東大 過去問 2020年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2020年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 現在,太陽以外の恒星のまわりにも惑星が発見されている。このような惑星の中に地球によく似た環境の惑星があれば,人類の移住が可能かもしれない。2 つの惑星X1,X2を持つ恒星Sを考える。これらの惑星は同一平面上で恒星Sを中心とする円軌道を同じ方向に運動し,惑星X1の軌道半径 a1 は惑星X2の軌道半径 a2 より小さいとする。惑星X1と惑星X2の公転周期をそれぞれ P1,P2 とする。惑星X2に人類が移住したとして,次の問い(問1~3)に答えよ。ただし,光速 c=3.0×108m/s,1 天文単位 aE=1.5×1011m とし,必要であれば,1.51/2=1.22,1.51/3=1.14 という近似を使ってよい。

問1 惑星X1と惑星X2が最接近したときに,惑星X2にいる人が惑星X1に向けて電波を射出し,惑星X1の表面で反射して戻ってくるまでの時間を測定した。この往復の時間(エコー時間)は Δt であった。以下の問いに答えよ。

(1) 電波が光速 c で進むとして,a1,a2,Δt の関係式を求めよ。ただし,エコー時間の間の惑星の位置の変化は無視でき,惑星半径は軌道半径に比べて無視できるとする。

(2) 惑星X2の軌道半径 a2 を,P1,P2,a1 を用いて表せ。

(3) 測定結果は Δt=330 秒であった。P1 が 1.0 年,P2 が 1.5 年である時,a2 は何天文単位になるか。計算の過程とともに,有効数字 2 桁で答えよ。

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問2 惑星X2にいる人が恒星Sと惑星X1の天球上の位置を継続的に観測した。ある時刻 t1 で惑星X1と恒星Sの間の離角が最大となった(最大離角)。次の最大離角は時刻 t2 で見られた。時刻 t1,t2 で惑星X1のスペクトルを測定したところ,t2 でのスペクトル線の波長の方が t1 でのものより短かった。このスペクトル線の波長の変化は惑星の公転によるものとする。以下の問いに答えよ。

(1) 最大離角 θmax と a1,a2 の間に成り立つ関係式を書け。

(2) 惑星X1と惑星X2が単位時間あたりに公転する角度の差を P1,P2 を用いて表せ。

(3) 時間差 t2−t1 を,P1,P2,θmax を用いて表せ。計算の過程も示すこと。

問3 地球大気最上端で太陽光線に垂直な単位面積が単位時間あたりに受ける太陽からの全放射エネルギーを太陽定数という。惑星X2が受ける恒星Sからの全放射エネルギーを同様に測定したところ,地球における太陽定数と同じ値であった。以下の問いに答えよ。

(1) 恒星Sの光度は太陽の光度の何倍か,a1,a2,aE の中から必要なものを用いて表せ。

(2) 恒星Sは主系列星であり,a2>aE であるとする。惑星X2の大気最上端で,恒星Sからの光線に垂直な単位面積が単位時間あたりに受ける紫外線の放射エネルギーは,地球が太陽から受ける紫外線の放射エネルギーと比べて大きいと考えられるか,小さいと考えられるか,理由を含めて 2 行程度で答えよ。

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第2問 大気と海洋の現象に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。

 近年,人間活動によって大気中の(Ⅰ)温室効果ガス濃度が上昇し,その結果として地上気温が上昇していることが,地球環境問題として認識されている。この(Ⅱ)地球規模の温暖化は,地球上のどこでも同じ速さで進んでいるわけではなく,特に北極域で温度上昇が大きいことが報告されている。北極海には海氷が浮遊しているが,(Ⅲ)海氷が融解し海面を覆っている面積が減少することによって,さらに温暖化が進むことが知られている。また,極域の温暖化にともなって,(Ⅳ)氷晶と過冷却の水滴が共存している雲の量がどう変化するのか注目されている。(Ⅴ)海氷の融解が直接的に世界の平均海面水位に与える影響はないが,陸上にある山岳氷河や氷床の減少は海面上昇を引き起こす。

(1) 下線部(Ⅰ)に該当する気体の名称を二酸化炭素のほかに 2 つ挙げよ。

(2) 下線部(Ⅱ)とは別に,大都市域では地域的な気温の上昇(ヒートアイランド現象)も見られる。その原因として考えられるものを 1 つ挙げよ。

(3) 下線部(Ⅲ)の理由として考えられるしくみを 3 行程度で説明せよ。

(4) 下線部(Ⅳ)の氷晶や過冷却の水滴の成長には飽和水蒸気圧が重要な要素の 1 つとなる。

(a) 飽和水蒸気圧とは何か,3 行程度で説明せよ。

(b) 氷晶と過冷却の水滴が共存するとき,片方がもう片方よりも成長しやすい。その理由を,「飽和水蒸気圧」という語を用いて 3 行程度で述べよ。ただし,温暖化の影響は考えなくてよい。

