東大 過去問 2007年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2007年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 恒星(以下では星と書く)はその寿命の大半を主系列星として過ごす。主系列星のエネルギー源,寿命,および星の質量分布に関する以下の文章を読み,問に答えよ。数値は有効数字 1 桁で答えよ。

問1 主系列星のエネルギー源はその星の中心部で起こる水素核融合反応である。つまり,4 個の水素原子核が核融合反応を起こし 1 個のヘリウム原子核になる際,質量が 0.7% 減少する。この質量差がアインシュタインの式 E=mc2 に従い,星から放射されるエネルギーに変わる。主系列星である太陽はその質量のうちの 75%(重量 %)が水素で,残りの大部分がヘリウムであることがわかっている。主系列星である期間に,この水素の 10% が上記の核反応を起こしてヘリウムに変換すると仮定する。光速は c=3.0×108m/s である。

(a) 太陽において,この核融合反応で発生するエネルギーの総量を求めよ。ここで太陽質量は 2.0×1030kg である。

(b) 太陽の主系列星における寿命が何年になるかを求めよ。ここで,太陽のエネルギー放射率は 3.9×1026J/s であり,主系列星である期間,エネルギー放射率は変化しないと仮定する。

(c) 主系列星の光度(エネルギー放射率),すなわち単位時間あたりの核燃料の消費量はその星の質量の 4 乗に比例する。このことから,主系列星における星の寿命はその質量の何乗に比例すると考えられるかを答えよ。

(d) 質量が太陽の 20 倍の主系列星の寿命を求めよ。

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問2 星は宇宙空間に漂うガスが収縮して生まれる。銀河系には星形成の母体となる分子雲(暗黒星雲)があちこちに存在しており,そこでは様々な質量の星が生まれている。ある分子雲で様々な質量の星が生まれ,ある時刻(t=0 とする)に同時に主系列星になったとする。その分子雲では太陽質量の m 倍の質量を持つ星が N(m)=N0×m−2.5 個生まれたと仮定する。ここで,N0 は太陽質量の星が生まれた個数で,1.0×105 個とし,星の質量は太陽質量の 0.1 倍から 50 倍まで上記の関係式に従って連続的に分布していると仮定する。

(a) この分子雲では m=20 の星は何個生まれたかを求めよ。

(b) t=1000 万年でこの分子雲に存在している質量の最も大きな主系列星の質量は太陽質量の何倍かを求めよ。

(c) 星は進化の最終段階で超新星爆発を起こす場合がある。超新星は大別すると 2 種類あるが,ここでは,質量が太陽質量の約 10 倍より大きな星の最期を考える。t=0 から t=1000 万年までに起こる超新星爆発の総数を求めよ。なお,ある質量範囲の星の総個数を求めるには,上記の N(m) を質量の下限値から上限値まで m について積分すればよい。ただし、m−2.5 の不定積分は、−m−1.51.5+ 積分定数 である。

(d) 銀河系内に上記と同じ分子雲が 100 個あり,同時に同様の星形成が起こったとする。t=0 から t=1000 万年までに,銀河系全体では平均して何年に 1 個の超新星爆発が発生するかを求めよ。

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第2問 次の文章を読み,以下の問いに答えよ。

 地球を生命溢れる豊かな惑星としている理由として,海の存在が地球の気候を安定させる効果を持つことが挙げられる。(ア)海に存在する大量の水は莫大な熱量を貯め込むと同時に,(イ)大気と同様に海流が極向きに熱を輸送し高緯度と低緯度の温度差を緩和する。また,大気中の二酸化炭素を吸収して急激な気候の変化を抑えている。二酸化炭素や熱の循環に関わる海洋内部の流れを直接測定することは難しいが,(ウ)海水成分の分布から海洋内部の循環が推測されている。

問1 下線部(ア)に関連して,次の問いに答えよ。

 単位面積あたりの大気質量 Ma=1×104kg/m2,大気比熱 Ca=1×103J/(K·kg)(大気 1kg を温度 1 ℃ 上昇させるのに必要な熱量),海水密度 ρs=1×103kg/m3,海水比熱 Cs=4×103J/(K·kg),海底深度 D=4×103m,地表に占める海洋の面積比を 7 割(R=0.7),地球の表面積を S とする。

