東大 過去問 2015年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2015年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 以下の問Ⅰ~Ⅲに答えよ。数値での解答には有効数字 2 桁で答え,計算の過程も示せ。必要であれば,log102=0.30,log102.5=0.40,log103=0.48 を用いてよい。

問Ⅰ 恒星から放射されるエネルギーの強度は,図1—1に示すように温度によって決まる放射(黒体放射)のスペクトルで近似できる。このとき,以下の問いに答えよ。ただし,O6型主系列星の表面温度は 40000K,M6型主系列星の表面温度は 3000K とする。

(1) 黒体放射スペクトルが最大となる波長と温度には一意の関係がある(ウィーンの変位則)。O6型主系列星からの放射エネルギーの強度が最大となる波長を求めよ。

(2) 肉眼では,O6型主系列星は青白く,M6型主系列星は赤く見える。この理由を図1—1を参考にして説明せよ。

(3) 太陽黒点は周囲に比べて温度が低い。このことから,太陽黒点が肉眼で黒く見える理由を図1—1を参考にして説明せよ。

(4) 太陽から放射されるX線の強度は,その表面温度の黒体放射から予想される強度より大幅に大きいことが知られている。その理由を述べよ。

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図1—1 黒体放射スペクトルと温度の関係
図1—1 黒体放射スペクトルと温度の関係
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問Ⅱ 主系列星の光度 L と半径 R は質量 M に依存する。このことに関する以下の問いに答えよ。ただし,太陽の光度を L⊙,半径を R⊙,質量を M⊙,表面温度を 6000K とする。また,O6型主系列星の質量を 30M⊙,表面温度を 40000K とする。

(1) 質量が 10M⊙ 以下の主系列星では,光度は質量の 4 乗に比例する。一方,それよりも質量の大きな主系列星では,光度は質量の 2 乗に比例する。このことから,O6型主系列星の光度を L⊙ を用いて答えよ。

(2) O6型主系列星の半径を R⊙ を用いて答えよ。ただし,恒星表面からの放射はシュテファン・ボルツマンの法則に従うものとする。

(3) 1M⊙ 以上の質量を持つ主系列星では,半径は質量の n 乗に比例するとする。(2)の結果を用いて,n の値を求めよ。

(4) 主系列星の寿命は,質量を光度で割った量 (ML) に比例する。このとき,O6型主系列星の寿命を求めよ。ただし,質量が 10M⊙ の主系列星の寿命を 2000 万年とする。

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問Ⅲ ある球状星団を観測し,個々の恒星のスペクトル型と見かけの等級の関係をグラフにしたところ,図1—2のようになった。この球状星団についての以下の問いに答えよ。ただし,太陽(G2型星)の絶対等級は 5 等級とする。

(1) 球状星団での星形成は過去のある時点で一斉に起こり,その後は星形成活動が行われていないと考えられている。図1—2の球状星団が星形成を行ってから現在までの期間の長さは太陽の寿命の何倍かを,その理由とともに答えよ。ただし,ここでの解答は有効数字 1 桁でよい。

(2) 別の観測から,この球状星団の手前に星間雲が広がっており,見かけの等級は星間雲がない場合に比べて 1 等級暗くなっていることが明らかになった。このとき,この球状星団までの距離を求めよ。

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図1—2 ある球状星団に含まれる恒星の見かけの等級とスペクトル型の関係
図1—2 ある球状星団に含まれる恒星の見かけの等級とスペクトル型の関係
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第2問 大気と海洋に関する以下の問Ⅰ~Ⅱに答えよ。

問Ⅰ 活発な水の循環は,地球大気および地球の気候を特徴づける要素の一つである。大気中の水蒸気は,地球表面からの蒸発により供給され,降水により除去される。また,降水過程に伴う水蒸気の凝結は,潜熱を解放することで大気循環の駆動源となる。

 図2—1は,経度方向に平均した年平均の降水量と蒸発量の緯度分布を示したものである。これに関して以下の問いに答えよ。数値での解答には有効数字 1 桁で答え,計算の過程も示せ。

(1) 図2—1のA,Bの線は,降水量と蒸発量を表している。それぞれがどちらに対応するか答えよ。また,Bに矢印で示した北緯 5 度付近の極大域を何とよぶか答えよ。

(2) 降水量と蒸発量は局所的につり合っておらず,その不均衡は低緯度で特に顕著である。これを補うような大規模な大気の循環を何とよぶか答えよ。また,大気中の水蒸気収支におけるその循環の役割について,循環の向きを明示しつつ 2 行以内で説明せよ。

