— 70 —
地 学
第1問 現在,太陽以外の恒星のまわりにも惑星が発見されている。このような惑星の中に地球によく似た環境の惑星があれば,人類の移住が可能かもしれない。2 つの惑星X1,X2を持つ恒星Sを考える。これらの惑星は同一平面上で恒星Sを中心とする円軌道を同じ方向に運動し,惑星X1の軌道半径 a 1 は惑星X2の軌道半径 a 2 より小さいとする。惑星X1と惑星X2の公転周期をそれぞれ P 1 ,P 2 とする。惑星X2に人類が移住したとして,次の問い(問1~3)に答えよ。ただし,光速 c = 3.0 × 10 8 m / s ,1 天文単位 a E = 1.5 × 10 11 m とし,必要であれば,1.5 1 / 2 = 1.22 ,1.5 1 / 3 = 1.14 という近似を使ってよい。
問1 惑星X1と惑星X2が最接近したときに,惑星X2にいる人が惑星X1に向けて電波を射出し,惑星X1の表面で反射して戻ってくるまでの時間を測定した。この往復の時間(エコー時間)は Δ t であった。以下の問いに答えよ。
(1) 電波が光速 c で進むとして,a 1 ,a 2 ,Δ t の関係式を求めよ。ただし,エコー時間の間の惑星の位置の変化は無視でき,惑星半径は軌道半径に比べて無視できるとする。
(2) 惑星X2の軌道半径 a 2 を,P 1 ,P 2 ,a 1 を用いて表せ。
(3) 測定結果は Δ t = 330 秒であった。P 1 が 1.0 年,P 2 が 1.5 年である時,a 2 は何天文単位になるか。計算の過程とともに,有効数字 2 桁で答えよ。
— 71 —
問2 惑星X2にいる人が恒星Sと惑星X1の天球上の位置を継続的に観測した。ある時刻 t 1 で惑星X1と恒星Sの間の離角が最大となった(最大離角)。次の最大離角は時刻 t 2 で見られた。時刻 t 1 ,t 2 で惑星X1のスペクトルを測定したところ,t 2 でのスペクトル線の波長の方が t 1 でのものより短かった。このスペクトル線の波長の変化は惑星の公転によるものとする。以下の問いに答えよ。
(1) 最大離角 θ m a x と a 1 ,a 2 の間に成り立つ関係式を書け。
(2) 惑星X1と惑星X2が単位時間あたりに公転する角度の差を P 1 ,P 2 を用いて表せ。
(3) 時間差 t 2 − t 1 を,P 1 ,P 2 ,θ m a x を用いて表せ。計算の過程も示すこと。
問3 地球大気最上端で太陽光線に垂直な単位面積が単位時間あたりに受ける太陽からの全放射エネルギーを太陽定数という。惑星X2が受ける恒星Sからの全放射エネルギーを同様に測定したところ,地球における太陽定数と同じ値であった。以下の問いに答えよ。
(1) 恒星Sの光度は太陽の光度の何倍か,a 1 ,a 2 ,a E の中から必要なものを用いて表せ。
(2) 恒星Sは主系列星であり,a 2 > a E であるとする。惑星X2の大気最上端で,恒星Sからの光線に垂直な単位面積が単位時間あたりに受ける紫外線の放射エネルギーは,地球が太陽から受ける紫外線の放射エネルギーと比べて大きいと考えられるか,小さいと考えられるか,理由を含めて 2 行程度で答えよ。
— 74 —
第2問 大気と海洋の現象に関する次の問い(問1~2)に答えよ。
問1 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
近年,人間活動によって大気中の(Ⅰ)温室効果ガス濃度が上昇し,その結果として地上気温が上昇していることが,地球環境問題として認識されている。この(Ⅱ)地球規模の温暖化は,地球上のどこでも同じ速さで進んでいるわけではなく,特に北極域で温度上昇が大きいことが報告されている。北極海には海氷が浮遊しているが,(Ⅲ)海氷が融解し海面を覆っている面積が減少することによって,さらに温暖化が進むことが知られている。また,極域の温暖化にともなって,(Ⅳ)氷晶と過冷却の水滴が共存している雲の量がどう変化するのか注目されている。(Ⅴ)海氷の融解が直接的に世界の平均海面水位に与える影響はないが,陸上にある山岳氷河や氷床の減少は海面上昇を引き起こす。
(1) 下線部(Ⅰ)に該当する気体の名称を二酸化炭素のほかに 2 つ挙げよ。
(2) 下線部(Ⅱ)とは別に,大都市域では地域的な気温の上昇(ヒートアイランド現象)も見られる。その原因として考えられるものを 1 つ挙げよ。
(3) 下線部(Ⅲ)の理由として考えられるしくみを 3 行程度で説明せよ。
(4) 下線部(Ⅳ)の氷晶や過冷却の水滴の成長には飽和水蒸気圧が重要な要素の 1 つとなる。
(a) 飽和水蒸気圧とは何か,3 行程度で説明せよ。
(b) 氷晶と過冷却の水滴が共存するとき,片方がもう片方よりも成長しやすい。その理由を,「飽和水蒸気圧」という語を用いて 3 行程度で述べよ。ただし,温暖化の影響は考えなくてよい。
— 75 —
(5) 下線部(Ⅴ)の理由をアルキメデスの原理に基づき 3 行程度で説明せよ。図を用いてもよい。ただし,塩分の効果は考えなくてよい。
— 76 —