(a) 海水の平均温度を 1 ℃ 上昇させるのに必要な熱量を,ρs,Cs,R,S,D を用いて表せ。

(b) 大気温度を x ℃ 上昇させるのに必要な熱量を,Ma,Ca,S,x を用いて表せ。

(c) 海水の平均温度が 1 ℃ 上昇することに使われる熱量がすべて大気の温度上昇に使われたとしたら,大気の平均温度は何度上昇するか。有効数字 1 桁で求めよ。

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問2 下線部(イ)に関連する大気の熱輸送について,次の問いに答えよ。

 低緯度では,日射によって暖められて上昇した空気を運ぶ a 循環に伴って熱が高緯度方向に運ばれている。地球の回転のため北半球では流れの方向に対して右向きの b 力が働いて,a 循環の低緯度側下層では西向きの c 風が,高緯度側上空では東向きの d 風がそれぞれ吹いている。中緯度では d 風が上空で蛇行しており,これに伴う低気圧の発達などの大気下層の擾乱によって熱が輸送されている。

(a) 文中の a ~ d に最もふさわしい語句を答えよ。

(b) 熱帯域では,雨季と乾季がある。このような気候をもたらす原因を,「a 循環」という言葉を含めて 100 字程度で説明せよ。

(c) 北半球中緯度の低気圧に伴う前線と等圧線を描き,暖気と寒気の水平方向の流れの構造を矢印で示せ。

(d) 中緯度の低気圧の発達と移動に伴い,低緯度側の熱はどのようにして高緯度側に輸送されるか。暖気と寒気の水平方向及び上下方向の流れに留意して,150 字程度で説明せよ。

問3 下線部(ウ)に関連して次の文を読み,問いに答えよ。

 海面から約 100m 深までの太陽光が到達する表層では,光合成により,海水中に溶けているリン酸等栄養物質や炭素を使って植物プランクトンが有機物を作る。表層で作られた有機物の一部は粒子となって沈降する。沈降する間に,海水中の酸素を消費して有機物が分解され,リン酸や炭素が海水中に溶け出す。粒子は分解しながら沈降し,一部は数日から数ヶ月で海底にまで達する。これら一連の過程は,植物プランクトンの働きがきっかけになって表層水の炭素やリン酸が鉛直下方に輸送されることから,生物ポンプと呼ばれている。

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 南北高緯度域の海では,大気に冷却される効果と,海氷の形成に伴い表層の海水の塩分濃度が高くなる効果によって,密度が高くなり下降流が生じる。この沈み込みに伴って 2000~3000m 深の深層での流れが生ずることになる。海底の地形の影響等から,北大西洋高緯度域での沈み込みに伴う流れは,地球全体の規模のものとなり,世界の海洋大循環になると考えられている。この深層流を追跡すると,生物ポンプの働きによって,時間とともに酸素濃度は減少し,リン酸濃度は増加することになる。

(a) 図2—1に基づき,深さ 2500m 付近での酸素濃度について北太平洋と北大西洋における違いを述べよ。同様に,リン酸濃度における違いを述べよ。

(b) 図2—1に基づき,深さ 2500m 付近での酸素濃度とリン酸濃度の緯度方向の変化傾向とそれから推測される緯度方向の流れの向きを,太平洋と大西洋のそれぞれについて述べよ。

(c) 図2—1(a)の酸素濃度分布に着目すると,深さ 2500m 付近での大西洋から太平洋への流れはどこを通っていると考えられるか。理由を付けて 50 字程度で述べよ。

(d) 深さ 2500m 付近において北大西洋A点(北緯 55 度,西経 45 度)にあった深層水が同じ深さの北太平洋B点(北緯 40 度,西経 170 度)に移動したとする。放射性炭素同位体の分析から,移動に要した時間は約 1000 年とわかったとする。酸素濃度の変化率(1 年あたりの変化量)を求めよ。また,深層水の移動速度は時速何メートルかを求めよ。それぞれ有効数字 1 桁で答えよ。A点とB点の間の移動距離は地球の赤道一周分とする。

