地 学 (4 問題 100 点)
地学問題 Ⅰ
次の文章を読み,問 1 〜問 8 に答えよ。解答はすべて所定の解答欄に記入せよ。
こいぬ座のプロキオンは,距離 3.50 パーセクにある連星である。その明るいほうの恒星をプロキオン A,暗いほうをプロキオン B とよんでいる。プロキオン A は,F 型の主系列星であるとする。その見かけの等級は 0.4 等級,絶対等級は ア 等級である。プロキオン B の見かけの等級は 10.8 等級なので,プロキオン A はプロキオン B の約 イ 倍の明るさである。プロキオン B の色はプロキオン A の色によく似ている。プロキオン B のような絶対等級と色を示す恒星は ウ と分類されている。プロキオン A とプロキオン B は色が似ていることから,表面温度も同じであると仮定しよう。この場合,プロキオン B の半径は,プロキオン A の半径の エ 倍となる。
問 1 文中の ア に当てはまる数値を有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。ただし, とする。
問 2 文中の イ に最も近い数値を以下から選べ。
選択肢:10,100,1000,10000,100000
問 3 文中の ウ に適切な語句を記入せよ。
問 4 問 2 の結果を用いて,文中の エ に当てはまる数値を有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。
問 5 プロキオン A とプロキオン B の平均角距離は,4.31″ である。この角距離は何天文単位に相当するか,有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。
問 6 この連星の公転周期は 年である。この連星の質量の和 は,太陽の質量の何倍か,有効数字 1 けたで求めよ。ただし,連星の平均距離 〔天文単位〕の 3 乗と公転周期 〔年〕の 2 乗の比 は,太陽の質量を単位とした連星の質量の和となることを用いよ。導出過程も示すこと。
問 7 この連星の共通重心からプロキオン A,プロキオン B までの距離をそれぞれ と とすると,ほぼ である。プロキオン A とプロキオン B のそれぞれの質量を, を用いて示せ。導出過程も示すこと。
問 8 プロキオン B の平均密度は,プロキオン A のそれの何倍か,有効数字 1 けたで求めよ。導出過程も示すこと。
地学問題 Ⅱ
次の文章(a)〜(c)を読み,問 1 〜問 7 に答えよ。解答はすべて所定の解答欄に記入せよ。
(a) 地球上のある地点での地磁気の強さは全磁力,水平分力,鉛直分力で表され,①向きは偏角,伏角で表される。これら 5 つの要素のうち,3 つの要素の組み合わせで,ある地点における地磁気の強さと向きを決定できるとき,この 3 つを地磁気の三要素という。例えば,全磁力・偏角・伏角の 3 つが定まれば,水平分力・鉛直分力もわかる。
問 1 下線部①に関連して,以下の(1),(2)に答えよ。
(1) 偏角の説明として正しいものを,以下の(あ)〜(え)から 1 つ選び,解答欄(i)に記入せよ。また,伏角の説明として正しいものを,以下の(あ)〜(え)から 1 つ選び,解答欄(ii)に記入せよ。
(あ) 地磁気の向きと水平面のなす角度
(い) 地磁気の向きと真北(地理上の北)の方向のなす角度
(う) 水平分力の向きと真北(地理上の北)の方向のなす角度
(え) 地磁気の向きと北極星の方向のなす角度
(2) 地球の固有の磁場は,地球中心に置いた仮想的な棒磁石がつくる磁場(双極子磁場)で近似できる。地磁気北極を通る子午線上における,双極子磁場の伏角と緯度の関係を示した図として最も適切なものを,図 1 の(あ)〜(え)から選べ。ただし,図中の破線は地磁気北極の緯度を示す。

(b) ②地球を取り巻く大気の層を大気圏という。地球の大気は,上空にいくにつれて希薄となり,宇宙空間へとつながっていく。
高度 80 〜 500 km では,太陽からの X 線や ア 線によって,大気中の原子や分子が電離してイオンと電子になっている。この領域を③電離圏とよぶ。
太陽の表面におけるフレアの発生に伴い放射される強い X 線などは,地球の電離圏に影響を与え,通信障害などを引き起こす。この現象を イ という。また,フレアに伴い,太陽表面からプラズマが突発的に惑星間空間へ放出されることがある。④放出された高温のプラズマは,高速で密度の高い太陽風としておよそ 2 〜 4 日後には地球に到達し,地球の磁気圏に影響を与え,ウ を発生させることがある。図 2 は 2015 年 6 月 22 日から 26 日の間に茨城県石岡市柿岡で測定された地磁気の全磁力の時間変化であり,23 日に ウ が発生している。
問 2 文中の ア,イ に当てはまる最も適切な語を答えよ。
問 3 文中の ウ に当てはまる最も適切な語を,以下の語群から選べ。
語群:成層圏突然昇温,オゾンホール,磁気あらし
