子機器などから溶解させて回収し再利用されている。⑦金を主成分とする金と銀の合金を王水に加えると,反応が起こり沈殿が生成する。沈殿からは銀を,⑧溶液からは金を回収できる。

(注1) 濃塩酸と濃硝酸を 3:1 の体積比で混合した溶液

(注2) ヨウ素 I2,ヨウ化カリウム KI,エタノールからなる溶液

 この溶液中におけるヨウ化物イオン I− と三ヨウ化物イオン I3− の間の平衡と,I3− の還元の化学反応式はそれぞれ以下の式(1),式(2)で与えられる。

I2+I−⇌I3−(1) I3−+2e−⟶3I−(2)

〔問〕

ク a,bに入る語句として最も適切なものを以下の語群から選べ。

〔語群〕 体心立方格子,面心立方格子,六方最密構造,イオン化傾向,電気陰性度,電子親和力

ケ 下線部⑤に関して,金はヨードチンキ中の I3− によって酸化され,金イオンと I− からなる錯イオンを形成し溶解する。ここでは,主に直線形の Au+ の錯イオンCと平面正方形の Au3+ の錯イオンDが存在する。金から錯イオンCおよびDを形成するそれぞれのイオン反応式を示せ。

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コ 下線部⑥に関連して,銀イオンを含むアンモニア水溶液では,以下の二段階の平衡(式(3),式(4))が存在する。式(5)は,式(3)と式(4)をまとめたものである。

Ag++NH3⇌[Ag(NH3)]+(平衡定数 K1〔mol−1·L〕)(3) [Ag(NH3)]++NH3⇌[Ag(NH3)2]+(平衡定数 K2〔mol−1·L〕)(4) Ag++2NH3⇌[Ag(NH3)2]+(平衡定数 K=1.11×107mol−2·L2)(5)

 銀を含む各イオンの存在割合とアンモニア濃度の関係が図2—1で与えられるとき,K1,K2 の値として最も適切なものを以下の(あ)~(お)の中からそれぞれ選べ。

(あ)1.2×103,(い)1.7×103,(う)3.3×103,(え)6.7×103,(お)9.2×103

図2—1 アンモニア濃度[NH_3]と銀を含む各イオンの存在割合の関係
図2—1 アンモニア濃度[NH3]と銀を含む各イオンの存在割合の関係

サ 下線部⑦に関して,銀を 7.00mg 含む合金 100.0mg を王水と反応させたところ,沈殿Eが 9.30mg 生成した。溶液中の金を精製したところ 93.0mg の純粋な金を回収できた。沈殿Eの質量から,Eの化学式を推定せよ。答えに至る計算過程も記せ。ただし,合金に含まれる金と銀は損失なく全て回収できたものとする。

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シ 下線部⑧に関して,金は Au3+ を還元することで金属単体として回収される。ある水溶液に含まれる Au3+ を金の単体に還元するために必要な亜硫酸ナトリウムの物質量は 3.00×10−4mol であった。一方,等量の Au3+ を含む水溶液から電気分解により金を全て析出させ回収するには,1.00A の電流を少なくとも何秒流せばよいか,有効数字 2 桁で答えよ。ただし,これらの還元反応では金イオンの還元のみが起こるものとする。なお,亜硫酸イオンが硫酸イオンに変化するイオン反応式は式(6)で与えられる。

SO32−+H2O⟶SO42−+2H++2e−(6)
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第3問 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

気体定数 R=8.31×103Pa·L·K−1·mol−1

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~エに答えよ。

 化学実験では,必要に応じて液体に溶解した気体を放出させる,脱気という操作を行う。以下では二酸化炭素 CO2 の水への溶解および放出を,ヘンリーの法則をもとに考える。ヘンリーの法則が成り立つとき,気体 1Pa あたり,液体 1L あたりに溶解する物質量をヘンリー定数 kH と呼ぶ。たとえば,280K での水に対する CO2 の kH は 0.0600×10−5mol·L−1·Pa−1 であり,これは 1L の水に 1.00×105Pa で接すると,0.0600mol の CO2 が溶解することを表す。kH は温度により変化し,一定圧力下でも温度により溶解する物質量が変化する。

 ここでは,すべての気体は①理想気体であるとする。気体の溶解による液体の体積変化,温度変化による液体の体積変化,水の蒸発および蒸気圧,CO2 と水の反応は考えないものとする。

 6.00mol の CO2 を 100L の水に溶解させた 280K の水溶液を 3 つ用意した。これらは,水面と接するようにピストンを設置することで,容器内に密閉してある。このあと,それぞれの水溶液に対して脱気に相当する以下の 3 つの実験を行った(図3—1)。

実験1:温度を 280K に保ったまま,ピストンをゆっくりと動かし,気体部分の体積が 69.8L となる位置で固定し,長時間静置した。

実験2:温度を 280K に保ったまま,ある物質量のアルゴン Ar の気体を容器内にすみやかに追加した。その後,ピストンをゆっくりと動かし,ある位置で固定して長時間静置したところ,気体の全圧が 1.00×105Pa となった。

