生 物 問 題
(解答はすべて生物解答用紙に記入すること)
第1問
〔1〕 以下の文章を読み,問 1〜問 4 に答えよ。
地球上の生物を大きく 2 つに分類すると,細胞内に核を持つ真核生物と持たない原核生物に分類できる。真核細胞では,細胞内 DNA の大部分が核の中に格納されており,その遺伝情報は,mRNA に転写されて細胞質に存在するリボソームによってタンパク質に翻訳される。リボソームは,大サブユニットと小サブユニットからなる。真核細胞と原核細胞のリボソームは,異なる型に分けられる。特定の型のリボソームの働きを阻害する化合物が存在し,抗生物質として感染症の治療に利用されている。また,真核細胞の細胞質には特定の生体反応をつかさどる様々な細胞小器官が存在している。
地球上の生物は,もう一つの指標である生命活動に必要なエネルギー獲得方法によって,独立栄養生物と従属栄養生物に分類できる。これらは生態系ではそれぞれ生産者と消費者として存在している。このうち生産者である大部分の生物は,①光エネルギーを用いて無機物の ア から有機物を,イ から酸素を産生する仕組みを備えている。生産者である植物の葉の細胞を顕微鏡で観察すると,細胞内に 5〜10 μm の緑色の粒が多数観察できる。これらは下線①を行う細胞小器官であり,以下これを②小器官 A と呼ぶことにする。小器官 A の中には独自の DNA が存在しており,その遺伝情報を発現するための独自の転写と翻訳の仕組みが備わっている。
問 1 文章中の下線①について以下の問いに答えよ。
(1) 空欄 ア イ に当てはまる物質名を答えよ。
(2) この仕組みの名称を答えよ。
小器官 A 内のリボソームの特徴を調べるため,【実験 1】と【実験 2】を行った。
【実験 1】
1. 実験植物として用いたタバコの葉を破砕し,細胞破砕液を遠心分離によっていくつかの細胞画分に分画した。このうち 3 つの細胞画分 i,ii,iii は,②小器官 A,③核,④細胞質基質のいずれかに対応している。
2. 細胞画分 i,ii,iii から調製した抽出液中の翻訳によるタンパク質の合成量を調べた。まず 8 本の試験管を用意し,それぞれ(1〜8)に翻訳の鋳型になる mRNA と翻訳に必要な全ての物質(アミノ酸,ATP など)を等量ずつ加えた(図 1)。
3. 次に,試験管 1〜6 では細胞画分 i,ii,iii の抽出液をそれぞれ 2 本ずつの試験管に入れ,さらにその片方の試験管には⑤抗生物質 K の水溶液を加え(図 1 に有と表示),もう片方には同量の水(図 1 に無と表示)を加えて試験管内で翻訳を行わせた。試験管 7〜8 では,大腸菌の抽出液を加えて翻訳を行った時の抗生物質 K の効果を調べた。
4. 試験管 1〜8 内のタンパク質の合成量を図 1 のグラフに示した。グラフでは,縦軸にタンパク質の合成量,横軸に各試験管に加えた細胞画分と抗生物質 K の有無を記載した。

【実験 2】
細胞画分 ii と iii から調製した抽出液をショ糖密度勾配遠心*¹ にかけリボソームを分離した。比較として大腸菌のリボソームを同様に分離した。それぞれの分離パターンを図 2 に示した。図 2 では,濃灰色の線(3 本のバンド)は分離されたリボソームの位置を示している。リボソームを構成する 2 つのサブユニット(2 本の細いバンド)と,それらが結合したリボソーム(太いバンド)の合計 3 本のバンドが検出されている。
用語説明
*¹ ショ糖密度勾配遠心:細胞内の高分子複合体を密度の違いによって分離する方法。

