東大 過去問 2021年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2021年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 宇宙に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 地球から天体までの距離を求めるには様々な方法がある。天体までの距離を求める方法について,以下の問いに答えよ。数値での解答には有効数字 2 桁で単位とともに答え,計算の過程も示せ。

(1) 太陽,金星,地球がほぼ一直線上に並ぶ位置にあるとき,地球上からは,太陽の表面に金星の影(太陽の光球を背景とした黒い円)を観測できる。ここでは簡単のため,これら 3 天体の中心が完全に一直線上に並んでいるとしよう。太陽と金星の間の距離は,太陽と地球の間の距離の 0.72 倍である。図1—1のように観測者Aは太陽,金星,地球の中心を結ぶ線分上に,観測者Bはその線分から垂直方向に直線距離 d 離れた場所にいるとする。観測者AとBは金星の影を同時に観測し撮影する。両者から見える太陽表面での影の中心位置は距離 D ずれている。観測者Aから太陽表面までの距離を L とする。ただし,天体間の距離は天体のサイズに比べて非常に大きい。

(a) 距離 D は d の何倍か求めよ。

(b) 観測者Bから送られてきた写真を,観測者Aが自分で撮影した写真と詳しく比較したところ,両者の観測した金星の影の中心位置は,図1—1のように角度にして θ ずれていた。距離 L を d と θ を用いて表せ。

(c) 距離 d が 3000km のとき,θ は 11″ であった。この観測結果から,距離 L を求めよ。ただし,1″ は 4.8×10−6 ラジアンとしてよい。また,必要であれば,θ が微小の時,tanθ≒θ と近似してよい。

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図1—1 金星の影の観測を表す模式図。天体間の距離は,実際には天体のサイズに比べて非常に大きい。
図1—1 金星の影の観測を表す模式図。天体間の距離は,実際には天体のサイズに比べて非常に大きい。

(2) 地球からある銀河までの距離は,その銀河内にある Ia 型超新星や脈動型変光星を観測することで推定できる。

(a) Ia 型超新星は,爆発に伴う急激な増光後,数十日かけて徐々に減光していくが,最も明るくなったときの絶対等級は −19.5 等であることが知られている。ある遠方の銀河で Ia 型超新星が観測され,最も明るくなったときの見かけの等級は 15.5 等であった。地球からこの銀河までの距離は何パーセクか推定せよ。

(b) 距離測定のための観測対象として Ia 型超新星と脈動型変光星を比較したとき,それぞれの利点として考えられることを 1 ~ 2 行ずつ述べよ。

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問2 ケプラーの法則に従って,太陽を焦点の 1 つとする軌道長半径 a,離心率 e の楕円軌道を描く,公転周期 P の彗星があるとする。このとき,以下の問いに答えよ。なお,地球もケプラーの法則にしたがうものとし,その軌道長半径 aE と公転周期 PE に対して,K=aE3/PE2 とする。

(1) 彗星の公転周期 P を a,K を用いて表せ。

(2) 太陽と彗星を結ぶ線分がある時間 τ(ただし,τ<P とする)の間に通過する面積を S とするとき,S/τ を a,e,K を用いて表せ。なお楕円の面積が π(1−e2)a2 と書けることを用いてよい。

(3) 図1—2の太線部分のように,近日点をはさんで角度 θ にわたって,この彗星の核から H2O の氷が気化(蒸発)し,H2O ガスが放出されたとする。この過程で単位時間当たりに放出される H2O 分子の個数 Q は,太陽に近いほど大きく,太陽と彗星の間の距離 r を用いて Q=A/r2(A は定数)と表せるとする。以下では図1—2の角度 θ にわたるガスの総放出量を,順を追って考える。

(a) ある微小な時間 Δt の間に,彗星の公転運動により太陽と彗星を結ぶ線分が Δθ だけ回転したとする。この Δt の間に線分の通過する面積が ΔS であったとして,この間の H2O ガス放出量 QΔt を A,Δθ,Δt,ΔS を用いて表せ。ただし,ここでは Δt が十分小さいことを用いて ΔS=r2Δθ/2 と近似すること。

