東大 過去問 2019年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

東大理系科目 AI解答・シミュレーション‹ 東大地学 2019‹ 地学2019

このページの出典

東京大学 第2次学力試験(前期)2019年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

— 66 —

地 学

第1問 宇宙に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 恒星は核融合反応によって莫大なエネルギーを生成し宇宙空間に放射している。この恒星のエネルギー生成に関する以下の問いに答えよ。なお,太陽質量 M⊙=2.0×1030kg,太陽の全輻射量(単位時間あたり放射するエネルギーの総量)L⊙=3.8×1026J/s,光速 c=3.0×108m/s,1 年 =3.2×107 秒とする。数値での解答には有効数字 1 桁で答え,計算の過程も示せ。

(1) 太陽などの主系列星では,この反応で水素原子 4 個からヘリウム原子 1 個が作られるが,その際に質量が 0.7% 減少する。この質量 m はアインシュタインの関係式 E=mc2 によってエネルギー E に変換される。水素 1kg がこの反応に使われる際に生成されるエネルギーを求めよ。

(2) 太陽の全輻射量を考慮すると,太陽では毎秒何 kg の水素原子がこの反応を起こしていると考えられるか答えよ。さらに,この反応におけるエネルギー生成率は主系列の期間変わらないものとし,水素(太陽形成時,太陽質量の 74%)がすべてこの反応を起こすとすると,太陽の主系列での寿命は何億年と推定できるか答えよ。ここで得られる値は太陽の主系列での寿命とされている 100 億年に比べて長いが,その主な物理的理由を述べよ。

(3) 大質量星である O5 型星の質量を M=40M⊙,寿命を 500 万年とする。太陽の主系列での寿命を 100 億年とするとき,質量と寿命との比の値を O5 型星と太陽とで比較し,その値が両者で大きく異なることを示した上で,その主たる物理的理由を推論して述べよ。

— 68 —

問2 火星と地球の公転運動に関する以下の問いに答えよ。以下では,火星の公転軌道は,長半径(太陽からの最大距離と最小距離の平均)aM=1.5 天文単位,離心率 eM=0.1 の楕円軌道,地球の公転軌道は半径 aE=1 天文単位の円軌道であり,地球と火星は同一平面上を運動しているとする。また,火星が 1 日に公転する角度は一定であると近似してよい。地球の公転周期は PE=365 日,火星の公転周期は PM=687 日とする。解答には計算の過程も示せ。

(1) 地球と火星の会合周期は何日か,有効数字 2 桁で求めよ。

(2) 図1に示したように,火星の公転軌道は楕円であるため,衝が起こる時の地球—火星間の距離は毎回同じではない。火星が近日点に来た時に衝が起こった場合と,火星が遠日点に来た時に衝が起こった場合とでは,地球から見た火星の見かけの明るさは何倍異なると考えられるか,有効数字 1 桁で答えよ。ただし,火星の太陽光の反射率は時間変化しないものとする。

図1 火星の公転軌道の模式図
図1 火星の公転軌道の模式図

(3) 今年,火星がちょうど近日点に来た時に衝が起こったとして,向こう 20 年に起こる衝のうちで,地球—火星間の距離が最短となるのは何年後の衝か,有効数字 2 桁で求めよ。

— 70 —

第2問 大気と海洋の現象に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 地表面(海面も含む)からの蒸発は,大気中に水蒸気を供給し,降水は,大気中から水蒸気を除去する。また,大気中の水蒸気量は一般に下層ほど多く,大気上端では非常に少ない。したがって,大気中の水蒸気の収支を考える際には,大気上端での水蒸気の出入りは無視できるものとする。月平均の大気中の水蒸気収支に関して,以下の問いに答えよ。なお,降水量と蒸発量は地表面での値とする。また,単位地表面積上の気柱(地表面から大気上端までの大気)に含まれる総水蒸気量を気柱水蒸気量 [kg/m2] と呼ぶ。