問 2 【実験 1】と【実験 2】の内容と結果をもとに以下の問いに答えよ。
(1) 細胞画分 i,ii,iii を【実験 1】の文章中の下線②〜④から選び番号で答えよ。
(2) 下線⑤の抗生物質 K は細菌による感染症治療に用いられる。その理由を 4 行以内で説明せよ。なお,抗生物質 K が呼吸をつかさどる細胞小器官に与える影響は無視できるものとする。
(3) 小器官 A のリボソームの特徴について考えられることを,根拠となる 2 つの実験結果を挙げ 5 行以内で説明せよ。
小器官 A のリボソームに含まれる rRNA の特徴を【解析 1】で調べた。
【解析 1】
DNA の塩基配列情報データベースから,小器官 A や微生物に含まれる 6 種類の rRNA の塩基配列情報を取得した。表 1 には,取得した各 rRNA の塩基数とタバコ小器官 A の rRNA の塩基配列に対する配列類似性*² を示した。
用語説明
*² 配列類似性:2 つの塩基配列を比較した際の一致する配列が全体配列に占める割合を百分率で表したもの。
表 1
| 由 来 | 塩基数 | タバコ小器官 A rRNA の塩基配列との配列類似性 | |---|---|---| | タバコ小器官 A rRNA | 1491 | (100 %) | | イネ小器官 A rRNA | 1491 | 96 % | | 微生物 Q rRNA | 1489 | 84 % | | 根粒菌 rRNA | 1477 | 79 % | | アグロバクテリウム rRNA | 1485 | 79 % | | 大腸菌 rRNA | 1542 | 76 % |
問 3 タバコ小器官 A の rRNA の塩基配列は,4 種類の微生物の rRNA の塩基配列といずれも高い配列類似性を示した。その中で最も高い配列類似性を示した微生物 Q は,文章中の下線①を行う原核生物の仲間である。この一群の名称を答えよ。
問 4 【実験 1,2】と【解析 1】の結果は,小器官 A の進化上の起源に関する説を支持する結果と言える。小器官 A の起源説の内容と実験及び解析結果がそれを支持する理由を,5 行以内の文章で説明せよ。まず小器官 A の名称を解答欄のカッコ内に記載し,それに続けて文章を記載すること。
第2問
〔2〕 以下の文章【A】と【B】を読み,問 1〜問 6 に答えよ。
【A】
複数の関連する遺伝子がセットとなり,1 つのプロモーターからひと続きの RNA として転写される転写単位をオペロンと呼び,主に原核生物においてよく見られる。大腸菌のラクトースオペロンはその代表例で,ラクトース代謝に関わる 3 つの遺伝子 A,B,C が 1 つのプロモーターの下流に位置している(図 1)。また,その転写調節系は実験室における組換えタンパク質の発現にも利用されている。
ラクトースオペロンの転写は,大腸菌が利用する糖の濃度に応じて調節される。大腸菌は炭素源としてグルコースを優先的に利用するが,グルコース濃度が低い場合は,ラクトースの存在下でこのオペロンの転写レベルが上昇する。この理由は,ア と呼ばれるタンパク質が,ラクトース非存在下ではプロモーターのすぐ下流の イ と呼ばれる配列に結合することで RNA ポリメラーゼの結合のさまたげとなり,ラクトース存在下では イ から解離するからである。ラクトースは,異性体(分子式は同じだが,構造が異なる分子)であるアロラクトースに変換され,それが ア に結合することにより ア の立体構造が変化することが分かっている。その結果,ア の イ への結合の強さが低下する。