問 4 下線部②に関連して,存在する高度が低い順に以下の(あ)〜(え)の記号を並べよ。
(あ) オゾン層 (い) オーロラ (う) 乱層雲 (え) 静止気象衛星
問 5 下線部③に関連して,無線通信などの電波(短波)が地平線を越えて遠方まで届く理由を簡潔に述べよ。
問 6 下線部④に関連して,太陽表面から放出されたプラズマがちょうど 2 日後に地球に到達する場合,太陽風の速さ〔km/s〕を有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。ただし,太陽風の速さは太陽から地球に到達するまで一定であるとし,地球と太陽の距離を km とする。
(c) 地球から太陽の黒点の位置を毎日観測すると,次第に太陽表面上を東から西に移動していくように見える。これは太陽が自転しているためである。また,黒点の移動する速さから,太陽表面の自転周期がわかる。
問 7 地球からの観測の結果,太陽の赤道上の黒点が,太陽の赤道上を移動して一周し,ちょうど 27 日後に元の位置に戻った。このときの太陽の赤道での自転周期を,有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。ただし,地球の公転軌道は完全な円で,公転面は太陽の赤道面に一致すると仮定し,公転周期を 365 日とする。
地学問題 Ⅲ
次の文章を読み,問 1 〜問 4 に答えよ。解答はすべて所定の解答欄に記入せよ。
①地球のマントルは,固体の岩石で構成されているが,長い時間にわたり力が加わると流動する性質をもつ。そのため,マントルでは対流が起こっている。マントル対流の上昇流には円筒状のものがあり,それはプルームとよばれる。プルームは②ホットスポットの火山活動の原因と考えられている。③ホットスポットの下では,上昇するプルームの内部でマグマが発生する。一方,ホットスポットよりも活発な火山活動が起こっている④海嶺の下には,一般にはプルームは存在せず,プレートの裂け目を埋めるようにマントル物質が上昇してマグマを発生させていると考えられている。
問 1 下線部①に関連する以下の文章を読み,以下の(1),(2)に答えよ。
マントルの上部は,ア 質の岩石で構成されている。一方,地殻を構成する岩石は,ア 質の岩石に比較して密度が小さい。そのため地殻は,マントルの上に浮かんでいるとみなすことができる。この場合,地殻の下には,ある深さに,単位面積あたりの荷重が等しくなっている均衡面があると考えられる。このような均衡を イ という。実際には,地殻直下のマントルは,流動性が低く,地殻と一体となってふるまう。この一体の部分は,ウ とよばれ,プレートに相当する。ウ の下には,エ とよばれる流動性の高い領域がある。
(1) 文章中の ア 〜 エ に当てはまる最も適切な語を答えよ。
(2) 氷期に厚い氷がのっていた陸地は,間氷期になって氷が融けた後に隆起する。この理由を,イ にもとづいて簡潔に説明せよ。
問 2 下線部②に関連して,以下の問に答えよ。
ハワイ諸島と天皇海山列の火山島・海山は,現在のハワイ島の位置にあるホットスポットで形成されたものである。このことから,太平洋プレートの過去の運動方向と速さを推定することができる。この推定のためには,火山島・海山についてどのようなデータが必要か,また,ホットスポットの位置についてどのような仮定が必要か,以下の(あ)〜(く)の組み合わせから最も適切なものを選べ。
(あ) 形成年代,現在の緯度・経度 / プレートに対して固定
(い) 形成年代,現在の緯度・経度 / マントル深部に対して固定
(う) 形成年代,噴出マグマの種類 / プレートに対して固定
(え) 形成年代,噴出マグマの種類 / マントル深部に対して固定
(お) 噴出マグマの種類,現在の緯度・経度 / プレートに対して固定
(か) 噴出マグマの種類,現在の緯度・経度 / マントル深部に対して固定
(き) 形成年代,ハワイ島からの距離 / プレートに対して固定
(く) 形成年代,ハワイ島からの距離 / マントル深部に対して固定
問 3 下線部③に関連して,以下の(1),(2)に答えよ。
(1) 図 1 は,マントル物質の融解曲線と,海洋域の平均的な地下温度分布を示したものである。図 1 の点 X 付近からプルームが上昇するとして,プルームの内部でマグマが発生するメカニズムを説明せよ。
(2) マントルで発生するマグマの化学組成は,マントル物質の化学組成とは異なる。その理由を説明せよ。

問 4 下線部④に関連して,以下の(1),(2)に答えよ。
(1) 海嶺軸付近の海上で地磁気を測定すると,地磁気の強さが相対的に強い部分と弱い部分が,海嶺軸に平行して縞(しま)状に交互に並んでいることがわかる。この磁気異常の縞模様が形成されるメカニズムを説明せよ。
