京大 過去問 2025年 化学|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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京都大学 一般選抜 個別学力検査 2025年度 理科(化学)(京都大学公式サイト)

問題・出題意図等(京都大学の公表資料)

京都大学の利用の条件について

京都大学は「京都大学入試問題等の利用について」(平成31年4月)で、入試問題と出題意図等を、決められた3つの条項に従うことを条件に、ネットに載せることも含めて許可している。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

お知らせ

解答・解説・シミュレーションは、すべて AI で作成しています。京都大学が公表した解答ではありません。

京都大学が「出題意図等」で解答例を公表している小問は、それと照らし合わせています。作成に使ったものとは別のAIでも全問を点検し、見つかった誤りを直しています。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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化 学  (4 問題 100 点)

化学問題 Ⅰ

 次の文章を読み,問 1 〜問 7 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。原子量は,H=1.0,C=12,O=16,Na=23,S=32,Cl=35.5,K=39,Cr=52,Mn=55 とする。

 環境水や排水中には,汚濁物質としてさまざまな有機物や無機物が含まれており,それぞれの特性に応じた定量方法や除去技術がある。

実験 1:環境水の有機物汚濁の指標として,化学的酸素要求量がある。化学的酸素要求量は,試料水に酸化剤を加えて,一定条件下で有機物を酸化分解するとき,試料水 1 L あたりに消費される酸化剤の量を,それに相当する酸素の質量 [mg] に換算したもので,単位は mg/L である。例えばグルコースが酸素と反応して完全に酸化される場合の反応は,式(1)で表される。

C6H12O6+6O2⟶6CO2+6H2O(1)

したがって,1.00×10−4 mol/L のグルコース水溶液 1.00 L に含まれるグルコースを完全に酸化するのに必要な酸化剤の量は,酸素 19.2 mg に相当する。

 酸化剤として過マンガン酸カリウムを用いる場合,硫酸で酸性にした条件下でのシュウ酸水溶液との反応は,式(2)で表される。

2MnO4−+5(COOH)2+6H+⟶2Mn2++10CO2+8H2O(2)

このときマンガンの酸化数は +7 から +2 へ変化し,水溶液の色は赤紫色から無色になる。環境水中の有機物などと反応した過マンガン酸カリウムの量から,化学的酸素要求量を算出できる。

 環境水中に塩化物イオンが含まれている場合,還元剤として化学的酸素要求量の測定に影響を及ぼす。また,塩素は水中でオキソ酸としても存在し,オキソ酸の塩素原子の酸化数は,さまざまな値をとりうる。塩素を含むオキソ酸には,次亜塩素

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酸や塩素酸などがある。塩素原子の酸化数は,次亜塩素酸で あ,塩素酸で い であり,酸としては,う {次亜塩素酸・塩素酸} がより強い。

問 1 式(2)について,以下の(i),(ii)に答えよ。

(i) 濃度が不明のシュウ酸水溶液 10 mL に含まれるシュウ酸を酸化するのに,5.0×10−3 mol/L の過マンガン酸カリウム水溶液が 4.0 mL 必要であった。このシュウ酸水溶液の濃度は何 g/L か,有効数字 2 けたで答えよ。

(ii) 環境水中の有機物が,過マンガン酸カリウム 1.0 mol と反応する場合,これに相当する酸素の質量は何 g であるか,有効数字 2 けたで答えよ。

問 2 以下の(i),(ii)に答えよ。

(i) あ と い にあてはまる整数を,正負の符号を含めて答えよ。

(ii) う にあてはまる適切な物質名を{ }から選択し,化学式で答えよ。

実験 2:排水中に含まれる六価クロムは毒性が強いため,除去する必要がある。濃度未知の二クロム酸を含む排水 90 mL に亜硫酸水素ナトリウム水溶液を 10 mL 添加し,希硫酸で pH 2.00 に調整した。このとき,①クロムの酸化数は +6 から +3 に変化する。 クロムの還元の対となる反応として,亜硫酸水素ナトリウム由来の亜硫酸イオンが酸化される反応は,式(3)で与えられる。