問2 大気と海洋の間では,二酸化炭素のやり取りが行われており,海洋から大気へと二酸化炭素が放出されている海域と,大気から海洋へと二酸化炭素が吸収されている海域が存在する。この海洋による二酸化炭素の吸収や放出は,水温,生物活動など様々な影響を受けて大きく変動することが知られているが,湧昇も重要な要因の 1 つである。具体的には,二酸化炭素を多く含む下層の海水が湧昇すると,海洋による二酸化炭素放出量が増大する。以下の問いに答えよ。
(1) 下線部であげられている 2 つの要因が,海洋による二酸化炭素の吸収や放出に影響を与える理由について,それぞれ 2 行程度で述べよ。
(2) 東太平洋赤道域における大気海洋間の二酸化炭素のやり取りについて述べた以下の文章の①~③に入る適切な語句を選択せよ。
東太平洋赤道域では,① 東・西 風の貿易風が吹いているため,両半球の海洋で ② 極・赤道 向きのエクマン輸送が生じている。その結果,赤道上で湧昇が起きるため,東太平洋赤道域は主に二酸化炭素が放出される海域となっている。また,エルニーニョ現象に伴う湧昇の ③ 弱化・強化 などによって,東太平洋赤道域における大気海洋間の二酸化炭素のやり取りは,年によって大きく変動することが知られている。
— 77 —
(3) 図2—1は,インド洋西部周辺の地上 10 m における風の季節変動の様子を示している。
(a) この海域では,モンスーンが卓越する。図2—1の(A)と(B)のどちらが北半球の夏の図であるかを答えよ。
(b) インド洋西部のアフリカ大陸沖やアラビア半島沖(赤道~北緯 20 度)では,湧昇の季節変動に伴って,大気海洋間の二酸化炭素のやり取りも大きく季節変動する。北半球の夏と冬のどちらの方が海洋からの放出量が多いか,その理由とともに 3 行程度で述べよ。ただし,「エクマン輸送」,「湧昇」という語句を必ず用いること。
図2—1 インド洋西部周辺(東経30度~東経90度,南緯10度~北緯30度)の地上10 mの風(矢印)。(A)と(B)は,それぞれある季節(夏または冬)の風を示している。
— 80 —
第3問 地震と地質に関する次の問い(問1~2)に答えよ。
問1 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
(1) 海嶺から離れた場所で海底面を強くたたいて地震波を発生させ,様々な震央距離 x に対するP波の走時を観測し,走時曲線(図3—1)を取得した。海洋底下は 2 つの層から構成され,浅い層を第 1 層,深い層を第 2 層と呼ぶ。各層の厚さは水平方向に一定であり,層内を伝わるP波速度は各層中で一定であるとする。図3—1の実線は直接波の走時曲線,一点鎖線は第 1 層と第 2 層の境界で屈折して海洋底に到達する波の走時曲線を示す。直接波と屈折波が同時に到達する震央距離 x l は,第 1 層の厚さ d ,第 1 層のP波速度 v 1 ,第 2 層のP波速度 v 2 を用いて,次の式で表される。
x l = 2 d v 2 + v 1 v 2 − v 1
(a) 図3—1の走時曲線から v 1 ,v 2 ,d を有効数字 2 桁で求めよ。計算の過程を示すとともに,単位も明記せよ。
(b) x ≧ x l における屈折波の走時 T H を x ,d ,v 1 ,v 2 を用いて式で表せ。
(c) 実際には直接波と屈折波に加えて,第 1 層と第 2 層の境界で反射して海洋底に戻る反射波と呼ばれるP波が観測されることがある。任意の震央距離 x の地点における反射波の走時 T R は x ,d ,v 1 を用いて次の式で表される。
T R = 2 v 1 d 2 + x 2 4
直接波と屈折波の走時曲線に対して,反射波の走時曲線を示すもっとも適切な概念図を図3—2の①~④から 1 つ選び,その理由を 2 行程度で述べよ。
— 81 —
(2) 図3—3に示すように,海嶺軸で発生した地震によるP波を,海嶺軸に直交する測線AA’に沿って観測した。
(a) 測線AA’に沿う各観測地点での地面の最初の動き(初動)に着目すると,図3—3のように押し波の領域と引き波の領域の分布が得られた。また,この地震の断層面は,走向 N 0 ∘ E ,傾斜 45 ∘ W の面で代表されることがわかった。この地震の断層運動は,①右横ずれ,②左横ずれ,③正断層,④逆断層のいずれであるか,東西方向の断面図を描いて 2 行程度で説明せよ。
(b) 下の文章を読み,ア~ウの空欄にあてはまる語句をそれぞれ答えよ。
上記の断層運動は,大西洋中央海嶺のようなプレート発散境界で発生しやすい。なぜなら,海嶺では地殻を水平方向に ア 力がはたらいているからである。また,類似の断層運動は,海溝付近でも起こりやすい。ア 力は,海洋プレートが沈み込む前に曲げられることによっても生じるからである。
海嶺のように,マントル物質が深部から高温を保ったまま上昇してくるところでは,イ の低下によってマントル物質が融解してマグマが生じる。マントル物質が融けはじめる温度は,ウ などが加わると大きく低下する。
— 82 —
図3—1 観測された走時曲線。xは震央距離を表す。
— 83 —
図3—2 直接波,屈折波,反射波の走時曲線を示す概念図
— 84 —
