京大 過去問 2022年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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京都大学 一般選抜 個別学力検査 2022年度 理科(化学)(京都大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題意図等(京都大学の公表資料)

京都大学の利用の条件について

京都大学は「京都大学入試問題等の利用について」(平成31年4月)で、入試問題と出題意図等を、決められた3つの条項に従うことを条件に、ネットに載せることも含めて許可している。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

お知らせ

解答・解説・シミュレーションは、すべて AI で作成しています。京都大学が公表した解答ではありません。

京都大学が「出題意図等」で解答例を公表している小問は、それと照らし合わせています。作成に使ったものとは別のAIでも全問を点検し、見つかった誤りを直しています。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化 学  (4 問題 100 点)

化学問題 Ⅰ

 次の文章(a),(b)を読み,問 1〜問 6 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。問題文中の L はリットルを表す。原子量は,H=1.0,O=16,Ca=40,Cr=52,Sr=88,Ba=137 とする。[X] は,物質 X のモル濃度を示し,単位は mol/L である。

(a) 周期表の 2 族に属する元素は,すべて金属元素である。2 族元素の原子は価電子を 2 個もち,価電子を放出して二価の陽イオンになりやすい。これらの単体は,同じ周期の 1 族に属する元素の単体に比べて,融点が ア {高く・低く},密度が イ {大きい・小さい}。

 2 族元素のうち,カルシウム,ストロンチウム,バリウム,ラジウムは特に性質がよく似ており,ウ と呼ばれる。ウ は,イオン化傾向が大きく,その単体は,常温で水と反応して,気体の エ を発生し,水酸化物になる。

 表 1 は,水酸化カルシウム,水酸化ストロンチウム,水酸化バリウムの,各温度での水への溶解度を示している。これら 3 つの水酸化物を温水にいれ,冷却したときに何が起こるかを見てみよう。なお,この実験において,空気中の二酸化炭素の水溶液への溶解や,水溶液からの水分の蒸発は無視できるものとする。

表1 各温度における各水酸化物の溶解度(g/100 g 水)
表1 各温度における各水酸化物の溶解度(g/100 g 水)
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 100 g の温水が 80 ℃ に保たれた 3 つのビーカー(i),(ii),(iii)を用意し,5.0 g の水酸化カルシウムをビーカー(i)に,5.0 g の水酸化ストロンチウムをビーカー(ii)に,5.0 g の水酸化バリウムをビーカー(iii)に添加し,温度を保ちつつよく混ぜた。これら 3 つの試料を 20 ℃ まで冷却,静置した後,ビーカーの底の沈殿をとりだし,室温で十分に乾燥させた。これらの試料(以下,沈殿乾燥試料と呼ぶ)について,質量を測定したところ,ビーカー(i)では オ g,ビーカー(ii)では カ g,ビーカー(iii)では 2.3 g であった。これら 3 つの値のうち 2 つは,表 1 にしたがって,沈殿乾燥試料が水酸化カルシウム,水酸化ストロンチウム,水酸化バリウムであるとして計算した時の質量と異なっていた。

 この原因は,3 つの水酸化物のうち,2 つは以下の式(1)のように,沈殿が n 水和物となるためである。M はカルシウム,ストロンチウム,バリウムのいずれかである。また,n は M に対応した個別の値をとり,正の整数である。

M2++2OH−+nH2O⟶M(OH)2·nH2O↓(1)

 このような水和物の n の値を求めるため,対象試料の温度を一定の速度で上昇させ,質量変化を測定する方法がある。水酸化物の n 水和物は,ある温度になると水和水が一段階で全て脱水し,さらに温度が上昇すると,それぞれの水酸化物の無水物は一段階で全量が酸化物と水に分解するものとする。各反応は 1200 ℃ 以下で生じ,生じた水は蒸発するため,この分が質量減少として測定でき,その結果から n の値を求めることができる。

 3 つの沈殿乾燥試料について,温度を一定の速度で上昇させながら質量(初期質量に対する百分率)を測定すると,次のページの図 1 に示すような結果が得られた。温度上昇に伴って,ある温度になると質量減少が生じている。

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図1 3 つの沈殿乾燥試料の質量減少分析結果
図1 3 つの沈殿乾燥試料の質量減少分析結果
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問 1 ア,イ に入る適切な語句を,{  } の中からそれぞれ選択し答えよ。また,ウ に適切な語句を,エ に適切な化学式を答えよ。

