東大 過去問 2018年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2018年 理科「化学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化 学

第1問

次の文章を読み,問ア~コに答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。構造式は例にならって示せ。

t1-atom
p24a

 二分子の α-アミノ酸の脱水縮合反応で得られるジペプチドにおいて,末端アミノ基と末端カルボキシ基の間でさらに分子内脱水縮合反応が進行すると,ジケトピペラジンとよばれる環状のペプチドが得られる。ジケトピペラジン類は多くの食品に含まれ,その味に影響することが知られている。また,いくつかのジケトピペラジン類は医薬品の候補としても注目されている。

p24b

 ジケトピペラジン類A,B,C,Dに関して,次の実験を行った。A,B,C,Dの構成要素となっている α-アミノ酸はすべて L 体である。側鎖(−R1,−R2)の構造は,次の①~⑧の候補から選ぶこととする。

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p25a

実験1:A,B,C,Dそれぞれに含まれるアミド結合を塩酸中で完全に加水分解したところ,A,C,Dからは二種類の α-アミノ酸が得られたが,Bからは一種類の α-アミノ酸のみが得られた。

実験2:A,B,C,Dそれぞれを十分な量のナトリウムとともに加熱融解し,A,B,C,Dを分解した。(i)エタノールを加えて残存したナトリウムを反応させた後に,水で希釈した。(ii)これらの溶液に酢酸鉛(Ⅱ)水溶液を加えると黒色沈殿が生じたのは,AとCの場合のみであった。

実験3:A,B,C,Dそれぞれを濃硝酸に加えて加熱すると,A,Bのみが黄色に呈色した。

実験4:A,B,C,DのうちBのみが,(iii)塩化鉄(Ⅲ)水溶液を加えると紫色に呈色した。

実験5:Aを過酸化水素水に加えると,分子間で a 結合が形成され,二量体を与えた。この結合は b 剤と反応させることで切断され,もとのAが得られた。

実験6:実験1におけるBの加水分解後の生成物を十分な量の臭素と反応させたところ,二つの臭素原子を含む化合物Eが得られた。

実験7:Cを完全燃焼させると,66.0mg の二酸化炭素と 24.3mg の水が生じた。

実験8:Dを無水酢酸と反応させたところ,化合物Fが得られた。

実験9:D,Fそれぞれの電気泳動を行った。Dは塩基性条件下で陽極側に大きく移動したが,中性条件下ではほぼ移動しなかった。一方で,Fは塩基性条件下でも中性条件下でも陽極側に大きく移動した。

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〔問〕

ア 下線部(i)について,エタノールとナトリウムとの反応の化学反応式を示せ。

イ 下線部(ii)の現象から推定される側鎖構造の候補を,①~⑧の中からすべて答えよ。

ウ 下線部(iii)の現象から推定される側鎖構造の候補を,①~⑧の中からすべて答えよ。

エ a,b にあてはまる語句をそれぞれ記せ。

オ A,Bの立体異性体は,それぞれいくつ存在するか答えよ。なお,立体異性体の数にA,B自身は含めない。

カ Eの構造式を示せ。

キ Cに含まれる炭素原子と水素原子の数の比を整数比で求めよ。答えに至る過程も記せ。

ク Cの構造について,①~⑧の数字で −R1,−R2 の組み合わせを答えよ。数字の順序は問わない。

ケ Dの構造について,①~⑧の数字で −R1,−R2 の組み合わせを答えよ。数字の順序は問わない。また,実験9の電気泳動において,Dが中性条件下でほぼ移動しなかった理由を簡潔に説明せよ。

コ Fの構造式を示せ。

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第2問

次の文章を読み,問ア~ケに答えよ。必要があれば表2—1および表2—2に示す値を用いよ。

 金属酸化物は,金属元素の種類に応じてさまざまな性質を示し,工業的には耐熱材料や触媒として有用である。表2—1は,Mg,Al,Ca,Ba の四つの元素からなる代表的な酸化物の特徴を示している。一般に金属酸化物を得るには,金属単体を酸化する方法や ①金属元素を含む化合物を加熱する方法がある。

