阪大 過去問 2026年 生物|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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大阪大学 令和8年度 前期 理科(生物)(改題)(2026年。大阪大学公式サイトのPDF)

問題(大阪大学の公表資料)

大阪大学の利用の条件について

大阪大学は「大阪大学入学試験問題等の利用について」(令和7年3月28日)で、入試問題等の2次利用(インターネットに載せることを含む)を、別紙の利用条件を守ることを条件に許可している。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

お知らせ

解答・解説・シミュレーションは、すべて AI で作成しています。大阪大学が公表した解答ではありません。

大阪大学が解答例を公表している小問は、それと照らし合わせています。作成に使ったものとは別のAIでも全問を点検し、見つかった誤りを直しています。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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生 物 問 題

(解答はすべて生物解答用紙に記入すること)

第1問

〔1〕 以下の文章【A】と【B】を読み,問 1〜問 6 に答えよ。

【A】

 免疫は病原体などを認識して除去することで,からだを守るしくみである。免疫応答の際にリンパ球が特異的に認識する物質を抗原といい,その多くはタンパク質である。免疫は自己を攻撃しないように厳密に制御されている。自己の成分を強く認識するリンパ球は,その成熟過程で排除されたり,その活性化や増殖が制御性 T 細胞によって抑えられたりする。こうした制御がはたらかないと,①自己に対する攻撃が起きる。

 免疫応答が非自己の成分に対して過敏に起きることも避けなければならない。例えば,②食物アレルギーが起きる時は,IgE という特殊な抗体がつくられる。IgE 抗体が表面に付着したマスト細胞(肥満細胞)は,抗原と結合すると活性化し,ヒスタミンを分泌する。その結果,口の中のかゆみや腫れ,下痢などの症状が現れる。しかし,食物に含まれる成分によって制御性 T 細胞が分化誘導されると,消化管やリンパ節で③制御性 T 細胞がヘルパー T 細胞の活性化や増殖を抑え,食物アレルギーの発症や重症化を防ぐ。

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問 1 下線部①の疾患を何とよぶか答えよ。

問 2 下線部②について,生で食べるとアレルギーが起きる食物であっても,加熱調理をすれば,食べてもアレルギーが起きないことがある。その理由について,以下の 3 つの語句をすべて用いて 2 行以内で説明せよ。

 語句:加熱,タンパク質,認識

問 3 下線部③について,ヘルパー T 細胞の活性化や増殖が起きると,アレルギーの発症や重症化が誘導される場合がある。その理由について,以下の 3 つの語句をすべて用いて 2 行以内で説明せよ。

 語句:IgE 抗体,B 細胞,活性化

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【B】

 マウスを A 群,B 群,C 群に分けて,実験 1 を行った(図 1)。その後,各群のマウスをそれぞれ 2 つの集団に分けて,実験 2 と実験 3 を別々に行った。以下の実験で抗原として用いるタンパク質 X は,マウスの餌に含まれていない。また,実験に使用したマウスは過去にタンパク質 X を投与されたこともない。

【実験 1】

A 群:タンパク質 X をアルミニウムアジュバントとともにマウスの腹部に注射した。この日を 0 日目とし,その後 21 日目までマウスを飼育した。なお,アルミニウムアジュバントは,同時に投与した抗原を認識するリンパ球の活性化を誘導し,IgE 抗体の産生を促す。

B 群:タンパク質 X とアルミニウムアジュバントを注射せず,21 日目までマウスを飼育した。

C 群:はじめに,タンパク質 X を 1 日 1 回経口投与する処置を 5 日間行った。最終投与の 7 日後,A 群と同様にタンパク質 X をアルミニウムアジュバントとともにマウスの腹部に注射した。この日を 0 日目とし,その後 21 日目までマウスを飼育した。

 0 日目の腹部注射前と,その後 21 日目までの間,各群のマウスから血液を経時的に採取し,タンパク質 X に特異的な IgE 抗体の濃度を測定した。

図1
図1
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【実験 2】

 実験 1 を終えた翌日から,A 群,B 群,C 群それぞれのマウスにタンパク質 X を数日間,1 日 1 回経口投与し,食物アレルギーの症状の 1 つである下痢を起こすか観察したところ,以下の結果を得た。

