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第1問
次の連立不等式で定まる座標平面上の領域 を考える。
直線 は原点を通り, との共通部分が線分となるものとする。その線分の長さ の最大値を求めよ。また, が最大値をとるとき, 軸と のなす角 の余弦 を求めよ。
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第2問
図のように,正三角形を つの部屋に辺で区切り,部屋 を定める。 つの球が部屋 を出発し, 秒ごとに,そのままその部屋にとどまることなく,辺を共有する隣の部屋に等確率で移動する。球が 秒後に部屋 にある確率を求めよ。
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第3問
座標平面上で つの不等式
によって定まる領域を とする。 を 軸のまわりに回転してできる立体の体積を とし, 軸のまわりに回転してできる立体の体積を とする。
(1) と の値を求めよ。
(2) の値と の大小を判定せよ。
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第4問
を 以上の整数とする。自然数( 以上の整数)の 乗になる数を 乗数と呼ぶことにする。以下の問いに答えよ。
(1) 連続する 個の自然数の積は 乗数でないことを示せ。
(2) 連続する 個の自然数の積は 乗数でないことを示せ。
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第5問
行列 が次の条件 (D) を満たすとする。
(D) の成分 は整数である。また,平面上の 点 は,面積 の平行四辺形の つの頂点をなす。
とおく。次の問いに答えよ。
(1) 行列 と も条件 (D) を満たすことを示せ。
(2) ならば, に のどちらかを左から次々にかけることにより, 個の行列 のどれかにできることを示せ。
(3) とする。 の少なくともどちらか一方は,それを とすると
を満たすことを示せ。
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第6問
行列 に対して
と定める。
は を満たす実数とする。行列 を次で定める。
また実数 に対し とする。
このとき以下の問いに答えよ。
(1) 各実数 に対して, の関数
の最大値 を求めよ。(ただし,最大値をとる を求める必要はない。)
(2) すべての実数 に対し
が成り立つことを示せ。
第1問 原点を通る弦を、縦の線で切る:いちばん長く残る向き
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
領域 は、中心 ・半径 の円の内側のうち、縦の線 より右の部分。原点を通る直線 を回したとき、 の中に入る部分(線分)の長さ が一番長くなる向きを探す。
かなめは 原点が円の上にある こと。円の上の点を通る直線は、その点からもう一度円と交わるだけなので、弦の長さが の式ですぐに書ける。そこから縦の線で切られる分を引けば が の関数になり、あとは微分して最大を探す。
(答)
直線 を 軸と角 をなす向きにとり、点を原点からの距離 で と表す。 と交わるには右上へのびる向きでなければならないので 。円の式に入れると
なので、原点()のほかに で円と交わる。直径 の円の弦の長さが になっている。
縦の線 は 、つまり原点から より先の部分。だから
が大きくなると は減り、 は増えるので、 は減っていく。だから となる所がただ 1 つの山の頂上になる。
。 では両辺とも正なので、2 乗しても同値。両辺を 2 乗して とおくと 、つまり
なので 、、。
このとき 。角はおよそ 。弦全体 を長くしようと を に近づけると、切られる が急に増える。その折り合いの所が答えになる。
答え の最大値 , (原点は円の上にあるので、角 の直線と円の弦は 。 で原点から が切られ 。 は減少し、。 で より )
第2問 9 つの部屋を動く球:Q にいるのは偶数秒後だけ
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
9 つの部屋は、どれも小さな正三角形。向きで分けると 上向きが 6 つ、下向きが 3 つ(P・Q と、下の段の左の下向きの部屋)。辺をはさんだとなりの部屋は必ず向きが逆なので、球は 1 秒ごとに上向きと下向きを行ったり来たりする。
