東大 過去問 2014年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2014年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 近年,太陽以外の恒星のまわりを回る惑星(太陽系外惑星)が多数見つかっている。恒星Sのまわりを回る惑星Pについて,以下の問いに答えよ。なお,恒星及び惑星はすべて球体であり,表面の温度は一様でシュテファン・ボルツマンの法則に従うエネルギー放射を行っていると仮定する。シュテファン・ボルツマン定数を σ,円周率を π とする。数値での解答にはすべて有効数字 2 桁で答え,計算過程も示せ。また,必要に応じて 2=1.41,3=1.73,5=2.24,7=2.65,10=3.16 を用いよ。

問Ⅰ 恒星Sの表面温度が TS,半径が RS,惑星Pの半径が RP,恒星Sと惑星Pの距離が a であるとき,惑星Pの表面温度 TP を推定したい。

(1) 恒星Sから放射された全エネルギーは,惑星Pの位置では半径 a の球面に均等に分配される。このことから,恒星Sから惑星Pに単位時間あたりに入射する全エネルギー Ein を RS,RP,TS,TP,a,σ,π のうち必要なものを用いて表せ。

(2) 惑星Pの表面から単位時間あたりに放射される全エネルギー Eout を RS,RP,TS,TP,a,σ,π のうち必要なものを用いて表せ。

(3) 惑星Pの表面では Ein と Eout がつり合う熱平衡状態になっている。このとき,惑星Pの表面温度 TP を RS,RP,TS,a,σ,π のうち必要なものを用いて表せ。

(4) (3)の関係式を用いて,地球の表面温度 TE を推定してみよう。RS=7.0×108m(太陽半径),TS=5800K(太陽の表面温度),RP=6.4×106m(地球半径),a=1.5×1011m(1 天文単位)とする。このとき,TE を計算せよ。

(5) 実測された地球の平均地表気温は,(4)で求めた TE よりも高い。その違いの原因を 1 つあげよ。

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問Ⅱ 図1—1のように,恒星Sと惑星Pが互いの共通重心(恒星と惑星の 2 つをあわせた重心)のまわりをA→B→C→D→A→・・・の順に円運動しているとする。このとき,以下の問いに答えよ。ただし,恒星Sの質量を MS,惑星Pの質量を MP,公転周期を t,恒星Sと惑星Pの距離を a,恒星Sの共通重心のまわりの軌道半径を aS とする。

(1) aS を MS,MP,a を用いて表せ。

(2) 光のドップラー効果を利用すると,観測者に対する恒星Sの速度を測定することができる(以下,これを「視線速度」という)。共通重心は観測者に対して運動しないとすると,視線速度の時間変動は図1—2のように正弦関数として観測される。この視線速度の振幅 K が MP/a(MS+MP) に比例することを示せ。ただし,観測者は恒星Sから十分離れた位置におり,惑星Pの公転軌道と観測者は同一平面上にあるとする。

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図1—1 軌道面に垂直な方向から見た恒星Sと惑星Pの軌道。観測者は,恒星Sから十分離れた位置にいる。
図1—1 軌道面に垂直な方向から見た恒星Sと惑星Pの軌道。観測者は,恒星Sから十分離れた位置にいる。
図1—2 恒星Sの視線速度の時間変化。横軸のABCDは,図1—1のABCDに対応する。
図1—2 恒星Sの視線速度の時間変化。横軸のABCDは,図1—1のABCDに対応する。
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問Ⅲ 質量が太陽の半分の主系列星S′のまわりを回る,地球と同じ質量をもつ惑星P′を考える。惑星P′の表面温度が問Ⅰの TE と等しいとき,以下の問いに答えよ。

(1) 主系列星では,恒星質量 M と単位時間あたりの全放射エネルギー L の間にはおおよそ L=AM4 の関係がある(A は比例係数)。このとき,恒星S′と惑星P′の距離は何天文単位になるか求めよ。

