東大 過去問 2005年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2005年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問

 天体までの距離を推定することは,宇宙の大きさを知るための天文学上の重要な課題である。以下の問いに有効数字 2 桁で答えよ。なお,1 パーセク離れた所に,直径が 1 天文単位の円盤を視線方向に垂直に置いたとき,この円盤の視直径は 1 秒角である。ここで 1 パーセク =2.1×105 天文単位である。

Ⅰ 金星が地球に最接近したとき,金星の方向に対して垂直方向に R 離れたところにいる地球上の 2 名の観測者が同時に金星の位置を測定したところ,背景の恒星に対して,金星の位置がちょうど 10 秒角異なっていた。

(1) 最接近した際の金星と地球の距離を 4.1×107km として,2 名の観測者間の距離(km)を求めよ。

(2) (1)の最接近の場合,金星の視直径は 64 秒角であった。また地球よりもっとも離れた時の金星の視直径は 10 秒角であった。地球と金星は,太陽を中心に同じ平面内で円運動しているものと仮定し,地球と金星の公転の軌道半径(km)を求めよ。

Ⅱ 太陽の数倍以上の質量をもつ星の進化の最終段階では,星の中心部における圧力と重力のつりあいが破れて超新星爆発を起こし,星全体を吹き飛ばしたり,外層部を吹き飛ばして残された部分が中性子星やブラックホールになる。1987 年,私たちの銀河系のすぐ隣にある大マジェラン雲に,超新星が出現した。初期のスペクトルは激しいガスの運動を示す幅の広い輝線によって特徴づけられていた。爆発後 90 日経過した時点で,幅の狭い輝線が初めて観測され,その強度は爆発後 400 日経過した時点で最大となった。幅の狭い輝線が出現した原因は次のように説明できる。もとの星(超新星になった星)の周りには,超新星爆発の前からガスが存在しており,円形リング状に分布していた。超新星爆発の強烈な放射をうけてリングのガスが加熱された結果,そこから幅の狭い輝線が放射された。事実,ハッブル宇宙望遠鏡により超新星を取り囲む楕円状のリングが観測されている(図1—1)。幅の狭い輝線の強度の時間変化は,図1—2の構造を考えると理解できる。リングの中心には超新星がある。この円形のリングは,リングを含む面と垂直な方向Nに対して観測者の視線の方向が角度 θ だけ傾いているので,図1—1のように楕円として観測される。超新星から観測者(地球)へ光が到達するまでの距離は,超新星の光がリングにあたらずに直接観測者に届くAがもっとも短い。2 番目に短い距離は,超新星→B′→Bの経路である(超新星の光がリング上の地球に最も近い部分B′にあたり,そこから幅の狭い輝線が観測者の視線方向Bに放射される)。最も長い距離は,超新星→C′→Cの経路(地球から最も遠い地点C′を経由)である。つまり,B方向の輝線が地球に到達したのが爆発後 90 日経過した時点であり,Cの輝線が到着したのが 400 日経過した時点と考えればよい。ただし,超新星の放射がリングのガスを加熱して,輝線が放射されるまでの時間は非常に短く,無視してよい。

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(1) 爆発から最初に幅の狭い輝線が観測されるまでの経過時間を t0,その強度が最大となるまでの経過時間を t1,リングの半径を r,光速を c として,t0,t1 を r,c,θ で表せ。

(2) リングの半径(パーセク)を求めよ。ただし,1.0 パーセク =3.3 光年,1.0 光年 =(光速)×(365 日)として計算せよ。

(3) ハッブル望遠鏡により,リングの長軸方向の直径は 1.6 秒角であることが観測されている。超新星までの距離(パーセク)を求めよ。

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図1—1 超新星とリング(ハッブル宇宙望遠鏡による撮像)
図1—1 超新星とリング(ハッブル宇宙望遠鏡による撮像)
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図1—2 リングの構造。リングは円形であり,その中心に超新星がある。Nはリングを含む平面と垂直な方向である。A,B,Cは互いに平行で,観測者の視線の方向を表す。視線方向は方向Nに対して角度θ傾いている。超新星→C′→Cの経路と超新星→B′→Bの経路との距離の差は,線分HC′に等しい。ただし,点B′から直線CC′に下ろした垂線との交点をHとする。
図1—2 リングの構造。リングは円形であり,その中心に超新星がある。Nはリングを含む平面と垂直な方向である。A,B,Cは互いに平行で,観測者の視線の方向を表す。視線方向は方向Nに対して角度θ傾いている。超新星→C′→Cの経路と超新星→B′→Bの経路との距離の差は,線分HC′に等しい。ただし,点B′から直線CC′に下ろした垂線との交点をHとする。
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第2問

Ⅰ 大気と海洋の全球熱輸送に関する次の文章を読み,   に最も適切な語句の番号を下のリストから選んで,a—1のように示せ。

 大気と海洋はお互いに影響しながら,モンスーンやエルニーニョなどを含む全球の気候システムを形成している。気候システムでの大気・海洋共通の働きとして,熱の南北輸送がある。地球表面で単位面積あたり大気と海洋が受け取る a は,b で多く c で少ない。この不均衡を解消するために,大気と海洋で b から c へ熱が輸送されている。