もう 1 つのかなめは、下向きの 3 部屋の形がそろっていること。どの下向きの部屋も、となりは 3 つで、そのうち 1 つは角の部屋(となりが自分だけ)、残りの 2 つはほかの下向きの部屋との間の部屋(となりが 2 つ)。だから「2 秒ごとに下向きの部屋を見る」と、3 部屋の間の移り方がそろって、漸化式(1 つ前から次を決める式)が 1 本で書ける。
(答)
P は下向きなので、奇数秒後には球はかならず上向きの部屋にいる。Q は下向きなので、 が奇数のとき確率は 。
偶数秒後を 2 秒ずつ見る。下向きの部屋 X にいるとき、2 秒後の行き先は次のとおり。1 秒目に角の部屋へ行く(確率 )と、角の部屋のとなりは X だけなので必ず X にもどる。1 秒目に「X と Y の間の部屋」へ行く(確率 )と、そこから X か Y へ ずつ。Z との間も同じ。
まとめると、2 秒後に X にいる確率は 、Y と Z にいる確率は ずつ。
秒後に Q にいる確率を とする。図は P を通る縦の線について左右対称で、左下の下向きの部屋と Q が入れかわるので、左下にいる確率も 。P にいる確率は 。Q へは、P から 、Q から 、左下から で来るので
なので 。 として
で と に近づく。時間がたつと、偶数秒後の球は下向きの 3 部屋に同じ確率で分かれていく。
答え が奇数のとき , が偶数のとき (部屋は上向き 6・下向き 3 で、となりは必ず向きが逆。下向きの P からは偶数秒後だけ下向きの部屋にいる。下向きの部屋から 2 秒後は、同じ部屋に 、ほかの下向きの部屋に ずつ。 秒後に Q にある確率を とすると , )
第3問 同じ領域を x 軸と y 軸で回す:体積はほとんど同じ
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
は、放物線 の上側で、楕円 の内側の部分。横に長く平たい、レンズのような形をしている。同じ を 軸のまわりと 軸のまわりに回し、体積をくらべる。
まず境目の点を出す。 を楕円の式に入れると 、つまり 。 なので 、。楕円のいちばん上は から 。
回転体の体積は「回す軸に垂直に切った切り口の面積を足しあげる」。 軸まわりなら で切ってドーナツ形、 軸まわりなら で切って円板になる。
(1)
( 軸まわり): で切ると、外の半径は楕円の高さ、内の半径は放物線の高さのドーナツ形。楕円の高さの 2 乗は 、放物線の高さの 2 乗は 。左右対称なので
( 軸まわり): は左右対称なので、右半分を回したものと同じ立体になる。高さ で切ると円板で、半径は の右のはし。ここで、半径を決める線が 途中で変わる ことに気をつける。 では放物線(半径の 2 乗 )、 では楕円(半径の 2 乗 )。
前は 。後ろは を計算して 。合わせて
デモでは、右のグラフの切り口の面積が で折れ曲がるのが見える。
答え, (交点は 。。)
(2)
これと をくらべるには、 と 、つまり と をくらべればよい。
どちらも正なので 2 乗してくらべる:、。 なので 、よって 。
実際の値は ほどで、2% しかちがわない。 と粗く見積もると で判定がきわどいので、2 乗して整数どうしでくらべるのが確実。デモでは楕円の右辺を変えると比が動き、右辺 は比がちょうど になる所(およそ )のすぐ近くにあることが見える。
答え(。)
第4問 連続する数をかけても、n 乗数にはならない
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
「 乗数でない」ことを示すので、どちらも 乗数だと仮定して矛盾を出す(背理法)。使う道具は 2 つ。
となりどうしの整数は共通の素因数を持たない( と の両方を割る数は、差の も割るので だけ)。
大きさではさむ: 乗根がどのあたりにあるかを不等式でしぼる。
(1)
( は自然数)と仮定する。 と は共通の素因数を持たないので、 の素因数分解で、それぞれの素数はまるごと か のどちらか一方に入る。 の素数ごとの指数は の倍数なので、 も もそれぞれ 乗数になる:、()。
( は が大きいほど大きいので、 のときが一番小さい)。これは と合わない。よって は 乗数でない。
を使った所に注意。 を自然数に入れると となってしまう。「 以上の整数」とわざわざ書いてあるのはこのため。
答え示すこと:連続する 2 個の自然数の積 は 乗数でない。要点: と は共通の素因数を持たないので、 なら , 。でも で矛盾
(2)
と仮定する。まず大きさではさむ。 なので、かけた数には より大きい数も より小さい数もあり、
よって 。 は整数なので、 は のどれか。つまり はかけた数の 1 つで、()もかけた数の 1 つ。
すると は を割り切る。ところが と は共通の素因数を持たないので、 の素因数( なので 1 つはある)は に入っていない。これは矛盾。
