東大 過去問 2022年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2022年 理科「化学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化 学

第1問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。構造式は,Ⅰでは[構造式の例Ⅰ]に,Ⅱでは[構造式の例Ⅱ]にならって示せ。

p26a

標準状態(273 K,1.01×105 Pa)における水素 1 mol の体積:22.4 L

p26b
p26c

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~オに答えよ。

 油脂Aはグリセリン(1,2,3-プロパントリオール)1分子に対し,分岐のない高級脂肪酸3分子が縮合したエステル化合物である。Aに含まれる炭素間二重結合はすべてシス形であり,三重結合は含まれない。Aの化学構造を決定するため,以下の実験を行った。

 なお,図1—1に示すように,炭素間二重結合にオゾン O3 を作用させると環状化合物であるオゾニドが生成し,適切な酸化的処理を行うとカルボン酸になる。一方,適切な還元的処理を行うとアルコールになる。また,カルボン酸をジアゾメタン CH2N2 と反応させると,図1—2に示すようにカルボキシ基がメチル化される。

図1—1 炭素間二重結合のオゾン分解(R^1,R^2:炭化水素基など)
図1—1 炭素間二重結合のオゾン分解(R1,R2:炭化水素基など)
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図1—2 ジアゾメタンによるカルボン酸のメチル化(R^3:炭化水素基など)
図1—2 ジアゾメタンによるカルボン酸のメチル化(R3:炭化水素基など)

実験1:2.21 g のAを水酸化ナトリウムと反応させて完全に加水分解したところ,グリセリン 230 mg と2種類の脂肪酸(飽和脂肪酸Bと不飽和脂肪酸C)のナトリウム塩が生成した。

実験2:2.21 g のAを白金触媒存在下で水素と十分に反応させたところ,標準状態換算で 168 mL の水素を消費し,油脂Dが得られた。Aは不斉炭素原子をもつが,Dは不斉炭素原子をもたなかった。

実験3:Cにオゾンを作用させ,酸化的処理を行った。生じた各種カルボン酸をジアゾメタンと反応させたところ,次の3種類の化合物が得られた。

p27a

実験4:Cをジアゾメタンと反応させた後に,オゾンを作用させ還元的処理を行ったところ,次の3種類の化合物が得られた。

p27b

〔問〕

ア 油脂Aの分子量を有効数字3桁で答えよ。

イ 脂肪酸BとCの分子式をそれぞれ示せ。

ウ BとCの融点はどちらのほうが低いと考えられるか答えよ。さらに,分子の形状と関連付けて,理由を簡潔に説明せよ。

エ 実験4を行わず,実験1~3の結果からCの化学構造を推定したところ,一つに決定できなかった。考えうるCの構造式をすべて示せ。

オ 実験1~3に加えて実験4の結果も考慮に入れると,Cの化学構造を一つに決定できた。Aの構造式を示せ。

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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~ケに答えよ。

 C5H10 の分子式をもつ4種類のアルケンE~Hに対して実験5と6を行った。また,実験6の生成物に対して実験7~9を行った。なお,それぞれの反応中に二重結合の移動や炭素骨格の変化は起きないものとする。立体異性体は考慮しなくてよい。

実験5:E~Hに対して白金触媒を用いた水素の付加反応を行うと,EとFからは化合物Iが,GとHからは化合物Jが得られた。

実験6:E~Hに対して酸性条件下で水の付加反応(以下,水和反応)を行うと,EとFからはアルコールKが,GからはアルコールLがそれぞれ主生成物として得られた。HからはアルコールLとアルコールMの混合物が得られた。E,F,Gへの水和反応は,主生成物以外に少量のアルコールN,O,Pをそれぞれ副生成物として与えた。

解説1:実験6の結果はマルコフニコフ則に従っているが,この経験則は炭素陽イオン(以下,陽イオン)の安定性によって説明できる(図1—3)。アルケン(a)への水素イオンの付加は2種類の陽イオン(b)と(c)を与える可能性があるが,陽イオン(b)のほうがより安定である。これは,①水素より炭化水素基のほうが陽イオンに電子を与える性質が強いからである。その結果,陽イオン(b)から生じるアルコール(d)が主生成物となる。

図1—3 水和反応の例とマルコフニコフ則の概要(R^4:炭化水素基)
図1—3 水和反応の例とマルコフニコフ則の概要(R4:炭化水素基)
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実験7:二クロム酸カリウム K2Cr2O7 を用いて6種類のアルコールK~Pの酸化を試みたところ,Kだけが酸化されなかった。

