京大 過去問 2024年 物理|AI解答・解説・シミュレーション|アトリエファクトリー

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京都大学 一般選抜 個別学力検査 2024年度 理科(物理)(京都大学がかつて公開したPDFの Internet Archive 保存版)

問題・出題意図等(京都大学の公表資料)

京都大学の利用の条件について

京都大学は「京都大学入試問題等の利用について」(平成31年4月)で、入試問題と出題意図等を、決められた3つの条項に従うことを条件に、ネットに載せることも含めて許可している。このサイトでの対応は次のとおり。

解答とシミュレーション(AIで作成)

制作

制作:アトリエファクトリー(aTELiER FACTORY) https://atelierfactory.jp/

お知らせ

解答・解説・シミュレーションは、すべて AI で作成しています。京都大学が公表した解答ではありません。

京都大学が「出題意図等」で解答例を公表している小問は、それと照らし合わせています。作成に使ったものとは別のAIでも全問を点検し、見つかった誤りを直しています。くわしくは「問題取得方法と回答生成方法」をご覧ください。

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物 理  (3 問題 100 点)

物理問題 Ⅰ

 次の文章を読んで,  に適した式または数値を,それぞれの解答欄に記入せよ。なお,  はすでに   で与えられたものと同じものを表す。また,問 1,問 2 では,指示にしたがって,解答をそれぞれの解答欄に記入せよ。ただし,円周率を π,重力加速度を g とする。空気の抵抗は無視できるものとする。

(1) 図 1 のように,質量が無視できる固い棒の下端に,質量が m で小さい球形のおもりを取り付けた振り子について考える。棒は上端の固定点 R を支点として,R を含む鉛直面内を滑らかに回転する。固定点からおもりの重心(棒の下端)までの距離を L,円周に沿った最下点 O からのおもりの変位を x(右向きを正),鉛直軸からの棒の回転角を θ(反時計回りを正,単位はラジアン)とする。|θ| は十分に小さく,とくにことわりのない限り sinθ≒θ,cosθ≒1 と近似する。

 おもりの円周方向の加速度を a(右向きを正)とするとき,おもりの円周方向の運動方程式は a, m, L, g, x を用いて

ma=ア

と表せる。振り子は単振動し,その角振動数は イ である。

 振動中のある時刻において,おもりの円周方向の速度 v(右向きを正)が v=v0 で,変位が x=x0 であった。ここで,1−cosθ≒θ22 の近似を用いると,x=0 でのおもりの高さを位置エネルギーの基準としたときの力学的エネルギーは,m, L, g, v0, x0 を用いて ウ と表せる。ウ の力学的エネルギーより,x=0 となったときのおもりの円周方向の速さは エ である。また,この単振動における変位 x の振幅は オ である。

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図1
図1
図2
図2

 次に,図 2 のように,図 1 の振り子のおもりに,質量が無視できるばねを水平に取り付けた。ばねは十分に長く,ばねが傾くことによる,ばねの伸び,および復元力の大きさと方向への影響は無視できる。ばね定数を k とし,ばねは,棒の回転角が θ=0 のとき自然長である。|θ| は十分に小さいため,ばねの伸び s1 は s1≒x で近似する。

 図 2 の振り子と図 1 の振り子を図 3 のように並べて配置する。それぞれの振り子は固定点 S,R を支点として同一平面内を回転し,棒 A,B の回転角がともに 0 のとき,おもり A とおもり B がちょうど接するものとする。おもり A,B の最下点からの円周に沿った変位を xA, xB(右向きを正)とする。また,おもりどうしの反発係数を 1 とする。

図3
図3
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問 1 図 3 の位置からおもり B のみを右向きに持ち上げて静かに離し,時刻 t=0 において左向きに速さ v1 でおもり A に衝突させた。k=3mgL の関係が成り立つとき,図 4 を解答欄に描き写して,2 つのおもりが t>0 で 3 回衝突するまでのおもり A,B の円周方向の変位 xA, xB と時刻 t の関係を,それぞれ実線および点線で描け。グラフには,それぞれのおもりの変位の振幅とおもりが衝突する時刻を,k を用いずに示せ。それらの導出過程も記述せよ。

図4
図4
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 図 2 の振り子において,図 5 のように,ばねの位置を固定点 S から距離 d の位置に変更した。おもりの円周方向の変位が x のとき,ばねの伸びは カ である。