(1) 月平均など長期間平均した場合,ある領域での降水の総量と蒸発の総量の差は,その領域の側面から流入する水蒸気の総量と流出する水蒸気の総量の差とつり合っていると近似できる。図2—1(左)のような地表面積 S[m2] をもつ領域で平均した降水量を P[m/s],蒸発量を E[m/s] とする。この領域に側面から単位時間に流入する水蒸気量を Win[kg/s],流出する水蒸気量を Wout[kg/s] とする。また,液体の水の密度は ρ[kg/m3] とする。これらの量を用いて,上記のつり合いの関係を式で表せ。

(2) 次に,図2—1(右)のように直交した xyz 軸をとり,x 方向に L[m],y 方向に D[m] の直方体領域において,(1)のつり合いが成り立っていると考える。この領域の平均降水量は 16.6mm/日,平均蒸発量は 8.0mm/日,風は x 軸方向に吹き,風速は風上の側面A,風下の側面Bのそれぞれにおいて一様で時間変化がないとする。側面Aでの気柱水蒸気量は一様に 45.0kg/m2,風速は 10.0m/s,側面Bでの気柱水蒸気量は一様に 30.0kg/m2,風速は V[m/s],L は 1.2×105m とし,液体の水の密度は 1.0×103kg/m3 とする。

(a) この直方体領域における(1)の Win,Wout を,上で与えられた数値や記号の中から必要なものを用いて表せ。

(b) 側面Bでの風速 V を有効数字 2 桁で求めよ。計算の過程も示すこと。

— 71 —
図2—1 (左)地表面積 S をもつ領域の概念図。(右)直方体領域の概念図。
図2—1 (左)地表面積 S をもつ領域の概念図。(右)直方体領域の概念図。

(3) 図2—2に太平洋とその周辺での海上降水量(等値線)と鉛直積算水蒸気流(ベクトル)の 1 月の平均値を示す。鉛直積算水蒸気流とは,気柱を水平に通過する水蒸気の輸送量であり,各高度での水蒸気の水平の輸送量を地表面から大気上端まで積算したベクトルである(注1)。日本の東方海上の長方形領域 X と南半球の長方形領域 Y は,それぞれ中緯度および熱帯において比較的降水量が多い領域であるが,異なる点も見られる。この図を用い,X,Y それぞれの長方形領域において降水の総量と蒸発の総量との大小関係を推測し,その根拠とともに,合わせて 5 行程度で説明せよ。

(注1) 気柱の各高度で微小な厚さの大気の層を考えると,大気の単位体積あたりの水蒸気量 [kg/m3]× 水平風 [m/s]× 層の厚さ [m] がベクトルとして求まる。それを地表面から大気上端まで積算したベクトルが鉛直積算水蒸気流であり,単位は [kg/(m·s)] となる。ここで水平風はベクトルである。

— 72 —

(4) 下の文章を読み,ア~ウの空欄に当てはまる語句をそれぞれ答えよ。同じ語句を繰り返し使用してもよい。

 大気中の水蒸気は,ア を介して大気の熱輸送の一端を担っている。今,(3)の長方形領域 X,Y の側面境界を通した領域内外の大気の ア のやりとりについて考える。長方形領域 X では,ア は イ しており,長方形領域 Y では,ア は ウ している。

図2—2 太平洋とその周辺での降水量(等値線,海上のみ)と鉛直積算水蒸気流(ベクトル)の1月の平均値。薄い影は 4~10\,mm/日,濃い影は 10\,mm/日以上の降水量を示す。ベクトルの縮尺は東西・南北方向で等しく,右下のベクトルの長さは 400\,kg/(m\cdot s) を示す。
図2—2 太平洋とその周辺での降水量(等値線,海上のみ)と鉛直積算水蒸気流(ベクトル)の1月の平均値。薄い影は 4~10mm/日,濃い影は 10mm/日以上の降水量を示す。ベクトルの縮尺は東西・南北方向で等しく,右下のベクトルの長さは 400kg/(m·s) を示す。
— 74 —

問2 日本海における海洋現象に関する以下の問いに答えよ。数値による解答は有効数字 2 桁で答え,計算の過程も示せ。なお,重力加速度 g は 9.8m/s2 とする。