(3) (2)で答えた循環をはじめ,低緯度で吹く風は地衡風で説明できない場合が多い。赤道近くの風が地衡風ではない理由を 1 行で説明せよ。

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(4) 図2—1に示した降水が,気圧 600hPa と 400hPa の間の大気層で一様に生じる水蒸気の凝結によりもたらされると仮定したときに,北緯 5 度において,その大気層に加えられる熱量は 1 日あたり何℃の気温上昇に相当するかを求めよ。ただし,降水量の値は図から読み取り,必要に応じて凝結の潜熱 L=2.5×106J/kg,大気の定圧比熱容量(気圧によらないとする)cp=1.0×103J/(kg℃),重力加速度 g=9.8m/s2 を用いること。また,凝結に伴う大気質量の変化は無視してよい。

図2—1 経度方向に平均した年平均の降水量と蒸発量の緯度分布
図2—1 経度方向に平均した年平均の降水量と蒸発量の緯度分布
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問Ⅱ 海水の密度と海洋の深層循環について述べた次の文章を読み,以下の問いに答えよ。数値での解答には有効数字 2 桁で答え,計算の過程も示せ。

 海洋の温度分布を鉛直方向に見ると,多くの場所では図2—2の実線のようになっている。海面付近には温度が比較的一様な a があり,その下には温度が深さとともに急激に変化する水温躍層が存在し,さらにその下には低温な深層水が存在する。こうした場所では深くなるにつれて密度が高くなっており,このことは表層と深層の海水交換が活発でないことを示す。

 一方,大西洋北縁(グリーンランド海やラブラドル海)では,図2—2の破線のように,海面付近から深層まで一様で低温な温度分布が見られる。このような場所では,(ア)大気による冷却で高密度化した海面付近の海水が深層へ沈むという深層水形成が生じており,全世界の海洋の深層を占める低温水の源になっている。(イ)この深層水は,全世界の海洋深層をめぐりながらゆるやかに上昇し,最終的に深層水形成場所の海面付近に戻ってくる。

 海水の密度は温度だけでなく塩分にも依存し,(ウ)海面付近での海水の高塩分化が主要因となって深層水形成が生じている場所も存在する。

(1) 上の文章中の空欄 a に入れるべき最も適切な語を答えよ。また,それが形成される理由を 2 行以内で説明せよ。

(2) 下線部(ア)に関して,深層水形成が起こる場所では他の場所よりも顕著に多くの熱が海面から奪われる。1.0×103W/m2 の熱によって 1m2 の海面の下にある質量 1kg の海水が一様に冷却される場合,1 秒あたりの密度増加を求めよ。ただし,海水の比熱容量を 4.0×103J/(kg℃) とし,1 ℃ の温度低下は 0.25kg/m3 の密度増加をもたらすとする。

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(3) (2)で述べた冷却の大部分は海水の蒸発によるが,蒸発は塩分の増加を通しても密度を高める。1m2 の海面の下にある塩分 S=35‰ を持つ質量 M=1kg の海水を考え,その海面から 1.0×103W/m2 の熱を奪うだけの蒸発が起こった結果として塩分が一様に増加する場合,1 秒あたりの密度増加を求めよ。ただし,蒸発による 1 秒あたりの海水質量変化が ΔM[kg/s] のとき,塩分変化 ΔS[‰/s] は S×ΔMM で近似できることを用いてよい。また,海水蒸発の潜熱は 2.5×106J/kg であり,1‰ の塩分増加は 0.75kg/m3 の密度増加をもたらすとする。

(4) 海洋の表層循環が成因の面からは風成循環とよばれるのに対して,下線部(イ)の深層循環は成因の面からは何とよばれるか答えよ。また,この循環はどのようにして全地球規模の気候に影響を及ぼすか,例をひとつ挙げて 2 行以内で説明せよ。

(5) 下線部(ウ)に該当する場所の代表は,地中海および南極大陸の周囲である。これらの海域の海面付近の海水を高塩分化する原因は何か,それぞれについて 1 行で答えよ。

図2—2 3月における海洋の鉛直方向温度分布。実線は東経180度,北緯40度(太平洋中央部),破線は西経5度,北緯75度(グリーンランド海)。
図2—2 3月における海洋の鉛直方向温度分布。実線は東経180度,北緯40度(太平洋中央部),破線は西経5度,北緯75度(グリーンランド海)。
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第3問 以下の問Ⅰ~Ⅱに答えよ。