(2) 図 2 のように,海嶺をはさんで位置するプレート A とプレート B との相対的な運動を考える。プレートが地球(球体)の表面に沿って剛体として移動するならば,プレートの運動は,地球の中心を通る軸のまわりの回転運動となり,プレート B に対するプレート A の運動も,ある回転軸を持つ回転運動となる。したがって,プレート B に対するプレート A の運動速度の大きさは場所によって異なり,その場所から回転軸までの距離に比例する。ここで,プレート B に対するプレート A の運動の回転軸が地表と交わる地点を P,地球の中心を O とする。∠POQ = 45° となるプレート A 上のある地点 Q では,プレート B に対するプレート A の速度の大きさ が 6.00 cm/年であった。 が最大値 をとるプレート A 上の地点を R としたとき,地点 R について以下の(i),(ii)に答えよ。
(i) ∠POR〔°〕の値を答えよ。
(ii) 〔cm/年〕を有効数字 2 けたで求めよ。導出過程も示すこと。

地学問題 Ⅳ
次の文章(a),(b)を読み,問 1 〜問 8 に答えよ。解答はすべて所定の解答欄に記入せよ。
(a) 岩石を構成する鉱物の多くは,1 つのケイ素(Si)の周りに 4 つの酸素(O)が結びついた 四面体を骨組みとするケイ酸塩鉱物である。ケイ酸塩鉱物の構造には, 四面体のつながり方に注目すると,おもに次のものがある。
(あ) すべての 四面体が独立している。
(い) すべての 四面体が,となりの四面体と 2 個の酸素を共有することにより,1 重の鎖状につながっている。
(う) となり合う 四面体が,2 個または 3 個の酸素を共有することにより,2 重の鎖状につながっている。
(え) すべての 四面体が,となりの四面体と 3 個の酸素を共有することで,シート状につながっている。
(お) すべての 四面体が,となりの四面体とすべての酸素を共有することで,立体網状につながっている。
こうした 四面体の骨組みの間には,マグネシウムや鉄,カルシウムなどの金属イオンが入り込んでいることがある。この金属イオンの種類は,電荷が等しくイオン半径が同程度であれば,様々な割合で入れかわることができる。このように,結晶構造は同じだが,元素の割合,つまり化学組成が連続的に変化する鉱物を ア という。また,① 四面体のつながり方の違いによって,含まれるケイ素,酸素,金属イオンの原子数の比は異なる。
問 1 文中の ア に当てはまる最も適切な語を答えよ。
問 2 以下の鉱物(A)〜(D)について,以下の(1)〜(4)に答えよ。
(A) 黒雲母 (B) 長 石 (C) 輝 石 (D) 石 英
(1) (A)と(C)それぞれの 四面体のつながり方として,最も適切なものを,文章(a)中の(あ)〜(お)から選べ。
(2) 約 90° に交わる二方向の劈開(へきかい)を持つ鉱物を,(A)〜(D)から選べ。
(3) ア ではない鉱物を,(A)〜(D)から選べ。
(4) 花こう岩に含まれない鉱物を,(A)〜(D)から選べ。
問 3 下線部①に関連して,以下の(1),(2)に答えよ。
(1) 文章(a)中の(あ)と(お)それぞれについて,ケイ素と酸素の原子数の比 Si/O を求めよ。
(2) Si/O が小さい場合には,大きい場合にくらべて,結晶構造中により多くの金属イオンを含むことになる。その理由を簡潔に答えよ。
(b) 日本列島はプレート境界に位置しており,活発な②隆起・沈降の運動が起こっている。そのため,③安定大陸に比べて地形が急峻(きゅうしゅん)であり,日本の河川の長さは長いものでも イ 程度である。河川のなかでも上流の地形の傾斜が急な部分では,ウ 作用が卓越する。河川の下流や海岸には,④気候変動を反映して段丘が形成されている。河川により砕屑(さいせつ)物が運搬されて,湖沼や海洋に堆積すると砕屑岩が形成される。現在の海底には,⑤大陸棚,大陸斜面,海底扇状地などの地形がみられる。
問 4 文中の イ,ウ に当てはまる最も適切な語を,以下の語群から選べ。
語群:数万 km,数千 km,数百 km,数十 km,側方侵食,下方侵食,堆積
問 5 下線部②に関連して,断層の運動による盆地の形成を考えよう。図 1 の屈曲した断層において,X 地点の走向に沿って横ずれの運動が起こったとする。その結果,屈曲部に隙間が生じて,盆地が形成された。このとき,断層の運動によるこの地域の短縮方向として最も適切なものを,図 1 の(あ)〜(え)から選べ。ただし,図 1 は平面図であり,図 1 の断層面の傾斜角はどこでも 90° とする。

問 6 下線部③に関連して,日本の地質構造区分の中で先カンブリア時代の大陸の断片と考えられているものを,以下の(あ)〜(え)から選べ。
(あ) 四万十(しまんと)帯 (い) 三波川(さんばがわ)帯 (う) 飛驒(ひだ)帯 (え) 秋吉(あきよし)帯
問 7 下線部④に関連して,地質時代の気候を推測するために,海水に含まれる酸素の安定同位体比 を記録している化石を用いることがある。海水の の大小の変化が,気候の寒暖の変化を反映する理由を答えよ。
問 8 下線部⑤について,現在の大陸棚の成因を簡潔に答えよ。
地学問題は,このページで終わりである。