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(5) 下線部(Ⅴ)の理由をアルキメデスの原理に基づき 3 行程度で説明せよ。図を用いてもよい。ただし,塩分の効果は考えなくてよい。

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問2 大気と海洋の間では,二酸化炭素のやり取りが行われており,海洋から大気へと二酸化炭素が放出されている海域と,大気から海洋へと二酸化炭素が吸収されている海域が存在する。この海洋による二酸化炭素の吸収や放出は,水温,生物活動など様々な影響を受けて大きく変動することが知られているが,湧昇も重要な要因の 1 つである。具体的には,二酸化炭素を多く含む下層の海水が湧昇すると,海洋による二酸化炭素放出量が増大する。以下の問いに答えよ。

(1) 下線部であげられている 2 つの要因が,海洋による二酸化炭素の吸収や放出に影響を与える理由について,それぞれ 2 行程度で述べよ。

(2) 東太平洋赤道域における大気海洋間の二酸化炭素のやり取りについて述べた以下の文章の①~③に入る適切な語句を選択せよ。

 東太平洋赤道域では,① 東・西 風の貿易風が吹いているため,両半球の海洋で ② 極・赤道 向きのエクマン輸送が生じている。その結果,赤道上で湧昇が起きるため,東太平洋赤道域は主に二酸化炭素が放出される海域となっている。また,エルニーニョ現象に伴う湧昇の ③ 弱化・強化 などによって,東太平洋赤道域における大気海洋間の二酸化炭素のやり取りは,年によって大きく変動することが知られている。

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(3) 図2—1は,インド洋西部周辺の地上 10m における風の季節変動の様子を示している。

(a) この海域では,モンスーンが卓越する。図2—1の(A)と(B)のどちらが北半球の夏の図であるかを答えよ。

(b) インド洋西部のアフリカ大陸沖やアラビア半島沖(赤道~北緯 20 度)では,湧昇の季節変動に伴って,大気海洋間の二酸化炭素のやり取りも大きく季節変動する。北半球の夏と冬のどちらの方が海洋からの放出量が多いか,その理由とともに 3 行程度で述べよ。ただし,「エクマン輸送」,「湧昇」という語句を必ず用いること。

図2—1 インド洋西部周辺(東経30度~東経90度,南緯10度~北緯30度)の地上10 mの風(矢印)。(A)と(B)は,それぞれある季節(夏または冬)の風を示している。
図2—1 インド洋西部周辺(東経30度~東経90度,南緯10度~北緯30度)の地上10 mの風(矢印)。(A)と(B)は,それぞれある季節(夏または冬)の風を示している。
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第3問 地震と地質に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。

(1) 海嶺から離れた場所で海底面を強くたたいて地震波を発生させ,様々な震央距離 x に対するP波の走時を観測し,走時曲線(図3—1)を取得した。海洋底下は 2 つの層から構成され,浅い層を第 1 層,深い層を第 2 層と呼ぶ。各層の厚さは水平方向に一定であり,層内を伝わるP波速度は各層中で一定であるとする。図3—1の実線は直接波の走時曲線,一点鎖線は第 1 層と第 2 層の境界で屈折して海洋底に到達する波の走時曲線を示す。直接波と屈折波が同時に到達する震央距離 xl は,第 1 層の厚さ d,第 1 層のP波速度 v1,第 2 層のP波速度 v2 を用いて,次の式で表される。

xl=2dv2+v1v2−v1

(a) 図3—1の走時曲線から v1,v2,d を有効数字 2 桁で求めよ。計算の過程を示すとともに,単位も明記せよ。

(b) x≧xl における屈折波の走時 TH を x,d,v1,v2 を用いて式で表せ。

(c) 実際には直接波と屈折波に加えて,第 1 層と第 2 層の境界で反射して海洋底に戻る反射波と呼ばれるP波が観測されることがある。任意の震央距離 x の地点における反射波の走時 TR は x,d,v1 を用いて次の式で表される。

TR=2v1d2+x24

 直接波と屈折波の走時曲線に対して,反射波の走時曲線を示すもっとも適切な概念図を図3—2の①~④から 1 つ選び,その理由を 2 行程度で述べよ。

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(2) 図3—3に示すように,海嶺軸で発生した地震によるP波を,海嶺軸に直交する測線AA’に沿って観測した。

(a) 測線AA’に沿う各観測地点での地面の最初の動き(初動)に着目すると,図3—3のように押し波の領域と引き波の領域の分布が得られた。また,この地震の断層面は,走向 N0∘E,傾斜 45∘W の面で代表されることがわかった。この地震の断層運動は,①右横ずれ,②左横ずれ,③正断層,④逆断層のいずれであるか,東西方向の断面図を描いて 2 行程度で説明せよ。