A 群:すべてのマウスが下痢を起こした。

B 群:下痢を起こしたマウスは見られなかった。

C 群:一部のマウスだけが軽い下痢を起こした。

【実験 3】

 実験 1 を終えた翌日に,A 群,B 群,C 群それぞれのマウスのリンパ節から採取した T 細胞集団と樹状細胞を混合し,タンパク質 X を含む培養液中,あるいは含まない培養液中で培養して,T 細胞集団に含まれるヘルパー T 細胞の増殖を解析したところ,以下の結果を得た。ただし,いずれの培養条件でも,樹状細胞を混合しなかった場合は,ヘルパー T 細胞はほとんど増殖しなかった。また,T 細胞集団はさまざまな種類の T 細胞を含む。

A 群:タンパク質 X を含む培養液中ではヘルパー T 細胞が活発に増殖した。それに比べて,タンパク質 X を含まない培養液中ではヘルパー T 細胞はほとんど増殖しなかった。

B 群:培養液中のタンパク質 X の有無にかかわらず,ヘルパー T 細胞はほとんど増殖しなかった。

C 群:タンパク質 X を含む培養液中ではヘルパー T 細胞がわずかに増殖した。それに比べて,タンパク質 X を含まない培養液中ではヘルパー T 細胞はほとんど増殖しなかった。

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問 4 実験 2 の結果をふまえて,実験 1 で測定したタンパク質 X に特異的な IgE 抗体の血中濃度の経時変化を示すグラフとして,最も適切であると考えられるものを,図 2 の(あ)〜(か)から 1 つ選び,記号で答えよ。

図2
図2
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問 5 実験 1 を終えた翌日に,A 群のマウスのリンパ節から採取した T 細胞集団と樹状細胞を,以下の(あ)〜(え)の条件で培養する(図 3)。実験 3 の結果をふまえて,T 細胞集団に含まれるヘルパー T 細胞が最も活発に増殖すると考えられる条件を(あ)〜(え)から 1 つ選び,記号で答えよ。また,そのように考えた理由を,3 行以内で説明せよ。

 培養条件(あ)〜(え)の説明

(あ) タンパク質 X を含む培養液中で樹状細胞を培養する。その後,樹状細胞を回収し,T 細胞集団と混ぜてタンパク質 X を含まない培養液中で培養する。

(い) タンパク質 X を含む培養液中で樹状細胞を培養する。その後,タンパク質 X を含む培養液を回収し,その培養液中で T 細胞集団を培養する。

(う) タンパク質 X を含む培養液中で T 細胞集団を培養する。その後,T 細胞集団を回収し,樹状細胞と混ぜてタンパク質 X を含まない培養液中で培養する。

(え) タンパク質 X を含まない培養液中で樹状細胞と T 細胞集団を混ぜて培養する。その後,T 細胞集団を回収し,タンパク質 X を含む培養液中で培養する。

図3
図3
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問 6 実験 1〜実験 3 の結果から,C 群のマウスでは実験 1 でタンパク質 X を経口投与したことで,タンパク質 X に特異的な制御性 T 細胞が分化誘導されたと考えられる。この仮説が正しい場合に得られる実験結果として適切なものを,以下の選択肢(あ)〜(え)から 2 つ選び,記号で答えよ。なお,各細胞はマウスのリンパ節から採取して用いる。また,別個体のマウスから採取した細胞は見分けて解析できるが,混合または移入しても拒絶反応は起こらないものとする。

(あ) 実験 3 の開始時点の C 群の T 細胞集団を,同じ時点の A 群の T 細胞集団および樹状細胞と混ぜ,タンパク質 X を含む培養液中で培養すると,A 群のヘルパー T 細胞はわずかにしか増殖しない。

(い) 実験 3 の開始時点の C 群の T 細胞集団を,同じ時点の B 群の T 細胞集団および樹状細胞と混ぜ,タンパク質 X を含む培養液中で培養すると,B 群のヘルパー T 細胞は活発に増殖する。

(う) 実験 3 の開始時点の B 群の T 細胞集団を,実験 1 を終えた C 群のマウスに移植し,実験 2 を行うと,すべてのマウスが下痢を起こす。

(え) 実験 1 で腹部注射する直前の C 群の T 細胞集団を,未処置のマウスに移植する。その後,A 群と同じ条件で実験 1 と実験 2 を行うと,一部のマウスだけ軽い下痢を起こす。