SO32−+H2O⟶SO42−+2H++2e−(3)

したがって,二クロム酸の六価クロムが亜硫酸水素ナトリウムで還元される全体の反応式は,式(4)となる。

  ア  H2Cr2O7+ イ  NaHSO3+ ウ  H2SO4⟶ エ  Cr2(SO4)3+ オ  Na2SO4+8H2O  (4)

反応後の水溶液 5.0 mL を取り分け,水酸化ナトリウムを加えて pH 8.00 の弱塩基性に調整すると,式(5)の反応により②水酸化クロム(Ⅲ)の沈殿が生じた。

Cr2(SO4)3+6NaOH⟶2Cr(OH)3+3Na2SO4(5)

生じた沈殿を分離することで,六価クロムを排水から除去できる。

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問 3 下線部①について,以下の化学式や電子 e− を用いて二クロム酸イオンがクロム(Ⅲ)イオンに還元される反応式を記せ。

 H+,H2O,Cr3+,Cr2O72−,e−

問 4 ア 〜 オ にあてはまる整数を答えよ。

問 5 下線部②について,もとの排水 90 mL に含まれる二クロム酸が何 g よりも多いとわかるか,有効数字 2 けたで答えよ。計算の過程も記せ。ただし,水酸化クロム(Ⅲ)の溶解度積を Ksp=6.3×10−31 (mol/L)4,水のイオン積を KW=1.0×10−14 (mol/L)2 とする。また,希硫酸や水酸化ナトリウムの添加による体積の変化は無視できるものとし,もとの排水に含まれる六価クロムはすべて二クロム酸として存在するものとする。

実験 3:マンガン(Ⅱ)イオンとクロム(Ⅲ)イオンを含む水溶液中の金属イオンを分離するため,次の一連の操作 1 〜操作 5 を行った。

操作 1 希塩酸を加え酸性にし,ろ過した。

操作 2 操作 1 のろ液に硫化水素を通じ,ろ過した。

操作 3 操作 2 のろ液を煮沸して硫化水素を除去し,少量の塩化アンモニウムとアンモニア水を加えて弱塩基性にし,ろ過した。

操作 4 操作 3 のろ液に硫化水素を通じ,ろ過した。

操作 5 操作 4 のろ液に炭酸アンモニウムを加え,ろ過した。

マンガン(Ⅱ)イオンは操作 カ により,A の沈殿として水溶液から分離された。クロム(Ⅲ)イオンは操作 キ により,B の沈殿として水溶液から分離された。

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問 6 カ と キ にあてはまる番号を記入せよ。

問 7 A と B に適切な沈殿の化学式を記入せよ。

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化学問題 Ⅱ

 次の文章(a),(b)を読み,問 1 〜問 7 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。[X] は mol/L を単位とした物質 X の濃度とする。原子量は H=1.0,C=12.0,O=16.0,Na=23.0,Cl=35.5 とする。

(a) 不揮発性物質が溶けている溶液では,同温の純粋な溶媒に比べて蒸気圧が低くなる。この現象を蒸気圧降下という。ラウールの法則が成り立つ場合,蒸気圧降下度 Δp=p0−p は,溶質粒子の種類に関係なく,

Δp=nM1000Wp0(1)

で表される。ここで,溶媒と溶液の蒸気圧をそれぞれ p0 [Pa] と p [Pa],溶質粒子の全物質量を n [mol],溶媒のモル質量を M [g/mol],溶媒の質量を W [kg] とする。以下では,式(1)が常に成り立つものとする。

 図 1 は,2 つの容器内の蒸気圧の差を,オイルの液面の高さの差 h [mm] として測定する装置である。両容器に同じ溶媒を同量入れ,片方の容器にだけ溶質を溶解した場合,Δp は,h を式(2)に代入することで求められる。

Δp=(dO−dA)gh1000(2)

ここで,オイルと空気の密度をそれぞれ dO [kg/m³] と dA [kg/m³],重力加速度を g [m/s²] で表す。このとき,式(1)と式(2)から式(3)が得られる。

  n= ア ×h  (3)