 ここで,おもりにはたらく力を理解するため,振り子の運動中におもりと棒の間にはたらく力を考える。図 6 のように,おもりから棒の下端に作用する力の円周方向成分を F(右向きを正)とする。ばねと棒の質量は無視できるため,棒にはたらく力の点 S まわりのモーメントのつりあいが,静止しているときと同様に成り立つ。したがって,F は L, d, k, x を用いて F= キ と表せる。図 5 のばね付き振り子において,棒からおもりには図 6 の F の反作用がはたらき,おもりの円周方向の運動方程式は次のように表すことができる。

ma=ア−F

このばね付き振り子は単振動し,その角振動数は ク である。

図5
図5
図6
図6
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(2) 図 7 のように,図 1 の振り子 2 つをそれぞれ固定点 R,S で支持し,質量が無視できるばねを,固定点から距離 d の位置に取り付けた。ばねは十分に長く,ばねが傾くことによる,ばねの伸び,および復元力の大きさと方向への影響は無視できる。ばね定数を k とし,ばねは,棒 C,D の回転角 θC, θD がともに 0 のとき自然長である。|θC|,|θD| は十分に小さく,sinθC≒θC,cosθC≒1,sinθD≒θD,cosθD≒1 と近似する。

 おもり C,D の最下点からの円周に沿った変位を xC, xD(右向きを正)とすると,ばねの伸び s2 は ケ と表せる。おもり C,D の円周方向の加速度を aC, aD(右向きを正)とすると,おもり C,D の円周方向の運動方程式は,aC, aD, m, L, g, d, k, xC, xD を用いて次式で表される。

maC=コ maD=サ
図7
図7
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 2 つの振り子が同じ角振動数 ω で単振動する特別な状態を考えるとき,次式が成り立つ。

aC=−ω2xC,aD=−ω2xD

上式を運動方程式に代入し,

X1=xC+xD2,X2=xC−xD2

を用いると,2 種類の角振動数 ω1= イ および ω2= シ が得られる。2 つの振り子が同じ角振動数 ω1 で単振動するとき,xC= ス ×xD であり,同じ角振動数 ω2 で単振動するとき,xC= セ ×xD である。

問 2 一般には,図 7 のおもり C,D の変位 xC, xD は,上記で考えた 2 種類の単振動の重ね合わせで表すことができる。ここでは k=6mgL の関係が成り立つ場合を考える。xC=xD=0 で静止しているおもり C,D に対して,時刻 t=0 においておもり D のみに右向きに初速度 v2 を与えたとき,ばねの伸び s2 は,図 8 のように ω1 の 2 倍の角振動数で周期的に増減を繰り返した。このとき,dL の値を求めよ。導出過程も示せ。

図8
図8
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物理問題 Ⅱ

 次の文章を読んで,  に適した式または数値を,{  }からは適切なものを一つ選びその番号を,それぞれの解答欄に記入せよ。なお,  はすでに   で与えられたものと同じものを表す。また,問 1〜問 3 では,指示にしたがって,解答をそれぞれの解答欄に記入せよ。ただし,円周率を π とする。

 真空中の時間変化しない磁場内での荷電粒子の運動を考えよう。荷電粒子の運動によって生じる電場と磁場の影響,および重力の影響は無視してよい。

(1) 図 1 のように,y 軸上に置かれた十分に長い直線状の導線に,y 軸の正の向きに強さ I の定常電流が流れている場合を考える。真空の透磁率を μ とすると,この電流がつくる磁束密度の大きさは,y 軸から距離 r 離れた点で イ となる。xy 平面上の x>0,y>0 の領域に,正方形の 1 巻きコイルを置く。図 1 に示すように,各辺は x 軸あるいは y 軸に平行である。ただし,コイルの自己インダクタンスは無視できるものとする。コイルが y 軸の正の向きに一定の速さで動くとき,誘導電流は{ロ:①図の 1 の向きに流れる,②図の 2 の向きに流れる,③流れない}。また,コイルが x 軸の正の向きに一定の速さで動くとき,誘導電流は{ハ:①図の 1 の向きに流れる,②図の 2 の向きに流れる,③流れない}。