実験8:K~Pの中で,LとNだけがヨードホルム反応に陽性を示した。

実験9:K~Pを酸性条件下で加熱すると水の脱離反応(以下,脱水反応)が進行し,いずれの化合物からも分子式 C5H10 のアルケンが得られた。

解説2:図1—4に実験9の脱水反応の概要を示す。この反応はアルコール(f)から生じる陽イオン(g)を経由するが,陽イオン(g)から速やかに水素イオンが脱離することでアルケン(h)が生成する。すなわち,②脱水反応の速度は陽イオン(g)の生成速度によって決まる。なお,③安定な陽イオン(g)ほど生成しやすくその生成速度は速いと考えてよい。

図1—4 脱水反応の概要(\mathrmR^5\sim8:水素か炭化水素基)
図1—4 脱水反応の概要(R5~8:水素か炭化水素基)

解説3:実験9の脱水反応が2つ以上の異なるアルケンを与える可能性がある場合,炭素間二重結合を形成する炭素上により多くの炭化水素基が結合したアルケンの生成が優先することが一般的である。この経験則はザイツェフ則と呼ばれている。

〔問〕

カ 化合物IとJの構造式をそれぞれ示せ。

キ アルコールK~Pの中から不斉炭素原子をもつものすべてを選び,該当する化合物それぞれの記号と構造式を示せ。

ク アルコールK~Pの中で,脱水反応が最も速く進行すると考えられるのはどれか,記号で答えよ。下線部①~③を考慮すること。

ケ アルケンE~Hのなかで,それぞれに対する水和反応とそれに続く脱水反応が元のアルケンを主生成物として与えると考えられるのはどれか,該当するすべてを選び記号で答えよ。ただし,マルコフニコフ則およびザイツェフ則が適用できる場合はそれらに従うものとする。

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第2問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

p30a

アボガドロ定数 NA=6.02×1023 /mol,気体定数 R=8.31×103 Pa·L/(K·mol)

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~オに答えよ。

 ①火力発電の燃料として,天然ガスよりも石炭を用いる方が,一定の電力量を得る際の二酸化炭素 CO2 排出が多いことが問題視されている。そこで,②アンモニア NH3 を燃料として石炭に混合して燃焼させることで,石炭火力発電からの CO2 排出を減らす技術が検討されている。

 従来 NH3 は,主に天然ガスに含まれるメタン CH4 と空気中の窒素 N2 から製造されてきた。③その製造工程は,以下の3つの熱化学方程式で表される反応により,CH4(気)と N2(気)と H2O(気)から,NH3(気)と CO2(気)を生成するものである。

(反応1)CH4(気)+H2O(気)=CO(気)+3H2(気)−206 kJ (反応2)CO(気)+H2O(気)=H2(気)+CO2(気)+41 kJ (反応3)N2(気)+3H2(気)=2NH3(気)+92 kJ

 ④このように得られる NH3 は,燃焼の際には CO2 を生じないものの,製造工程で CO2 を排出している。発電による CO2 排出を減らすために石炭に混合して燃焼させる NH3 は,CO2 を排出せずに製造される必要がある。

 そこで,太陽光や風力から得た電力を使い,水の電気分解により得た水素を用いる NH3 製造法が開発されている。

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〔問〕

ア 下線部①に関して,石炭燃焼のモデルとして C(黒鉛)の完全燃焼反応(反応4),天然ガス燃焼のモデルとして CH4(気)の完全燃焼反応(反応5)を考える。C(黒鉛) 1.0 mol,CH4(気) 1.0 mol の完全燃焼の熱化学方程式をそれぞれ記せ。ただし,生成物に含まれる水は H2O(液)とする。また,反応4により 1.0 kJ のエネルギーを得る際に排出される CO2(気)の物質量は,反応5により 1.0 kJ のエネルギーを得る際に排出される CO2(気)の物質量の何倍か,有効数字2桁で答えよ。

イ 下線部②に関して,NH3(気)の燃焼反応(反応6)からは N2(気)と H2O(液)のみが生じるものとする。C(黒鉛)と NH3(気)を混合した燃焼(反応4と反応6)により 1.0 mol の CO2(気)を排出して得られるエネルギーを,反応5により 1.0 mol の CO2(気)を排出して得られるエネルギーと等しくするためには,1.0 mol の C(黒鉛)に対して NH3(気)を何 mol 混ぜればよいか,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も示せ。

ウ 下線部③の製造工程により 1.0 mol の NH3(気)を得る際に,エネルギーは吸収されるか放出されるかを記せ。また,その絶対値は何 kJ か,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も示せ。