(1) 図2—3(a)は,海面下 100m における水温分布図である。本州に沿って存在する相対的に水温の高い領域は,南西から北東に向かって流れる対馬暖流に伴うものである。対馬暖流が岸に平行に流れる地衡流であるとして,その流れの向きが図2—3(b)に矢印で示してある。解答用紙に図2—3(b)を模写したうえで,対馬暖流に働く圧力傾度力と転向力を,これらの力の相対的な大きさと向きに注意してベクトルとして図示せよ。力の名称も図中に示すこと。なお,圧力傾度力,転向力以外の力を考慮する必要はない。

(2) 図2—3(a)をみると,5 月と 11 月では対馬暖流域の海面下 100m における水温分布に違いがみられる。北緯 39 度~41 度,東経 138 度~140 度の対馬暖流に着目したとき,水温分布の季節による違いを反映して,地衡流である対馬暖流の流れの速さに 5 月と 11 月ではどのような違いがあるか,理由とともに 3 行程度で説明せよ。等温線は,地衡流に伴う海面高度の等高線に一致するとみなしてよい。

(3) 北緯 40 度付近の本州日本海側の海岸線はほぼ南北方向である。ここに北風が数日程度連続して吹き続けると,それに伴うエクマン輸送により海面水温にどのような変化が起こりうるか,理由とともに 3 行程度で説明せよ。

(4) 1983 年 5 月 26 日,日本海東部の秋田県沖を震源とする「日本海中部地震」が発生し,これに伴う津波は発生からしばらく後に震源から約 900km 離れた対岸の朝鮮半島に到達するなど,日本のみならず周辺諸国の沿岸にも被害をもたらした。この時の津波は水深に比べて波長が十分長い長波であったとして,津波の発生から朝鮮半島に津波の第一波が到達するまでに要した時間(単位:分)を求めよ。ただし,この津波は,伝搬経路上の平均水深 2300m に対する長波の速さで伝わったものとみなしてよい。

— 75 —
図2—3(a) 日本海の海面下 100\,m における水温分布。5 月(左),11 月(右)。等温線の間隔は 1 ℃。
図2—3(a) 日本海の海面下 100m における水温分布。5 月(左),11 月(右)。等温線の間隔は 1 ℃。
図2—3(b) 本州の海岸に平行に流れる対馬暖流の模式図
図2—3(b) 本州の海岸に平行に流れる対馬暖流の模式図
— 78 —

第3問 地質および地史に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 図3—1は,100m ごとの等高線付きの地質図およびA—B線に沿う地形断面図である。上部から,泥岩,砂岩,礫岩の 3 層が観察され,また,特徴的な地質構造として褶曲が認められる。地形断面図に地層分布を描き加えることで,地質断面図ができる。地質図および得られた地質断面図をもとに,以下の問いに答えよ。なお,本問では,地層境界面は平面で構成されており,褶曲による層理面の向きの変化は,褶曲軸での突然の折れ曲がりとして生じているものとする。また,必要であれば,2=1.4,3=1.7,5=2.2 を用いてよい。

(1) 下の文章を読み,ア~ウの空欄にあてはまる方向をそれぞれ答えよ。その際,東西もしくは南北と答えよ。

 地質図から見て取れる地層の走向はほぼ全域で ア 方向である。イ 方向の褶曲軸をもつ褶曲構造が見て取れ,これは,ウ 方向に圧縮する力がはたらくことによって形成されたと考えられる。

(2) 地質図のC地点地下での砂岩層の傾斜角の大きさを θ とするとき,tanθ の値を有効数字 1 桁で答えよ。また,C地点地下の砂岩層の層厚(層理面に垂直な方向の厚さ)を有効数字 1 桁で答えよ。

(3) 本地質図で見られる褶曲構造は,もともと水平であった地層が広域的な水平方向の短縮をうけて形成したものである。元の地層の長さに対して地層が水平方向に短縮した長さの割合を水平短縮ひずみという。この褶曲による水平短縮ひずみを有効数字 1 桁で答えよ。ただし,褶曲軸の両側で,傾斜角の大きさは等しいとせよ。

