東大 過去問 2007年 生物|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

東大理系科目 AI解答・シミュレーション‹ 東大生物 2007‹ 生物2007

このページの出典

東京大学 第2次学力試験(前期)2007年 理科「生物」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

PDFの 25 枚目

生 物

第1問

次の文1〜文3を読み,Ⅰ〜Ⅲの各問に答えよ。

〔文1〕

 私たちのからだには3種類の筋肉がある。これらは,からだを動かすはたらきをもつ骨格筋,心臓を拍動させる心筋,そして小腸や膀胱などの内臓器官の壁を構成し,それらを動かす 1 筋である。骨格筋と心筋では,筋繊維と呼ばれる細長い細胞が束になっており,その筋繊維の内部には多数の筋原繊維が規則正しく並ぶ。筋繊維を顕微鏡で観察すると,長軸方向に 2 がみられる。一方,1 筋では 2 はみられない。

 骨格筋の運動は,運動神経を介して自分の意思によって制御できる。これに対して,心臓の拍動や小腸などの内臓器官の運動は,自分の意思に関係なく,主に自律神経によって制御されている。自律神経には,3 神経と 4 神経がある。3 神経の中枢は中脳,延髄,脊髄にあるのに対して,4 神経の中枢は脊髄にあり,いずれも 5 によってさらに統合的に調節されている。

〔文2〕

 心臓と小腸を用いて次のような実験を行った。

実験1 摘出したマウスの心臓から2つの心房を切り出し,心房筋標本を作製した(心房筋標本 a と心房筋標本 b と呼ぶ)。心房筋標本を,37 ℃に保温した人工栄養液を満たした容器内に固定し,栄養液には十分な酸素を通気した。心房筋標本の一端を収縮測定装置に連結し,心房筋標本 a および b の収縮弛緩反応を測定した(図1—1)。心房筋標本のうち,心房筋標本 a は自発性の律動的な収縮弛緩(自動能)を示したが,心房筋標本 b は全く自動能を示さなかった(図1—2)。(ア)次に,ウシの副腎をすりつぶして得た抽出液 X を,心房筋標本 a を固定した容器内の人工栄養液に加えると,この投与によって心房筋標本 a の自動能は増強された。

PDFの 26 枚目
図1—1 心房筋標本と小腸筋標本の収縮測定装置(模式図)
図1—1 心房筋標本と小腸筋標本の収縮測定装置(模式図)
図1—2 摘出した心房筋標本 a および b の収縮弛緩反応
図1—2 摘出した心房筋標本 a および b の収縮弛緩反応
PDFの 27 枚目

実験2 マウスの腹部から小腸の一部を取り出した後,粘膜部を取り除いて小腸筋標本を作製し,図1—1の装置に固定した。この小腸筋標本の収縮弛緩反応に対する,自律神経末端(終末)から放出される神経伝達物質 Y と神経伝達物質 Z の作用を調べた。はじめに神経伝達物質 Y を小腸筋標本に投与すると筋は収縮し,その収縮は持続した。この収縮している筋標本に,さらに神経伝達物質 Z を投与すると,筋標本はすみやかに弛緩した。

〔文3〕

 (イ)心臓は,血液を送り出すポンプとしてはたらき,全身への酸素の供給と,全身からの二酸化炭素の回収に重要な役割をになっている。図1—3はヒトの心臓の断面図を示している。ヒトの心臓は4つの部屋(左右の心房と心室)からなるが,(ウ)左心室壁は右心室壁に比べて厚い。左右の心室をへだてる壁を心室中隔というが,心室中隔には出生まで穴があいており,左右の心室は完全には分かれていない。通常この穴は,出生とともに閉じて心臓の形態は完成する。(エ)しかし,出生後もこの心室中隔の穴がふさがらず,心臓のポンプ機能がそこなわれることがある。