問 2 図 1 (A)〜(C)に関連する元素の組み合わせとして,適切なものを,以下の(あ)〜(か)より選択せよ。

(あ) (A)—カルシウム,(B)—ストロンチウム,(C)—バリウム

(い) (B)—カルシウム,(C)—ストロンチウム,(A)—バリウム

(う) (C)—カルシウム,(A)—ストロンチウム,(B)—バリウム

(え) (A)—カルシウム,(C)—ストロンチウム,(B)—バリウム

(お) (B)—カルシウム,(A)—ストロンチウム,(C)—バリウム

(か) (C)—カルシウム,(B)—ストロンチウム,(A)—バリウム

問 3 オ,カ に入る数値を有効数字 2 けたで求めよ。

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(b) 周期表の 6 族に属するクロムは,銀白色の光沢のある金属である。主要なクロム鉱石の成分の組成式は,FeCr2O4 で示される。クロム鉱石からクロム酸塩を製造する一例として,FeCr2O4 を,酸素が十分に存在し,水分のない条件で炭酸ナトリウムと加熱する方法があり,これによって,クロムは全量がクロム酸ナトリウムとなり,鉄は全量が酸化鉄(Ⅲ)となる。

 ここで,pH が 2 以上で,クロム酸の水溶液中での挙動を考えてみよう。まず,クロム酸(H2CrO4)は,式(2)のように完全に電離する。生じたクロム酸水素イオン(HCrO4−)は,さらに式(3)のように一部が電離し,クロム酸イオン(CrO42−)を生じる。また,HCrO4− は式(4)に従って一部が二クロム酸イオン(Cr2O72−)になる。また式(3)と式(4)から式(5)が導かれる。水溶液中では,主にこれら 3 種のクロムを含むイオンが存在し,平衡状態を保っている。

H2CrO4⟶H++HCrO4−(2) HCrO4−⇌H++CrO42−,K1=[CrO42−][H+][HCrO4−]=1.25×10−6 mol/L(3) 2HCrO4−⇌Cr2O72−+H2O,K2=[Cr2O72−][HCrO4−]2=60 L/mol(4) 2H++2CrO42−⇌Cr2O72−+H2O(5)

ただし,K1, K2 はそれぞれ,式(3),式(4)の平衡定数である。

 水に加えられた H2CrO4 中のクロム原子の全物質量を水溶液の体積で割った値を [Cr]TOTAL [mol/L] とすると,pH が 2 以上で,[Cr]TOTAL は 3 種のイオンに含まれるクロム原子の水溶液中でのモル濃度の和であることから,[Cr]TOTAL は K1, K2, [H+], [CrO42−] を用いて,式(6)のように示すことができる。

[Cr]TOTAL=[CrO42−](キ+ク×1K1+ケ×[CrO42−]K12)(6)
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 図 2 は,横軸に pH,縦軸に log10[Cr]TOTAL をとったものである。図中には線 A,線 B,線 C のうち 2 つの線にはさまれた領域が 3 つある。これは,pH や [Cr]TOTAL に依存して,3 種のイオンのうち,各領域に表示されたイオンが最も多く存在することを示している。線 A は HCrO4− と CrO42− が,線 B は HCrO4− と Cr2O72− が,線 C は CrO42− と Cr2O72− が,同じ濃度になる線である。

 図 2 における 3 つの線やその交点に関連する pH やイオン濃度を求めると,線 A 上での pH は −log10(コ) となる。この関係は [Cr]TOTAL には依存しないので,線 A は縦の直線となる。また,線 B 上での [Cr2O72−] は サ mol/L である。さらに,線 C 上での [CrO42−] は,[H+] を用いて式(7)のように示される。

[CrO42−]=シ×1[H+]2(7)

 線 A,線 B,線 C が交わる点 D では,3 種のイオン濃度が同じになり,このときの各イオンの濃度は,サ mol/L であり,[Cr]TOTAL は ス mol/L となる。

図2 pH と \log_10[Cr]_TOTAL の関係
図2 pH と log10[Cr]TOTAL の関係
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問 4 下線部の化学反応式を示せ。

問 5 キ に入る正の整数,および ク,ケ に入る適切な式を示せ。

問 6 コ〜ス に入る数値を有効数字 2 けたで答えよ。ただし,シ には,単位をつけて答えよ。

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化学問題 Ⅱ

 次の文章(a),(b)を読み,問 1〜問 7 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。問題文中の L はリットルを表す。[X] は,物質 X のモル濃度を示し,単位は mol/L である。数値は有効数字 2 けたで答えよ。