図1
図1
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(2) 次に,非一様な磁場中での荷電粒子の運動を考えよう。荷電粒子の大きさは無視でき,その質量は m,電荷は q(>0) とする。簡単のため,図 2 に示すようなモデルで考える。磁場は z 軸の負の向きにかかっており,その磁束密度の大きさは,ある x0(>0) に対して,x<x0 で B1,x≧x0 で B2 とする。ただし B1 と B2 は正の定数で,B2<B1 である。また,粒子が x=x0 で定められる平面を通過するとき,その軌道は滑らかにつながり,速さは変化しないとする。

 時刻 t=0 で x=x0,y=0,z=0 にある荷電粒子が,x 軸の正の向きに速さ v0 で運動をはじめた。荷電粒子はまず,x≧x0 の領域においてローレンツ力により xy 平面内で等速円運動する。x≧x0 での円軌道の半径は ニ となる。荷電粒子が t>0 ではじめて x=x0 に到達するまでにかかる時間 T2 は,m, v0, q, B2, x0 のうち必要なものを用いて ホ と書ける。その後,粒子は x<x0 においても等速円運動する。t=T2 からふたたび x=x0 に到達するまでの時間を T1 とし,T1+T2 を運動の周期とする。

図2
図2

問 1 時刻 t=0 から時刻 t=T1+T2 までの荷電粒子の xy 平面内での軌道を描き,時刻 t=0,t=T2,t=T1+T2 における位置を示せ。また,時刻 t=0 での位置を始点とし,t=T1+T2 での位置を終点とするベクトルについて,その大きさを答えよ。このベクトルで表される移動をドリフトとよぶ。

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 問 1 で考察したドリフトについて,その平均の速さを求めよう。磁束密度の大きさを正の定数 a および d(<x0) を用いて B1=ax0−d,B2=ax0+d と与える。運動の周期 T1+T2 を m, v0, q, a, d, x0 のうち必要なものを用いて書くと ヘ となる。ドリフトの平均の速さは,ドリフトを表すベクトルの大きさを周期で割ることによって求められ,m, v0, q, a, d, x0 のうち必要なものを用いて ト と書ける。一般に,一様でない磁場がある場合にこのようなドリフトが生じ,これは磁場勾配ドリフトとよばれる。

 次に,図 3 のように,粒子が時刻 t=0 で x=x0,y=0,z=0 にあり,xy 平面内で x 軸に対する角度が π4 の方向に速さ v0 で運動をはじめる場合を考える。

図3
図3

問 2 t=0 から,t>0 で 2 回目に x=x0 に達するときまでの粒子の軌道として最も適当なものを図 4 の①〜⑧のうちから選び,番号を答えよ。

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図4
図4
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(3) 次に,一様な磁場のもとで,ローレンツ力に加えて外力が荷電粒子にはたらく場合を考えよう。荷電粒子は質量 m,電荷 q(>0) をもち,大きさは無視できるとする。図 5 のように,z 軸の負の向きの一様な磁場があり,磁束密度の大きさを正の定数 B0 とする。さらに,粒子には x 軸の正の向きに大きさ F の一様な保存力である外力が作用する。磁場および外力はいずれも時間変動しない。

 このとき,荷電粒子は x 軸方向には一定の範囲で周期的に振動する。運動中のある時刻で粒子が,x が最小値 xmin となる位置にあり速さ va をもっていたとすると,x が最大値 xmax となる位置まで移動したときの速さ vb は,この間に外力がした仕事 F(xmax−xmin) が正であるため va より大きくなる。その後 x=xmin にもどったとき,粒子の速さは va に比べて{チ:①大きくなる,②小さくなる,③変化しない}。

図5
図5
図6
図6

 ローレンツ力に対して外力が十分に弱いとき,荷電粒子の運動の等速円運動からのずれはわずかである。以下では,図 6 のように,(2)と同様に x<x0 の領域と x≧x0 の領域に分け,この粒子の運動を,xy 平面内のそれぞれの領域で,異なる速さで等速円運動するモデルで考察する。

 荷電粒子は磁場によるローレンツ力をうけ,x<x0 で速さ v1,x≧x0 で速さ v2 の等速円運動を行うとする。ここで,v1<v2 である。外力により v1 と v2 の差が生じ,それ以外には外力による運動への影響はないと仮定する。また,x=x0 で粒子の軌道は滑らかにつながるとする。ただし,解答に xmin および xmax は用いないこと。