 天然に産出する金属酸化物の中には,金属の単体を製造する際の原料として用いられるものがある。たとえば,②Al 単体は,融解した氷晶石に ③純粋な Al2O3 を少しずつ溶かし,融解塩電解することで得られる。④この融解塩電解では,用いる電解槽の内側を炭素で覆い,これを陰極とし,炭素棒を陽極としている。

表2—1 Mg,Al,Ca,Ba の各元素の代表的な酸化物の性質
表2—1 Mg,Al,Ca,Ba の各元素の代表的な酸化物の性質
表2—2 各元素の性質
表2—2 各元素の性質

〔問〕

ア 下線部①の例として,消石灰 Ca(OH)2 の水溶液に適量の CO2 を吹き込んで得られる白色沈殿を取り出し,これを強熱して生石灰 CaO が生じる反応があげられる。Ca(OH)2 から白色沈殿が生成する反応と,白色沈殿から CaO が生成する反応のそれぞれについて化学反応式を示せ。

イ MgO,CaO,BaO の結晶は,いずれも図2—1に模式的に示す NaCl 型の結晶構造をもつイオン結晶である。MgO の単位格子の一辺の長さ(図中の a)が 0.42nm であるとき,CaO の単位格子の一辺の長さを有効数字2桁で求めよ。ただし,O2− のイオン半径はどの結晶中でも同じものとする。

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図2—1 MgO,CaO,BaO の結晶構造の模式図
図2—1 MgO,CaO,BaO の結晶構造の模式図

ウ 物質の融点は,その物質を構成する粒子間にはたらく化学結合と深く関係する。MgO,CaO,BaO の結晶のうち最も融点の高いものを推定し,化学式とともに,その理由を記せ。

エ 表に基づき,Al の単体を酸化して Al2O3 を得るときの酸化物と単体の体積比(=酸化物の体積÷単体の体積)を,有効数字2桁で求めよ。

オ 下線部②における Al の単体は,Al3+ を含む水溶液の電気分解では得ることができない。その理由を簡潔に説明せよ。

カ 下線部③における純粋な Al2O3 は,天然のボーキサイトを精製することで得られる。バイヤー法とよばれる精製法では,ボーキサイトを濃水酸化ナトリウム水溶液に加熱溶解させる。その際,水酸化ナトリウムはボーキサイトに含まれる Al2O3·3H2O と反応する。その反応の化学反応式を示せ。

キ 問カの反応で生成する水溶液の pH を調整すると,錯イオン [Al(H2O)m(OH)n](3−n)+ が生成しうる。m+n=6 で表わせる錯イオンのうち,n=2 のときのすべての幾何異性体の立体構造を描け。ただし,H2O と OH− の立体構造は考慮しなくてよい。

ク 下線部④において,陽極で CO と CO2 が発生した。それぞれが発生する際の陽極での反応を電子 e− を用いた反応式で示せ。

ケ 下線部④において,陽極の炭素が 72.0kg 消費され,陰極で Al が 180kg 生成した。また,陽極では CO と CO2 が発生した。このとき,発生した CO2 の質量は何 kg か,有効数字3桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。

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第3問

次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

気体定数 R=8.3×103Pa·L/(K·mol)

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~オに答えよ。

 濃度 9.0×10−2mol/L の塩酸 2.0L に,気体のアンモニアを圧力 1.0×105Pa のもとで毎分 0.20L の速度で溶かした。アンモニアの導入を開始した時刻を t=0 分とし,t=40 分にアンモニアの供給を止めた。t=40 分から濃度 1.0mol/L の水酸化ナトリウム水溶液を毎分 10mL の速度で滴下し,t=80 分に止めた。この水溶液に a mol の塩化アンモニウムを溶解させたところ,水素イオン濃度は 1.0×10−9mol/L となった。

