東大 過去問 2026年 生物|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2026年 理科「生物」(東京大学公式サイト)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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生物基礎・生物

第1問

 次の文を読み,問A〜Hに答えよ。

 真核生物においてタンパク質をコードする遺伝子は核内で RNA ポリメラーゼによって転写され,未成熟な RNA が産生される。未成熟な RNA の配列にはアミノ酸配列に反映されない ア と呼ばれる配列が含まれることがあり,この配列はメッセンジャー RNA(mRNA)の成熟に伴い イ を受けることで除かれる。さらに,mRNA は細胞質にある ウ と結合し,翻訳される。この一連の過程を遺伝子発現という。

 遺伝子発現は,細胞内外の環境に応じて変化する。特定の遺伝子が適切な時期に発現し機能することは,正常な生命活動のために不可欠である。例えば,分裂酵母 Schizosaccharomyces pombe は栄養豊富な条件(富栄養条件)では体細胞分裂を繰り返す(増殖する)のに対して,栄養が枯渇した飢餓条件では増殖を停止し,減数分裂に続いて胞子を形成する。この栄養状態に応じた変化に関わる遺伝子発現のしくみを明らかにするため,以下の実験を行った。

実験1 遺伝子 S がコードするタンパク質 S は,遺伝子 T を含む減数分裂期で機能する遺伝子群の転写調節因子であり,特に飢餓条件においてこれらの遺伝子群の転写を強く促進する。遺伝子 A は恒常的に発現しており,mRNA 量は栄養状態によって変わらない。緑色蛍光タンパク質 GFP の遺伝子をレポーター遺伝子として,表1—1に示す組み合わせで転写誘導配列(転写調節領域とプロモーターを含む)と遺伝子を融合したものを作製し,野生株と遺伝子 S を欠損した細胞株(遺伝子 S 欠損株)に導入した。次に,各条件における GFP の mRNA 量を解析したところ,表1—1の結果が得られた。なお,以降の実験では,各転写誘導配列の活性は繋いだ遺伝子配列の影響を受けないものとし,GFP 遺伝子の融合は繋いだ遺伝子の発現や機能に影響を与えないものとする。また,GFP の mRNA 量は細胞あたりの量とする。

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表1—1 (実験1)各条件での GFP の mRNA 量
表1—1 (実験1)各条件での \mathitGFP の mRNA 量

mRNA 量は,高レベル(++),中レベル(+),低レベル(−)で示す。

実験2 タンパク質 S は遺伝子 N の発現も誘導する。遺伝子 N は,内部に D 配列と呼ばれる特殊な配列を持つ。表1—2に示した転写誘導配列と遺伝子を融合したものを野生株に導入し,GFP の mRNA 量を解析したところ,表1—2の結果が得られた。

表1—2 (実験2)各条件での GFP の mRNA 量
表1—2 (実験2)各条件での \mathitGFP の mRNA 量

mRNA 量は,高レベル(++),中レベル(+),低レベル(−)で示す。

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実験3 遺伝子 N の D 配列を欠失させたもの,または D 配列を遺伝子 A に挿入したものを野生株に導入し,GFP の mRNA 量を解析した。その結果を表1—3に示す。なお,D 配列の欠失や挿入によって翻訳時のコドンの読み枠に変化は生じないものとする。

表1—3 (実験3)各条件での GFP の mRNA 量
表1—3 (実験3)各条件での \mathitGFP の mRNA 量

mRNA 量は,高レベル(++),中レベル(+),低レベル(−)で示す。

実験4 実験3の富栄養条件において GFP の mRNA 量の違いが生じるしくみを調べるため,薬剤処理で転写を完全に止めた状態にし,GFP の mRNA 量の経時的な変化を解析した。その結果を図1—1に示す。