 地球全体の熱輸送量(年平均)を人工衛星や現場の観測によって見積もると,図2—1のようになる。縦軸は北向き熱輸送量,横軸は緯度を示す。北半球では,大気の高・低気圧や海洋の黒潮や湾流(メキシコ湾流)などが熱輸送の主要な役割を担っている。このことから,図中の細い実線は d が運ぶ熱輸送量,破線は e が運ぶ熱輸送量を示していることがわかる。なお,太い実線はこれらを合わせた熱輸送量を示している。

 図2—1から,北半球,南半球ともに f に熱が輸送されていることがわかる。また,緯度によって輸送量に差はあるが,地球全体としてほぼ同程度の量の熱輸送を大気と海洋で分担していることもわかる。

1. 低緯度   2. 高緯度   3. 貿易風

4. 偏西風   5. 大 気   6. 台 風

7. 海 洋   8. 東西方向  9. 雲放射量

10. 太陽放射量 11. 赤外放射量 12. 極向き

13. 熱帯方向  14. 南向き  15. 北向き

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図2—1
図2—1
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Ⅱ 黒潮は日本列島の近くを流れ,図2—2のように,九州南方の断面A(北緯 30 度,東経 130 度)と日本東方の断面B(北緯 37 度,東経 160 度)を通る。黒潮は圧力傾度力とコリオリの力のつりあった流れであり,鉛直方向に流速が一様とすると,流れの幅 L での平均流速 v は,

v=gΔhfL(1)

で表される。ここで,g は重力加速度,Δh は沖側(南側)と岸側(北側)の海面高度の差,f はコリオリの係数である。海面高度は,黒潮の沖側の方が岸側より高い。また,コリオリの係数は f=2ωsinϕ で表され,ω は地球の自転角速度,ϕ は考えている地点の緯度である。g=9.8ms−2,ω=7.3×10−5s−1 として,以下の問いに有効数字 2 桁で答えよ。

図2—2
図2—2
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問1 上の文章での圧力傾度力は,黒潮の流れに対してどの向きに働くか。理由を添えて 100 字以内で説明せよ。なお,コリオリの力の大きさは,(1)式では fv で表されている。

問2 断面Aを通過する黒潮の海面高度差 Δh と流れの厚さ H が,Δh=1.0m,H=300m のとき,黒潮の体積流量(m3s−1)を求めよ。

問3 黒潮の流速 v と幅 L が,断面AとBで変わらないとすると,断面Aで Δh=1.0m のときの断面Bでの Δh(m)を求めよ。ここで,sin37∘=0.60 とする。

問4 黒潮の海域では,大量の熱が海洋から大気に放出されている。いま,断面AとBの間の黒潮流域で,4.0×1014W(1W=1Js−1)の熱が,海面から大気に放出されているとしよう。そして,これと等量の熱が黒潮によってこの海域に供給されることで,熱の放出と供給がつりあっているとする。このとき,黒潮の運ぶ海水の平均水温は,断面AとBのどちらの方が何度(K)高いかを答えよ。なお,黒潮の流れに直交する水平方向の熱のやりとりは無視できるものとする。ここで,海水密度は 1.0×103kgm−3,海水の比熱は 4.2×103Jkg−1K−1,黒潮の体積流量は 3.0×107m3s−1 とし,これらは断面AとBで変わらないものとする。

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第3問

 次の文章を読んで問いに答えよ。

 日本列島には多くの活火山があり,火山噴火が絶えない。そして火山噴火による大規模災害も多く発生していて,甚大な被害を与えている。今,ある火山から溶岩と,その中に含まれていた,大きさ 0.1m 程度のまるい岩石を多数採集してきた。これらを偏光顕微鏡で調べたところ,以下の(a)から(d)の 4 種類の岩石に分類された。また,(a)と同じ種類の岩石はここの地域に広く分布し,その一部はこの溶岩によって覆われていること,(c)や(d)と同じ種類の岩石は溶岩の中にしか見出されないことが地質調査の結果判明した。

(a) 石英,斜長石,カリ長石,黒雲母がほぼ等量程度含まれていた。これらはいずれも数 mm 程度の大きさであった。

(b) 数 mm 程度の柱状の輝石,数 mm 程度の柱状の斜長石がほぼ等量含まれ,それらの周囲は微細な結晶とガラスから構成され,色指数は 60 であった。

(c) 少量のカンラン石に加えて,数 mm 程度の輝石と数 mm 程度の斜長石が同量程度含まれていた。

(d) 数 mm 程度の柱状のカンラン石と数 mm 程度の斜長石が同量程度含まれていた。

問1 この溶岩の岩石名を以下の中から選べ。

凝灰岩,玄武岩,安山岩,デイサイト,流紋岩,砂岩

問2 (a)の岩石名を以下の中から選べ。

はんれい岩,玄武岩,デイサイト,流紋岩,花こう岩,安山岩

問3 (c)の岩石はどれか,以下の中から選べ。

はんれい岩,玄武岩,かんらん岩,石灰岩,閃緑岩,流紋岩

問4 (a)の岩石が溶岩の中に含まれているのはどのような理由か,50 字以内で述べよ。

問5 (b),(c),(d)の岩石は相互に類似した化学組成の鉱物をもち,それらの野外における産出状況から,でき方に関して密接な関係を持つことが推測された。これらの岩石の成因は互いにどのように関係していたと考えられるか,溶岩を供給したマグマだまりの中での結晶分化作用と関連づけて 100 字以内で説明せよ。