図1—3 ヒトの心臓の断面図(模式図)
図1—3 ヒトの心臓の断面図(模式図)
PDFの 28 枚目

〔問〕

Ⅰ 文1について,文中の空欄1〜5に入る最も適切な語句を記せ。

Ⅱ 文2について,以下の小問に答えよ。

A 実験1について。自動能を示した心房筋標本 a は右心房か左心房かを答えよ。また,なぜ心房筋標本 a だけが自動能を生じたのか。その理由を1〜2行程度で述べよ。

B 実験1の下線部(ア)について。副腎から得た抽出液 X に含まれるどのような物質がこの反応を引き起こすと考えられるか。その物質名を答えよ。また,この物質のように,特定の器官で産生され,血液循環を介して他の標的器官に作用する物質は,一般に何と呼ばれているか。その名称を答えよ。

C 心房筋標本 a は,通常,次ページの図1—4上段(投与前)のような自動能を示す。いま,実験2の神経伝達物質 Y と Z とを,それぞれ単独に心房筋標本 a に投与した。この時,心房筋標本 a は,神経伝達物質 Y および Z に対してどのような反応を示すと考えられるか。図1—4の選択肢(1)〜(3)よりそれぞれ選んで記号で答えよ。また,神経伝達物質 Y と Z の名称を答えよ。

D 心房筋標本 a の自動能は,ある薬物の投与により,図1—4の投与前の状態から,投与後の選択肢(3)のような状態に変化した。この自動能の変化に見られる2つの特徴を答えよ。また,この薬物を生体に投与した時,心臓の機能にはどのような変化が生じるか。先の2つの特徴と対応させて,それぞれ1行程度で答えよ。

PDFの 29 枚目
図1—4 心房筋標本 a の自動能に対する神経伝達物質 Y と Z の効果
図1—4 心房筋標本 a の自動能に対する神経伝達物質 Y と Z の効果

Ⅲ 文3について,以下の小問に答えよ。

A 下線部(イ)について。表1—1は,健常な人における,心臓の各部屋と心臓に出入りする血管内の血中酸素濃度についてまとめたものである。空欄1〜6にあてはまる状態はなにか。血中酸素濃度を高低に二分し,例にならって血中酸素濃度の状態が高い場合は「高」,低い場合は「低」と記せ。

表1—1 心臓に出入りする血管と心臓における血中酸素濃度の状態
表1—1 心臓に出入りする血管と心臓における血中酸素濃度の状態

B 下線部(ウ)について。左心室を形成する壁はなぜ右心室を形成する壁に比べて厚いのか。その理由を1〜2行程度で答えよ。

PDFの 30 枚目

C 下線部(エ)について。心臓のポンプ機能にどのような障害が生じると考えられるか。心臓内での血液の流れに着目して,以下の語句を用いて3行程度で答えよ。ただし,解答にはすべての語句を少なくとも1回は用いること。

(語句) 全身の臓器,右心室内圧,左心室内圧,血液,体循環,肺循環

PDFの 31 枚目

第2問

次の文1〜文3を読み,Ⅰ〜Ⅲの各問に答えよ。

〔文1〕

 植物の生育は,植物個体中のソースとシンクの機能に基づく分業により支えられている。ソースとは,物質を他の細胞へ供給する細胞群のことであり,シンクとは,ソースから受け取った物質を利用して成長したり貯蔵したりする細胞群のことである。ソースからシンクへの物質の移動は転流と呼ばれ,これを仲介するのが維管束系である。

 葉と根の関係を考えてみよう。葉は光合成で炭酸同化を行い,その同化産物の一部を(ア)スクロースの形で根に供給する。一方,根は土壌より無機窒素化合物を吸収し,(イ)それをそのまま葉に供給したり,(ウ)根でアミノ酸に同化してから葉に供給したりする。このように,葉は根に対して炭酸同化産物のソースとなっており,根は葉に対して窒素化合物のソースとなっている。葉と根はこうして獲得した炭素と窒素を使って必要な成分を合成して成長していく。この合成に必要なエネルギーを得るために,葉も根も炭酸同化産物を呼吸基質とした好気呼吸を行う。この呼吸は一日中行われるので,昼間に蓄積された炭酸同化産物は夜間に消費される。再び蓄積が始まるのは,葉に(エ)補償点以上の強さの光が当たる明るさになってからである。