エ CO2 と NH3 を高温高圧で反応させることで,肥料や樹脂の原料に用いられる化合物Aが製造される。1.00 トンの CO2 が NH3 と完全に反応した際に,1.36 トンの化合物Aが H2O とともに得られた。化合物Aの示性式を,下記の例にならって記せ。

  示性式の例:CH3COOC2H5

オ 下線部④に関して,下線部③の製造工程により 1.0 mol の NH3(気)を得る際に排出される CO2(気)の物質量を有効数字2桁で答えよ。また,この CO2 排出を考えたとき,反応6により 1.0 kJ のエネルギーを得る際に排出される CO2(気)の物質量は,反応5により 1.0 kJ のエネルギーを得る際に排出される CO2(気)の物質量の何倍か,有効数字2桁で答えよ。

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Ⅱ 次の文章を読み,問カ~コに答えよ。

 金属イオン Mn+ は,アンモニア NH3 やシアン化物イオン CN− などと配位結合し,錯イオンを形成する。金属イオンに配位結合する分子やイオンを配位子とよぶ。図2—1に NH3 を配位子とするさまざまな錯イオンの構造を示す。銅イオン Cu2+ の錯イオン(a)は4配位で正方形をとる。⑤錯イオン(b)は2配位で直線形,錯イオン(c)は6配位で正八面体形,錯イオン(d)は4配位で正四面体形をとる。

 正八面体形をとる錯イオンは最も多く存在し,図2—2に示すヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン [Fe(CN)6]4− はその一例である。鉄イオン Fe3+ を含む水溶液にヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸カリウム K4[Fe(CN)6] を加えると,古来より顔料として使われるプルシアンブルーの濃青色沈殿が生じる。図2—3に,この反応で得られるプルシアンブルーの結晶構造を示す。⑥Fe2+ と Fe3+ は 1:1 で存在し,CN− の炭素原子,窒素原子とそれぞれ配位結合する。鉄イオンと CN− により形成される立方体の格子は負電荷を帯びるが,格子のすき間にカリウムイオン K+ が存在することで,結晶の電気的な中性が保たれている。しかし,K+ の位置は一意に定まらないため,図2—3では省略している。⑦格子のすき間は微細な空間となるため,プルシアンブルーは気体やイオンの吸着材料としても利用される。

図2—1 NH_3 を配位子とする錯イオン
図2—1 NH3 を配位子とする錯イオン
図2—2 ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン [Fe(CN)_6]^4- \mathrmFe^2+ に結合する6つの CN^- を示している。
図2—2 ヘキサシアニド鉄(Ⅱ)酸イオン [Fe(CN)6]4− Fe2+ に結合する6つの CN− を示している。
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図2—3 プルシアンブルーの結晶構造 周期的に配列する鉄イオンとシアン化物イオンの一部を取り出した構造である。\mathrmFe^2+ と \mathrmFe^3+ は CN^- を介して結合するが,左図では CN^- を省略し,\mathrmFe^2+ と \mathrmFe^3+ を実線で結んでいる。右図は,\mathrmFe^2+ に結合する6つの CN^- と,これらの CN^- に結合する6つの \mathrmFe^3+ を示している。
図2—3 プルシアンブルーの結晶構造 周期的に配列する鉄イオンとシアン化物イオンの一部を取り出した構造である。Fe2+ と Fe3+ は CN− を介して結合するが,左図では CN− を省略し,Fe2+ と Fe3+ を実線で結んでいる。右図は,Fe2+ に結合する6つの CN− と,これらの CN− に結合する6つの Fe3+ を示している。

〔問〕

カ 下線部⑤に示した錯イオン(b),(c),(d)について,中心の金属イオンとして最も適切なものを,以下の(1)~(3)の中から一つずつ選べ。

 (1) Co3+,(2) Zn2+,(3) Ag+

キ Cu2+ を含む水溶液に,少量のアンモニア水を加えると,青白色沈殿が生じる。⑧この青白色沈殿に過剰のアンモニア水を加えると,錯イオン(a)が生じる。下線部⑧に対応するイオン反応式を記せ。

ク 下線部⑥より,プルシアンブルーを構成する K,Fe,C,N の割合を,最も簡単な整数比で示せ。

ケ 図2—3に示すように,隣接する鉄イオン間の距離は 0.50 nm である。プルシアンブルーの密度は何 g/cm3 か,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も示せ。

コ 下線部⑦について,プルシアンブルー 1.0 g あたり,300 K,1.0×105 Pa に換算して 60 mL の窒素 N2 が吸着した。図2—3に示す一辺が 1.00 nm のプルシアンブルーの中に,N2 が何分子吸着したか。小数点第1位を四捨五入して整数で答えよ。答えに至る過程も示せ。N2 は理想気体とみなしてよいものとする。