図3—3 測線AA’の位置を示す平面図。地震の震央を星印で,各地点の初動の押し引き分布を▲印と△印で示す。
— 86 —
問2 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。
ある海域で採取された未固結堆積物について,その一部をスライドガラス上に薄く塗布して封入したスライド試料(スミアスライド)を偏光顕微鏡で観察した。開放ニコル(平行ニコル)で観察したある視野でのスケッチを図3—4に示す。図3—4中の粒子A~Dについて,顕微鏡下での観察記録を以下に示す。
図3—4 ある海域で採取された未固結堆積物から作成したスミアスライドの開放ニコル(平行ニコル)での顕微鏡観察のスケッチ
A.粒径が 0.3 m m 以下のケイ素からなる動物プランクトンの微化石。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。
B.粒径が 0.5 m m 以下の微化石で,内部は複数の隔壁により分けられている。直交ニコルでの観察では,炭酸カルシウムの結晶である方解石に特徴的な高い干渉色を示す。
C.さまざまな粒径で,発泡によってできたと思われる多様な形態の穴を含む。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。
— 87 —
D.粒径が 0.3 m m 以下のケイ素からなる植物プランクトンの微化石で,網目状の微細な組織を持つ。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。
(1) A~Dの粒子は何か。それぞれについて以下の①~④の中から選べ。
① 放散虫
② ケイ藻
③ 軽石(火山ガラス)片
④ 有孔虫
(2) 顕微鏡観察により,この堆積物に含まれる粒子の量比を体積 % として見積もったところ,以下のようになった。
砕屑粒子(石英,長石類,粘土鉱物)78 %
有孔虫 15 % 放散虫 3 % ケイ藻 2 % 軽石片 2 %
次に,砕屑粒子(石英,長石類,粘土鉱物)の粒径を測定し,その量比を体積 % として見積もったところ,以下のようになった。
粒径 1 / 256 m m 未満の粒子 65 %
粒径 1 / 256 m m 以上で 1 / 16 m m 未満の粒子 32 %
粒径 1 / 16 m m 以上で 2 m m 未満の粒子 3 %
粒径 2 m m 以上の粒子 0 %
この堆積物の名前として,適切なものを以下の中から 1 つ選び,そのように判断した理由を 1 行程度で説明せよ。
含礫砂質シルト 火山礫 シルト質粘土
— 88 —
(3) (2)の情報をふまえ,この堆積物が採取された場所として適切なものを,以下の①~④の中から 1 つ選び,そのように判断した理由を 2 行程度で説明せよ。
① 大洋中央部の中央海嶺で水深 2500 m の地点
② 大陸周辺部に位置する海盆で水深 1600 m の地点
③ 沈み込み帯の海溝で水深 8000 m の地点
④ 大洋中央部の深海平原で水深 5800 m の地点
(4) 図3—4に見られる微化石を含め,堆積物中に多産する生物の化石は示準化石あるいは示相化石として利用されることがある。顕生累代を通じて生物の大量絶滅イベントは繰り返し起きてきた。このような大量絶滅イベントの存在は,各生物グループの示準化石としての有用性を高める反面,示相化石としての利用を困難にすると考えられる。これはなぜか,有用性を高める理由と利用を困難にする理由をあわせて 3 行程度で説明せよ。
第1問 ほかの恒星のまわりの惑星に住んだら 答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 ほかの恒星Sのまわりを、2つの惑星 X1(内側)と X2(外側)が同じ平面・同じ向きに円を描いて回っている。人が住むのは外側の X2。X2 から見える「X1 と恒星S」を観測して、軌道の大きさや恒星の性質を調べる、という問題。
使う道具は3つ。ケプラーの第3法則 (同じ星のまわりを回る惑星では、公転周期 P の2乗が軌道半径 a の3乗に比例する:a 3 P 2 が一定)。内惑星の見え方 (内側の惑星は、外側から見ると恒星から一定の角度以上は離れない。いちばん離れたときが最大離角)。光の広がり方 (恒星の光は球面に広がるので、距離 r の所で 1 m 2 が受ける量は L 4 π r 2 、L は光度=恒星が1秒に出す全部の光)。
最後は、主系列星(HR図の左上から右下へのびる帯の星)の性質を使う。主系列星は、重いものほど明るく、表面温度も高い。
問1(1) 2つの惑星が最接近するのは、恒星Sから見て同じ向きに並んだとき。そのとき2つの間の距離は、軌道半径の差 a 2 − a 1 になる。
電波は X2 から X1 まで行き、はね返って X2 に戻るので、進む道のりは 2 ( a 2 − a 1 ) 。これを光速 c で進むのにかかる時間が Δ t なので、道のり=速さ×時間 から式が立つ。