〔文2〕

 イネは栄養成長期に十数枚の葉を順次つける(注2−1)。(オ)1枚の葉の一生には,4つの段階がある。すなわち,茎頂分裂組織からの分化の段階,成長の段階,成熟葉として活動する段階,老化の段階である。分化直後の葉は,葉緑体が未発達である。葉の成長段階では,転流してくる窒素の7割以上が葉緑体の発達に使われる。葉緑体の成熟は,出葉した葉の先端部分より始まり,完全展開時に葉全体におよぶ。これ以降を成熟葉と呼び,葉は盛んに光合成を行う。ある時期がくると葉緑体の光合成装置が分解され,炭酸同化速度が低下していく。これが老化の段階である。図2—1は,栄養成長期の後期にあるイネがつけた1枚の葉の窒素量と炭酸同化速度の変化を観察した例である。この図からわかるように,老化段階では葉が保持する窒素量も減少している。その理由は,光合成装置に含まれるタンパク質の分解により生じるアミノ酸に何らかの動きが起きているからである。何が起きているかを知るための観察結果が,図2—2と表2—1である。図2—2は,イネの生育にともなう第5葉〜第9葉の窒素量の変化を観察した結果である。また,図2—2の矢印の時点において第6葉と第8葉の師管から採取した液のアミノ酸濃度を測定した結果が,表2—1である。

PDFの 32 枚目

(注2—1) 種子は発芽すると,まず子葉を生じる。その次に生じる葉が第1葉で,以後順に第2葉,第3葉と呼ぶ。相対的に数字の小さい葉を下位の葉,大きい葉を上位の葉と呼ぶ。葉の原基は,それより下位の葉が作る鞘状構造の中に形成される。葉の伸長とともに鞘状構造の外に出た時点を出葉と呼び,それ以上伸長しなくなった時点を完全展開と呼ぶ。第6葉以降(栄養成長期の後期)では,出葉後7日程度で完全展開する。

図2—1 イネの葉の一生における窒素量と炭酸同化速度の変化
図2—1 イネの葉の一生における窒素量と炭酸同化速度の変化
PDFの 33 枚目
図2—2 イネの生育にともなう第5葉〜第9葉の窒素量の変化
図2—2 イネの生育にともなう第5葉〜第9葉の窒素量の変化

矢印は,表2—1に示される師管液を採取した時点をあらわす。

表2—1 図2—2の矢印の時点における第6葉と第8葉から採取した師管液のアミノ酸濃度(全アミノ酸を合算した値)
表2—1 図2—2の矢印の時点における第6葉と第8葉から採取した師管液のアミノ酸濃度(全アミノ酸を合算した値)

〔文3〕

 最後に,イネの一生におけるソースとシンクの移り変わりを考えてみよう。

 イネの種子は,胚乳に 1 と貯蔵タンパク質を蓄積している。発芽時には胚から 2 が分泌され,これに応答して胚乳中の 1 と貯蔵タンパク質がそれぞれ糖とアミノ酸に分解される。胚はこれらを栄養素として利用する。すなわち,胚は胚乳をソースとして 3 栄養的に生育している。この生育は第3葉が完全展開するまで持続し,以後は,葉での炭酸同化と根での窒素吸収に依存した 4 栄養に移行する。栄養成長期のイネは,下位葉から上位葉への窒素の転流を繰り返しながら,十数枚の葉を成長させる。