(a) 混ざり合わない 2 種類の溶媒(溶媒 1,溶媒 2 とする)を用いた,物質の抽出操作において,両溶媒に可溶な溶質は 2 つの溶媒間を移動する。移動が平衡に達したとき,両溶媒に溶けている溶質の濃度比 P は,定温条件下で一定値を示し,この値 P を分配係数と呼ぶ(図 1)。したがって,溶質が両溶媒中で同じ分子として存在するならば,両層に分配される溶質の物質量比は両溶媒の体積比によって決まる。

図1
図1

 では,溶質が両溶媒中で異なる状態で存在する場合はどうなるだろうか。例として,トルエンと水を溶媒として用いた,ある 1 価の弱酸 HA の分配を考える。弱酸 HA は水層中で式(1)のように解離する。300 K における HA の電離定数は 2.5×10−5 mol/L である。

HA⇌A−+H+(1)

 また,トルエン層中に溶解した HA は水素結合により会合して,式(2)のように二量体 (HA)2 を形成する。300 K における式(2)の平衡定数を Kc [L/mol] とする。

2HA⇌(HA)2(2)
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 0.10 L の緩衝液(pH 4.0)に n [mol] の弱酸 HA が溶解した水溶液を分液ろうとに入れ,さらに 0.10 L のトルエンを加え,よく振り混ぜたあと 300 K で十分な時間静置した。トルエン層と水層を分離し,トルエン層に移動した HA の物質量(a [mol])を測定した。その結果から,水層中の HA および A− の総物質量(b [mol] =n−a)を求めた。

 水とトルエンはまったく混ざらないものとし,溶質の溶解による溶液の体積変化は無視できるとする。また,トルエン層中では HA は電離せず,水層中での会合も起きないとする。さらに,水層中で電離したイオン A− および H+ はトルエン層に移動せず,同様に二量体は水層へ移動しないとする。pH 4.0 の水層中における電離していない HA の濃度を [HA]w とすると,水層中の A− の濃度は [A−]w= ア ×[HA]w と表せる。また,トルエン層における単量体としての HA の濃度を [HA]t とすると,二量体 (HA)2 の濃度は [(HA)2]t= イ と表せる。したがって下線部の実験により得られた HA の物質量 a と b の比は以下の式(3)により表せる。

ab=ウ(3)

 電離していない HA の単量体はトルエン層と水層の間を移動する。移動が平衡に達したとき,両層間の濃度比,すなわち分配係数 PHA=[HA]t[HA]w は定温において一定となる。PHA を用いて式(3)を整理すると式(4)の関係が得られる。

ab=0.8PHA+エ×KcPHA2[HA]w(4)

 水層中の HA および A− のうち,オ % が HA として存在することから,式(4)は式(5)のように表せる。

ab=0.8PHA+カ×KcPHA2b(5)
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問 1 下線部において,物質量 a および b の値を求めるため,次の実験を行った。分離したトルエン層を蒸発皿に移した後,加熱することでトルエンだけを完全に蒸発させた。蒸発皿に残った物質の質量は m [g] であった。HA の分子量を M とし,物質量 b を求める数式を n, m, M を用いて表せ。ただし,緩衝液に用いた物質はトルエン層に移動せず,加熱による HA の蒸発や分解は起きないものとする。

問 2 ア と エ〜カ に適切な数値を,また,イ と ウ に [HA]w,[HA]t,Kc を用いた適切な式を,それぞれの解答欄に記入せよ。ただし,弱酸 HA の解離による水溶液の pH の変化は無視できるものとする。

問 3 様々な物質量の HA に対して下線部の操作を行ったときの,物質量 b と物質量比 ab の関係を図 2 に示した。図中の ● は各測定によって得られた実験値を表す。トルエン層と水層の間における HA の分配係数 PHA の値を答えよ。

図2
図2
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問 4 以下の文章は,下線部の操作を緩衝液の代わりに純水を用いて HA の濃度を変えた実験について述べたものである。キ〜ケ に適切な語句を,{  } の中からそれぞれ選択し答えよ。

 水層中では,弱酸 HA の濃度増加により,HA の電離度は キ {大きくなる・小さくなる・変化しない}。また,トルエン層中では HA の濃度増加により,HA の会合度(トルエン層に溶解したすべての分子 HA の数に対する二量体を形成した分子 HA の数の割合)は,ク {大きくなる・小さくなる・変化しない}。したがって,分液操作前の HA の物質量 n の増加により,ab の値は ケ {大きくなる・小さくなる・変化しない}。