実験3:温度を 280K に保ったまま,ピストンをゆっくりと動かし,気体部分の体積が 69.8L となる位置で固定した。その後,容器を加熱して温度を 280K からゆっくりと上昇させ,ある温度に保って長時間静置したところ,気体の圧力が 1.25×105Pa となった。

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図3—1 実験の概要
図3—1 実験の概要

〔問〕

ア 下線部①に関する以下の説明文において,a~dにあてはまる最も適切な語句をそれぞれ答えよ。

 理想気体の状態方程式では,標準状態における気体 1mol の体積は 22.4L であるが,実在気体ではこれとは異なる値になる。しかし,a温・b圧の条件では,実在気体を理想気体とみなすことができる。これは,a温では分子の熱運動が激しくなり,cを無視でき,b圧では単位体積中の分子の数が減り,dが無視できるようになるためである。

イ 実験1において,液体部分から気体部分に移動した CO2 の物質量〔mol〕を有効数字 2 桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。必要があれば,1.00×105Pa および 280K のとき,3.00mol の理想気体の体積が 69.8L であることを用いよ。

ウ 実験2において,容器に追加した Ar の物質量が(A) 1.00mol の場合および(B) 3.00mol の場合において,液体部分から気体部分に移動した CO2 の物質量〔mol〕として最も適切なものを,次の(1)~(6)からそれぞれ選べ。ただし,Ar の水への溶解は考えないものとする。

(1) 1.0mol

(2) 2.0mol

(3) 3.0mol

(4) 4.0mol

(5) 5.0mol

(6) 6.0mol

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エ 図3—2に絶対温度 T と水に対する CO2 のヘンリー定数 kH との関係を示す。ただし,図3—2(下)の横軸は 1/T である。図3—2を用い,実験3において気体の圧力が 1.25×105Pa となる温度〔K〕が含まれる範囲として最も適切なものを,次の(1)~(4)から選べ。答えに至る過程も簡潔に記せ。

(1) 290K 以上 310K 未満

(2) 310K 以上 330K 未満

(3) 330K 以上 350K 未満

(4) 350K 以上 370K 未満

図3—2(上)絶対温度Tと水に対するCO_2のヘンリー定数k_Hとの関係 (下)絶対温度の逆数1/Tと水に対するCO_2のヘンリー定数k_Hとの関係
図3—2(上)絶対温度Tと水に対するCO2のヘンリー定数kHとの関係 (下)絶対温度の逆数1/Tと水に対するCO2のヘンリー定数kHとの関係
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Ⅱ 次の文章を読み,問オ~ケに答えよ。

 酸塩基滴定における pH 変化に基づいて,リン酸緩衝液の緩衝作用を考える。25∘C において,0.0100mol·L−1 のリン酸 H3PO4 水溶液 10.0mL を,0.0100mol·L−1 の水酸化ナトリウム NaOH 水溶液で滴定したところ,図3—3に示す滴定曲線が得られた。②中性付近では,pH の変化が緩やかであることから緩衝作用が働いていることがわかる。一方,第一中和点と③第二中和点付近では,④pH の変化が大きいことから緩衝作用が働かないこともわかる。

 25∘C において,0.0100mol·L−1 の H3PO4 水溶液 10.0mL と 0.0100mol·L−1 の NaOH 水溶液emL を混合すると,pH 7.0 のリン酸緩衝液が得られた。ここで,リン酸緩衝液への温度の影響を考える。⑤リン酸二水素イオン H2PO4− の電離は吸熱反応であるため,温度変化に伴いリン酸緩衝液の pH は変化する。このため,使用する温度を考慮した緩衝液の調製が必要である。

 ここでは,中和により生成したナトリウム塩は完全に電離していると考えてよい。また,25∘C におけるリン酸の電離定数とその値の常用対数を表3—1に示す。

表3—1 25 ℃におけるリン酸の電離定数とその値の常用対数
表3—1 25 ℃におけるリン酸の電離定数とその値の常用対数
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図3—3 25 ℃におけるリン酸水溶液の滴定曲線
図3—3 25 ℃におけるリン酸水溶液の滴定曲線

〔問〕

オ 下線部②に関して,中性付近で緩衝作用が働いている理由を,H2PO4− とリン酸水素イオン HPO42− のイオン反応式を用いて説明せよ。

カ 下線部③に関して,第二中和点での pH を小数第 1 位まで計算せよ。答えに至る過程も記せ。ただし,HPO42− のリン酸イオン PO43− への電離は考えないものとする。なお,必要があれば,25∘C における水のイオン積 Kw=1.00×10−14mol2·L−2,および log102=0.301,log103=0.477,log107=0.845 を用いてよい。

キ 下線部④に関して,H3PO4 の第一中和点 pH 5.0 付近で緩衝作用を示す緩衝液を調製するには,H3PO4 の代わりにどのような電離定数の値をもつ酸を用いればよいか,理由とともに答えよ。

ク eにあてはまる数値を有効数字 2 桁で計算せよ。答えに至る過程も記せ。

ケ 下線部⑤に関して,25∘C で pH が 6.7 であるリン酸緩衝液を冷やすと,pH の値は大きくなるか小さくなるかを理由とともに答えよ。ただし,水のイオン積に対する温度の影響は考えないものとする。