 気体のアンモニアは理想気体とし,アンモニアと塩化アンモニウムはすべて水溶液に溶けるものとする。また,アンモニアの溶解による溶液の体積変化は無視できるものとし,すべての時刻において温度は 27∘C で一定であり,平衡が成立しているものとする。

 アンモニアは水溶液中で以下のような電離平衡にある。

NH3+H2O⇌NH4++OH−

 この平衡における塩基の電離定数 Kb は,

Kb=[NH4+][OH−][NH3]=1.8×10−5mol/L

で与えられる。

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〔問〕

ア t=10 分における水素イオン濃度を有効数字2桁で求めよ。答えに至る過程も記せ。

イ アンモニウムイオン NH4+ は,水溶液中で次の電離平衡にある。

NH4+⇌NH3+H+

 アンモニウムイオンの電離定数 Ka を有効数字2桁で求めよ。

 ただし,水のイオン積 Kw は,Kw=[H+][OH−]=1.0×10−14(mol/L)2 とする。

ウ t=40 分における水素イオン濃度を有効数字2桁で求めよ。答えに至る過程も記せ。

エ t=0 分から t=80 分における pH の変化の概形として最も適当なものを図3—1の(1)~(6)のうちから選べ。

図3—1 t に対する pH の変化
図3—1 t に対する pH の変化

オ a にあてはまる数値を有効数字2桁で求めよ。

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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~コに答えよ。

 メタンは,化石資源である天然ガスの主成分として産出される。天然ガスを冷却して液体にしたものは液化天然ガスとよばれ,運搬が容易であり,広く燃料として利用されている。メタンは,化学工業における重要な原料でもある。Ni などの触媒を使って高温でメタンと水蒸気を反応させることにより,一酸化炭素と水素が製造されている。この反応をメタンの水蒸気改質反応とよぶ。さらに,一酸化炭素と水素を,Cu と ZnO を成分とする触媒を使って反応させることにより,メタノールが工業的に合成されている。

〔問〕

カ 一定圧力のもとで理想気体の温度を下げていくと,その体積はシャルルの法則にしたがって直線的に減少し,絶対温度 0K で体積は 0 になる。横軸を絶対温度,縦軸を体積とした理想気体のグラフを図3—2に破線で示した。一方,実在気体では,臨界点より低く三重点より高い一定圧力のもとで,温度を下げていくと,分子間力のために温度 T1 で凝縮して液体になる。さらに温度を下げて温度 T2 に達すると,凝固し固体になる。図3—2を解答用紙に描き写し,絶対温度に対する実在気体およびその液体と固体の体積の変化を示すグラフを,理想気体との違いがわかるように同じ図の中に実線で描け。

図3—2 物質の絶対温度と体積の関係
図3—2 物質の絶対温度と体積の関係
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キ メタンの水蒸気改質反応を化学反応式で示せ。

ク 一酸化炭素と水素からメタノールを合成する反応は,以下の式1で表すことができる。

CO(気)+2H2(気)⇌CH3OH(気)(式1)

 この反応を利用したメタノールの合成が,高圧下で行われる理由を説明せよ。

ケ 2L の密閉容器に,1.56mol の一酸化炭素,2.72mol の水素および触媒を封入して,ある温度に保った。式1において,平衡に達したとき,0.24mol の水素が残っていた。このとき,容器内に存在する一酸化炭素およびメタノールの物質量をそれぞれ求めよ。

コ 室温で,CO(気)の生成熱が 110kJ/mol,CO2(気)の生成熱が 394kJ/mol,H2(気)の燃焼熱が 286kJ/mol,CH3OH(液)の燃焼熱が 726kJ/mol,CH3OH(液)の蒸発熱が 38kJ/mol であるとき,式1で 1mol の CH3OH(気)を合成するときの反応熱を求めよ。反応熱を求めるために必要な熱化学方程式を示し,答えに至る過程も記せ。さらに,式1のメタノール生成反応は,発熱反応か吸熱反応かを答えよ。