問題の「エコー時間の間の惑星の位置の変化は無視できる」は、330 秒の間に惑星が動く距離(約 10 4 k m )が、惑星の間の距離(約 5 × 10 7 k m )にくらべてとても小さいから。デモで惑星も動かしながら電波を進めても、往復の時間は 10 − 8 の割合しか変わらない。
問1(2) X1 と X2 は同じ恒星Sのまわりを回っているので、ケプラーの第3法則が使える。
a 1 3 P 1 2 = a 2 3 P 2 2
両辺を a 2 について解くと、a 2 3 = a 1 3 ( P 2 P 1 ) 2 、つまり3乗根をとって a 2 が出る。
恒星Sの質量が分からなくても、周期の比だけで軌道半径の比が決まる のがこの法則の強み。デモのグラフでは、X1 と X2 が「周期 ∝ 半径の 1.5 乗」の同じ曲線の上に乗る。
問1(3) a 2 − a 1 = c Δ t 2 = 3.0 × 10 8 × 330 2 = 4.95 × 10 10 m
天文単位に直すと 4.95 × 10 10 1.5 × 10 11 = 0.33 天文単位。
次に (2) から半径の比。P 2 P 1 = 1.5 なので
a 2 a 1 = 1.5 2 / 3 = ( 1.5 1 / 3 ) 2 = 1.14 2 ≈ 1.30
問題の近似 1.5 1 / 3 = 1.14 をここで使う。
a 2 ( 1 − 1 1.30 ) = 0.33 ⟹ a 2 = 0.33 × 1.30 0.30 ≈ 1.43
有効数字2桁にまとめる。正確な 1.5 2 / 3 = 1.310 を使っても a 2 = 1.39 で、2桁では同じになる。デモでは、ケプラーの法則を使わずに万有引力で軌道を1歩ずつ進めて周期を測り、同じ半径になることを確かめている。
答え 1.4 天文単位 ( a 2 − a 1 = c Δ t 2 = 4.95 × 10 10 m = 0.33 天文単位, a 2 = 1.5 2 / 3 a 1 = 1.30 a 1 より a 2 = 0.33 × 1.30 0.30 ≈ 1.43 )
問2(1) X2 から見た「恒星Sと X1 の間の角」がいちばん大きくなるのは、X2 から X1 への視線が、X1 の軌道の円に接する とき。円の接線は半径と直角に交わるので、恒星S・X1・X2 の三角形は X1 の所の角が直角になる。
この直角三角形で、斜辺は S から X2 までの a 2 、最大離角 θ m a x の向かいの辺は S から X1 までの a 1 。だから sin θ m a x は a 1 と a 2 の比で表せる。
(3) の数値なら a 1 a 2 = 1 1.30 で、最大離角は約 50 ∘ 。デモのグラフでは、離角の山がいつも同じ高さ(点線)で止まる。
問2(2) X1 は周期 P 1 で1周(2 π ラジアン)するので、単位時間あたりに 2 π P 1 回る。X2 も同じく 2 π P 2 。
内側の X1 の方が周期が短く速く回るので、角度の差は 2 π P 1 から 2 π P 2 を引いたぶんずつ開いていく。これは、X2 から見て X1 が1周して同じ並びに戻るまでの時間(会合周期)P 1 P 2 P 2 − P 1 の逆数に 2 π をかけたものでもある。
答え 2 π P 1 − 2 π P 2 (ラジアン。度なら 360 ∘ ( 1 P 1 − 1 P 2 ) )
問2(3) 最大離角は、X1 が恒星Sの「左側」でいちばん離れるときと「右側」でいちばん離れるときの2種類がある。どちらのときかは、スペクトル線のずれで見分ける。
最大離角のとき、X2 から X1 への視線は X1 の軌道に接しているので、X1 の公転の速さはちょうど視線にそっている。X1 が X2 から遠ざかる 向きに動いていれば波長は長く(赤方偏移)、近づく 向きなら短く(青方偏移)なる。t 2 の方が波長が短いので、t 1 は遠ざかる側、t 2 は近づく側の最大離角。
恒星Sから見た X1 と X2 の角の差で考える。最大離角のとき、直角三角形の S の所の角は π 2 − θ m a x 。X1 が X2 より進んでいて離れていく側(遠ざかる)では、角の差は π 2 − θ m a x 。そこから X1 が X2 の向こう側を回りこんで、反対側で近づいてくる最大離角になるのは、角の差が 2 π − ( π 2 − θ m a x ) = 3 π 2 + θ m a x になったとき。この間に角の差は
( 3 π 2 + θ m a x ) − ( π 2 − θ m a x ) = π + 2 θ m a x
進む。これを (2) の角の差の速さで割れば時間差になる。
デモのグラフでは、赤い山(遠ざかる)から次の青い山(近づく)までが約 2.33 年、青から次の赤までは約 0.67 年と長さがちがう。スペクトルの条件がないと、どちらの間を答えるのかが決まらない。
答え t 2 − t 1 = ( π + 2 θ m a x ) P 1 P 2 2 π ( P 2 − P 1 ) (最大離角のとき恒星Sから見たX1とX2の角の差は π 2 − θ m a x 。t₁ では X1 が遠ざかり(波長が長い),t₂ では近づく(短い)ので,角の差は π 2 − θ m a x から 3 π 2 + θ m a x まで π + 2 θ m a x 進む。これを (2) の速さで割る)