図1—1 (実験4)\mathitGFP の mRNA 量の経時的変化
図1—1 (実験4)GFP の mRNA 量の経時的変化

横軸は,転写を完全に止めた状態での経過時間を示す。縦軸は,0分時点における mRNA 量を100 %とした場合の相対的な量を示す。

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実験5 遺伝子 N の mRNA の D 配列が機能するためにはタンパク質 P が結合することが必要であり,タンパク質 P がはたらくためには D 配列との結合が必要である。タンパク質 P のアミノ酸配列には2つの機能的な領域が存在する。野生型および各領域を欠失させた遺伝子 P に GFP 遺伝子を融合したものを野生株に導入し,富栄養条件におけるタンパク質 P の細胞内の分布(局在)を解析した。また,それぞれのタンパク質 P と,遺伝子 N の mRNA との結合能を解析した。それらの結果を表1—4に示す。なお,遺伝子 P の各領域の欠失により翻訳時のコドンの読み枠に変化は生じないものとする。

表1—4 (実験5)タンパク質Pの細胞内局在と遺伝子 N の mRNA との結合能
表1—4 (実験5)タンパク質Pの細胞内局在と遺伝子 N の mRNA との結合能

GFP の蛍光シグナルが観察された細胞内の場所を灰色で示す。

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実験6 遺伝子 M がコードするタンパク質 M は,飢餓条件で発現し,核内で集合体(M ドット)を形成することにより,減数分裂の進行に重要な役割を果たす。一方,タンパク質 P の細胞あたりの存在量は栄養状態によって変化せず,それ自体がもつ活性も栄養状態で変化しない。タンパク質 P とタンパク質 M の関係を調べるため,遺伝子 P に GFP 遺伝子を融合したものを,野生株,遺伝子 M 欠損株および遺伝子 N 欠損株に導入し,GFP 融合タンパク質 P の細胞内局在を解析した。また,それぞれの条件で遺伝子 N の mRNA 量を解析した。その結果を表1—5に示す。なお,GFP 融合タンパク質 P は,各細胞株において同程度の量で存在しており,もともと細胞内に存在しているタンパク質 P の機能を阻害しないものとする。また,遺伝子 N の mRNA 量は細胞あたりの量とする。

表1—5 (実験6)タンパク質Pの細胞内局在と遺伝子 N の mRNA 量
表1—5 (実験6)タンパク質Pの細胞内局在と遺伝子 N の mRNA 量

GFP の蛍光シグナルが観察された細胞内の場所を灰色で示す。遺伝子 N の mRNA 量は,高レベル(++),中レベル(+),低レベル(−)で示す。

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実験7 遺伝子 P と遺伝子 N の関係を調べるため,各遺伝子の単独欠損株および二重欠損株を作製し,富栄養条件における増殖能を解析した。その結果を表1—6に示す。なお,細胞の増殖能は体細胞分裂による細胞数の増加を指標に評価した。

表1—6 (実験7)各細胞株の増殖能
表1—6 (実験7)各細胞株の増殖能

(++)活発に増殖する,(+)増殖する,(−)増殖しない

[問]

A 文中の ア 〜 ウ に入る最も適当な用語を答えよ。

B 実験1において,表1—1のエ,オ,カに入る記号の組み合わせを以下の(1)〜(4)から1つ選べ(各記号は左からエ,オ,カの順に並んでいる)。ただし,表1—1の転写誘導配列(遺伝子 T)はタンパク質 S による制御に必要かつ十分な配列を含むものとする。

(1) +,++,−

(2) −,++,++

(3) −,+,+

(4) ++,+,−

C 実験2〜4の結果をふまえ,富栄養条件における D 配列の役割を1行で述べよ。

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D 実験4と同様の実験を飢餓条件において行った。組み合わせ④と⑥について,GFP の mRNA 量の変化はどのようなグラフとなるか,最も適切なものを,以下の(1)〜(4)から1つ選べ。

p48a

E 実験5の結果から考えられるタンパク質 P の領域Ⅰと領域Ⅱの機能について,以下の(1)〜(5)から正しいものを全て選べ。

(1) 領域Ⅰは遺伝子 N の mRNA と結合することで,タンパク質 P の安定性に影響を与える機能を持つ。

(2) 領域Ⅰは遺伝子 N の mRNA と結合することで,タンパク質 P を細胞質に局在させる上で必須の役割を果たす。

(3) 領域Ⅰは遺伝子 N の mRNA との結合能とは関係無く,タンパク質 P を核に局在させる上で必須の役割を果たす。

(4) 領域Ⅱは遺伝子 N の mRNA と結合することで,タンパク質 P を核に局在させる上で必須の役割を果たす。

(5) 領域Ⅱは遺伝子 N の mRNA との結合能とは関係無く,タンパク質 P を核に局在させる上で必須の役割を果たす。

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F 実験6の結果をふまえ,飢餓条件におけるタンパク質 M の機能として考えられるものを,以下の(1)〜(6)から全て選べ。