— 79 —

(4) 下の文章を読み,エ~オの空欄にあてはまる語句をそれぞれ答えよ。

 新潟県中越地方では褶曲構造がよく見られる。中越地方では,新第三紀における エ の拡大に伴って新第三系が厚く堆積した後,新第三紀の終わりごろから,太平洋プレートからの強い圧縮により褶曲構造の形成が始まった。中越地方で掘削を行うとしばしば石油が産出するが,石油は水より軽いので,褶曲構造の オ 軸を中心に液体を通しにくい地層の下に集積していることが多い。

(5) (3)のような地質構造の解析から得られる水平短縮ひずみをその構造の形成に要した時間で割ると,長期的な水平地殻ひずみ速度が求まる。一方で,GPSなどによる地殻変動観測からは短期的な水平地殻ひずみ速度が求められる。大きな地震が発生しなかった期間のGPS観測から得られる中越地方の水平地殻ひずみ速度は,地質構造から推定される同地域の長期的な水平地殻ひずみ速度と比べて著しく大きい。この違いが生じる理由を,プレート境界型巨大地震の発生と関係づけて,3 行程度で説明せよ。

— 80 —
図3—1 地質図(上)および地形断面図(下)。座標軸の数字の単位は全てメートルである。地質図の破線は等高線を,灰色の太線は地層境界を示す。断面図には,泥岩—砂岩層境界の一部が灰色の太線で描き加えられている。
図3—1 地質図(上)および地形断面図(下)。座標軸の数字の単位は全てメートルである。地質図の破線は等高線を,灰色の太線は地層境界を示す。断面図には,泥岩—砂岩層境界の一部が灰色の太線で描き加えられている。
— 82 —

問2 地球の過去の気候について,以下の問いに答えよ。

(1) およそ 260 万年前から始まった ア という地質時代は,氷期と間氷期とよばれる寒暖を,数万年から 10 万年の周期で繰り返してきたことが知られている。この原因は イ サイクル(周期)と呼ばれる地球の自転運動や公転運動の周期的な変化であると考えられている。過去 70 万年間に限ると 10 万年周期が卓越している。この周期性は海底堆積物に含まれる有孔虫の殻の ウ 同位体比の変動に反映されている。直近の氷期(最終氷期)は約 2 万年前にピークに達し,現在では南極やグリーンランドにしか存在しない氷床が,エ などの地域にも形成されていたことが,礫・砂・泥が小丘状に堆積した オ の分布からわかっている。

(a) ア~オの空欄にあてはまる語を答えよ。

(b) 下線部で述べられた地球の自転運動や公転運動の周期的変化を 3 つあげよ。

(2) 最終氷期には,現在は氷床が存在しない陸域にも厚い氷床が存在した。それが 2 万年前以降に融解し,陸面が年間数ミリメートルから数センチメートルの速度で隆起した。このことに関連して以下の問いに答えよ。ただし,淡水および海水の密度は 1.0×103kg/m3,氷の密度は 0.90×103kg/m3,マントルの密度は 3.3×103kg/m3 とし,海洋の面積は 3.6×108km2,現在は氷床が存在しないが最終氷期には氷床が存在した陸域の面積は 1.0×107km2 とする。ただし,氷床の融解によって生じた水は全て海洋に流入し,融解の前後で海洋の面積は変わらないものとする。また,淡水および海水の密度は温度によって変わらないものとし,現在および最終氷期には,それぞれアイソスタシーが成り立っているとして考えよ。計算結果は有効数字 2 桁で表し,計算の過程も示すこと。

— 83 —

(a) 最終氷期に氷床が存在していたが現在は氷床が存在しない陸域はどこでも,最終氷期以降,現在までに 810m 隆起したとする。最終氷期以降に融解した氷床の厚さはどこでも等しいとして,その厚さを求めよ。

(b) 一方で,最終氷期に存在していた氷床の融解によって,最終的に海底は平均で何メートル隆起または沈降したか答えよ。