(b) r=2.0 天文単位のときに Q=2.0×1027 個/秒だったとする。a=9.0 天文単位,e=0.80,θ=2π/3 ラジアンとして,角度 θ にわたる彗星の H2O ガスの総放出質量を kg の単位で求めて有効数字 2 桁で答えよ。計算の過程も示すこと。ただし,H2O 分子 1 個の質量を 3.0×10−26kg とする。また,ガスの放出に伴う彗星の軌道の変化は無視できるものとする。

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(4) 公転軌道を保って太陽に繰り返し接近する彗星では,近日点に近づくたびに H2O の氷の気化(蒸発)によるガス放出が繰り返されるが,その放出量は長期的に減っていく傾向が想定される。そのように考えられる要因 1 つを 1 ~ 2 行で答えよ。

図1—2 彗星が描く楕円軌道と太陽の位置関係
図1—2 彗星が描く楕円軌道と太陽の位置関係
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第2問 大気と海洋に関する次の問い(問1~2)に答えよ。

問1 次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

 地表付近の水蒸気を含む未飽和の空気塊が上昇し続け,その間,周囲と熱のやりとりがないとすると,空気塊の温度は乾燥断熱減率にしたがって低下する。やがて空気塊の水蒸気が飽和に達すると,その後は高さとともに湿潤断熱減率にしたがって温度が低下する。最初に飽和に達する高さを( ア )といい,これは雲底の目安になる。

 気温減率が乾燥断熱減率よりも大きい場合の大気の状態を( イ )といい,湿潤断熱減率よりも小さい場合を( ウ )という。その中間にある場合には,条件つき不安定という。このように,対流圏においては高さとともに気温が低下しているのが一般的だが,( エ )と呼ばれる,高さとともに気温が上昇する領域が形成されることもある。

(1) 空欄(ア)~(エ)に入る適切な語句をそれぞれ答えよ。

(2) 下線部について,どのような条件が満たされると不安定になるか,1 行程度で説明せよ。

(3) 図2—1の(a)と(b)のうち,積乱雲がより発生・発達しやすいと考えられるのはどちらか答えよ。また,その理由を 3 行程度で説明せよ。

(4) 対流圏において空欄(エ)が形成される仕組みを 2 つ挙げ,それぞれ 2 行程度で説明せよ。

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(5) ある空気塊が,山頂の標高が 3000m の山を越える場合を考える。標高 0m の風上側山麓における空気塊の温度を T=26 ℃,露点を Td=18 ℃ とし,空欄(ア)の高さ h(単位は m)は h=125(T−Td) で与えられるとする。山頂を越えるときにちょうど雲が消失するとして,空気塊が標高 0m の風下側山麓に達した時の温度を有効数字 2 桁で求めよ。ただし,乾燥断熱減率を 1.0 ℃/100m,湿潤断熱減率を 0.50 ℃/100m で一定とし,計算の過程も示すこと。

図2—1 気温の高度分布の模式図。実線は観測された状態曲線(高度による気温変化),破線は乾燥断熱線(乾燥断熱減率にしたがう気温変化),鎖線は湿潤断熱線(湿潤断熱減率にしたがう気温変化)を表す。点A,B,C,Dはそれぞれ交点を表す。点Dは文中の空欄(ア)に相当し,点A,C,Dのそれぞれの高度および気温は(a)と(b)で等しい。
図2—1 気温の高度分布の模式図。実線は観測された状態曲線(高度による気温変化),破線は乾燥断熱線(乾燥断熱減率にしたがう気温変化),鎖線は湿潤断熱線(湿潤断熱減率にしたがう気温変化)を表す。点A,B,C,Dはそれぞれ交点を表す。点Dは文中の空欄(ア)に相当し,点A,C,Dのそれぞれの高度および気温は(a)と(b)で等しい。
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問2 次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

