東大 過去問 2006年 地学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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東京大学 第2次学力試験(前期)2006年 理科「地学」(東京大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題の意図・東京大学の解答例(東京大学の公表資料)

東京大学の利用規定について

東京大学は、入試問題と出題の意図・解答の2次利用について「東京大学第2次学力試験入学試験問題等の2次利用について」(令和6年7月1日改定)で条件を定めている。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

修正履歴

お知らせ(2026年10月4日)

解答・解説・シミュレーションは、すべて Claude Opus 5.5 で作成しています。作ったあとの確かめ方は、科目によって違います。

どの科目も、東京大学が公表した解答ではありません。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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地 学

第1問 次の文章を読み,下の問いに答えよ。

 太陽と太陽系惑星は,太陽の進化の時間尺度で見ればほとんど同時に形成されたと考えられている。ある種の隕石の化学組成が,太陽スペクトルの解析から得られる太陽の化学組成とよく似ていることは,この考えを支持している。隕石の年代を,放射性同位体を使って調べることにより,現在の太陽の年齢は約 46 億年であると推定されている。太陽が長年にわたって輝き続けているのは,その中心核での水素核融合反応が多量のエネルギーを発生させているからである。

 太陽エネルギーは地球上の生命や環境に大きな影響を与える。地球の表面温度は,入射する太陽(現在の表面温度は約 6000K)からの放射と地球から宇宙空間への放射との釣り合いによって決まっている。単位時間に単位面積から放射される光のエネルギー(以下では放射エネルギーと書く)が絶対温度で表した表面温度の 4 乗に比例すること(シュテファン・ボルツマンの法則)や,地球大気の温室効果などを考慮すると,現在の地球の表面温度が約 300K であることが説明できる。

 現在から約 70 億年後には,太陽の中心部では水素が消費しつくされ,太陽は膨張し,半径が現在の約 200 倍の巨星となる。この半径は,現在の地球の公転軌道に匹敵するほどの大きさである。その後,太陽の中心部ではヘリウム核融合反応が起こる。一方,外層大気は重力でとどめておくことができずに放出され,やがて太陽の質量は,現在の太陽に比べかなり減少する。さらに,ヘリウム核融合反応がとまると,太陽は収縮し,半径が現在の太陽の約 1/100,つまり地球ほどの大きさの白色矮(わい)星となる。この白色矮星は冷却の一途をたどり,放射されるエネルギーは時間とともに低下し続ける。

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問1 星の進化の理論によると,今から約 40 億年前には,太陽の放射エネルギーは現在の約 70% しかなかった。にもかかわらず,地質学的な証拠からは,当時の地球の表面温度は現在と大きく異なってはいなかったと示唆されている。

(a) 当時の地球の大気組成と反射率が,ともに現在の地球と同じであったとすると,その当時の地球の表面温度は,現在の表面温度に比べて何度(K)低くなるか。計算過程を示した上で,有効数字 1 桁で求めよ。

(b) およそ 40 億年前の地球の表面温度が現在とほぼ同じであったことを説明する理由として,当時の地球大気の組成は現在よりも二酸化炭素が多く,これによる温室効果が大きかったとする考え方がある。その後,大気中の二酸化炭素は,どのようにして減少したと考えられているか。50 字程度で述べよ。

問2 惑星の太陽からの平均距離(楕(だ)円軌道の半長軸)の 3 乗と公転周期の 2 乗の比は一定(ケプラーの第三法則)で,その比は太陽の質量に比例する。したがって,太陽の質量が減少すると,惑星の公転にも影響を及ぼす。以下では簡単のため,地球の軌道は常に円であると仮定し,この円軌道の半径が太陽の質量の減少に伴ってどう変化するかを考える。

(a) 単位時間あたりに地球が公転軌道上を動いた円弧と軌道中心である太陽がなす扇型の面積は一定である(ケプラーの第二法則)。この面積 S を,円周率 π,軌道半径 a,公転周期 T で表せ。

(b) 地球の円軌道の半径は,面積 S を常に一定に保ちながら変化する。太陽の質量が現在の 70% にまで減少したとき,地球の公転軌道の半径は,現在の軌道半径の何倍になるか。計算過程を示した上で,有効数字 2 桁で求めよ。