問3(1) 恒星の光は、あらゆる向きに同じように広がる。距離 r の所では、光度 L が半径 r の球面(面積 4 π r 2 )に均等に配られるので、1 m 2 が受ける量は L 4 π r 2 。
X2 が受ける量は L S 4 π a 2 2 、地球が太陽から受ける量(太陽定数)は L ⊙ 4 π a E 2 。この2つが等しいので
L S L ⊙ = a 2 2 a E 2
a 1 は使わない。(3) の a 2 ≈ 1.4 天文単位なら、恒星Sは太陽の約2倍明るい。
問3(2) (1) と a 2 > a E から、恒星Sの光度は太陽より大きい。恒星Sは主系列星なので、光度が大きい=質量が大きい=表面温度が高い。
表面温度が高いほど、放射がいちばん強い波長は短くなる(ウィーンの変位則:その波長は温度に反比例)。紫外線は波長の短い光なので、温度が高い星ほど、全部の放射のうち紫外線の占める割合が大きい。
X2 が受ける放射の全体 は地球と同じに決めてあるので、割合が大きい分だけ紫外線の量も大きくなる。デモでは、面積(全体)をそろえた2本の曲線で、恒星Sの山が左(短い波長)にずれ、0.4 μm より短い部分がふえるのが見える(温度の目安 6400 K で 12% → 18%)。
もし a 2 < a E だったら、恒星Sは太陽より暗く冷たい星になり、答えは逆になる。問題の「a 2 > a E 」は、答えを決める条件になっている。
答え 大きい。光度が太陽より大きい主系列星は質量が大きく表面温度が高いので,放射が最も強い波長が短く,全放射のうち紫外線の割合が大きいから。
第2問 北極の海氷と、海が吐き出す二酸化炭素 答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 前半(問1)は、北極域の温暖化についての文章に引かれた下線の意味を、1つずつ説明する問題。大事なのは3つのしくみ。反射率(アルベド) :白い氷や雪は日射をよくはね返し、暗い海面はほとんど吸いこむ。飽和水蒸気圧 :その温度で空気がふくめる水蒸気の上限で、水の上と氷の上では値がちがう。アルキメデスの原理 :水に浮いた物は、自分の重さと同じ重さの水をおしのけている。
後半(問2)は、海と大気の間の二酸化炭素のやり取り。二酸化炭素を多くふくむのは、表面から離れた下の層の海水。下の水が上がってくる(湧昇)所では、海から大気へ二酸化炭素が出ていく。
湧昇を起こすのは風。海面を吹く風は表層の水を引きずるが、地球の自転の効果(コリオリの力:北半球では動く向きの右へ、南半球では左へ曲げる見かけの力)で、深さで足しあげた水の動き(エクマン輸送 )は、北半球では風の右へ直角、南半球では左へ直角の向きになる。
問1(1) 温室効果ガスは、地表から出る赤外線を吸収して、また地表へ向けて出しなおす気体。二酸化炭素のほかに、水田・家畜・天然ガスなどから出るメタン 、肥料や工業から出る一酸化二窒素 、人工のフロン類 などがある。水蒸気も温室効果をもつが、人間の活動で直接ふえる気体としては上の3つをあげるのがよい。
問1(2) ヒートアイランドは、都市の中心ほど気温が高くなる現象。原因は、都市ならではの熱の出方と熱のため方にある。
熱の出方:冷暖房・自動車・工場などから、人間の活動による熱(人工排熱)が大量に出る。熱のため方:アスファルトやコンクリートは日中に熱をためて夜に放出し、土や植物にくらべて水の蒸発で熱を逃がすことも少ない。高い建物にはさまれると夜に熱が空へ逃げにくい。どれか1つを答えればよい。
答え 冷暖房や自動車などから出る人工的な熱(人工排熱)
問1(3) 海氷の表面は白く、日射の半分以上をはね返す(反射率 0.5〜0.7 ほど)。海面は暗く、日射の 1 割もはね返さない。つまり、同じ日射でも、海氷が覆っている所より海面が出ている所の方が、ずっと多くの熱を吸いこむ。
気温が上がって海氷が融け、覆う面積がへると、吸いこむ日射がふえる。すると海水と大気がさらに暖まり、海氷がさらに融ける。「暖まる → 海氷がへる → さらに暖まる」という、変化を強め合うくり返し(正のフィードバック)がはたらく。
デモの小さなモデルでは、同じ量の温室効果の熱を足しても、この強め合いがあると温度の上がり方が約 2 倍になる。北極域で温度上昇が大きいことの理由の1つ。
答え 海氷は日射をよく反射するが,融けて反射率の小さい海面が現れると日射の吸収が増える。そのため海水と大気が暖まり,さらに海氷が融けて海面が広がるという強め合いがはたらくから。
問1(4)(a) 水の面では、水の分子が飛び出して水蒸気になり(蒸発)、空気中の水蒸気の分子が面にぶつかって水にもどる(凝結)。空気中の水蒸気がふえると、もどる分子もふえ、やがて飛び出す数ともどる数がつり合う。これが飽和 の状態で、そのときの水蒸気の圧力(分圧)が飽和水蒸気圧。
言いかえると、その温度で空気がふくむことのできる水蒸気の最大量を、圧力で表したもの。温度が高いほど分子が飛び出しやすいので、飽和水蒸気圧は大きい。