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第3問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。必要があれば以下の値を用いよ。

p34a

気体定数 R=8.31×103 Pa·L/(K·mol)

Ⅰ 次の文章を読み,問ア~カに答えよ。

 地球温暖化対策推進のため,二酸化炭素 CO2 排出の抑制は重要な課題である。日本の主要産業の一つである製鉄では,溶鉱炉中でコークスを利用した①酸化鉄 Fe2O3 の還元反応によって銑鉄を得る方法が長年採用されているが,近年 CO2 排出抑制に向けて,水素を利用した還元技術を取り入れるなど,さまざまな取り組みがなされている。

 一方で,排出された CO2 を分離回収,貯留・隔離するための技術開発も盛んにおこなわれている。回収した CO2 を貯留する手段として海洋を用いる方法がある(図3—1)。海水温は,大気と比較して狭い温度域(0~30 ∘C 程度)に維持されており,海洋は膨大な CO2 貯蔵庫として機能しうる。CO2 をパイプで海水中に送り込み,ある水深で海水に放出することを考える。CO2 は 15 ∘C,1.00×105 Pa では気体であり(図3—2),②水深の増加に伴って,放出時の CO2 密度 ρ〔g/L〕は増加する。③ある水深以降では,CO2 は液体として凝縮された状態で放出される。液体 CO2 は,浅い水深では上昇するが,④深い水深では下降するので,液体 CO2 を深海底に隔離することができる。

 海水面の圧力は 1.00×105 Pa,海中では,水深の増加とともに 1 m あたり圧力が 1.00×104 Pa 増加するものとする。海水温は水深にかかわらず 15 ∘C で一定とする。また,放出時における CO2 の温度,圧力は周囲の海水の温度,圧力と等しく,気体 CO2 や液体 CO2 の海水への溶解は無視するものとする。

図3—1 排出 CO_2 の海洋への貯留・隔離
図3—1 排出 CO2 の海洋への貯留・隔離
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図3—2 CO_2 の状態図
図3—2 CO2 の状態図

〔問〕

ア 下線部①に関して,高炉法はコークスと酸素の反応により得られる一酸化炭素 CO を用いた製鉄法であり,⑤Fe2O3 を CO で段階的に還元し,Fe3O4,FeO を経て最終的に鉄 Fe を得る。下線部⑤における反応の化学反応式をすべて記せ。

イ 下線部⑤の反応により,Fe2O3 から Fe を 7.50×107 トン(日本の2019年銑鉄生産量に相当)生成する際に排出される CO2 は何トンか,有効数字2桁で答えよ。答えに至る過程も記せ。

ウ 下線部②に関して,水深 10.0 m で放出される CO2 の密度 ρ は何 g/L か,有効数字2桁で答えよ。ただし,CO2 は理想気体としてふるまうものとする。答えに至る過程も記せ。

エ 下線部③に関して,CO2 が液体として放出される最も浅い水深は何 m か,有効数字1桁で答えよ。

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オ 下線部④に関する以下の説明文において,a ~ c にあてはまる語句をそれぞれ答えよ。

 CO2 分子の間に働く分子間力は a であり,低圧では分子間の距離が長く,高圧にすると単位体積当たりの分子数が増加する。一方,H2O 分子の間には b による強い分子間力が働くので,低圧においても分子間の距離が短く,高圧にしても単位体積当たりの分子数があまり変化しない。高圧となる深海では,CO2 と H2O で単位体積当たりの分子数が近くなる。一方で,構成元素の観点から CO2 のほうが H2O より c が大きい。よって,このような深海では CO2 密度 ρ〔g/L〕は H2O の密度より高くなり,CO2 は H2O が主成分の海水中で自然に下降する。

カ CO2 放出水深と CO2 密度 ρ〔g/L〕の関係を示した最も適切なグラフを,以下の図3—3に示す(1)~(5)の中から一つ選べ。

図3—3 CO_2 放出水深と CO_2 密度(実線——),海水密度(破線……)の関係
図3—3 CO2 放出水深と CO2 密度(実線——),海水密度(破線……)の関係
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Ⅱ 次の文章を読み,問キ~シに答えよ。

 抗体(Ab)はタンパク質であり,特定の分子に結合する性質をもつ。病気に関連した分子に対するAbは,医薬品として用いられる。例えば炎症の原因となるサイトカイン(Ck)という分子にAbが結合すると,Ckの作用が不活性化されるため,Ckに対するAbは炎症にかかわる病気の治療薬として使用されている。