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(b) 塩化ナトリウム(NaCl)を純水に溶解し,1.00 L の濃度 x [mol/L] の希薄溶液を調製した。図 3 に示すように,上部が開いた管内部の断面積が 4.0 cm2 の U 字管の底部に水だけを通す半透膜を設置した。大気圧下で,調製した NaCl 水溶液から 100 mL を左側の管に,100 mL の純水を右側の管に入れた。温度 300 K において,U 字管に NaCl 水溶液および純水を入れた直後は,水面の高さは同じであった。その後,右の純水側から左の水溶液側に水が流入し,水面の高さが変化し始めた。変化が止まった際の水面の高さの差は 5.0 cm であった。そのとき,移動した水の体積は コ cm3 である。ここで,水溶液の密度は純水のそれと等しいとし,高さ 1.0 cm の水柱の圧力は 100 Pa とする。

図3 半透膜を設置した U 字管における純水と水溶液間の水の移行現象
図3 半透膜を設置した U 字管における純水と水溶液間の水の移行現象
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問 5 コ に当てはまる適切な数値を答えよ。

問 6 調製した NaCl 水溶液の濃度 x [mol/L] を答えよ。なお,気体定数は 8.31×103 Pa·L/(K·mol) とする。

問 7 次の条件のみを変えた場合,水面の高さの差は条件を変える前(5.0 cm)と比べてどのように変化するか,(あ)〜(う)から選び,その記号を記入せよ。

(i) 温度を上げた場合

(あ) 短くなる

(い) 変化しない

(う) 長くなる

(ii) U 字管の断面積を大きくした場合

(あ) 短くなる

(い) 変化しない

(う) 長くなる

(iii) 等量のショ糖を水溶液と純水にそれぞれさらに添加した場合

(あ) 短くなる

(い) 変化しない

(う) 長くなる

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化学問題 Ⅲ

 次の文章(a),(b)を読み,問 1〜問 6 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。構造式は,記入例および図 1,図 2 にならって記せ。

3ex

(a) 図 1 に示すように,テレフタル酸ジクロリドと p-フェニレンジアミンを用いた縮合重合により,強度や耐熱性に優れた合成繊維が得られる。一般にこのような芳香族ポリアミド系合成繊維は ア 繊維と呼ばれ,防弾チョッキや防火服に用いられている。

図1
図1

 テレフタル酸ジクロリドのような,カルボニル基に塩素原子が結合した構造(−CO−Cl)をもつ化合物を酸クロリドと呼ぶ。また,アミノ基(−NH2)をもつ化合物を第一級アミンと呼ぶ。酸クロリドは第一級アミンと速やかに反応し,イ の生成を伴ってアミド結合を形成することから,さまざまな低分子化合物の合成にも用いられる(図 2)。

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図2
図2

 第一級アミン A,B,C と酸クロリド D について,(あ)〜(う)の情報が得られている。

(あ) アミン A と酸クロリド D を反応させると,アセトアニリドが得られた。

(い) アミン B と酸クロリド D を反応させると,分子式 C5H11NO で表されるアミドが得られた。

(う) アミン C は不斉炭素原子を 1 つもち,分子式 C9H11NO2 で表される芳香族化合物である。アミン C を酸クロリド D と反応させるとアミド E が得られた。アミド E を完全に加水分解すると,酢酸,メタノール,ベンゼン環をもつアミノ酸が得られた。

問 1 ア に当てはまる適切な語句と,イ に当てはまる適切な化学式を記入せよ。

問 2 アミン A および酸クロリド D の構造式をそれぞれ記せ。

問 3 アミン B として考えられる構造式をすべて記せ。

問 4 アミン C の構造式を記せ。ただし,鏡像異性体は区別しない。

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(b) 分子内に −CO−Cl を 2 つもつ化合物を酸ジクロリドと呼ぶ。第一級アミン F と酸ジクロリド G を反応させると,アミド結合を 2 つもち,分子式 C8H16N2O2 で表される化合物 H が得られた。化合物 H を部分的に加水分解することで,アミン F と,1 つのアミド結合と 1 つのカルボキシ基をもつ化合物 I が得られた。化合物 I とフェノールを用いて脱水縮合反応を行うと,分子式 C12H15NO3 で表されるエステル J が得られた。化合物 F,G,H はいずれも不斉炭素原子をもたず,化合物 I,J は不斉炭素原子を 1 つもつ。

問 5 アミン F および酸ジクロリド G の構造式をそれぞれ記せ。

問 6 エステル J の構造式を記せ。ただし,鏡像異性体は区別しない。

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化学問題 Ⅳ

 次の説明文と文章(a),(b)を読み,問 1〜問 6 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。