問 1 文中の空欄 ア,イ に当てはまる最も適切な語句を入れよ。
問 2 ラクトースオペロンを構成する遺伝子 A を欠失させた大腸菌で遺伝子 B と C の発現を調べたところ,ラクトースを加えてもこれらの遺伝子の発現レベルの上昇が見られなかった。しかし,ラクトースの代わりにアロラクトースを加えると発現レベルが上昇した。【A】の説明文をふまえて,以下の文章①〜⑤から,この実験結果より推測できることをすべて選び,数字で答えよ。
① 遺伝子 A は,ラクトースをアロラクトースに異性化(変換)する酵素の遺伝子である。
② ラクトースとアロラクトース間の異性化は酵素に依存せずに起こる。
③ 遺伝子 A は,ア の遺伝子である。
④ 大腸菌では,ラクトースがない場合も,ラクトースオペロンの転写が完全に抑えられるわけではない。
⑤ 遺伝子 B および C は遺伝子 A の下流に存在するため,遺伝子 A が存在しないと転写されなくなる。
問 3 トリプトファンオペロンは,トリプトファンの合成に必要な 5 つの遺伝子がオペロンを構成している。このオペロンは,トリプトファンが結合する ア と,ア が結合する イ 配列によって転写が調節される。トリプトファンの有無によって,このオペロンの転写がどのように調節されるかを,ア および イ を用いて 4 行以内で説明せよ。
【B】
あるタンパク質を大量に得るために,そのタンパク質の遺伝子を組み込んだプラスミドを大腸菌に導入し,大腸菌内でタンパク質の産生を行う実験を以下のように行なった。この実験系においては,1 個の大腸菌内で 100 コピー以上のプラスミドが保持されている。そのため,プラスミドに組み込んだ遺伝子からの発現が一斉に起こると,大腸菌ゲノムからのタンパク質合成が抑制され,大腸菌の増殖が阻害されることがある。そこで,まずは大腸菌を十分に増殖させた後にプラスミド上の遺伝子の発現を促す必要がある。液体培地中で大腸菌が増えると培地が濁っていく。これを利用して大腸菌の増殖を培地の濁りの度合い(濁度)で測定することができる。
【実験 1】 大腸菌内で保持されるプラスミド上に,プロモーターと イ を含むラクトースオペロンの転写調節領域を組み込み,その下流に目的のタンパク質 X または Y の遺伝子を配置した。これらのプラスミドを導入した大腸菌を液体培地で培養し,濁度を測定した(図 2)。すると,タンパク質 X の遺伝子を組み込んだプラスミドを持つ大腸菌は,プラスミドを持たない大腸菌とほとんど変わらない速度で活発に増殖し,ラクトースを添加することで十分量のタンパク質 X を得ることができた。一方,タンパク質 Y の遺伝子を組み込んだプラスミドを持つ大腸菌は増殖速度が著しく低かった。

【実験 2】 タンパク質 Y の発現系の改善のために,タンパク質 Y の遺伝子の下流に,トリプトファンオペロンの転写調節領域をラクトースオペロンとは逆向きに挿入した(図 3)。ここからの転写はラクトースプロモーターからの転写とは逆向きに行われる。この改変プラスミドを使用することによって,大腸菌の増殖が改善された(図 4)。また,①増殖した大腸菌を含む培地にラクトースを加えることによって,目的のタンパク質 Y を十分な量得ることができた。しかし,大腸菌の増殖時にトリプトファンを培地に加えると,実験 1 のタンパク質 Y の遺伝子を組み込んだプラスミドを持つ大腸菌同様に増殖が阻害された。