(1) タンパク質 M は,タンパク質 P よりも強く D 配列と結合することで,遺伝子 N の mRNA 量を減少させる。

(2) タンパク質 M は,タンパク質 P を安定化することで,遺伝子 N の mRNA 量を減少させる。

(3) タンパク質 M は,タンパク質 P を M ドットに集合させることで,タンパク質 P の作用を抑制する。

(4) タンパク質 M は,タンパク質 P を M ドットに集合させることで,タンパク質 P の作用を増強する。

(5) タンパク質 M は,タンパク質 P を核内全体に局在させることで,タンパク質 P の作用を増強する。

(6) タンパク質 M は,タンパク質 P を核内全体に局在させることで,タンパク質 P の作用を抑制する。

G 実験6までの結果を総合すると,分裂酵母は栄養状態に応じて遺伝子 N の mRNA 量を厳密に制御していることがわかる。富栄養条件および飢餓条件における制御のしくみについて,それぞれ2行程度で説明せよ。なお,全体を通して以下の用語を全て用いること。

[用語] 転写調節因子 S,D 配列,タンパク質 M,タンパク質 P

H 実験7の結果をふまえて,分裂酵母が富栄養条件で増殖するための遺伝子 P の役割はどのようなものだと考えられるか。遺伝子 P 欠損株と二重欠損株の増殖能が異なる理由の説明とともに2行程度で述べよ。

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第2問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。

Ⅰ 次の文を読み,問A〜Cに答えよ。

 被子植物は,根,茎,葉などの器官で構成されている。器官の表面は,表皮系とよばれる組織系からなり,内部の保護や外界との物質のやりとりにかかわっている。表皮系には棘や毛などの突起がみられることがある。棘はさまざまな植物にみられ,食害からの防御に加えて,水分の維持など多様な機能をもつ。一方,栽培植物において棘は敬遠される形質であり,人為選択の過程で独立に何度も失われてきた。

 (ア)ナス属において棘は独立に何度も失われており,(イ)棘を喪失した種の多くで,遺伝子 L の機能が失われていることがわかっている。遺伝子 L は植物ホルモンのサイトカイニンの合成にかかわる酵素をコードしている。サイトカイニンは,別の植物ホルモンである(ウ)オーキシンの存在下で細胞分裂を誘導する物質であり,老化抑制や側芽の成長促進など,さまざまな機能をもつ。

図2—1 ナス属に属する種の系統関係と棘の有無
図2—1 ナス属に属する種の系統関係と棘の有無
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[問]

A 下線部(ア)について。図2—1はナス属に属する種の系統関係と,それぞれの種が棘をもつか,もたないかを示している。これらの種の共通祖先には棘があり,一度棘が失われたら再獲得は起きないと仮定するとき,この系統樹に示される種の進化の過程で,棘の喪失が何回起きたと考えられるか。最も少ない場合の回数を答えよ。

B 下線部(イ)について。ナス属のある植物種 K において,棘の有無は1番染色体上の1つの遺伝子座で決定されることがわかっていた。そこで,植物種 K の棘をもつ個体と,もたない個体の交配に由来する F2(雑種第2代)個体について,1番染色体の各領域の由来と棘の有無との関係を調べたところ,図2—2のようになった。遺伝子 L が棘の有無を決定すると仮定すると,図2—2の(1)〜(8)で示された各領域のうち,遺伝子 L が含まれる領域はどれか。考えられる領域を全て選べ。ただし,植物種 K は二倍体であり,図2—2には個体ごとに1対の相同染色体が示されている。