のときは となる整数 がそもそも無いので、はさんだ所で終わる((1) の の場合と同じ)。
デモでは、積の 乗根がかけた数たちのまん中あたりに来ることが見える。 が大きいと 乗根 は に近づく(相加平均と相乗平均がほぼ等しくなる)。
答え示すこと: は 乗数でない。要点: なので、 なら 。すると も も積の中の数で、 は を割り切る。 と は共通の素因数を持たず なので矛盾( なら の整数が無い)
第5問 行列 B をかけると、平行四辺形は面積 1 のまま横にずれる
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
条件 (D) を式に直すのが最初の一歩。 は、ベクトル と を 2 辺とする平行四辺形で、その面積は 。だから (D) は「成分が整数で 」と同じ( なので 2 辺は平行でなく、4 点はつぶれずに平行四辺形をなす)。
を左からかけると :1 行目に 2 行目を足す。 なら 引く。図で言えば、点 が の向きにずれるだけで、底辺 と高さは変わらない。
(1)
、。成分は整数どうしの足し算・引き算なので整数。
なので をとっても のまま。4 点は面積 1 の平行四辺形をなし、(D) を満たす。図では、平行四辺形が同じ底辺・同じ高さのまま横にずれる(面積が変わらない)ことにあたる。
答え示すこと:, も (D) を満たす。要点:平行四辺形の面積は なので (D) は「成分が整数で 」。, は成分が整数で、 なので面積も 1
(2)
なら面積は 。 は整数なので 、。
を 回かけると( が負なら を 回)、1 行目に 2 行目を 回足すことになる。2 行目は なので
右上を にしたい。 なので とすれば 。
こうして ()になり、4 つの行列のどれかになる。かける回数は 回。 ならはじめから対角になっている(かける回数 0。気になるなら と を 1 回ずつかければ同じ行列にもどる)。
答え示すこと: なら対角 の 4 つのどれかにできる。要点: より , は 。 より 。 とすると右上は 。 なら 、 なら を 回かければよい
(3)
と の左の列は と 。どちらも なので、 を より小さくできるかを見ればよい。
を と逆の向きに 足すのがこつ。 と が同じ符号なら ()、ちがう符号なら ()をとる。 なので、どちらの場合も ( から の大きさだけ に近づく)。
すると 。 なので となり、示せた。
これは割り算の余りを取っていく互除法と同じ動き。デモでは、小さくできる方をくり返し選ぶと が下がっていく。なお、小さい方の はいつも なので、 でも なら小さくなる。 は、小さくなるための十分な条件になっている。
答え示すこと: なら , の一方は 。要点:左の列は , で 。 と が同じ符号なら 、ちがう符号なら をとると、 より 。よって
第6問 回した行列の Tr:2 本の「折り返しの線」がそろうとき最大
答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方
は対角の成分の和。 は角 の回転の行列で、 はその逆回転。 は「 を だけ回したもの」で、 は回しても変わらない( から)。
まず行列を実際に計算して、形を見やすくするのが筋。とくに は「角 の線で折り返す」行列 になる。(2) では を 1 つの文字にまとめると、2 次式の符号の問題になる。
(1)
ここから を引くと、左上は 、右下は になり
これは角 の線で折り返す行列の 倍。
一方 。2 つをかけて対角の成分を足すと
を動かすと は から まで全部の値をとる。 なので、 の符号に合わせて を選べば最大で、。デモでは、角 の線が角 の線にそろう(または直角になる)とき最大になるのが見える。
答え(、 より )
(2)
左辺を計算する。 の対角の成分は と 。 は対角なので、かけて をとると
ただし 。 右辺は、 が回しても変わらないので から を引いて 。
()、 とおいて左辺 右辺を整理すると
なので、 の中が 以上であることを示せばよい。
ここで を使う。 と (指数が 以上)から 、。だから
のときは、 の中は ( 以上)以上( なら より大きい)。どちらでも 以上で、不等式が示せた。等号は ( など)のときと、 のとき(左辺も右辺も で、どの , でも等しい)。 なら なので、 で等号にはならない。
デモでは、右辺から を取ると不等号が逆になる( では )ことも見える。 はちょうど足りない分を埋める量になっている。
答え示すこと:。要点:, とおくと、左辺、右辺 で、差は 。, より , なので 、つまり 。 なので の中は 以上