(2) 地球により生じる太陽の共通重心まわりの回転速度は 0.089m/s であることを用いて,惑星P′により生じる恒星S′の視線速度の振幅を求めよ。ただし,観測者は惑星P′の公転軌道と同一平面上におり,惑星P′の質量は恒星S′の質量と比べて十分に小さいとする。

(3) 太陽系外惑星の探索には,恒星の視線速度の変動を測定する手法が良く用いられる(視線速度法)。視線速度法を用いて,主系列星のまわりを回る地球と同じ質量で同じ表面温度の惑星を探索することを考えると,重い恒星を観測するほうが容易か,軽い恒星を観測するほうが容易か,理由とともに 1 行程度で述べよ。

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第2問 大気と海洋に関する以下の問Ⅰ~Ⅲに答えよ。

問Ⅰ 太平洋の黒潮は亜熱帯環流と呼ばれる大規模な時計回りの環流の一部である。以下の(1)~(3)に答えよ。

(1) 亜熱帯環流はどのような風によって形成されているか,1~2 行程度で説明せよ。

(2) 図2—1は太平洋における亜熱帯環流の様子を表している。図のAにおいて海面の高さはまわりに比べて高いか低いか,海水に働く力のつり合いを述べた上で,2~3 行程度で答えよ。ただし,亜熱帯環流は地衡流であるとする。

(3) 図2—2は太平洋での海洋による北向き熱輸送量 H を示したものである。北緯 30 度付近の H のすべてが亜熱帯環流によって担われていると仮定すると,その緯度における北向きと南向きの海流の平均的な水温差 ΔT を推定できる。亜熱帯環流の流量を V,海水の比熱(単位質量あたりの熱容量)を Cp,密度を ρ としたとき,ΔT を H,V,Cp,ρ を用いて表せ。また,V=3.0×107m3/s, Cp=4.0×103J/kg/K, ρ=1.0×103kg/m3 としたとき,ΔT の値を有効数字 1 桁で求めよ。

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図2—1 太平洋における亜熱帯環流の様子。実線は海面の高さの等値線,矢印は海流の向きを示している。陸地近くでの等値線は省略してある。
図2—1 太平洋における亜熱帯環流の様子。実線は海面の高さの等値線,矢印は海流の向きを示している。陸地近くでの等値線は省略してある。
図2—2 太平洋での海洋による北向き熱輸送量
図2—2 太平洋での海洋による北向き熱輸送量
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問Ⅱ 地上において温度 10 ℃ の空気が,強制的に上空に持ち上げられる場合を考える。持ち上げられる空気の温度と高度の関係は,図2—3の細い実線と太い実線で表されるものとする。空気に含まれる水蒸気の量は,1kg の空気に対して何 g の水蒸気を含むかで定義される混合比という量で表される。相対湿度 100% の空気は,飽和混合比として表される量の水蒸気を含んでいる。持ち上げられる空気A,Bについて,水蒸気の混合比はそれぞれ 3g/kg と 5g/kg であるとする。以下の(1)~(3)に答えよ。

(1) 持ち上げられる空気A,Bのそれぞれについて,雲ができ始める高度が何 km であるかを図から読み取り,小数点以下 1 桁で答えよ。

(2) 雲ができ始めた後に,持ち上げられた空気が自然に上昇を始めたとする。このようなことが起こるのは,まわりの空気の高さ方向の温度分布(気温減率)がどのような場合か,1~2 行で答えよ。

(3) 人工衛星から赤外線で雲を撮影する装置と同じ装置を使って,地上から空気A,Bにできた雲を撮影する。雲は赤外線に対して完全に不透明であり,撮影される物体からの赤外線が強いほど,写真にはより黒く写るものとする。このとき,空気A,Bにできた雲は,どちらがより黒く写るか,理由を含めて 1~2 行で答えよ。