 図2—2は長期平均した海面高度(ジオイド面からの海面高低差)分布である。①海面高度の水平分布から,赤道付近を除き,大まかな海流の方向を推定することができる。日付変更線(経度 180 度)に沿う海面高度の緯度変化から,②南緯 50 ~ 60 度に周囲の緯度帯に比べて速い海流が分布していることがわかる。図2—3は,日付変更線付近の経度での水深 0 ~ 2000m における,長期平均した水温の南北断面図である。③南北 30 度付近で 10 ℃ 前後の等温線が下に凸の形状をしている。この構造は,海面直上の風によって引き起こされる海洋表層の沈降流と関係していると考えられている。北緯約 35 度から約 45 度にかけて,4 ℃ 以上の等温線が右上方向に傾いている。このことは,各水深で,北ほど冷たく高密度の海水が分布することを示している。この緯度帯での,各水深における海水圧力の南北勾配(絶対値)が,深くなるにつれて(ア)(大きく,小さく)なることを考慮すると,海面で(イ)(東,西)向きの海流は,深くなるにつれて(ウ)(強く,弱く)なる,と推定できる。

(1) 下線部①の海流の方向を推定できる理由について,2 行程度で説明せよ。

(2) 下線部②の海流の名称を答えよ。また,周囲の緯度帯に比べて海流が速いと判断できる理由を 2 行程度で説明せよ。

(3) 下線部③の沈降流が生じる理由を,上空の風の向きと強さに関連付けて,2 行程度で説明せよ。

(4) 下線部(ア)~(ウ)に入る適切な語句を選択せよ。

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図2—2 長期平均した海面高度分布(等値線間隔0.1 m,H:極大,L:極小)
図2—2 長期平均した海面高度分布(等値線間隔0.1 m,H:極大,L:極小)
図2—3 日付変更線(経度180度)付近を南北に横切る長期平均水温断面図(単位℃,等値線間隔2℃)
図2—3 日付変更線(経度180度)付近を南北に横切る長期平均水温断面図(単位℃,等値線間隔2℃)
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第3問 地球の形・地質・地震に関する次の問い(問1~3)に答えよ。

問1 地球の形に関する以下の問いに答えよ。

(1) エラトステネスは地球が球形であると仮定し,ほぼ同じ経度にある 2 地点間の緯度差と距離から地球の全周の長さを求めた。その後,地球が赤道方向に膨らんだ回転だ円体に近いことが 18 世紀の幾何学的測量で確かめられた。どのような根拠に基づいてそのことが確かめられたのか,地球の断面図を描いて緯度の定義を示すとともに 2 行程度で説明せよ。

(2) 地球の形は,地球を構成する物質による万有引力と自転による遠心力との合力である重力に垂直な地表面の形と考えることができる。

(a) 北極と赤道において同一の振り子で測定した周期はどちらが何 % 短くなるか,計算の過程を示すとともに有効数字 1 桁で答えよ。簡単のため,地球は半径 6×103km の球体で,万有引力だけにより生じる加速度の大きさ(10m/s2)は地球上のどこでも一定としてよい。また,測定環境は緯度によらず空気抵抗やコリオリ力も無視できるとする。遠心力により生じる加速度の大きさは,自転軸からの距離 r,自転角速度 ω(ラジアン/s)を用いて rω2 で与えられること,振り子の周期は重力加速度の大きさの平方根に反比例すること,微小量 Δ に対して 1−Δ≒1−12Δ が成り立つことを用いてよい。円周率は 3 とせよ。

(b) ニュートンは,地球を構成する物質が一様な密度をもった流体である場合に地球の形が回転だ円体になることを示し,その偏平率として 1/230 を得た。一方,ホイヘンスは地球中心に地球の質量が集中していると仮定して地球の形を求め,その偏平率として 1/578 を得た。現実の地球の赤道半径は約 6378km,極半径は約 6357km である。現実の地球の偏平率と,ニュートンとホイヘンスが求めた 2 つの偏平率の大小関係を,地球の内部構造と関係付けて 2 行程度で説明せよ。