図 1 の装置を 25 ℃,1.0 気圧に保たれた部屋に置き,溶媒として 1.0 kg の純水を用いると,

  ア =0.15 mol/mm  (4)

となる。

 この装置を用いて,以下の操作 1 〜操作 3 を連続して行った。各操作で計測した液面の高さの差 h を表 1 に記す。なお,h は常に液面の高さが変化しなくなった後に計測し,オイルの液面の高い側の高さから低い側の高さを引くこととする。また,操作中に生じる溶媒の量の変化は無視でき,電解質は水溶液中で完全に電離しているものとする。

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図1
図1

操作 1:容器 A と容器 B のそれぞれに純水 1.0 kg を入れ,オイルの液面の高さが等しいことを確認した後に,複数のグルコース分子が縮合してできた糖 S を容器 B の純水に溶解させた。この後に,容器 A と容器 B を密封し,h を計測した。

操作 2:容器 B を開け,塩酸を少量入れて糖 S を適切な条件で完全に加水分解した。この溶液を水酸化ナトリウム水溶液で完全に中和した。この後に,容器 B を密封し,h を計測した。

操作 3:容器 A を開け,操作 2 と同じ塩酸と水酸化ナトリウム水溶液をそれぞれ操作 2 と同量加えた。この後に,容器 A を密封し,h を計測した。

表1
表1
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問 1 文中の ア に適切な式を記入せよ。

問 2 操作 2 で h が大きくなったことに寄与する溶質粒子をすべて答えよ。

問 3 以下の(i)〜(iii)に答えよ。

(i) 操作 1 の後の容器 B に含まれる糖 S の物質量 [mol] を有効数字 2 けたで答えよ。

(ii) 糖 S に含まれるグルコース単位数を整数で答えよ。

(iii) 操作 2 の後の容器 B に含まれる電解質の質量 [g] を有効数字 2 けたで答えよ。

問 4 操作 3 の後に容器 B を開け,中身を純水 1.0 kg と入れ替えてから密封した。この後に計測した h について,以下の(i),(ii)に答えよ。

(i) オイルの液面は,容器 A と容器 B のどちらに近い側が高くなるか,A または B で答えよ。

(ii) h の値 [mm] を小数第二位まで答えよ。

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(b) 炭酸ナトリウムを主成分とする水溶液の中和滴定について考える。以下では,水溶液の温度は 25 ℃ に保たれ,水の蒸発の影響は無視できるものとする。

 炭酸ナトリウムを純水に溶かし,0.20 mol/L の炭酸ナトリウム水溶液を調製した。炭酸ナトリウムは水中で,Na+ と CO32− に完全に電離する。CO32− は,式(5)と式(6)で示す 2 段階の反応を含む電離平衡状態となる。

CO32−+H2O⇄HCO3−+OH−(5) HCO3−+H2O⇄H2CO3+OH−(6)

この炭酸ナトリウム水溶液は電気的に中性なので,

  [Na+]+[H+]= イ  (7)

が成り立つ。式(5)と式(6)が示す平衡下では,これらの式中の物質と Na+ の物質量の関係から,式(7)以外に,

  [Na+]= ウ  (8)

が成り立つ。この炭酸ナトリウム水溶液 5.0 mL に,指示薬としてフェノールフタレインを加えると赤色を示した。この水溶液を 2 つ用意し,一方には実験 1 を,もう一方に対しては実験 2 を行った。

実験 1:0.10 mol/L の塩酸を滴下すると水溶液の色が無色になり,第 1 中和点に達した。この直後に指示薬としてメチルオレンジを水溶液に加えると黄色を示した。続けて,0.10 mol/L の塩酸の滴下を継続したところ,水溶液が赤色になり,第 2 中和点に達した。このとき,①水溶液中に気泡が確認された。

実験 2:0.10 mol/L の塩酸を滴下すると水溶液の色が無色になり,第 1 中和点に達した。この直後に滴下をやめ,②水溶液を大気中にしばらく放置したところ,水溶液がうすい赤色に変わった。