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図2—3 上昇する空気の温度の変化(細い実線と太い実線)。破線は,混合比が3,5,7 g/kgのときに水蒸気が凝結する温度を表す等飽和混合比線を示す。
図2—3 上昇する空気の温度の変化(細い実線と太い実線)。破線は,混合比が3,5,7 g/kgのときに水蒸気が凝結する温度を表す等飽和混合比線を示す。
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問Ⅲ 地球大気の大規模な循環を調べるために,回転水槽を用いた実験が行われることがある。図2—4は,異なる条件のもとで行った回転水槽実験における流れを,水槽の上から見たものである。これと現実の大気大循環に関して以下の(1)~(3)に答えよ。

(1) 図2—4の流れについて,以下の文章のア~ウに当てはまる語を答えよ。

 図の(a)に見られる同心円状の流れは地球大気の ア に相当すると考えられ,水槽の回転と同じ向きで,かつ水槽よりも速く流れている。このとき,外壁近くの水位は内壁近くよりも イ く,地衡風のバランスを考えると整合的である。一方,図の(b)に見られる流れは,ア に加えて波動が生成していることを意味するが,これは地球大気で ウ と呼ばれるものに対応する。図の(a)において,暖められた外壁付近では上昇流が,冷やされた内壁付近では下降流が作られ,これらが①鉛直循環を形成する。

(2) 地球大気は,図の(a),(b)どちらの特徴ももつが,回転水槽実験では条件を変えることで(a)から(b)へ遷移する。この条件をあげ,それをどう変えたときに遷移が生じるかを簡潔に 1 行で述べよ。ただし,(a)と(b)では同じ水槽を用いており,媒質も変えないものとする。

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(3) 下線部①にともなう水槽の底付近の流れについて,以下のA~Iから正しいものを 3 つ選べ。

A.x—x′ の方向では,圧力傾度力が,転向力と摩擦力の合力とほぼつり合う。

B.底面の摩擦が大きいと,外壁に向かう流れの成分が弱められる。

C.x—x′ の方向では,転向力が,圧力傾度力と摩擦力の合力とほぼつり合う。

D.回転台に乗って見る底面付近の流れは,水槽の回転と逆向きである。

E.x—x′ の方向では,摩擦力が,圧力傾度力と転向力の合力とほぼつり合う。

F.回転台に乗って見ると底面付近の流れは静止している。

G.底面の摩擦が大きいと,外壁に向かう流れの成分が強められる。

H.回転台に乗って見る底面付近の流れは,水槽の回転と同じ向きである。

I.外壁に向かう流れの成分の大きさは,底面の摩擦の大きさにはよらない。

図2—4 回転水槽実験で現れる流れの様子を,水槽の上から見たもの。水槽は2つの円筒で挟まれたドーナツ型で,回転台に乗せられており,内壁側を冷やし,外壁側を暖めて温度差を作っている。図の黒い部分は水を表しており,アルミニウム粉末で白く流れを可視化している。(a)のx—x′は動径方向を表す。
図2—4 回転水槽実験で現れる流れの様子を,水槽の上から見たもの。水槽は2つの円筒で挟まれたドーナツ型で,回転台に乗せられており,内壁側を冷やし,外壁側を暖めて温度差を作っている。図の黒い部分は水を表しており,アルミニウム粉末で白く流れを可視化している。(a)のx—x′は動径方向を表す。
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第3問 以下の問Ⅰと問Ⅱに答えよ。

問Ⅰ 地球内部の熱と地震発生のエネルギーに関する以下の問いに答えよ。

(1) 地球内部の温度は,内側へ行くほど高くなり,地球の中心では約 5000 ℃ に達すると考えられている。地球の内部がこのように高温であることには,主に 2 つの理由がある。1 つは,地球が形成されるときに集積した物質の力学的エネルギーが,熱として蓄積されたためである。もう 1 つの理由を 1 行程度で説明せよ。

(2) 高温の地球内部から低温の地表に向けて流れ出る熱量を地殻熱流量といい,単位面積を単位時間に流れ出る熱量で表す。地殻熱流量の地球全体の平均値が 0.085W/m2 であるとき,地表から 1 年間に放出される熱エネルギーを有効数字 1 桁で求めよ。解答には計算の過程も示せ。ただし,地球の半径を 6.4×106m,1 年を 3.2×107 秒とする。