 単糖はアルドースとケトースの 2 種類に大別される。図 1 (i)にアルドースの一般式を示す。炭素数が 3 のアルドースである L-グリセルアルデヒドは分子内に不斉炭素原子を 1 つ含み,図 1 (ii)のように示される。太線(くさび)は紙面の手前側に向かう結合を,破線は紙面の奥側に向かう結合を示す。また,図 1 (iii)のような表記法もあり,左右方向の結合は紙面の手前側に向かう結合を,上下方向の結合は紙面の奥側に向かう結合を示すことにより,図 1 (ii)と同じ構造を表している。

図1 アルドースの一般式(i)と L-グリセルアルデヒドの表記法(ii)および(iii)
図1 アルドースの一般式(i)と L-グリセルアルデヒドの表記法(ii)および(iii)

(a) グルコースをアルカリ溶液で処理すると,グルコースが反応し,不安定なエンジオール構造を含む反応中間体を介して,グルコース,アルドース A,フルクトースからなる平衡混合物となる(図 2)。

図2 グルコースの反応((1)〜(6)で示した炭素をそれぞれ C1〜C6 と定める)
図2 グルコースの反応((1)〜(6)で示した炭素をそれぞれ C1〜C6 と定める)
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問 1 図 1 (i)における炭素数が 4(すなわち n=2)のアルドースが五員環構造を形成した場合,五員環構造の異性体の数を記せ。ただし,鏡像異性体は区別するものとする。

問 2 アルドース A の鎖状構造を,図 1 (iii)の表記法を使って記せ。ただし,−CHO が上となる向きで表記せよ。

問 3 二糖である B,C,D は,図 3 の(ア)〜(オ)いずれかの構造をもつ。情報(あ)〜(う)をもとに,二糖 B,C,D として適切な構造を(ア)〜(オ)から選び,それぞれ記号で答えよ。

(あ) B および D は銀鏡反応を示すが,C は銀鏡反応を示さない。

(い) C および D は,それぞれ 2 分子のアルドースが脱水縮合した二糖である。B は,1 分子のアルドースと 1 分子のケトースが脱水縮合した二糖である。

(う) D を構成する 2 種類のアルドースは,C1 炭素以外のある 1 箇所の炭素に結合する −OH の立体配置が異なっている。

図3
図3
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(b) ある反応剤 X を糖に作用させると,図 4 の網かけ部分に示す部分構造が存在する場合にのみ,C—C 結合の切断が起こる。また,そうして得られる生成物に図 4 の網かけ部分で示される部分構造が含まれる場合には,さらに続けて C—C 結合の切断が起こる。たとえば,1 mol の L-グリセルアルデヒドを十分量の反応剤 X で処理すると,最終的には 2 mol のギ酸と 1 mol のホルムアルデヒドが生成する。グルコースおよびフルクトースをそれぞれ十分量の反応剤 X で処理したところ,いずれの場合も最終的には炭素数 1 の化合物のみが生成した。 このような手法により,反応剤 X で処理した最終生成物を分析することで,糖の構造を推定できる。

図4 反応剤 X を用いた反応
図4 反応剤 X を用いた反応

 β 型グルコースの C1 炭素上の −OH が −OCH3 に置き換わった化合物 E(図 5)は β 型の非還元糖である。化合物 E に十分量の反応剤 X を作用させると,図 4 に示す反応形式に従って,2 種類の化合物 F,G が得られた。化合物 F の分子量は化合物 G より大きかった。また,別の実験として,炭素数 5 のアルドースであり環

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構造をとる化合物 H について,C1 炭素上の −OH を −OCH3 へと置換し,環構造をもつ β 型の化合物 I を得た。化合物 I に反応剤 X を作用させると,化合物 F のみが得られた。

図5 化合物 E の構造式
図5 化合物 E の構造式

問 4 下線部について,グルコースおよびフルクトースが鎖状構造をとることを考慮して,全ての最終生成物の構造式と,それぞれの最終生成物に対応する物質量の比を記入例にならって解答欄に記せ。グルコースについては解答欄(Ⅰ),フルクトースについては解答欄(Ⅱ)に記入せよ。ただし,最終生成物の構造式は,物質量の比の大きいものから順に記入するものとする。物質量の比が同じ場合には順序を問わない。

4ex

問 5 化合物 G の構造式を記せ。

問 6 β 型の化合物 I として考えられる構造式を図 5 にならって全て記せ。ただし,炭素原子の位置を示す番号(1)〜(6)は省略して記入せよ。