(c) 太陽が膨張し,半径が現在の 200 倍,表面温度が 3000K,質量が現在の 70% の巨星となったとき,地球の表面温度は何度(K)になるか。地球の大気組成と反射率がともに現在の地球と同じであると仮定し,地球の軌道半径が変わったことを考慮して,計算過程を示した上で,有効数字 1 桁で求めよ。

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問3 太陽が現在の 1/100 の半径の白色矮星となり,放射エネルギーも現在の 1/100 となった進化段階を考える。

(a) この段階での太陽の表面温度は何度(K)か。計算過程を示したうえで,有効数字 1 桁で求めよ。

(b) この段階でも,地球の大気組成と反射率がともに現在の地球と同じであったと仮定すると,地球の表面温度は何度(K)か。計算過程を示したうえで,有効数字 1 桁で求めよ。

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第2問 次の文章を読み,下の問いに答えよ。

 紀元前 3 世紀に,(ア)エラトステネスは,エジプトのアレキサンドリアとその南にあるシエネのそれぞれの地点で観測された夏至の日の正午の太陽高度の違いと,その 2 点間の距離を使って,地球半径を求めた。この結果は地球が球形で太陽が遠くにあるという仮定のもとで求めたものである。(イ)一方,地表面が球面ではなく平面であると仮定すると,地球と太陽の間の距離がエラトステネスの求めた地球半径程度であるという結果を得る。つまり,上の観測から正しい結果を得るためには,地球が球形であるということが他の観測から裏付けられていなければならなかったのである。

 地球は自転しているために完全な球からは少しずれた形をしている。このことは,地球上の同じ子午線上にある 2 点で天の北極の高度角を観測し(この高度角が天文学的に求めたその地点の緯度となる),高度角の差が 1∘ となるときの 2 点間の弧の長さを測量することからもわかる。弧の長さは緯度が高いほど a なっており,地球は近似的に b 方向にふくらんだ回転楕円体になっている。

 また,地球上にある物体には重力がはたらいている。重力は,地球の質量に起因する c と,地球の自転による遠心力の合力である。各地点の重力を比較するには,重力加速度の大きさを測定すればよい。重力加速度の大きさは(ウ)単振り子の周期を測ることによって測定できる。長さ ℓ の単振り子の周期 T は,重力加速度の大きさを g,円周率を π とすると

T=2πℓg

で与えられる。角速度を一定とすると遠心力の大きさは自転軸からの距離に d するので,地球上では高緯度ほど e 。また,遠心力の方向は自転軸に f なので,重力加速度の大きさは g で最小となるはずである。実際に極付近と赤道付近で単振り子の周期を測ると,赤道付近で測る方が周期は h 。重力はこのように緯度の違いによって変化するが,それに加えて観測点近くの(エ)地下構造の違いによっても変化する。この性質を利用して資源探査や地球内部の研究が行われている。

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問1 文中の a ~ h に最もふさわしい語句を答えよ。

問2 下線部(ア)について,エラトステネスが地球半径を求めた方法を説明せよ。また,下線部(イ)について,地表面が平面であると仮定した場合に,地球と太陽の間の距離がエラトステネスの求めた地球半径程度となることを説明せよ。ただし,シエネでは夏至の日の太陽はほぼ真上にあるとし,2 地点間の太陽高度の差 θ(単位:ラジアン)は小さいので,tanθ の値は θ と近似して議論すること。文章は 200 字程度とし,それぞれの求め方に関する簡単な図をつけよ。

問3 下線部(ウ)について,長さ 1.20m の単振り子が 20 振動するのにかかる時間を計測した。同じ条件で 10 回の計測を行った結果として表2—1が得られた。この結果を用いて,重力加速度の大きさを有効数字 3 桁で求めよ。円周率は 3.14 とし,計算過程も示せ。

問4 下線部(エ)について,図2—1のように地下に周囲より密度の高い物体があった場合に,地表のA,B,C点で観測される重力の大きさと方向が,その物体がない場合と比較してどのように変化するか述べよ。また,その 3 点のうち,重力の大きさおよび方向の変化が最大の場所はどこか,それぞれについて記せ。