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 時刻 t=0 で x=x0,y=0,z=0 にある荷電粒子が x 軸の正の向きに速さ v2 で等速円運動をはじめた。x≧x0 における等速円運動の円の半径は リ となり,時刻 t>0 で 2 回目に x=x0 に達するまでの時間 T は ヌ となる。時刻 t=0 での粒子の位置を始点,t=T での位置を終点とするベクトルがこの場合のドリフトを表す。このベクトルの向きから,z 軸の負の向きの磁場および x 軸の正の向きの外力によって{ル:①x 軸の正,②y 軸の正,③x 軸の負,④y 軸の負}の向きにドリフトを生じることがわかる。このドリフトの平均の速さは,そのベクトルの大きさを周期 T で割り,T を用いずに ヲ と求められる。このモデルでは,x<x0 と x≧x0 の各領域における円軌道の半径をそれぞれ ρ1, ρ2 とすると,粒子が x 軸方向に x=x0−ρ1 と x=x0+ρ2 の間を移動する。v1 と v2 の違いによる運動エネルギーの差が F(ρ1+ρ2) と等しいとすると,ヲ は,m, q, F, B0, x0 のうち必要なものを用いて ワ と表すことができる。

問 3 一様な外力が強さ E の電場による力の場合,F=qE として,ワ のドリフトの平均の速さを求めよ。また,時刻 t=0 から t=T までの荷電粒子の xy 平面内での軌道を描け。さらに,同じグラフに電荷が 2q の場合の軌道を 2 周期分描け。ただし,どちらも t=0 において上の条件で運動をはじめるものとする。それぞれの軌道に電荷の値を明記し,始点と終点の違いがわかるように描くこと。

 ここでは簡単なモデルによって考察したが,正確なドリフトの速さは ワ の定数倍であり,このような簡単なモデルでも,ドリフトの特性を得ることができる。

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物理問題 Ⅲ

 次の文章を読んで,  に適した式または数値を,{  }からは適切なものを一つ選びその番号を,それぞれの解答欄に記入せよ。なお,  はすでに   で与えられたものと同じものを表す。また,問 1 では,指示にしたがって,解答を解答欄に記入せよ。ただし,円周率を π とする。

 物質中を光が進むときのふるまいを考え,それを応用した光ファイバーなどについて考察しよう。以下では空気の屈折率を 1 とする。

(1) 図 1 のように屈折率が nA の物質 A と屈折率が nB の物質 B が平らな面で接しており,nA>nB とする。A から B へ光が入射したとき,境界面の法線に対する角度として,入射角 ϕA,反射角 ϕA′,屈折角 ϕB を定める。ϕA′= あ であり,ϕA, ϕB, nA, nB の関係は nAnB= い となる。ϕA がある値 ϕR より大きいとき,光は境界面で全反射される。ϕR と nA, nB の関係は sinϕR= う である。

図1
図1
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(2) 光ファイバーは,図 2 (a)のように屈折率の異なるガラスを同軸状の細線にしたものである。中心部分をコア,外側部分をクラッドとよぶ。コアとクラッドの屈折率をそれぞれ n1(>1),n2(>1) とする。また,コアの軸を含む平面内を進む光を考える。

 屈折率の関係が{え:①n1>n2,②n1<n2,③n1=n2}で,さらにコア内で光の進む方向と光ファイバーの軸方向のなす角度 θ がある角度 θ0 より小さければ,図 2 (b)のように光はコアとクラッドの境界で全反射される。(1)での議論をふまえると,θ0 と n1 および n2 の関係は sinθ0= お となる。このように光がコアとクラッドの境界面で全反射されるためには,光ファイバーの端面において空気中からコアに光が入射する際に,軸方向に対する光の入射角 θin がある条件を満たす必要がある。その条件を,sinθin, n1, n2 を用いて表すと,か >sinθin となる。ただし,光ファイバーの端面はその軸方向に対して垂直であるとし,端面においてコアの軸上から入射する光を考えよ。

図2
図2
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(3) 入射した光が光ファイバー中を進むためには,(2)の条件だけでは不十分である。それを考察しよう。

 コアの軸を含む平面内を進む光を考える。図 3 のように,コア中の光の波長を λ1 とし,光の進行方向とコアの軸方向のなす角度を θ とする。このとき,径方向の波面間の距離を λR とすると,λR= き となっている。したがって,径方向には波長が λR の波が生じているとみなせる。