答え ある温度で空気が含むことのできる最大の水蒸気量を圧力で表したもの。水面から蒸発する分子と水面に戻る分子の数がつり合った飽和の状態の水蒸気圧で,温度が高いほど大きい。
問1(4)(b) 0 ℃ より冷たい雲の中では、凍らずに残った水滴(過冷却の水滴)と、小さな氷の結晶(氷晶)がいっしょにあることがある。
同じ温度でくらべると、氷の分子は結晶の中でしっかりつながっているので、液体の水より飛び出しにくい。そのため氷に対する飽和水蒸気圧は、水に対する飽和水蒸気圧より小さい (−10 ℃ で水 2.87 hPa、氷 2.60 hPa)。
水滴に対してちょうど飽和した空気は、氷晶にとっては多すぎる(過飽和)。そこで、まず水蒸気が氷晶の表面に昇華してつく。すると空気中の水蒸気が減り、水滴にとっては飽和に足りなくなる(未飽和)ので、こんどは水滴が蒸発する。その水蒸気もまた氷晶に昇華する。こうして雲の中の水蒸気圧は2つの飽和水蒸気圧の間にとどまり、水滴が小さくなり、その分の水が氷晶に移って、氷晶の方が成長しやすい。
答えでは、この順番(氷晶に過飽和 → 氷晶に昇華 → 水滴に対して未飽和 → 水滴が蒸発 → また氷晶に昇華)を1段も飛ばさずに書く。「過飽和なので水滴が蒸発する」とつなぐと、なぜ水滴が蒸発するのか(空気が水滴に対して未飽和になるから)が抜けてしまう。
デモの箱では、水滴がだんだん小さくなり、氷晶がふくらむ。これが雪やあられのもとになる。
答え 氷に対する飽和水蒸気圧は過冷却の水より小さい。水滴に対して飽和した空気は氷晶に対して過飽和なので,水蒸気が氷晶に昇華し,空気は水滴に対して未飽和になって水滴が蒸発する。この水蒸気も氷晶に昇華して氷晶が成長する。
問1(5) アルキメデスの原理によると、浮いている物体には、おしのけた水の重さと同じ大きさの浮力がはたらく。浮いて止まっている海氷では、浮力=海氷の重さ。つまり、海氷は自分と同じ重さの水 をおしのけている。
海氷が融けると、重さはそのままで水になる。塩分を考えないので、融けた水の密度はまわりの水と同じ。すると融けた水の体積は、海氷がおしのけていた(水面より下に沈んでいた)部分の体積とちょうど同じになり、その穴をぴったり埋める。だから水面の高さは変わらない。
デモの水そうでは、氷が融けていっても水面の線がはじめの点線から動かない。塩分の効果を入れると、融けた真水はまわりの海水より軽くて少しかさばるので、わずかに(50 kg の氷で 1.2 mm)上がる。陸の上の氷河や氷床は、はじめは何もおしのけていないので、融けると全部が水面を上げる。
答え 浮いている海氷は,自身と同じ重さの海水を押しのけ,その体積分が水面下に沈んでいる。融けると同じ重さの水になり,その体積は押しのけていた体積と等しいので,海面の高さは変わらない。
問2(1) 水温 :気体は、水温が低いほど水に溶けやすい(冷えたサイダーの方が炭酸がぬけにくいのと同じ)。海水でも、0 ℃ の海水は 25 ℃ の海水の約 2 倍の二酸化炭素を溶かせる。だから冷たい高緯度の海は大気から二酸化炭素を吸収しやすく、暖められる海では溶けていられなくなった二酸化炭素が放出されやすい。
生物活動 :海の表層では、植物プランクトンが光合成で海水中の二酸化炭素を取りこみ、有機物にかえる。すると表層の海水中の二酸化炭素がへり、大気との濃度の差で、大気から海へ二酸化炭素が溶けこむ。逆に、生物の呼吸や死がいの分解は二酸化炭素を出す。
答え 水温:二酸化炭素は水温が低いほど海水に溶けやすいので,冷たい海は大気から吸収し,暖められた海水は放出しやすい。 生物活動:植物プランクトンが光合成で海水中の二酸化炭素を取りこむと表層の濃度が下がり,大気から吸収しやすくなる。
問2(2) 赤道付近で吹く貿易風は、北半球では北東、南半球では南東から吹き、赤道の近くではどちらも東から西へ吹く東風 になる。
エクマン輸送は、北半球では風の右へ直角、南半球では左へ直角。西向きの風の右は北、左は南なので、赤道の北側では北向き、南側では南向き、つまり両半球とも極向き に表層の水が運ばれる。赤道の上では水が両側へ離れていくので、足りなくなった分を下から補う湧昇が起こる。
エルニーニョ現象のときは貿易風が弱まり、東太平洋の赤道域では湧昇が弱化 する。二酸化炭素の多い水が上がりにくくなるので、放出量もへる。
問2(3)(a) インド洋北部は季節で風の向きが大きく変わる(モンスーン)。夏は、暖まったユーラシア大陸に向かって海から陸へ、冬は冷えた大陸から海へ風が吹く。
図2—1 の (B) では、アラビア海の矢印が北東を向き(南西の風)、ソマリア沖では南から赤道を越えて北へ向かう強い風が見える。これが夏の南西モンスーン。(A) は矢印が南西を向く北東の風で、冬のモンスーン。
問2(3)(b) アフリカ大陸のソマリア沖やアラビア半島沖の海岸は、南西から北東へのびている。夏の南西モンスーンは、この海岸にそって北東へ吹く。
北半球のエクマン輸送は風の右へ直角なので、北東へ吹く風では南東向き、つまり陸から沖へ 表層の水が運ばれる。岸の近くで水が足りなくなり、下から二酸化炭素を多くふくむ海水が上がってくる(沿岸湧昇)。