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表2—1 単振り子が20振動するのにかかった時間
表2—1 単振り子が20振動するのにかかった時間
図2—1 A地点,B地点,C地点は東西方向(右側が東で左側が西)に等間隔で一直線に並んでおり,上図はそれらの地点を通る垂直断面を示している。密度の高い均質な物体Oは球形であり,その半径は非常に小さいので点とみなしてよい。物体O以外の部分の密度は一定である。B地点は物体Oの直上にある。
図2—1 A地点,B地点,C地点は東西方向(右側が東で左側が西)に等間隔で一直線に並んでおり,上図はそれらの地点を通る垂直断面を示している。密度の高い均質な物体Oは球形であり,その半径は非常に小さいので点とみなしてよい。物体O以外の部分の密度は一定である。B地点は物体Oの直上にある。
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第3問

Ⅰ 次の文章を読み,下の問いに答えよ。

 地殻やマントルの化学組成は酸化物の質量パーセントで表される。地殻の質量の 50% 以上は SiO2 と推定され,その次に多い成分は a である。一方マントルでも SiO2 が最も多いが,次に多い成分は(ア)MgO である。

 SiO2 という単一の化学成分をもつ鉱物のひとつが石英である。石英の構造中では 1 個のケイ素(Si)イオンは b 個の酸素(O)イオンと結合し,また 1 個の酸素イオンは c 個のケイ素イオンと結合している。(イ)石英がきれいな六角柱状の自形をしたものは水晶と呼ばれるが,花こう岩中の石英は他形を呈することが多い。また地球表層でこの石英砂が濃集した地形が砂浜や砂丘である。石英がこのように濃集する理由は,例えば長石などに比べ石英が d に強いことに起因する。

問1 文中の a ~ d に入る最もふさわしい語句あるいは数字を記せ。ただし a は化学式で答えること。

問2 下線部(ア)の MgO はマントル上部でどのような鉱物に含まれているのか。主要なものを二つ答えよ。

問3 下線部(イ)に関して石英が花こう岩中で他形になるのはどのような成因のためか。50 字程度で述べよ。

問4 堆積岩のひとつには,ほとんど SiO2 の組成を持つチャートがある。チャートは地球上のどのような場所で,どのようにして形成されるのか。50 字程度で述べよ。

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Ⅱ 次の文章を読み,下の問いに答えよ。

 地質時代の区分に関する研究は,19 世紀後半以降おもに欧州で盛んに進められた。その結果,上下に重なる一連の地層において地層ごとに含まれる化石の種類が異なることがわかり,地層の相対年代を決めたり(ウ)対比をすることができるようになった。このようにして 20 世紀初頭に確立された地質時代の区分は,基本的には生物界の変遷に基づいており,先カンブリア時代とそれに続く顕生代に大きく分けられる。(エ)顕生代は古い方から順に古生代,中生代,新生代に区分され,それらはさらにいくつかの「紀」に細分されている。古生代と中生代の境界時期には生物界の大量絶滅が起こり,e やフズリナ(紡錘虫)などの海生生物が滅んだ。また(オ)中生代と新生代の境界の時期にも生物の大量絶滅事変が起きた。

 20 世紀中頃になると,放射性同位体を利用して岩石や鉱物の絶対的な年代を知ることができるようになった。(カ)放射性同位体は時間とともに放射線を出して別の安定同位体に変化(崩壊)するが,この変化の速度は放射性同位体の種類によって決まっており,周囲の温度や圧力条件に影響を受けない。したがって,この変化の速度と岩石や鉱物中に含まれる放射性同位体の量と,それから生じた安定同位体の量がわかれば,岩石や鉱物の年代を測定することができる。このようにして,地球上のいろいろな時代の岩石や隕石の放射年代が測定されたことにより地質時代の区分に時間の目盛りが入り,地球の誕生が約 46 億年前であったことや,先カンブリア時代と顕生代の境界時期が約 f 億年前であったことが明らかになった。

問1 e と f に最もふさわしい語句あるいは数字を入れよ。

問2 下線部(ウ)の対比とはどういうことか。30 字程度で説明せよ。

問3 下線部(エ)に関して,先カンブリア時代の地層に比べてカンブリア紀以降の顕生代の地層からは化石がはるかに多く産出することが知られてる。その理由を 60 字程度で答えよ。

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問4 下線部(オ)に関して,中生代末の大量絶滅事変の原因として現在有力な仮説とそれを裏付ける証拠を一つ挙げて,50 字程度で説明せよ。

問5 下線部(カ)に関して,放射性同位体の 40K は時間とともに崩壊して安定同位体の 40Ar と 40Ca に変わり,40K の半減期は 1.28×109 年である。40K の原子数が元の 3.125% になるのは何年後か。