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第2問

〔2〕 以下の文章を読み,問 1〜問 7 に答えよ。

 陸上植物は,環境の変化に応じて柔軟にその形態を変えるしくみを発達させてきた。例えば,エンドウでは,頂芽でつくられたオーキシンは茎の基部の方へ輸送される。これにより,植物ホルモンであるサイトカイニンの生合成が阻害されることで,側芽の成長が抑制される。このため,エンドウの頂芽を切除すると,サイトカイニンが側芽に作用するようになることで 1 週間後には側芽が成長する。ただし,エンドウの頂芽を切除した場合でも,切り口にオーキシンを塗れば,側芽の成長は抑制される。

問 1 下線部について,頂芽によって側芽の成長が抑制される現象を何とよぶか,漢字 4 文字で答えよ。

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【実験 1】

 植物ホルモンが側芽の成長に与える影響を明らかにするために,エンドウを用いて,頂芽を切除していない個体と切除した個体を用意し,さまざまな実験操作を行った。その後,1 週間育成した後に,エンドウの側芽を観察した。

問 2 実験 1 に関して,実験操作と結果の組み合わせとして正しいと考えられるものを,以下の選択肢(あ)〜(え)から 2 つ選び,記号で答えよ。

(あ) 頂芽を切除していないエンドウの側芽にサイトカイニンを塗ったところ,塗らなかった場合と比べて側芽の成長は促進された。

(い) 頂芽を切除したエンドウの側芽にサイトカイニン生合成阻害剤を塗ったところ,塗らなかった場合と比べて側芽の成長は促進された。

(う) 頂芽を切除したエンドウの切り口にオーキシンを塗った。さらに側芽にサイトカイニンを塗ったところ,サイトカイニンを塗らなかった場合と比べて側芽の成長は促進された。

(え) 頂芽を切除したエンドウの切り口にオーキシンを塗った。さらに側芽にサイトカイニン生合成阻害剤を塗ったところ,サイトカイニン生合成阻害剤を塗らなかった場合と比べて側芽の成長は促進された。

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【実験 2】

 近年,モデル植物のシロイヌナズナを用いた研究から,オーキシンやサイトカイニンに加え,植物ホルモン X が側芽の成長の調節にはたらくことがわかった。植物ホルモン X は,受容体 Y と結合することで,側芽の成長を調節する。このしくみをさらに詳しく調べるため,シロイヌナズナの野生型および受容体 Y が欠失した変異体 y を用いて接ぎ木実験を行った(図 1)。シロイヌナズナを中央部で切断し,台木と穂木に分け,それらを組み合わせた個体(接ぎ木した個体)を作製した。接ぎ木した個体を 1 か月育成した後,穂木側の側芽を観察した結果を表 1 に示す。ただし,受容体 Y をコードする遺伝子 Y からつくられる mRNA とタンパク質は台木と穂木の間を移動しないこととする。

図1
図1
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表1
表1

問 3 実験 2 の結果(表 1)から考えられる最も適切な結論を,以下の選択肢(あ)〜(え)から 1 つ選び,記号で答えよ。また,その選択肢を選んだ根拠となる主な実験結果を 2 行以内で説明せよ。

(あ) 植物ホルモン X は台木側で受容体 Y を活性化し,側芽の成長を抑制する。

(い) 植物ホルモン X は穂木側で受容体 Y を活性化し,側芽の成長を抑制する。

(う) 植物ホルモン X は台木側で受容体 Y を活性化し,側芽の成長を促進する。

(え) 植物ホルモン X は穂木側で受容体 Y を活性化し,側芽の成長を促進する。

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【実験 3】

 植物ホルモン X は,図 2 に示すように前駆体から複数の酵素によって段階的につくられる。まず,遺伝子 A がコードする酵素 A により前駆体から中間体 1 がつくられ,次に遺伝子 B がコードする酵素 B により中間体 1 から中間体 2 がつくられる。最後に,遺伝子 C がコードする酵素 C により中間体 2 から植物ホルモン X がつくられる。