以上の 2 つの実験をもとに以下の問 4〜問 6 に答えよ。ただし,ラクトースオペロンおよびトリプトファンオペロンの ア の遺伝子はこれらのプラスミドの別の位置に存在し,常に発現しているため,大腸菌内でそれぞれの ア は十分に存在するものとする。また,グルコース濃度は低く保たれているため,考慮に入れる必要はない。
問 4 これらの実験から,タンパク質 Y のもつ性質について推測されることを記せ。また,これをもとに,実験 1 において,タンパク質 Y の遺伝子を組み込んだプラスミドを持つ大腸菌の増殖速度が著しく低い理由について考察し,2 行以内で記述せよ。
問 5 実験 2 で使用したプラスミドで,ラクトースオペロンおよびトリプトファンオペロンのプロモーターから行われる転写は,それぞれ図 3 の a,b どちらの DNA 鎖を鋳型鎖とするかを記号で答えよ。
問 6 実験 2 において,トリプトファンプロモーターを配置したことによって大腸菌の増殖が改善された理由を考察し,4 行以内で記述せよ。また,下線部①について,ラクトース添加で Y の発現を誘導する時,得られるタンパク質収量を最大にするためには,トリプトファンを加えないままのほうが良いか,加えるほうがよいかを答えよ。
第3問
〔3〕 以下の文章を読み,問 1〜問 5 に答えよ。
神経系では神経細胞(ニューロン)がシナプスを介して情報を伝達している。シナプス前細胞に活動電位が生じると,活動電位は軸索を伝導し,シナプス前細胞の神経終末に到達する。到達した活動電位はシナプス前細胞の神経終末に脱分極*¹ を引き起こし,それが刺激となって電位依存性 ア チャネルが開き,細胞外から ア が神経終末内部に流入する。この ア のはたらきで,シナプス前細胞の細胞膜と イ が融合し,イ の内部にある神経伝達物質がシナプス間隙へと放出される。この神経伝達物質がシナプス後細胞のリガンド依存性イオンチャネルに結合すると,シナプス後細胞に電位変化を引き起こす。
脊椎動物では,脳からの運動指令が脊髄の運動ニューロンに到達し,活動電位が生じると,ウ をもつ①有髄神経繊維である運動ニューロンの軸索を活動電位が伝導し,その終末に到達する。到達した活動電位により,運動ニューロンの神経終末から神経伝達物質である エ が放出され,エ が筋細胞の受容体に結合することで脱分極が生じ,②一連の過程を経て,骨格筋が収縮する。
用語説明
*¹ 脱分極:膜電位が静止電位から 0 mV に近づくこと。
問 1 文中の空欄 ア 〜 エ に当てはまる適切な語句を入れよ。ただし,ウ はグリア細胞が形成する構造である。
問 2 ニューロンにおける活動電位の発生の仕組みについて 6 行以内で説明せよ。
図 1(a) に示す 3 つの神経細胞の電位変化を計測することで,興奮性シナプスと抑制性シナプスを区別する実験を行った。ニューロン 1 とニューロン 2 はシナプス前細胞,ニューロン 3 はシナプス後細胞である。図 1(b) はニューロン 3 に存在する受容体 X の阻害薬の非存在下および存在下でニューロン 1 またはニューロン 2 を刺激して活動電位を発生させ,ニューロン 1〜3 の電位を測定した結果を示している。
ただし,図 1 に示している刺激条件は以下の通りである。また,各条件で刺激している時間の長さは同じである。
刺激条件 1 ニューロン 1 を 1 回刺激
刺激条件 2 ニューロン 1 を 10 ミリ秒間隔で 2 回刺激
刺激条件 3 ニューロン 1 を 10 ミリ秒間隔で 2 回刺激し,ニューロン 1 の 1 回目の刺激と同時にニューロン 2 を刺激
問 3 (1) 図 1(b) の結果から読み取れる解釈として正しいものを選択肢 (あ)〜(か) から全て選び,記号で答えよ。
[選択肢]
(あ) ニューロン 1 の情報がニューロン 3 に興奮性シナプスを介して伝達される。
(い) ニューロン 1 の情報がニューロン 3 に抑制性シナプスを介して伝達される。
(う) ニューロン 2 の情報がニューロン 3 に興奮性シナプスを介して伝達される。
(え) ニューロン 2 の情報がニューロン 3 に抑制性シナプスを介して伝達される。
(お) 受容体 X は興奮性シナプス後電位の発生に必要である。
(か) 受容体 X は抑制性シナプス後電位の発生に必要である。
(2) シナプス後細胞では,膜電位が図 1(b) の破線の値を超えると活動電位が生じる。この値を何と呼ぶか答えよ。

問 4 文中の下線部①に記載されている,有髄神経繊維の活動電位の伝導は無髄神経繊維に比べて速い。この有髄神経繊維における活動電位の伝導を何と呼ぶか答えよ。
問 5 (1) 文中の下線部②に関して,運動神経終末から神経伝達物質が放出され,骨格筋が収縮し弛緩するまでの過程について,空欄 A 〜 F に当てはまる現象を選択肢 (さ)〜(た) からそれぞれ選び,記号で答えよ。

[選択肢]
(さ) 筋小胞体から Ca²⁺ が放出される
(し) 骨格筋が収縮する
(す) 骨格筋細胞に活動電位が発生する
(せ) 骨格筋細胞内の Ca²⁺ が筋小胞体に回収される
(そ) アクチンとミオシンが結合する
(た) 放出された Ca²⁺ がトロポニンと結合する
(2) 骨格筋は,細胞内 Ca²⁺ 濃度が上昇することで収縮する。骨格筋細胞に発生する収縮の大きさと筋細胞内 Ca²⁺ 濃度の増加量との関係を調べたところ,図 2 の関係が得られた。続いて,骨格筋細胞に接続する神経に 1 回刺激を与えた際の骨格筋細胞内における Ca²⁺ 濃度の増加量の時間経過を調べたところ,図 3 の結果が得られた。なお,図 2 の横軸の 1 目盛りは,図 3 の縦軸の 1 目盛りと同じ値である。