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図2—2 F_2 個体における棘の有無と1番染色体の各領域の由来
図2—2 F2 個体における棘の有無と1番染色体の各領域の由来

C 下線部(ウ)について。オーキシンの機能として正しい記述を以下の選択肢(1)〜(5)から全て選べ。

(1) 適切な濃度において細胞の伸長を促進する。

(2) 種子に蓄積して発芽を抑制する。

(3) 葉柄のつけ根に離層を形成させることで落葉を促進する。

(4) 乾燥に応答して気孔の閉鎖を促進する。

(5) 頂芽で合成されて,側芽の成長を促進する。

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Ⅱ 次の文1と文2を読み,問D〜Gに答えよ。

[文1]

 ある植物種 M の野生型個体は,葉の表面に単一の細胞からなる毛をもつ。毛は,毛に分化しなかった複数の細胞で隔てられることで,一定の間隔をとる(図2—3左)。このような葉表面の毛の発生機構を調べるために以下の実験を行った。

図2—3 葉表面における毛の分布の模式図
図2—3 葉表面における毛の分布の模式図
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実験1 植物種 M において,毛の発生に影響のある変異体として w,x,y の3種類を得た。各変異体の毛の発生を調べたところ,w と x では毛が失われており,y では毛の数が野生型より増加していた(図2—3)。(エ)変異体 w,x,y では,それぞれタンパク質 W,X,Y をコードする遺伝子 W,X,Y の機能が失われる変異が生じていた。

実験2 野生型個体で,まだ毛が生じていない発生初期の葉における,遺伝子 W,X,Y の発現を調べた。その結果,どの遺伝子も表皮系のすべての細胞で発現していることがわかった。

実験3 タンパク質 W と X は互いに結合して複合体を形成し,遺伝子 W,X,Y および毛の形成にかかわる他の遺伝子群の転写を活性化することがわかった。タンパク質 Y はタンパク質 W と似たアミノ酸配列をもち,タンパク質 W の代わりにタンパク質 X とともにタンパク質複合体を形成することもわかった。

実験4 タンパク質 Y は表皮系の細胞間を移動することがわかった。この移動は,隣接する細胞どうしが細胞壁をつらぬいて連結する,原形質連絡とよばれる構造を通じて起きていた。一方,タンパク質 W と X の細胞間移動はみられなかった。

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[文2]

 植物種 M の近縁種である植物種 N の野生集団では,葉に毛をもつ個体(有毛型)ともたない個体(無毛型)の両方がみられる。植物種 N では,植物種 M で見つかった遺伝子 W に相当する遺伝子の機能が失われることにより,有毛型から無毛型が生じている。また,有毛型と無毛型は互いに交配して子孫を残すことができ,有毛型は無毛型に対して顕性である。

 毛には,昆虫などの食害から身を守るという機能がある。葉に毛をもつことで食害から身を守ることができるのであれば,有利な有毛型の性質が集団中に広まると考えられるが,実際の植物種 N の野生集団では,一つの集団の中に有毛型と無毛型の両方が存在することがある。集団中で有毛型と無毛型の両方が維持されるしくみを調べるために以下の実験5を行った。

実験5 植物種 N の野生集団では,ハムシの1種(以下ハムシと呼ぶ)が主に葉を食害する。このハムシは飛べないため,地面を歩き回って植物種 N を探索する。ハムシによる食害と有毛型,無毛型の個体の頻度との関係を調べるために,頻度を人為的に変えられる実験区を設定した。有毛型が多数派(頻度 80 %)の実験区と少数派(頻度 20 %)の実験区でそれぞれ有毛型,無毛型の食害の程度と花生産数を調べたところ,図2—4および図2—5の結果が得られた。同様の実験区でハムシを人為的に排除し花生産数を調べたところ,図2—6の結果が得られた。ただし,食害前の個体あたりの葉の総面積は,有毛型と無毛型の間,および異なる実験区の間で変わらないものとする。なお,花生産数が多いほど,適応度が高いことを示す。