PDFの 34 枚目

 茎頂分裂組織が穂に分化すると生殖成長が始まる。生殖成長期の初期には,葉から転流されてくる窒素を用いて花の形成と茎の伸長が進行する。花が開き受粉すると,種子を構成する胚と胚乳が形成される。以後は胚乳が主要なシンクとなる。炭素に関しては,上位の数枚の葉がソースとなり,炭酸同化産物の転流がおこる。窒素に関しては,(カ)すべての葉や茎がソースとなり,それまでに蓄えていた窒素の大部分が転流される。炭素と窒素を十分に蓄積して成熟した胚乳は,胚とともに種子となる。この種子は,5 の作用により休眠する。

PDFの 35 枚目

〔問〕

Ⅰ 文1について,以下の小問に答えよ。

A 下線部(ア)について。スクロースの転流を仲介する維管束系の組織は何であるかを記せ。

B 下線部(イ)について。無機窒素化合物の転流を仲介する維管束系の組織は何であるかを記せ。

C 下線部(ウ)について。アミノ酸の転流を仲介する維管束系の組織は何であるかを記せ。

D 下線部(エ)について。光の補償点の定義を2行程度で述べよ。

Ⅱ 文2について,以下の小問に答えよ。

A 図2—2について。矢印の時点において,第6葉と第8葉は,下線部(オ)に示される4つの段階のいずれであるか。その根拠とともに,それぞれ1〜2行で答えよ。

B 表2—1について。師管液中の全アミノ酸濃度が第6葉で第8葉よりも高くなっているのは,第6葉で何が起きているからか。2行程度で述べよ。

C 図2—1に示した葉は,下表(表2—2)の各生育時期において,炭素ならびに窒素に関して,ソース,シンク,あるいはソースとシンクの機能を果たしている。表2—2の空欄1〜6では,ソースあるいはシンクのどちらのはたらきが主となるかを答えよ。

表2—2 図2—1に示した葉の各生育時期における機能
表2—2 図2—1に示した葉の各生育時期における機能
PDFの 36 枚目

Ⅲ 文3について,以下の小問に答えよ。

A 空欄1〜5に入る最も適切な語句を記せ。ただし,空欄2と5には,植物ホルモンの名称を記せ。また,空欄3と4には,独立と従属のどちらか適切なものを記せ。

B 下線部(カ)について。図2—3をもとに,完熟した種子(穂の分化後70日の段階における種子)が蓄えた窒素のうち,茎葉部から転流してきたものはおよそ何割であるかを,計算式を示して答えよ。ただし,穂の分化後30日までは花の形成の期間である。また,種子の形成期には,茎葉部から穂へ転流される窒素はすべて種子に蓄えられるものとし,茎葉部から根への転流も無いものとする。

図2—3 種子の成熟にともなう茎葉部と穂の窒素量の変化
図2—3 種子の成熟にともなう茎葉部と穂の窒素量の変化
PDFの 37 枚目

第3問

次の文1と文2を読み,Ⅰ〜Ⅶの各問に答えよ。

〔文1〕

 (ア)生物の形や色などの個々の形質は,対応する遺伝子によって受け継がれ,決定されている。多くの生物は,両親から受け継いだ1対の遺伝子を有している。しかし,これら対をなすそれぞれの遺伝子は必ずしも同一とは限らない。このような遺伝子を対立遺伝子と呼ぶ。すなわち,生物の形質はさまざまな対立遺伝子によって決定されている。対立遺伝子は,大昔の祖先型の遺伝子から進化してきたと考えられている。出発点となる祖先型の遺伝子が子孫に伝わる間に,突然変異により新しい対立遺伝子が生じ,その結果,何種類もの対立遺伝子が受け継がれてきた。突然変異の多くは,(イ)DNA の複製時におこる塩基配列の偶然の変化であり,予測することは不可能である。細胞分裂には,個体が成長する時の 1 分裂と,配偶子形成時に染色体数が半減する 2 分裂があるが,これらにおいて,最終的に配偶子に伝わった突然変異だけが子孫に受け継がれる。このような突然変異の蓄積により生物は進化してきた。突然変異は,生物の生存または繁殖に影響しない(中立的)か有害な場合がほとんどであり,有益な突然変異は少ない。突然変異はある頻度で常に起こっている。しかし,生存または繁殖に有害な対立遺伝子は,3 により取り除かれていくため,その種類は増えつづけるわけではない。