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(3) 近年の観測の結果,地球表層の質量分布の変化によって地球の形が時間的にも変動することがわかってきた。広域的な質量分布の変化を引き起こす現象の一つに氷床の変動がある。第四紀には,数万年~ 10 万年程度の周期で氷期・間氷期が繰り返した。最終氷期に厚さ最大数 km の氷床で覆われていた北極域周辺の陸域では,浅瀬に生息する貝類の化石に基づいて過去の海面の高さが復元されている。図3—1は,約 1 万年前から現在までのそれらの化石の年代と採取地の現在の標高を示す。図から読み取れることと,その原因として考えられることを,下記の語句をすべて用いてあわせて 5 行程度で説明せよ。ただし,グラフの傾きがしだいにゆるやかになっている点は考慮しなくてよい。

語群:最終氷期,急速な融解,アイソスタシー,アセノスフェア

図3—1 北極域周辺の陸域における貝類の化石の年代と採取地の現在の標高
図3—1 北極域周辺の陸域における貝類の化石の年代と採取地の現在の標高
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問2 地質に関する以下の問いに答えよ。

 図3—2は,ある場所における露頭の地質スケッチである。ただし,D層より上位の各堆積岩については,整合的に堆積したことが観察されている。

図3—2 ある露頭の地質スケッチ。なお石灰岩中に見られる破線は,層理面を示す。
図3—2 ある露頭の地質スケッチ。なお石灰岩中に見られる破線は,層理面を示す。
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(1) 境界 X と Y をそれぞれ何と呼ぶか答えよ。また,Z において形成された接触変成岩の名称を答えよ。

(2) Fの花崗岩から黒雲母を取り出し,K–Ar(カリウム–アルゴン)法によって放射年代を測定した。分析の結果,Fの形成時にあった 40K の 10% が壊変(崩壊)して 40Ar 等の安定な同位体に変わっていたことがわかった。40K の半減期を 13 億年とすると,Fは何年前に形成されたものか,計算式を示し,有効数字 2 桁で答えよ。必要であれば,log102=0.30,log103=0.48 を用いてよい。

(3) A,B,C,Dには化石が含まれていなかったため,どの地質年代に属するのかが不明であった。しかし,Cは他の露頭でも認められ,その露頭では化石を含む堆積岩層にはさまれていた。その化石によって,Cの年代がわかり,BとDのおおよその年代も推定することができた。

(a) 下線部の化石として適当なものを 1 つ選べ。

① アノマロカリス

② フズリナ

③ 三葉虫

④ ヌンムリテス(カヘイ石)

(b) Cのように,地層の対比に重要な役割を果たす地層を鍵層と呼ぶ。鍵層として用いることができるために望ましい地層の特徴を 2 つ挙げよ。

(4) 設問(1)~(3)の情報をふまえ,図3—2の露頭から読み取れる,過去から現在に至る地層形成や地殻変動の歴史を,下記の語をすべて用いて 3 行程度で述べよ。なお,石灰岩は古生代に形成されたものとする。

語群:貫入,新生代,褶曲

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問3 地震に関する以下の問いに答えよ。

 地下のマグマの動きによって生じた地震活動を地表に置かれた 2 つの地震計で観測した。図3—3に示すように,観測点Qの直下で発生した地震から放射されたP波を観測点Qと観測点Rで記録した。震源,観測点Q,観測点Rを通る鉛直断面の 2 次元座標系を考え,x 軸を水平方向にとり,z 軸は地表をゼロとし鉛直下向きを正として定義する。なお,地表面は水平であるとし,また,地下のP波速度は一定とする。観測点Qを原点 (0, 0),観測点Rの位置を (r, 0),震源の位置を (0, z0),P波速度を v とする。

(1) 震源から観測点QまでのP波の走時を tQ,震源から観測点RまでのP波の走時を tR とおく。P波の走時差 (tR−tQ) を r,z0,v を用いて式で表せ。

(2) 震源が z 軸に沿って浅い場所から深い場所へ移動すると,P波の走時差 (tR−tQ) はどのように変化するか。震源の深さを横軸に,P波の走時差 (tR−tQ) を縦軸にとってグラフを描いて 1 行程度で説明せよ。

(3) P波の走時差 (tR−tQ) が設問(2)のような変化を示す理由を,波の伝わる様子と関係付けて,3 行程度で述べよ。

図3—3 震源,観測点Q,観測点Rを通る鉛直断面
図3—3 震源,観測点Q,観測点Rを通る鉛直断面