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 炭酸ナトリウムは大気下で放置すると吸湿し,一部は水和物となる。吸湿した炭酸ナトリウムを乾燥した環境に置くと水和水が減少するが,炭酸ナトリウム一水和物は残る。炭酸ナトリウム一水和物に関する実験 3 を行った。

実験 3:無水物と一水和物を含む炭酸ナトリウム試料 0.126 g を,濃度未知の水酸化ナトリウム水溶液 5.00 mL に溶かし,純水を用いて 10.0 mL の水溶液を調製した。この水溶液に,指示薬としてフェノールフタレインを加え,0.100 mol/L の塩酸を 19.25 mL 滴下すると,水溶液が赤色から無色になり,第 1 中和点に達した。この直後に指示薬としてメチルオレンジを加えると水溶液が黄色を示し,さらに塩酸を 11.25 mL 滴下したところで水溶液が赤色になり,第 2 中和点に達した。

問 5 イ と ウ にあてはまる適切な式を記入せよ。

問 6 実験 1 の下線部①と実験 2 の下線部②について,以下の(i),(ii)に答えよ。

(i) 気泡の発生に関わる反応は次の反応式 A で表される。エ 〜 カ に当てはまる適切な化学式を記せ。

  反応式 A:H++ エ ⟶ オ + カ

(ii) 下線部②で,しばらく放置したときに指示薬の色が変化したのはなぜか。その理由を,反応式 A にもとづいて,句読点を含めて 60 字以内で説明せよ。ただし,化学式は使わず,物質名を用いよ。

問 7 実験 3 について,試料に含まれていた炭酸ナトリウム一水和物の質量 [g] を有効数字 2 けたで答えよ。計算の過程も示せ。ただし,計算の過程を記述するときは,用いた水酸化ナトリウムの物質量を x [mol],試料に含まれていた炭酸ナトリウム無水物の物質量を y [mol],試料に含まれていた炭酸ナトリウム一水和物の物質量を z [mol] とせよ。

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化学問題 Ⅲ

 次の文章を読み,問 1 〜問 7 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。ただし,構造式は記入例にならって記せ。

構造式の記入例:

構造式の記入例
構造式の記入例

 有機化合物の中に,さまざまな形や性質の環状構造をもつものが数多くある。環状構造をもつ有機化合物の性質や反応について考えてみよう。

 環状構造をもつ飽和炭化水素は,シクロアルカンとよばれる。炭素原子の結合角(C–C–C)は 109.5° のときもっとも安定である。この炭素原子の結合角は,炭素原子を中心として ア 構造をとるメタンの結合角(H–C–H)と同じである。たとえば,シクロヘキサンは,構成する炭素原子間の結合角が極めて 109.5° に近いため,化学的に安定で反応性が低い。一方で,最小のシクロアルカンであるシクロプロパンは反応性が高い。これは,シクロプロパンにおいて環をつくる炭素原子間の結合角が 109.5° より イ {大きい・小さい} ことが理由である。すなわち,シクロプロパンの炭素原子間の結合がひずみをもつことで切れやすくなる。

 1 分子のシクロプロパンに,触媒を用いて 1 分子の水素分子(H₂)を反応させると,炭素原子間の結合が切れることで環が開き,化合物 A が得られる。

 また,シクロブタンも同様に,触媒を用いて 1 分子の H₂ を反応させると,炭素原子間の結合が切れることで環が開き,化合物 B が得られる。

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 図 1 に示す 2 つの環をもつ化合物 C は,触媒を用いることで H₂ と反応し,化合物 D が得られる。化合物 D は,1 分子の化合物 C が 1 分子の H₂ と反応して生成しうる化合物の中で,最も炭素原子間の結合のひずみが小さく,化学的に安定な分子であった。

図1
図1

 環状構造内に ウ 結合をもつ化合物は,ラクトンとよばれる。ラクトンの環状構造内の ウ 結合が加水分解されると,1 分子の中にカルボキシ基とヒドロキシ基をもつ化合物が生成する。