 中立的な突然変異により生じた対立遺伝子が,生物の集団内に蓄積されるかどうかは,偶然的な効果によっている。通常,このような中立的な突然変異により生じた新しい対立遺伝子は,出現した後の数世代の間に消失する。しかし,ある確率で,古い対立遺伝子が新しい対立遺伝子に置き換わる。この確率は,生物集団の大きさで決まる。このことから,一定の大きさの生物集団では,中立的な突然変異による分子進化(注3—1)は一定速度で起こる,ということができる。

(注3—1) 分子進化:遺伝情報をになう DNA の塩基配列やいろいろなタンパク質のアミノ酸配列に関する進化。

PDFの 38 枚目

〔文2〕

 近年,さまざまな生物のゲノム配列が決定され,DNA の塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列を生物間で比較することが盛んに行われている。その結果,多様な生物種で類似した塩基配列をもつ遺伝子が見つかった。このような遺伝子は相同遺伝子と呼ばれ,共通の祖先に由来する,同じような構造や機能をもつ遺伝子であると考えられる。

 複数の種において,相同遺伝子の DNA 塩基配列やコードするタンパク質のアミノ酸配列を比べると,多くの場合,置換が起こっている。このような置換のほとんどは中立的な突然変異によるものであり,タンパク質の機能をまったく変化させないか,変化させてもわずかである。したがって,(ウ)中立的な突然変異により生じる,ある配列内で起きる塩基またはアミノ酸の置換の数は,進化の過程で,生物が異なる種に分岐してからの年数に正比例すると考えられる。通常,(エ)あるタンパク質の分子進化の速度は,一定年数あたりにおける1アミノ酸あたりの置換率として表すことができる。また,(オ)進化の過程でタンパク質のアミノ酸が置換する速度は,タンパク質によって異なり,さらに同一のタンパク質のアミノ酸配列内でも一様ではない。

PDFの 39 枚目

〔問〕

Ⅰ 文1の空欄1〜3に入る最も適切な語句を記せ。

Ⅱ 文1の下線部(ア)について,以下の小問に答えよ。

A 単一の遺伝子の変異により引き起こされる,あるヒトの遺伝病 S について調べたところ,下のような家系図が得られた(図3—1)。遺伝病 S の原因となる対立遺伝子は,優性遺伝子と劣性遺伝子のどちらであるかを,その根拠とともに2行程度で述べよ。ただし,第一世代の個体1と第二世代の個体1と6は,遺伝病 S の原因となる対立遺伝子をもっていないとする。

図3—1 遺伝病 S についての家系図
図3—1 遺伝病 S についての家系図

B この遺伝病 S のような遺伝様式を何と呼ぶか記せ。また,その遺伝様式になると判断した根拠を2行程度で述べよ。

C 第三世代の個体6と遺伝病 S の原因となる対立遺伝子をもっていない男性との間に子供が生まれたとする。生まれた子供が遺伝病 S になる確率を,子供が男性の場合と女性の場合について,それぞれ記せ。