問Ⅰ 地球の表面は球面であり,これを覆う変形しない板であるプレートの運動は,地球の中心を通る軸のまわりの回転運動である。図3—1のプレートAとプレートBの間には,プレートが形成される拡大境界である中央海嶺が存在する。図3—2は,この中央海嶺の一部を模式的に示したものである。

図3—1 プレートAとプレートBの相対的な運動
図3—1 プレートAとプレートBの相対的な運動
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図3—2 プレート間の拡大境界(中央海嶺)の模式図
図3—2 プレート間の拡大境界(中央海嶺)の模式図

(1) 中央海嶺の軸は,ところどころで断裂帯を境にしてずれている。図3—2で,軸の間をつなぐ部分(点Sと点Tの間)はプレートAとプレートBの境界をなす断層となるが,このような断層を何とよぶか。

(2) 図3—2の点Sと点Tの間の断層において起きる横ずれ断層型の地震について考える。

(a) 断層におけるずれの向きを,点S,Tを含めた図を描き,矢印を用いて示せ。

(b) 震央が点Uである場合,この地震による初動が,震源から外に向かう押し波になる領域を,点S,T,Uを含めた図を描いて示せ。

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(3) 図3—2のような,現在拡大を続けている中央海嶺付近における地磁気の強さ(全磁力)の強弱の分布を,図3—3に白と黒の 2 色で模式的に示す。このような縞状の地磁気異常の原因は,海洋底の岩石が冷却した時点の地磁気の方向に磁化し,その磁気を保持していることである。

(a) 岩石がこのようにして獲得し,保持している磁気を何とよぶか。

(b) 図3—3において黒で示した部分では,白で示した部分に比べて全磁力が強いか弱いかを,理由を含めて 2~3 行で答えよ。

図3—3 中央海嶺付近における全磁力の強弱分布の模式図
図3—3 中央海嶺付近における全磁力の強弱分布の模式図
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(4) 図3—1において,プレートAとプレートBの相対的な運動を考える。この相対的な運動もまた,ある軸のまわりの回転運動であり,その回転の速さ(角速度)はプレート内のどこにおいても等しい。回転軸が地表面を通る点(回転の極)をP,地球の中心をOとする。点Q,点RはプレートAとプレートBの間の中央海嶺の軸上にあり,∠POQ=30∘,∠POR=60∘ である。

 点Qの付近で地磁気異常の縞模様を調べた結果,プレートA,プレートBのいずれにおいても,海嶺の軸から拡大方向に 65km 離れた地点の海底は,現在から 300 万年前に形成されたことがわかった。プレートAとプレートBの運動は過去 300 万年間変化していないものとして,点RにおけるプレートAとプレートBの相対的な運動の速さを,cm/年を単位として有効数字 2 桁で求めよ。

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問Ⅱ 次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

 図3—4はある地域の地質図であり,破線は 50m 間隔の等高線を示す。岩体Aは貫入した花こう岩,地層Bは石灰岩,地層C~Gは砕せつ物からなる堆積岩であり,Bからはこの地層が古第三紀に堆積したことを示す化石が見つかった。B~Fの境界面の走向および傾斜は図中に示されている通りである。このことから,これらの地層はほぼ南北方向に走る軸を持つ ア 構造を作っていると考えられる。また,GとA,E,Fとの境界面は傾斜 0∘ であり,Gの最下部には基底礫岩が含まれる。このことから,GとA,E,Fとの境界は イ であることがわかる。また,Bの中でAとの境界に近い部分は接触変成作用を受け,ウ になっていた。

(1) 文章の空欄 ア ~ ウ を埋めよ。

(2) 花こう岩とはどのような岩石か。組織と化学組成についてその特徴を 1 行で述べよ。

(3) 下線部に関して,Bから見つかる可能性のある化石を以下の選択肢から 1 つ選べ。

イノセラムス,フデイシ(筆石),アンモナイト,カヘイ石(ヌンムリテス),サンヨウチュウ(三葉虫)

(4) この地質図から判断できるこの地域の地史(堆積や地質構造の形成の順番)をA~Gの岩体及び地層の記号を用いて 3 行以内で説明せよ。ただし地層の上下の逆転はないものとする。

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図3—4 ある地域の地質図
図3—4 ある地域の地質図