冬の北東の風では輸送が岸向きになり、岸で水が積み重なって沈むので、湧昇は起きにくい。したがって、海洋からの二酸化炭素の放出は夏の方が多い。デモで「アラビア海 夏」と「冬」を切りかえると、青い矢印の向きが沖と岸で入れかわる。
答え 夏の方が多い。夏は南西のモンスーンが海岸に沿って北東へ吹き,エクマン輸送が風の右側の沖向きに生じるので,岸近くで二酸化炭素を多く含む下層の海水の湧昇が強まるから。
第3問 海の底の地震波と、深海の泥 答えは東大の正解ではなく、自分で解いて、式とは別の計算で確かめたもの。
問題の読み方 前半(問1)は、地震波を使って海の底の中を調べる問題。海底をたたくと、波は3つの道で観測点に届く。海底の近くをまっすぐ進む直接波 、第1層と第2層の境界ではね返る反射波 、境界にそって速い第2層を走ってから上がってくる屈折波 。距離ごとの到着時刻を並べたグラフ(走時曲線)の傾きは「1 km 進むのにかかる時間」なので、その逆数が波の速さになる。
後半の地震の問題では、観測点の地面が最初に押し上げられたか(押し)、引きこまれたか(引き)の分布から、断層がどう動いたかを決める。押しと引きの境目は、断層面と、それに直角な面の2つ。
後半(問2)は、深海の泥を顕微鏡で見る問題。殻の成分(ケイ素か炭酸カルシウムか)、粒の大きさ、陸から来た粒の多さから、どこで積もった泥かを考える。
問1(1)(a) 直接波の走時曲線は原点を通る直線で、図3—1 では 60 km の所で 10 秒。傾きの逆数が第1層の速さ v 1 なので、v 1 = 60 10 。
屈折波は、直接波と交わる x l = 36 k m (6.0 秒)から先の一点鎖線。66 km の所で 10 秒なので、傾きから
v 2 = 66 − 36 10 − 6.0 = 30 4
屈折波は速い第2層を走るので、遠くでは直接波を追いこす。
d = x l 2 v 2 − v 1 v 2 + v 1 = 18 1.5 13.5 = 18 × 1 3
単位は km。デモでは図の線を画素から読みとり、傾きから 6.02 km/s と 7.51 km/s になることを確かめた。
答え v 1 = 6.0 k m / s , v 2 = 7.5 k m / s , d = 6.0 k m (直接波は 60 k m を 10 秒。屈折波は 36 k m ・6 秒から 66 k m ・10 秒で 30 4 。 x l = 36 k m より d = x l 2 v 2 − v 1 v 2 + v 1 = 18 1.5 13.5 )
問1(1)(b) 屈折波は、第1層を臨界角 i (sin i = v 1 v 2 )で斜めに下り、境界にそって速さ v 2 で進み、同じ角度で斜めに上がってくる。
斜めの道1本の長さは d cos i 、水平には d tan i 進む。2本分を v 1 で、残りの x − 2 d tan i を v 2 で進むので
T H = 2 d v 1 cos i + x − 2 d tan i v 2
sin i = v 1 v 2 を使って整理すると、x に比例する部分 x v 2 と、一定の部分 2 d cos i v 1 に分かれる。cos i = v 2 2 − v 1 2 v 2 を入れれば答えの形になる。
数値を入れると一定の部分は 1.2 秒で、x = 36 k m で 4.8 + 1.2 = 6.0 秒となり、直接波と同じ時刻になる((a) と合う)。デモでは、下りる角度を変えながらいちばん早い道を探して、この式と同じ時刻になることを確かめている。
問1(1)(c) 反射波の式 T R = 2 v 1 d 2 + x 2 4 の形を調べる。
x = 0 では T R = 2 d v 1 (真下へ行って戻る時間、ここでは 2.0 秒)で、原点からは始まらない。これで、走時 0 から始まる ①・④ は外れる。
反射波は第1層の中だけを速さ v 1 で進むが、その道のり 2 d 2 + x 2 4 = 4 d 2 + x 2 は、まっすぐの x よりいつも長い。だから反射波は直接波より必ず遅く 着き、x が大きくなると差が小さくなって直接波の線に近づいていく。直接波の線と交わって下(早い側)に出る ② は外れる。
さらに、屈折波の線とは臨界距離(ここでは 16 km)でちょうど接し、それより先では屈折波より遅い。残る ③ が、この形になっている。デモのグラフで点線(反射波)が直接波に下から近づくことはなく、上から近づいていくのが見える。
答え ③。反射波は第1層を直接波より長い道を進むので常に直接波より遅れ,x=0でも2d/v1かかり,遠くで直接波に近づく。屈折波より早くは着かない。
問1(2)(a) 押しと引きの境目は、断層面(走向 N0°E で南北にのび、西へ 45° 傾く)と、それに直角な面(東へ 45° 傾く)。東西の断面で見ると、震源を通って斜め 45° に交わる2本の線で、まわりが上・下・東・西の4つに分かれる。
観測点へ向かう波は、震央に近い地点ほど真上に近い向きに、遠い地点ほど水平に近い向きに震源を出る。図3—3 では、震央に近い地点が引き、遠い地点が押し。つまり、上下の向きが引き、東西の向きが押し 。