 CkとAbは式1の可逆反応で結合し,複合体 Ck·Ab を形成する(図3—4)。

Ck+Ab⇌Ck·Ab(式1)

 反応は水溶液中,温度一定で起こり,Ck,Ab等の濃度は,[Ck],[Ab] 等と表すこととする。また,Abの初期濃度 [Ab]0 はCkの初期濃度 [Ck]0 に対して十分に大きく,反応によるAbの濃度変化は無視できる([Ab]=[Ab]0)ものとする。

 式1の正反応と逆反応の反応速度定数をそれぞれ k1,k2 とすると,各反応の反応速度 v1,v2 はそれぞれ,v1=k1[Ck][Ab],v2=k2[Ck·Ab] と表される。ここで,[Ab]=[Ab]0 であることに注意すると,Ck·Ab の生成速度 v は,

   v=v1−v2= d

と表される。このとき,α= e,β= f とおくと,

v=−α[Ck·Ab]+β

と表され,v を [Ck·Ab] を変数とする一次関数として取り扱うことができる。これにより,[Ck·Ab] の時間変化の測定結果から,α を求めることができる。さらに,α は [Ab]0 に依存するので,⑥さまざまな [Ab]0 に対して α を求めることで,k1,k2 を得ることができる(図3—5)。

図3—4 CkとAbの反応の模式図
図3—4 CkとAbの反応の模式図
図3—5 [Ab]_0 と \alpha の関係
図3—5 [Ab]0 と α の関係
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 反応が十分に進行すると,v1=v2 の平衡状態に達する。ここで,[Ab]=[Ab]0 であるので,平衡定数 K は,

   K=k1k2= g

と表される。このとき,CkのAbへの結合率 X は,

   X=[Ck·Ab][Ck]0= h

と表すことができ,どの程度のCkを不活性化できたかを表す指標となる。X の値は [Ab]0 によって変化する(図3—6)。目標とする X の値を得るために必要な [Ab]0 の値を見積もるためには,⑦K の逆数である 1/K がよく用いられる。

 ⑧用いるAbの種類によって k1,k2 は異なり,これにより平衡状態での [Ck·Ab] や平衡状態に達するまでの時間などが異なる(図3—7)。Abを医薬品として用いる際には,⑨これらの違いを考慮して,適切な種類のAbを選択することが望ましい。

図3—6 [Ab]_0 と平衡状態での X の関係
図3—6 [Ab]0 と平衡状態での X の関係
図3—7 Ck水溶液にさまざまなAbを加えた際の [\mathrmCk\cdotAb] の時間変化
図3—7 Ck水溶液にさまざまなAbを加えた際の [Ck·Ab] の時間変化
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〔問〕

キ d ~ f にあてはまる式を,k1,k2,[Ck·Ab],[Ck]0,[Ab]0 のうち必要なものを用いてそれぞれ表せ。

ク 下線部⑥に関して,図3—5に示す結果から,k1〔Lmol−1s−1〕,k2〔s−1〕の値をそれぞれ有効数字1桁で答えよ。

ケ g にあてはまる式を [Ck·Ab],[Ck]0,[Ab]0,また,h にあてはまる式を K,[Ab]0 を用いてそれぞれ表せ。

コ 下線部⑦に関して,1/K は濃度の単位をもつ。図3—6の横軸上で,1/K に対応する濃度を,(Ⅰ)~(Ⅲ)の中から一つ選び,理由とともに答えよ。

サ 下線部⑧に関して,表3—1に異なる3種類のAb(Ab1~Ab3)の反応速度定数を示す。Ck水溶液にAb1を加えた際の [Ck·Ab] の時間変化を測定したところ,図3—7の破線のようになった。この結果を参考に,同様の測定をAb2,Ab3を用いて行った場合に対応する曲線を,図3—7の(ⅰ)~(ⅳ)の中からそれぞれ一つずつ選べ。なお,測定に使用した [Ck]0,[Ab]0 はそれぞれ,すべての測定で同一とする。

表3—1 3種類のAb(Ab1~Ab3)の反応速度定数
表3—1 3種類のAb(**Ab1**~**Ab3**)の反応速度定数

シ 下線部⑨に関して,Ck水溶液に表3—1のAbを加える際,より低い [Ab]0 で,かつ短時間に X=0.9 の平衡状態を得るために適切なものを,Ab1~Ab3の中から一つ選べ。また,このとき必要となる [Ab]0 は何 molL−1 か,有効数字1桁で答えよ。