(3) 海溝付近と海嶺付近の地殻熱流量にはどのような違いがあると考えられるか,理由とともに 1~2 行で述べよ。

(4) 次の文を読み,空欄 ア ~ エ に当てはまる数値を,以下の(a)~(m)から選べ。また,オ ~ キ に当てはまる数値を,計算の過程も示しつつ,有効数字 1 桁で答えよ。10=3.2 とし,必要ならば数学公式

a+ar+ar2+ar3+⋯=a1−r(0≦r<1)

を用いよ。

 地球内部の熱はプレート運動の原動力であり,プレート運動と地震発生は密接に関係している。地震により 1 年間に放出されるエネルギーを概算し,(2)で求めた熱エネルギーと比較してみよう。地震のマグニチュード M は四捨五入して整数値として扱う。例えば,3.5≦M<4.5 はすべて M=4 とする。起こりうる最大の地震のマグニチュードを M=9 とし,そのエネルギーを 2×1018J とする。

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 地震の発生頻度はマグニチュードが 1 小さくなるごとにおよそ 10 倍になる。これはグーテンベルグ・リヒター則と呼ばれる。一方,地震 1 個のエネルギーはマグニチュードが 1 小さくなるごとに ア 倍になる。

 50 年間に M=9 の地震が 10 個発生し,地震の発生頻度がグーテンベルグ・リヒター則に従う場合に,地震のエネルギーの総和を考える。グーテンベルグ・リヒター則から M=8 の地震は 100 個発生し,M=8 の地震のエネルギーの合計は M=9 の地震のエネルギーの合計の イ 倍になる。同様に考えると,M=7 の地震は ウ 個発生し,そのエネルギーの合計は M=9 の地震の合計の エ 倍になる。この考えを無限に小さな地震にまで繰り返すと,エネルギーの総計は オ J になる。そのうち M≦6 の地震のエネルギーが占める割合は カ % である。

 この 50 年間の総計から,地震により 1 年間に平均して放出されるエネルギーを計算すると,それは(2)で求めた地球の熱エネルギーの キ % に相当する。

p81a
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問Ⅱ 石英は地殻の主要な構成鉱物の 1 つであり,その化学式は SiO2 である。SiO2 は,温度・圧力の変化にともなって,いくつかの異なった結晶構造をもつ鉱物として存在し,それらが安定に存在する温度・圧力の領域は図3—1のように示される。

(1) このように,同じ化学組成でも異なった結晶構造をもつ鉱物どうしを何と呼ぶか述べよ。また,このような例を SiO2 以外に 1 つあげて,化学式と相当する鉱物名を 2 つ答えよ。

(2) 温度 300 ℃,圧力 3.5×109Pa の地球深部で,コース石を含んだ岩石が形成され,この岩石が造山運動で地表に上がって来たとする。この岩石から薄片試料を作って,偏光顕微鏡を使って観察したところ,図3—2のようにコース石を取り囲んで石英が存在しており,さらにその周囲にある輝石に放射状の割れ目が観察された。この割れ目がどのようにして形成されたかを 2~3 行程度で説明せよ。

(3) 図3—1で示すようなコース石やスティショバイトなどの超高圧下で安定な鉱物が形成される場所は,通常は地球深部である。しかし,コース石やスティショバイトは,ある自然現象によって,地表でも形成されることが分かっている。この自然現象は何か答えよ。

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図3—1 さまざまな温度・圧力下で安定に存在するSiO₂鉱物。それぞれの鉱物名の下の数字は密度を表している。
図3—1 さまざまな温度・圧力下で安定に存在するSiO₂鉱物。それぞれの鉱物名の下の数字は密度を表している。
図3—2 コース石を含んだ薄片の模式的スケッチ
図3—2 コース石を含んだ薄片の模式的スケッチ