図2
図2

 植物ホルモン X がつくられる過程をさらに詳しく調べるため,シロイヌナズナの野生型および酵素 A,B,C それぞれが欠失した変異体 a,b,c を用いて,接ぎ木実験を行った。台木と穂木をさまざまな組み合わせで接ぎ木した個体を 1 か月育成した後,穂木側の側芽を観察した結果を表 2 に示す。ただし,遺伝子 A,B,C からつくられる mRNA と酵素 A,B,C は台木と穂木の間を移動しないこととする。

表2
表2
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問 4 変異体 a を用いた実験 3 の結果(表 2)から,ア で前駆体から中間体 1 がつくられることが側芽の成長の調節に必要だと考えられる。一方,変異体 c を用いた実験 3 の結果(表 2)から,イ で中間体 2 から植物ホルモン X がつくられることが側芽の成長の調節に必要だと考えられる。

 空欄 ア と イ に当てはまる適切な語句を,以下の選択肢(あ)と(い)からそれぞれ 1 つ選び,記号で答えよ。

(あ) 台木側  (い) 穂木側

問 5 実験 3 で,台木に変異体 b を,穂木に変異体 a を用いて接ぎ木したところ,側芽は成長しなかった(表 2)。これは,ウ から エ へと オ が移動したためだと考えられる。

 空欄 ウ 〜 オ に当てはまる適切な語句を,以下の選択肢(あ)〜(か)からそれぞれ 1 つ選び,記号で答えよ。

(あ) 台木側  (い) 穂木側  (う) 前駆体  (え) 中間体 1  (お) 中間体 2  (か) 植物ホルモン X

問 6 実験 3 の結果(表 2)から,中間体の移動に関する考察として適切なものを,以下の選択肢(あ)〜(え)から 1 つ選び,記号で答えよ。

(あ) 中間体 1 は台木と穂木の間を移動できるが,中間体 2 は移動できない。

(い) 中間体 2 は台木と穂木の間を移動できるが,中間体 1 は移動できない。

(う) 中間体 1 と中間体 2 のどちらも台木と穂木の間を移動できる。

(え) 中間体 1 と中間体 2 のどちらも台木と穂木の間を移動できない。

問 7 表 2 の (i) と (ii) の実験結果はどのようになると考えられるか,それぞれ「+」か「−」で答えよ。

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第3問

〔3〕 以下の文章【A】と【B】を読み,問 1〜問 6 に答えよ。

【A】

 動物は,体液の状態を感知し,内分泌系と自律神経系を介した情報伝達により体液の状態を調節して恒常性を維持している。このようにして,血液中のグルコースや無機塩類の濃度は一定の範囲内に保たれている。情報伝達を担う物質には,内分泌細胞が血液中に分泌するホルモンや,神経細胞がシナプス間隙に分泌する神経伝達物質がある。一般的に,内分泌系のホルモンを介した情報伝達に比べて,シナプスにおける神経伝達物質を介した情報伝達の方が,速度は①(速く・遅く),その作用の持続時間は②(長い・短い)。

問 1 ホルモンに関する記述として適切なものを,以下の選択肢(あ)〜(お)から 2 つ選び,記号で答えよ。

(あ) ホルモンは排出管を経て血液中に分泌される。

(い) 脳下垂体前葉にある神経分泌細胞はホルモンを分泌する。

(う) ホルモンの中には,細胞膜を通過できるものがある。

(え) ホルモンの中には,腎臓に作用して体液の量を調節するものがある。

(お) 血液中のグルコース濃度を上げる作用をもつホルモンより,下げる作用をもつホルモンの方が種類が多い。

問 2 下線部①と②について適切な語句を選び,丸で囲め。

問 3 シナプスでは,一度,情報伝達に使われた神経伝達物質が,次の情報伝達に備えて取り除かれるしくみがある。そのしくみを 2 つ挙げて,それぞれを 1 行で答えよ。

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【B】

 カルシウムイオン(Ca²⁺)は,筋肉の収縮や神経の興奮伝達などの生命活動に重要であり,これらが正常に機能するために,血液中の Ca²⁺ 濃度を一定の範囲内に保つしくみがある。例えば,血液中の Ca²⁺ 濃度が低下すると,副甲状腺からパラトルモンというホルモンが分泌され,Ca²⁺ 濃度が元の状態に戻るように調節される。血液中の Ca²⁺ 濃度の維持に重要なパラトルモンがはたらくしくみを調べるため,実験 1 と実験 2 を行った。