これは、上下から押しつぶされ、東西に引っぱられる動きで、正断層にあたる。断層面の上側(西側)のブロック(上盤)が、斜面にそってずり下がる。逆断層なら押し引きは全部逆になり、南北の横ずれなら東西の測線が境目の面の上にのって押し引きが分かれない。
断面図は、震源から西へ 45° 下がる断層面と東へ 45° 下がる面を描き、上と下の区分けに「引き」、東と西の区分けに「押し」を書き、上盤が下がる矢印をつける。デモでは、震源の深さが観測点の間かくの 5〜6 倍のとき、図3—3 と同じ「引き 5 つ・押し 7 つ」の並びになる。
答え ③ 正断層。断面図で震源から真上に近い向きの地点が引き,水平に近い向きの地点が押しとなり,西へ45°傾く断層面の上盤(西側)がずり下がる動きだから。(断面図:震源を通り西へ45°傾く断層面と,それに直交し東へ45°傾く面で4つに分け,上と下の向きが引き,東と西の向きが押し。断層面の上側の西のブロックが下がる矢印)
問1(2)(b) 正断層ができるのは、地殻が水平に引き伸ばされる所。海嶺では両側のプレートが離れていくので、地殻を水平方向に引っ張る力がはたらいている。海溝の手前でも、沈みこむ前のプレートが曲げられて、表面の側が引き伸ばされる。
海嶺の下では、マントルの物質が高い温度のまま上がってくる。上がると上にのる岩石の重さがへって圧力 が下がり、その圧力での融け始める温度より高くなって、一部が融ける(減圧融解)。
マントルの岩石の融け始める温度は、水 が加わると大きく下がる。沈みこみ帯の下でマグマができるのはこのしくみ。
問2(1) A はケイ素(ガラスと同じ非晶質のシリカ)でできた動物 プランクトンの微化石で、放散虫。D はケイ素でできた植物 プランクトンで、網目の細かい模様をもつケイ藻。どちらも結晶ではないので、直交ニコルで回しても暗いまま。
B は内部がいくつもの部屋(隔壁)に分かれ、方解石(炭酸カルシウムの結晶)の高い干渉色を示すので、有孔虫。C は泡がぬけた穴をもち、直交ニコルで暗い(結晶でないガラス)ので、火山の噴火でできた軽石(火山ガラス)のかけら。
問2(2) 堆積物の粒は、大きさで名前が決まる。2 mm 以上が礫、1/16〜2 mm が砂、1/256〜1/16 mm がシルト、1/256 mm 未満が粘土。
砕屑粒子(全体の 78%)の中では、粘土が 65% でいちばん多く、次がシルトの 32%、砂は 3%、礫は 0%。名前は、いちばん多いものを主にし、2番目を「〜質」として前につけるので、シルト質の粘土になる。
「含礫砂質シルト」は礫をふくみ砂とシルトが主の堆積物、「火山礫」は火山の噴出物で 2〜64 mm の粒なので、どちらも合わない。全体に対しても粘土は 0.78 × 0.65 ≈ 0.51 で半分をこえる。
答え シルト質粘土。粘土が65%で最も多く,次いでシルトが32%で,礫を含まないから。
問2(3) 1つ目は有孔虫。海の深い所は水温が低く圧力が高いので、炭酸カルシウムが溶けやすい。ある深さ(炭酸塩補償深度、およそ 4000〜5000 m)より深い海底では、有孔虫の殻は積もる前に溶けてしまう。この堆積物には有孔虫が 15% も残っているので、補償深度より浅い。水深 8000 m の③、5800 m の④は外れる。
2つ目は砕屑粒子。石英・長石・粘土鉱物は陸の岩石がくずれてできた粒で、川や風で運ばれてくる。これが全体の 78% を占めるので、陸から来る粒が多い=大陸に近い所。大洋の真ん中の中央海嶺①は、陸から遠く、生物の殻の多い堆積物になるので外れる。残るのは大陸のそばの海盆②。
デモでは、補償深度の線と地点の深さ、陸から来る細かい粒を並べて、両方を満たす地点を青で示している。粘土の粒は 1600 m 沈むのに約 5 年かかるので、流れの弱い静かな海盆の底にゆっくり積もる。
答え ②。有孔虫の炭酸カルシウムの殻が溶けずに残るので炭酸塩補償深度より浅く,陸から運ばれた砕屑粒子が大部分を占めるので大陸に近いから。
問2(4) 示準化石は、地層の時代 を決める化石。生きていた期間が短く、広い範囲にたくさんいた生物ほど役に立つ。示相化石は、地層ができた環境 を知る化石で、その生物がどんな環境にすんでいたかが分かっている(いまもよく似た生物が生きている)ことが前提になる。
大量絶滅があると、多くの生物のグループが、ある時代でいっせいに消える。そのため各グループの生きていた期間が区切られて短くなり、「この化石が出れば、この時代」と細かく決められる。これが示準化石としての有用性を高める理由。
一方、大量絶滅でグループごと消えると、いまの生物とくらべてすんでいた環境を知る手がかりがなくなる。また、絶滅のあとには、生き残ったグループが空いた環境に広がり、すむ環境を変えていく(適応放散)。同じなかまでも時代によってすむ環境が違えば、化石から当時の環境を決めにくい。これが示相化石としての利用を難しくする理由。
答え 大量絶滅で多くの種が一斉に消えるため,種の生存期間が短く区切られ,地層の時代を細かく決められる。一方,現生の近縁種が絶えたり,生き残った種が空いた環境に広がり生息環境を変えたりするので,昔の環境を推定しにくい。