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図2—4 有毛型,無毛型の頻度を変えたときのハムシによる食害の程度
図2—4 有毛型,無毛型の頻度を変えたときのハムシによる食害の程度
図2—5 ハムシが存在する環境において,有毛型,無毛型の頻度を変えたときの個体あたりの花生産数(適応度の指標)
図2—5 ハムシが存在する環境において,有毛型,無毛型の頻度を変えたときの個体あたりの花生産数(適応度の指標)
図2—6 ハムシを人為的に排除した環境において,有毛型,無毛型の頻度を変えたときの個体あたりの花生産数(適応度の指標)
図2—6 ハムシを人為的に排除した環境において,有毛型,無毛型の頻度を変えたときの個体あたりの花生産数(適応度の指標)
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[問]

D 下線部(エ)について。タンパク質 W,X,Y は毛の形成を促進する因子か,抑制する因子か。実験1をふまえて,それぞれについて答えよ。

解答例:W—促進,X—抑制,Y—促進

E 葉の発生初期に,毛の発生にかかわる因子の濃度が細胞間でばらつくことで,後に毛に分化する細胞としない細胞が生じる。実験1〜4をふまえて,こうした細胞分化の過程におけるタンパク質 W,X,Y のふるまいを,以下の用語を全て用いて4行以内で説明せよ。同じ用語を複数回用いても構わない。

[用語] 正のフィードバック,移動,複合体

F 実験5の結果にもとづき,ハムシが存在する環境で,有毛型が多数派のときに無毛型の方が花生産数が多くなる理由について,毛の形成に必要な資源の観点から2行以内で説明せよ。

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G 植物種 N の野生集団において数年間複数の調査区を設定し,各調査区における有毛型,無毛型の頻度を毎年調査した。実験5の結果から,ある年と次の年の有毛型の頻度の関係はどのようになるか。以下の(1)〜(4)の中からもっとも適切なものを1つ選べ。また,選んだ理由を,実験5の結果をふまえ,有毛型,無毛型の頻度と適応度の観点から3行以内で説明せよ。なお,ハムシの個体数は年ごとに大きな変動はなく,実験5が行われた時と同程度であるとする。さらに,集団外からの植物個体の移入はないものとする。点線はある年の有毛型の頻度と次の年の有毛型の頻度が等しいことを示す。

p59a
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第3問

 次のⅠ,Ⅱの各問に答えよ。

※ この部分は,東京大学が公開した PDF では黒く塗りつぶされていて読めない。

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※ この部分は,東京大学が公開した PDF では黒く塗りつぶされていて読めない。

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※ この部分は,東京大学が公開した PDF では黒く塗りつぶされていて読めない。

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※ この部分は,東京大学が公開した PDF では黒く塗りつぶされていて読めない。

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Ⅱ 次の文を読み,問F〜Hに答えよ。

 個体発生において細胞のふるまいを制御するのはモルフォゲンの濃度勾配に限らない。例えばマウスの初期胚では,(ウ)細胞が胚の表面に位置しているのか,あるいは内部に位置しているのかにしたがって細胞の予定運命(細胞運命)が決定される。

 マウスの初期発生過程を図3—4に示す。8細胞期後期に細胞間接着構造が発達し,胚の表面の形状がなめらかになる。続く桑実胚では,細胞が胚の内部に位置する細胞群と胚の表面を構成する一層の細胞群に分かれる。胚発生がさらに進行すると,胚盤胞が形成される。胚盤胞を構成する細胞のうち,内部の細胞は内部細胞塊と呼ばれ,将来,体をつくる。表面の細胞は栄養外胚葉と呼ばれ,将来,胎盤をつくる。

図3—4 マウス初期発生過程の模式図
図3—4 マウス初期発生過程の模式図

8細胞期後期の胚は,一方向から見える細胞のみを示す。桑実胚と胚盤胞は,胚の断面を示す。縮尺は一定ではない。

 桑実胚期および胚盤胞期では,転写調節因子 A が胚の表面の細胞の核に存在し(図3—5,左),栄養外胚葉の発生に必要な遺伝子 B の発現を誘導する。胚の内部の細胞では転写調節因子 A は細胞質に存在し,遺伝子 B は発現しない。細胞が胚における位置に応じて転写調節因子 A の細胞内における分布(細胞内局在)を調節し,細胞運命が決定されるしくみを調べるために,実験4〜6を行った。