PDFの 40 枚目

Ⅲ 文1の下線部(イ)について。以下の(1)〜(5)から正しくないものを2つ選べ。

(1) DNA 複製は,DNA リガーゼが鋳型鎖に相補的な塩基をもつヌクレオチドをつぎつぎに結合させることによって進行する。

(2) DNA 複製時以外に紫外線などにより DNA が損傷を受けた場合,生物はその損傷を修復することができる。

(3) DNA 複製は,細胞分裂の前期に行われ,引き続いて起こる核分裂,細胞質分裂によって細胞は分裂する。

(4) DNA 複製は,原核生物では1つの起点から,真核生物では複数の起点から進行する。

(5) DNA 複製において,遺伝子の DNA の塩基配列に変化を生じる突然変異は遺伝子突然変異と呼ばれる。

Ⅳ 文2の下線部(ウ)について,以下の小問に答えよ。

A 生物の類縁関係を模式的に表した図を系統樹と呼ぶ。4種類の生物種 a〜d の進化系統関係を明らかにするために,あるタンパク質 X のアミノ酸配列を互いに比較し,アミノ酸の違いを数で表した(表3—1)。そして,この表をもとに系統樹を作成した。

 生物種 a〜d を表す系統樹として最も適切なものはどれか。次ページの(1)〜(4)から1つ選べ。ただし,系統樹の枝の長さは生物の進化の時間とは直接対応しないものとする。

表3—1 タンパク質 X のアミノ酸置換数
表3—1 タンパク質 X のアミノ酸置換数
PDFの 41 枚目
p41a

B 化石を用いた研究から,哺乳類 a と哺乳類 b とは今から約8000万年前に共通祖先から分岐したと推定されている。哺乳類 a の祖先と魚類 d の祖先とが共通祖先から分岐したのはおよそ何年前と考えられるか,(1)〜(4)から最も適切なものを1つ選べ。

(1) 2億3000万年前

(2) 2億9000万年前

(3) 3億9000万年前

(4) 4億3000万年前

Ⅴ 文2の下線部(エ)について。表3—1のタンパク質 X は140アミノ酸からなるタンパク質であり,哺乳類 a と哺乳類 b とは今から8000万年前に分岐したとする。タンパク質 X の分子進化の速度を,10億年あたりにおける1アミノ酸あたりの置換率として計算し,有効数字2桁で答えよ。ただし,2つの系統間のアミノ酸置換数は,分岐後の2つの系統におけるアミノ酸の置換の合計であることに留意すること。

PDFの 42 枚目

Ⅵ 文2の下線部(オ)について。以下の(1)〜(5)から正しくないものを2つ選べ。

(1) 酵素では,基質と結合する基質結合部位のアミノ酸が置換すると,酵素としてのはたらきが損なわれるため,基質結合部位のアミノ酸の置換速度は一般に非常に小さい。

(2) フィブリンは前駆体である血液凝固因子フィブリノーゲンからつくられるが,その際切り出されて捨てられるフィブリノペプチドのアミノ酸の置換速度は,フィブリンの置換速度に対して大きい。

(3) インスリンは2本のポリペプチドが2か所で結合したものであるが,それぞれが独立にはたらくことができるため,どのアミノ酸も同じ置換速度を示す。

(4) 分子量の大きなタンパク質は,多くのアミノ酸で構成されているため,アミノ酸の置換する速度も一般に大きい。

(5) 視覚に頼っている動物では,目の水晶体をつくっているクリスタリンのアミノ酸の置換速度は小さいが,洞穴にすむ視力を失った動物では置換速度が大きくなっている。

Ⅶ 生物の分子進化に関連する以下の小問に答えよ。

A 原核生物種の系統関係を調べるために,原核生物の複数の種において,あるタンパク質 Y の相同遺伝子の塩基配列を比べたところ,3塩基ごとに置換速度が大きいという法則性があった。その理由を3行程度で述べよ。

B 真核生物の複数の種において,あるタンパク質 Z の相同遺伝子の塩基配列を比べたところ,塩基配列の置換速度が小さい領域と大きい領域が交互に存在していた。また,問Ⅶ—Aの3塩基ごとに置換速度が大きいという法則性は,置換速度が小さい領域だけにあてはまった。その理由を合わせて4行程度で述べよ。