 化合物 E は,C8H6O2 の分子式で表されるラクトンであり,以下の情報が得られている。

 化合物 E を加水分解すると化合物 F が得られた。化合物 F は,ベンゼンの二置換体であり,2 つの置換基は,ベンゼン環上の隣りあう炭素原子にそれぞれ結合していた。化合物 F を酸化することで,化合物 G が得られた。化合物 G は,分子内脱水反応を引き起こす。

 C8H8O2 の分子式で表される化合物 H を酸化することで,化合物 G の構造異性体である化合物 I が得られた。化合物 H に,炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると,二酸化炭素が発生した。化合物 I は,ベンゼンの二置換体であり,2 つの置換基は,ベンゼン環上のもっとも離れた炭素原子にそれぞれ結合していた。化合物 I とエチレングリコールを縮合重合すると,衣料品や容器などに利用される高分子化合物 J が得られた。

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問 1 ア にあてはまる適切な語句を記せ。

問 2 イ に適切な語句を{ }から選択し,記せ。

問 3 化合物 A,B,D の構造式をそれぞれ記せ。

問 4 ウ にあてはまる適切な語句を記せ。

問 5 化合物 E,H の構造式をそれぞれ記せ。

問 6 高分子化合物 J の構造式を記入例にならって記せ。

高分子化合物の構造式の記入例:

高分子化合物の構造式の記入例
高分子化合物の構造式の記入例

問 7 化合物 I とエチレングリコールの縮合重合を行う際に,化合物 H がわずかに混入していた場合,生成する高分子化合物の平均分子量が変化する。このとき生成する高分子化合物の平均分子量は,化合物 H が混入していない場合に生成する高分子化合物 J の平均分子量と比較して,どう変化するかを,その理由とともに,句読点を含めて 50 字以内で解答欄に記せ。

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化学問題 Ⅳ

 次の文章(a),(b)を読み,問 1 〜問 7 に答えよ。解答はそれぞれ所定の解答欄に記入せよ。原子量は H=1.0,C=12,O=16 とする。

(a) デンプンは,多数のグルコース分子が直鎖状に重合した構造をもつアミロースと,図 1 に示した分岐構造を複数もつアミロペクチンからなる。アミロースやアミロペクチンの末端グルコース単位のうち,還元性を示すものを還元性末端,還元性を示さないものを非還元性末端という。

図1
図1

 アミロースやアミロペクチンに過ヨウ素酸を反応させた場合,ヒドロキシ基の向きにかかわらず図 2 の反応が起こる。図 2(1)のように,隣りあう炭素原子それぞれにヒドロキシ基が結合した部分構造が化合物中にあれば,過ヨウ素酸の反応により炭素原子間の結合が切断され,ホルミル基(アルデヒド基)をもつ化合物が生成する。図 2(2)のように,3 つの隣りあう炭素原子それぞれにヒドロキシ基が結合した部分構造が化合物中にあれば,過ヨウ素酸との反応により炭素原子間の結合が 2 か所で切断され,1 分子のギ酸も生成する。また,図 2(3)に示す部分構造があれば,過ヨウ素酸との反応により,合計 2 分子のギ酸が生成する。

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図2
図2

 以上の知見をふまえて実験 1 および実験 2 を行った。

実験 1 アミロース 81.00 g に過ヨウ素酸を部分的に反応させたところ,生成物が 80.20 g 得られた。

実験 2 平均分子量 1.0×105 のアミロペクチン 1.0 g に過ヨウ素酸を十分に反応させたところ,ギ酸が 13.8 mg 得られた。

問 1 アミロースに過ヨウ素酸を十分に反応させると,鎖状構造をもつ生成物が得られる。その構造式を記入例にならって記せ。ただし,還元性末端と非還元性末端のグルコース単位の構造は記入不要であり,立体異性体は考慮しない。

構造式の記入例:

構造式の記入例
構造式の記入例

問 2 実験 1 の結果から,アミロース内のグルコース単位の何%が反応したか,有効数字 2 けたで答えよ。ただし,アミロースの分子量は十分に大きく,還元性末端と非還元性末端のグルコース単位の構造変化にともなう,アミロースの分子量の変化は無視できるものとする。