(b) 下の文章を読み,ア~ウの空欄にあてはまる語句をそれぞれ答えよ。

 上記の断層運動は,大西洋中央海嶺のようなプレート発散境界で発生しやすい。なぜなら,海嶺では地殻を水平方向に ア 力がはたらいているからである。また,類似の断層運動は,海溝付近でも起こりやすい。ア 力は,海洋プレートが沈み込む前に曲げられることによっても生じるからである。

 海嶺のように,マントル物質が深部から高温を保ったまま上昇してくるところでは,イ の低下によってマントル物質が融解してマグマが生じる。マントル物質が融けはじめる温度は,ウ などが加わると大きく低下する。

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図3—1 観測された走時曲線。xは震央距離を表す。
図3—1 観測された走時曲線。xは震央距離を表す。
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図3—2 直接波,屈折波,反射波の走時曲線を示す概念図
図3—2 直接波,屈折波,反射波の走時曲線を示す概念図
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図3—3 測線AA’の位置を示す平面図。地震の震央を星印で,各地点の初動の押し引き分布を▲印と△印で示す。
図3—3 測線AA’の位置を示す平面図。地震の震央を星印で,各地点の初動の押し引き分布を▲印と△印で示す。
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問2 次の文章を読み,以下の設問に答えよ。

 ある海域で採取された未固結堆積物について,その一部をスライドガラス上に薄く塗布して封入したスライド試料(スミアスライド)を偏光顕微鏡で観察した。開放ニコル(平行ニコル)で観察したある視野でのスケッチを図3—4に示す。図3—4中の粒子A~Dについて,顕微鏡下での観察記録を以下に示す。

図3—4 ある海域で採取された未固結堆積物から作成したスミアスライドの開放ニコル(平行ニコル)での顕微鏡観察のスケッチ
図3—4 ある海域で採取された未固結堆積物から作成したスミアスライドの開放ニコル(平行ニコル)での顕微鏡観察のスケッチ

A.粒径が 0.3mm 以下のケイ素からなる動物プランクトンの微化石。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。

B.粒径が 0.5mm 以下の微化石で,内部は複数の隔壁により分けられている。直交ニコルでの観察では,炭酸カルシウムの結晶である方解石に特徴的な高い干渉色を示す。

C.さまざまな粒径で,発泡によってできたと思われる多様な形態の穴を含む。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。

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D.粒径が 0.3mm 以下のケイ素からなる植物プランクトンの微化石で,網目状の微細な組織を持つ。直交ニコルでの観察では,試料ステージを回転させても常に暗い。

(1) A~Dの粒子は何か。それぞれについて以下の①~④の中から選べ。

① 放散虫

② ケイ藻

③ 軽石(火山ガラス)片

④ 有孔虫

(2) 顕微鏡観察により,この堆積物に含まれる粒子の量比を体積 % として見積もったところ,以下のようになった。

砕屑粒子(石英,長石類,粘土鉱物)78%

有孔虫 15%  放散虫 3%  ケイ藻 2%  軽石片 2%

 次に,砕屑粒子(石英,長石類,粘土鉱物)の粒径を測定し,その量比を体積 % として見積もったところ,以下のようになった。

粒径 1/256mm 未満の粒子 65%

粒径 1/256mm 以上で 1/16mm 未満の粒子 32%

粒径 1/16mm 以上で 2mm 未満の粒子 3%

粒径 2mm 以上の粒子 0%

 この堆積物の名前として,適切なものを以下の中から 1 つ選び,そのように判断した理由を 1 行程度で説明せよ。

含礫砂質シルト  火山礫  シルト質粘土

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(3) (2)の情報をふまえ,この堆積物が採取された場所として適切なものを,以下の①~④の中から 1 つ選び,そのように判断した理由を 2 行程度で説明せよ。

① 大洋中央部の中央海嶺で水深 2500m の地点

② 大陸周辺部に位置する海盆で水深 1600m の地点

③ 沈み込み帯の海溝で水深 8000m の地点

④ 大洋中央部の深海平原で水深 5800m の地点

(4) 図3—4に見られる微化石を含め,堆積物中に多産する生物の化石は示準化石あるいは示相化石として利用されることがある。顕生累代を通じて生物の大量絶滅イベントは繰り返し起きてきた。このような大量絶滅イベントの存在は,各生物グループの示準化石としての有用性を高める反面,示相化石としての利用を困難にすると考えられる。これはなぜか,有用性を高める理由と利用を困難にする理由をあわせて 3 行程度で説明せよ。