【実験 1】

 パラトルモンが作用する器官や細胞を調べるために,放射性同位体で標識した微量のパラトルモンを,実験動物の血管内に注入して全身を循環させた。一定時間後に放射性同位体が存在する器官を調べたところ,骨と腎臓に検出された。③骨についてさらに詳しく調べたところ,骨の表面にある骨芽細胞と破骨細胞のうち,骨芽細胞の細胞膜にのみ放射性同位体が検出された。

 次に,実験動物から採取した骨芽細胞と破骨細胞を別々に培養した。④培養液にパラトルモンを添加したところ,骨芽細胞内の cAMP(環状 AMP)の濃度は上昇したが,破骨細胞内の cAMP 濃度は変化しなかった。骨芽細胞内の cAMP 濃度は,血液中の Ca²⁺ 濃度の調節に関与すると考えられている。

問 4 下線部③について,放射性同位体は骨芽細胞の細胞膜に検出されたが,破骨細胞には検出されなかった。その理由を,以下の 3 つの語句をすべて用いて 2 行以内で説明せよ。

 語句:骨芽細胞,破骨細胞,受容体

問 5 下線部④について,パラトルモンが骨芽細胞内の cAMP 濃度を上昇させるしくみを,以下の 3 つの語句をすべて用いて 3 行以内で説明せよ。なお,cAMP は cAMP 合成酵素によりつくられる。

 語句:活性化,細胞内,細胞外

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【実験 2】

 骨には,血液中の Ca²⁺ を取り込んで貯蔵する役割と,部分的に分解(骨破壊)されることで血液中に Ca²⁺ を供給する役割がある。このような骨を介した血液中の Ca²⁺ 濃度の調節において,パラトルモンは重要な役割を担っている。以下の実験により,パラトルモンが骨破壊に与える影響を調べた。

 実験動物から,骨芽細胞,破骨細胞,骨片(細胞を除去した骨の破片)を採取し,図 1 の上段に示す A〜D の条件で培養した。パラトルモンを含まない培養液と含む培養液で 24 時間培養した後,骨破壊の程度を測定し,図 1 の下段に示す結果を得た。

 条件 A〜D の説明

 A:骨芽細胞のみを骨片上で培養した。

 B:破骨細胞のみを骨片上で培養した。

 C:骨芽細胞と破骨細胞が接触するようにして,骨片上で培養した。

 D:骨芽細胞と破骨細胞が接触しないように,細胞以外の物質を通す小さな孔をもつフィルターで骨芽細胞と破骨細胞を仕切って,骨片上で培養した。

図1
図1
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問 6 実験 1 と実験 2 の結果から考えられる結論として最も適切なものを,以下の選択肢(あ)〜(お)から 2 つ選び,記号で答えよ。

(あ) パラトルモンは破骨細胞に作用して,骨芽細胞による骨破壊を抑制する。

(い) パラトルモンは骨芽細胞に作用して,破骨細胞による骨破壊を抑制する。

(う) パラトルモンを含まない培養液中でも,破骨細胞と骨芽細胞が接触すると,接触しない場合に比べて骨破壊が促進される。

(え) 骨芽細胞が分泌した培養液中の物質は,パラトルモンによる骨破壊の促進に十分である。

(お) 破骨細胞と骨芽細胞が接触する場合のみ,パラトルモンは骨破壊を促進する。

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第4問

〔4〕 以下の文章を読み,問 1〜問 5 に答えよ。

 ゲノムの特定の部位を任意に改変する技術を ア という。そのうち,CRISPR-Cas9 技術では,DNA 切断酵素 Cas9 と,①標的となるゲノム DNA 上の特定部位の塩基配列と相補的な配列を含む RNA(ガイド RNA)を用いる。細胞内で Cas9 とガイド RNA は複合体を形成し,標的の DNA 配列を認識して切断する。切断された DNA は細胞の修復機構によって再結合される(図 1)。