問 3 実験 2 の結果から,このアミロペクチン 1 分子には平均何個の分岐があるか,計算過程を示して整数で答えよ。

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(b) シクロデキストリンは,図 3 のように複数のグルコース分子が脱水縮合し,α-1,4-グリコシド結合を介して繋がった環状オリゴ糖である。他の分子がシクロデキストリンの内部に取り込まれることを包接といい,この現象は薬学,食品化学などの分野で利用されている。また,一部のヒドロキシ基を別の官能基に置き換えることで,シクロデキストリンの機能を調節することもできる。

図3
図3

 グルコース 6 単位で構成されるシクロデキストリンを用いて,実験 3 〜実験 5 を行った。

実験 3 シクロデキストリンを特定の条件下で部分的にアミノ化した。その結果,各グルコース単位の 6 位の炭素に結合するヒドロキシ基のみが様々な割合でアミノ基へと置換され,複数種類のアミノ化シクロデキストリンと未反応のシクロデキストリンの混合物が得られた。

実験 4 弱酸性下で,イオン交換樹脂を用いて実験 3 で得られた混合物からアミノ化シクロデキストリンと未反応のシクロデキストリンを分離した。

実験 5 実験 4 で得られたアミノ化シクロデキストリンの混合物のうち,2 個のグルコース単位がアミノ化された異性体の 1 つを分離および精製し,アミノ化シクロデキストリン A を得た。温和な条件で,アミノ化シクロデキストリン A のグリコシド結合を部分的に加水分解した。このとき,アミノ化シクロデキストリン A から理論上生成しうる単糖,二糖,三糖およびそれらのアミノ基置換体がすべて得られ,その合計は 8 種類であった。

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問 4 以下の(i),(ii)に答えよ。

(i) 実験 4 で用いるのに適切なのは陽イオン交換樹脂か陰イオン交換樹脂か答えよ。

(ii) (i)で選択したイオン交換樹脂を用いることで,アミノ化シクロデキストリンと未反応のシクロデキストリンを分離できる理由を,イオン交換樹脂と相互作用する官能基に言及し,句読点を含めて 50 字以内で説明せよ。

問 5 アミノ化シクロデキストリン A の構造を記入例にならって示せ。

記入例
記入例

 次に,グルコース単位数不明のシクロデキストリン B にトリペプチド P が 1 : 1 の割合で包接された複合体について考えてみよう。トリペプチド P は次頁の表 1 中の 3 つの異なるアミノ酸から構成される。複合体は,以下の(あ)〜(え)の条件を満たしている。

(あ) 複合体 0.10 mol をすべてグルコースとアミノ酸まで加水分解すると,合計 18.0 g の水が消費される。

(い) 複合体 0.10 mol を完全に燃焼すると,二酸化炭素が 255.2 g 生成する。

(う) トリペプチド P の N 末端のアミノ酸は,pH 4.0 の条件下で電気泳動を行うと陽極側に移動する。

(え) トリペプチド P を温和な条件で加水分解して得られる 2 種類のジペプチドはいずれも,水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱し,酢酸で中和して酢酸鉛(Ⅱ)を加えると黒色沈殿を生じる。

問 6 シクロデキストリン B を構成するグルコース単位数を答えよ。

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問 7 トリペプチド P は表 1 中の 3 つの異なるアミノ酸から構成される。トリペプチド P を構成するアミノ酸を,N 末端側を左側として,表 1 中の名称を用いて「アスパラギン酸,グルタミン酸,システイン」のように順に記せ。

表1
表1
問題訂正

問題訂正(理科(化学))

化学問題 Ⅱ 25 ページ 問 7 3 行目

(誤)混合溶液に含まれる水酸化ナトリウム

(正)用いた水酸化ナトリウム

化学問題 Ⅳ 34 ページ 下から 11 行目

(誤)考えてみよう。複合体は,

(正)考えてみよう。トリペプチド P は次頁の表 1 中の 3 つの異なるアミノ酸から構成される。複合体は,

以 上