 半径 r1 のコア内で光が弱まらずに進んでいくとき,径方向には定在波が形成されている。ここでは,議論を簡単にするため,自然数 N に対し,コアの直径が λR の N2 倍であればそのような定在波が形成されるとする。このとき,λ1, r1, N を用いて,sinθ= く と表せる。

図3
図3

 実際に光ファイバーを使う際には,空気中での波長が λ0 の光をレンズ等で集光してコアに入射させるため,光はさまざまな θin で入射し,入射直後の θ は連続的な値を持ち得る。そのうち sinθ= く を満たすとびとびの値の θ を持つ光だけがコア内を進むことができる。N で特徴づけられるこの光をモードとよぶ。一方,ある N のモードについて,λ0 がある値 CN より大きいとき,このモードはコアとクラッドの境界で全反射できず伝わらなくなる。CN を r1, n1, N, θ0 を用いて表すと,CN= け となる。ここで,λ1=λ0n1 の関係を用いよ。λ0 が C2<λ0<C1 を満たすとき,コア内を伝わる光は N=1 のモードのみとなる。下限 C2 はカットオフ波長とよばれ,r1, n1, n2 を用いて こ と表せる。

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(4) 以下では,N=1 のモードだけが伝わる場合を考える。コア内の波長が λ1 の光は,図 4 のような波の合成の結果,軸方向と垂直な波面をもつ波とみなせる。また,θ が小さい場合を考え,合成された光の波長は λ1 と等しいとする。

 図 5 のように,光ファイバーのコアに,光を散乱する構造を周期的に軸方向に導入したものを考える。これをファイバー・ブラッグ・グレーティング(FBG)という。この構造の周期を a とすると,FBG は間隔 a の回折格子のようにはたらく。すなわち,入射した光のごく一部が散乱されて入射側へと返っていくが,たがいに a 離れた位置からの散乱光が強め合うとき強い光が返っていき,図 5 の検出器で検出することができる。軸方向に返っていく光が強め合う条件から,検出できる光の最も長い波長は,a, n1 を用いて λ0= さ と表すことができる。検出器が検出するのは空気中の波長であることに注意せよ。以下では強め合って返っていく光のうち波長が さ の光を考え,これを反射光とよぶ。

図4
図4
図5
図5
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(5) FBG を含む光ファイバーの一部分を考える。これが長さ D の状態から D とくらべて十分に小さい量 ΔD だけ一様に伸縮し,長さが D+ΔD になると,FBG の周期も a から a+Δa に変化する。この場合,D, ΔD, a, Δa の関係は し である。また,この周期の変化により,FBG からの反射光の波長も λ0 から λ0+Δλ0 に変化する。光の波長は高感度に計測できるため,FBG は微小な伸縮を検出するセンサーとして利用できる。ここで,A を定数として,Δλ0λ0=AΔaa とおく。A は,伸縮にともなう FBG 内のコアの屈折率の微小な変化の影響などを含んだ係数である。

 A を決定するため,n1=1.5 の光ファイバーに波長が 1500 nm 付近の連続スペクトルの光を導入し,FBG を含む部分の長さを D=10.00 mm から変化させながら,FBG からの反射光の強度と波長の関係を空気中で測定した。すると,図 6 の結果が得られた。この結果から係数 A は有効数字 1 桁で A= す と求めることができる。

図6
図6

 FBG の応用例の一つに,熱膨張測定がある。固体物質の長さを L,絶対温度を T とすると,多くの物質は室温付近において L=L0{1+α(T−T0)} という関係を示す。係数 α は線膨張率,T0 は室温に近い基準温度,L0 は T=T0 での長さである。

 上述の FBG を,長さ L0=20.0 mm の固体物質 X の試料に図 7 (a)のように貼り付けた。X は一様に熱膨張し,光ファイバーは X の熱膨張に完全に追随して伸縮すると仮定する。また,温度変化による n1 の変化は微小である。FBG に空気中での波長が 1500 nm 付近の連続スペクトルの光を導入すると,基準温度において 1500.00 nm の光が反射され,温度を変えながら反射光の空気中での波長の変化を測定した結果,図 7 (b)が得られた。ただし,試料の熱膨張以外に起因する波長の変化は差し引いてある。表 1 は X の候補物質とそれらの線膨張率である。

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問 1 実験結果と A の値を用い,X が表 1 のどの物質かを推定せよ。議論の過程も示せ。

図7
図7
表1
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