 その結果,DNA が元通りに修復される場合と,さまざまな長さの DNA の欠失や挿入が生じる場合がある。CRISPR-Cas9 技術では,このような DNA の変異(突然変異)を導入することで,特定の遺伝子のはたらきを変化させたり,失わせたりすることができる。

問 1 文中の空欄 ア に当てはまる適切な語句を答えよ。

問 2 下線部①について,ガイド RNA が相補的に結合する DNA の長さは約 20 塩基である。特定の 20 塩基対の DNA 配列は,約 30 億塩基対のヒトゲノム上に何か所存在すると考えられるか。以下の選択肢(あ)〜(う)から最も適切なものを 1 つ選び,記号で答えよ。また,その理由を 2 行以内で説明せよ。ただし,ヒトゲノムの塩基配列はランダム配列(A,T,G,C が無作為に並んだ配列)であるとする。

(あ) 1000 か所以上  (い) 10〜100 か所  (う) 1 か所以下

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図1
図1
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【実験 1】

 常染色体上の遺伝子 X がコードするタンパク質 X の機能を明らかにするために,CRISPR-Cas9 技術を用いて遺伝子 X のノックアウトマウスの作製を試みた。遺伝子 X 内に存在する制限酵素 EcoRI の認識配列の中で DNA 切断が起こるように,ガイド RNA を設計した(図 2)。ガイド RNA と Cas9 を野生型マウスの複数の受精卵に導入した。これらの受精卵から発生した 5 匹のマウス(マウス 1〜5)と,野生型マウス(マウス 6)について,以下の解析を行った。

 マウス 1〜6 の細胞からゲノム DNA を抽出した。ガイド RNA の認識配列が存在していたゲノム領域を PCR で増幅するために,プライマー P1,P2 とプライマー P3,P4 の 2 対を用意した(図 2)。これらのプライマーを用いてマウスのゲノム DNA を鋳型に PCR を行い,得られた PCR 産物を電気泳動により解析した(図 3 a,b)。さらに,プライマー P1,P2 を用いて得られた PCR 産物は,EcoRI による切断を試みた(EcoRI 処理)後にも電気泳動を行った(図 3 c)。なお,EcoRI 認識配列は遺伝子 X 内に 1 か所のみ存在する。マウス 1〜5 の遺伝子 X 内で DNA の欠失や挿入が生じた場合,EcoRI 認識配列は失われたが,プライマー P3,P4 がアニーリングする部位は失われなかった。

問 3 図 3 の結果から,プライマー P1,P2 を用いて得られた PCR 産物に EcoRI 認識配列が存在するのはマウス 1〜6 のうち,どのマウスのゲノム DNA を鋳型に用いた場合か。該当するマウスの番号をすべて答えよ。

問 4 図 3 の結果から,マウス 1〜5 の各個体がもつ 2 つの遺伝子 X の組み合わせ(遺伝子型)として正しいと考えられるものを,以下の(あ)〜(う)からそれぞれ 2 つずつ選び,解答用紙の例(マウス 6)にならって,記号で答えよ。ただし,個々のマウスを構成するすべての細胞は同じ遺伝子型とする。

(あ) 野生型の遺伝子 X

(い) 変異型の遺伝子 X(数塩基対の欠失や挿入)

(う) 変異型の遺伝子 X(500 塩基対以上の大きな欠失)

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図2
図2
図3
図3
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【実験 2】

 実験 1 で得られたマウスを調べたところ,野生株マウスと異なり,マウス 2,4 は生後しばらくすると死亡した。また,マウス 2,4 ではタンパク質 X の機能が失われていた。このことから,タンパク質 X はマウスの生存に必須の役割をもつと考えられる。一方,野生型マウスと同様,マウス 1,3,5 は長らく生存した。マウス 3 については,②野生型タンパク質 X とほぼ同じ分子量の変異型タンパク質 X を発現していることがわかった。

問 5 マウス 3 がもつ 2 つの遺伝子 X のうち,(1) 下線部②の変異型タンパク質 X をコードする遺伝子 X に生じた DNA の変異について具体例を 1 つ考えて,1 行で答えよ。また,(2) その変異によってタンパク質 X に生じた一次構造の変化と,その変化によるタンパク質 X の立体構造や機能への影響を 2 行以内で説明せよ。