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図3—5 野生型胚および極性喪失胚における転写調節因子 A の細胞内局在
図3—5 野生型胚および極性喪失胚における転写調節因子 A の細胞内局在

マウス桑実胚の断面像。胚表面近傍を拡大して示す。灰色で示す部位に転写調節因子 A が局在する。

実験4 桑実胚および胚盤胞では,胚の表面に位置する細胞が胚の内外方向に沿った極性を発達させる。一方,内部の細胞はそのような極性をもたない。遺伝子操作により胚の内外方向に沿った細胞極性を喪失させると,胚の表面に位置する細胞においても転写調節因子 A が細胞質に局在し,遺伝子 B の発現が顕著に減少した(図3—5,右)。このとき,内部の細胞における転写調節因子 A の局在と遺伝子 B の発現は変化しなかった。なお,この遺伝子操作は細胞間接着に影響しない。

実験5 薬剤処理により細胞間接着を減弱させると,桑実胚の全ての細胞で転写調節因子 A が核に局在し,遺伝子 B が発現した。なお,この薬剤処理は細胞極性に影響しない。

実験6 複数の8細胞期の胚の細胞をバラバラにして取り出し,得られた20〜30個の細胞を集合させた。再構成した胚は細胞間接着と細胞極性を正常に形成し,桑実胚になった。再構成した胚では,野生型胚と同様に,転写調節因子 A が胚表面の細胞の核と内部の細胞の細胞質に局在しており,遺伝子 B が胚表面の細胞でのみ発現していた。

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[問]

F 下線部(ウ)について。個体発生が正常に進行するためには,胚の表面の細胞と内部の細胞の数の比率を適切に制御する必要がある。8細胞期から胚盤胞にいたる過程では,細胞分裂の方向が表面と内部の細胞の数の比率を決める上で重要な役割をはたす。この細胞分裂の方向を介して表面と内部の細胞の数の比率を決めるしくみについて推測し,3行以内で述べよ。以下の用語を全て用いること。

[用語] 細胞分裂,娘細胞

G 実験4〜6の結果の解釈として適切なものを以下の選択肢から全て選べ。

(1) マウス初期胚における転写調節因子 A の正しい細胞内局在には細胞間接着と細胞極性の両方が必要である。

(2) マウス初期胚では最初は転写調節因子 A が細胞質に局在し,発生が進むにつれて転写調節因子 A が核に局在する細胞が現れる。

(3) 仮に8細胞期までに細胞運命が決定されていたとしても,胚内での細胞の位置に応じて細胞運命を書きかえることができる。

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H 転写調節因子 A の細胞内局在を調節するしくみを詳細に調べたところ,遺伝子 C を欠失した桑実胚では転写調節因子 A が核に局在すること,野生型もしくは細胞極性を喪失した桑実胚において遺伝子 C がコードするタンパク質 C は図3—6のように分布することがわかった。タンパク質 C のはたらきについてさらに解析を進めて,以下の破線で囲った文に記載した知見を得た。実験4〜6の結果もふまえて,1 〜 3 に入る用語として最も適切なものを以下の語群から1つずつ選べ。

胚の表面の細胞では,タンパク質 C の正しい局在に 1 が必要である。胚表面の細胞膜の近傍にあるタンパク質 C は転写調節因子 A に作用できない。胚の内部の細胞では,タンパク質 C が 2 により 3 されることで,転写調節因子 A の核への移動が阻害される。

[語群] 細胞極性,細胞分裂,細胞間接着,活性化,不活性化,分解

図3—6 野生型胚および極性喪失胚におけるタンパク質 C の細胞内局在
図3—6 野生型胚および極性喪失胚におけるタンパク質 C の細胞内局在

マウス桑実胚の断面像。胚表面近傍を拡大して示す。灰色で示す部位にタンパク質 C が局在する。