次に,骨格筋に接続する神経に 10 回刺激を与えて,収縮の大きさを測る実験を行った(図 4)。刺激の頻度は図 4 に示す (a),(b),(c) の 3 種類とした。刺激の頻度が高くなるほど収縮の大きさの最大値が大きくなった理由について,図 2 と図 3 の結果をふまえて,8 行以内で説明せよ。

第4問
〔4〕 以下の文章【A】〜【C】を読み,問 1〜問 5 に答えよ。
【A】
体内に異物が侵入したとき,ヒトの免疫系のひとつとして最初に ア が幅広い病原体に対して働く。その応答の結果を受けて,適応免疫(獲得免疫)が開始される。適応免疫においては,微生物のタンパク質などの異物(抗原)を免疫細胞が認識し,その構造に特異的に結合する受容体を持つ細胞が増殖して分化する。ア で働く食細胞は様々な異物を認識できるが,適応免疫で働く免疫細胞である イ は,1 クローン*¹ につき 1 種類の異物しか認識できない。
適応免疫では,イ のうち,T 細胞と B 細胞が働く。それらは ウ に存在する幹細胞に由来し,T 細胞は エ で,B 細胞は ウ で成熟する。適応免疫のうち,オ では T 細胞が中心となって,食作用の増強や感染細胞への攻撃などの免疫反応が起こる。カ では B 細胞が中心となって抗体による免疫反応が起こる。
用語説明
*¹ クローン:遺伝的に同一である個体や細胞のこと。
問 1 文中の空欄 ア 〜 カ に当てはまる適切な語句を入れよ。
問 2 病原体に対して働く初期の排除機構として物理的防御機構と化学的防御機構がある。それらについて,それぞれ 2 行以内で説明せよ。
【B】
肺炎球菌は病原性のレンサ球菌の一種である。肺炎球菌の表面に発現するタンパク質 X を精製し,抗原 X としてマウスに 2 週間毎に合計 4 回皮下組織に接種する実験を行った(図 1)。
6 週目の接種を行った 1 週間後(7 週目)に,抗原 X と結合する血液中の抗体の量を測定したところ,①抗原 X に対する抗体量が十分に存在することが示された。そこで,抗体量を測定した 1 週間後(8 週目)に,抗原 X を接種したマウス群と,何も接種していないマウス群にそれぞれ同量の肺炎球菌を感染させた。何も接種してないマウスは 2 週間以内にすべて死亡したが,抗原 X を接種したマウスは 2 週間経過しても 1 匹も死亡しなかった。

問 3 下線部①に関して,皮下組織に接種した抗原 X に対する抗体が産生された仕組みについて,以下の語句をすべて用いて 7 行以内で説明せよ。
語句:樹状細胞,抗原提示,ヘルパー T 細胞,B 細胞,形質細胞,抗体
【C】
次に,新たな実験として図 1 の実験スケジュールで抗原 X の接種を行い,6 週目の接種を行った 1 週間後(7 週目)と半年後(32 週目)に,抗原 X と結合する血液中の抗体の量を測定した(図 2)。何も接種していないマウスと抗原 X を接種したマウスの抗原 X に対する抗体量は,図 3 に示す結果となった。さらに 33 週目に,何も接種していないマウス群ならびに抗原 X を接種したマウス群にそれぞれ同量の肺炎球菌を感染させた。②何も接種してないマウスは 2 週間以内にすべて死亡したが,抗原 X を接種していたマウスは 2 週間経過しても 8 割のマウスが生存していた。


問 4 下線部②について,抗原 X を接種していたマウスの生存率が高くなったのはなぜか。実験結果をふまえて,3 行以内で説明せよ。
問 5 抗原 X のアミノ酸配列を調べたところ,哺乳類でヒトのみが持つ,細胞表面のタンパク質 Y のアミノ酸配列と部分的に類似していることが明らかになった。抗原 X をヒトに 4 回皮下接種したときの免疫応答については,マウスでの実験結果と異なる可能性がある。どのようなことが起こりうるかを 2 つ挙げて,それぞれを 2 行以内で説明せよ。