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図2—1 深さ2500m付近における(a)酸素濃度(mℓ/ℓ)と(b)リン酸濃度(μmol/ℓ)の分布。等値線間隔は0.5で表示されている。
図2—1 深さ2500m付近における(a)酸素濃度(mℓ/ℓ)と(b)リン酸濃度(μmol/ℓ)の分布。等値線間隔は0.5で表示されている。
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第3問 次の文章を読み,下の問いに答えよ。

図3—1
図3—1

 上の図3—1は,東西に延びる谷に沿って作成した地質探査図(ルートマップ)である。このルートで得られた地質調査の観察結果は次のようにまとめられる。

 沢の入り口から上流に向かってアンモナイトや二枚貝のイノセラムスの化石を含む泥岩層が約 150m 続いた後,A地点で砂岩層に変わった。そこでの泥岩層と砂岩層の地層境界面(層理面)の走向と傾斜をクリノメーターで測定したところ,それぞれ NS,45∘W であった。A地点から 80m ほど二枚貝のモノチスの化石を含む砂岩層が続いたが,B地点でフズリナ(紡錘虫(ぼうすいちゅう))やサンゴの化石を多く含む石灰岩層に変わった。B地点から上流に向かってしばらくこの石灰岩層が続いた後,C地点では断層を挟んで東側にモノチスの化石を含む砂岩層が認められた。この断層面の走向は NS で,傾斜は垂直であった。C地点からしばらく砂岩層が続いた後,D地点では砂岩の下位にB—C間に分布していた石灰岩層中のものと同じ種類の化石を含む石灰岩層が観察された。この石灰岩層の走向・傾斜は NS,45∘W であった。D地点から上流側約 250m にわたり石灰岩層の連続的な露出が認められた。この間,地層の走向は NS で変化しなかったが,地層の傾斜は次第に緩くなり,E地点ではほぼ水平であった。

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 E地点を過ぎると地層の傾斜の向きは東側に変わり,F地点では 60∘E であった。F地点では石灰岩層とモノチス化石を含む砂岩層の境界が,またG地点ではモノチス化石を含む砂岩層とイノセラムスやアンモナイトの化石を含む泥岩層の境界が,それぞれ観察された。(ア)H地点では,泥岩層と火成岩体との境界部が確認され,火成岩体の周囲の泥岩は黒っぽく硬く緻密な岩石に変わっていた。火成岩の新鮮な部分をハンマーで割って,その表面をルーペで観察したところ,(イ)全体として灰白色で,大きさのそろった粗粒の鉱物からなり,無色鉱物として長石と石英が,また有色鉱物として黒雲母が確認できた。最上流のI地点や支流のJ地点では,ほぼ水平なれき層が不規則な境を持って火成岩の上に重なり,その中には下位の火成岩に由来するれきが多く含まれていることが観察された。沢の北側のK地点でも,れき層の基底部が認められ,そこからマンモス象の臼歯の化石が発見された。また,H地点やJ地点で認められたものと同じと考えられる火成岩はC地点から 200m 南のL地点でも観察され,そこではC地点から延びる断層により火成岩が切られていることが確認された。

問1 A地点での砂岩層と泥岩層の地層境界線は地形図上でどのように現れるか。下の図3—2の 1 から 4 の中で,最も適当なものを選び,その理由を 70 字程度で述べよ。ただし,A地点の高度を 350m とする。

図3—2
図3—2
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問2 C地点で確認された断層の垂直方向のずれ(落差)は何メートルか。東側が何メートル下がった,あるいは上がったというように答えよ。ただし,B地点での地層の走向と傾斜はA地点での値と同じで,B地点,C地点,D地点の高度をそれぞれ 375m,400m,425m,B—C間,C—D間の水平距離をそれぞれ 70m,50m とする。

問3 下線部(ア)で述べている泥岩から変わった硬く緻密な岩石とは何か。また,このような変化をもたらした作用を何とよぶか。

問4 下線部(イ)で述べている火成岩の種類は何か。また,この岩石に特徴的な組織を何とよぶか。

問5 この地域で過去に起きた以下の地学的事象を時代順に並べ替え,その根拠を 200 字以内で記せ。なお,地層については産出化石に基づく地質時代も記すこと。

(a) 泥岩層の堆積

(b) 砂岩層の堆積

(c) 石灰岩層の堆積

(d) れき層の堆積

(e) 火成岩の形成

(f) 断層の形成

(g) 不整合の形成