第1問
以下の文章を読んで,問 1 〜問 5 に答えよ。
図 1 は日本列島の地質構造区分図である。日本列島をつくっているこれらの地質の多くは,図 2 に示すような海のプレートが陸のプレートの下に沈み込んでいる沈み込み帯で形成された。図 3 は沈み込み帯に分布する岩石の薄片の偏光顕微鏡写真(直交ニコル)である。
問 1 図 1 中の (ア) 〜 (エ) の地質帯の名称を答えよ。
問 2 図 2 を白亜紀の沈み込み帯とした場合,図 2 の (a) と (b) で形成された地質帯を,図 1 に示されている地質帯名または (ア) 〜 (エ) の記号で答えよ。
問 3 図 2 の (c) と (d) で形成された岩石の薄片の偏光顕微鏡写真を図 3 の A 〜 D からそれぞれ 1 つ選び,かつ,そこにみられる組織名を答えよ。また,その組織からその岩石が形成された時の温度変化について 10 字以内で答えよ。
問 4 図 2 の (d) は火山である。このような沈み込み帯の火山をつくるマグマの成因を 100 字以内で説明せよ。
問 5 図 2 の (a) で形成される地質体は,海洋プレート層序という特徴的な層序をもっている。この海洋プレート層序の模式的な地質柱状図を作成し(地層の厚さは問わない),その層序の形成過程について,沈み込んでいる海のプレートの運動と関係づけて 200 字以内で答えよ。



第2問
以下の文章を読んで,問 1 〜問 5 に答えよ。
大西洋の中央部や東太平洋には,海底から高さ約 3 km,幅約 1000 km にも達する海底の大山脈があり,海嶺とよばれている。海嶺は①プレート境界にできる大地形で,海嶺軸でプレート(リソスフェア)が形成される。形成されたプレートは,より柔らかく流動性の高いアセノスフェアの上を水平方向に移動してゆく。海嶺では,プレートの動きに応じた型の断層運動により②地震が発生する。
また,海嶺軸付近の海上で地磁気を測定すると,図 4 に示すように,③地磁気の強さが相対的に強いところと弱いところが縞状に交互に並ぶ。図 4 の黒色は地磁気が相対的に強いところ,白色は弱いところである。この磁気異常の縞模様は海嶺軸に平行で,④海嶺軸に対して対称性を持つ傾向がある。磁気異常の縞模様には,海嶺でプレートが形成される速さ,海嶺をはさむ 2 つのプレートの相対的な運動,プレートの生まれた年代等の情報が含まれている。

問 1 下線部①について,海嶺はどのようなプレート境界か答えよ。
問 2 下線部②について,海嶺で発生しやすい地震の種類(型)を答え,その断層運動として適切なものを図 5 の a 〜 d の中から選び記号で答えよ。

問 3 下線部③の成因について,90 字以内で説明せよ。
問 4 下線部④の成因について,40 字以内で説明せよ。
問 5 図 6 は,図 4 の海洋底(プレート 1 及びプレート 2)の年代と海嶺からの距離について,様々な地点における観測値(●)を点線で結んだものである。この図に関して以下の (1),(2) に答えよ。解答欄に計算過程を記し,有効数字は 2 桁とせよ。
(1) プレート 1 及びプレート 2 について,海嶺で生まれたプレートが海嶺から遠ざかる速さ(cm/年)をそれぞれ答えよ。
(2) プレート 1 に対するプレート 2 の運動の速さ(cm/年)を答えよ。

第3問
以下の文章を読んで,問 1 〜問 4 に答えよ。
大気中における雲の形成は,上昇気流と深く関連する。上昇気流の原因の一つに,地表面における大気の加熱がある。①地表面加熱によって地表から上昇する空気の温度は,②ある高度までは乾燥断熱減率にしたがって減少し,この高度以上では③湿潤断熱減率にしたがって減少する。一方,上昇気流は,④大気下層の空気が集まり,水平方向に収束が発生するときにも起きやすい。
問 1 下線部①のように空気が上昇する場合,地表付近の大気の安定性として最も適切なものを以下の a 〜 c から選び記号で答えよ。
a 絶対安定, b 条件付き不安定, c 絶対不安定
問 2 下線部②の高度の名称を答えよ。
問 3 下線部③に関して,以下の (1) 〜 (4) に答えよ。
(1) 上昇する空気の温度が高度とともに減少する理由を 30 字以内で説明せよ。
(2) 湿潤断熱減率は乾燥断熱減率より小さい。その理由を 30 字以内で説明せよ。
(3) 図 7 は,ある日の午後の大気の鉛直方向の気温分布を示している。地表での空気は,加熱によって 35 ℃と高温であり,相対湿度は 52 % である。表 1 を参照し,地表における露点 (℃)を求めよ。ただし,露点は表 1 の温度の中から最も近いものを選び解答すること。
(4) 前問 (3) において,地表から上昇する空気の運動を考える。下線部②の高度(m)を とすると,地表面における気温 と露点 を用いて と表される。このことを利用し,図 7 に示す大気において,地表から上昇した空気が到達する最大の高度として最も近いものを以下の a 〜 f から選び,記号で答えよ。ただし,乾燥断熱減率を 1.0 ℃/100 m,湿潤断熱減率を 0.5 ℃/100 m とする。
a 500 m, b 1000 m, c 1500 m, d 2000 m, e 2500 m, f 3000 m
問 4 下線部④のような水平方向の空気の収束は,低気圧に伴って発生することが多い。この理由を,以下の 4 つの語句をすべて用いて 100 字以内で説明せよ。
語句:地衡風,コリオリの力,気圧傾度力,摩擦力


第4問
以下の文章を読んで,問 1 〜問 5 に答えよ。
太陽は太陽系で唯一の恒星であり,中心部では水素の原子核同士が激しく衝突し,4 個の水素原子核が 1 個の ア 原子核に変わる核融合反応によってエネルギーを得ている。このエネルギーにより,太陽内部から膨張しようとする圧力が生じ,それと重力による収縮力がつり合って,太陽は安定した状態を保ちながら,①中心部の水素を消費しつくすまで,安定して輝き続ける。太陽内部で発生した膨大なエネルギーは,光と熱の形で太陽の外層に伝わり,最終的に地球に届く。太陽光を分光器に通すと,可視光全体にわたる連続スペクトルが観察され,このスペクトル中には イ と呼ばれる②多数の暗線が見られる。
太陽活動は,約 ウ 周期で変動し,主に③黒点数の増減を通じてその変化が示される。特に黒点数が多い時期には エ や オ が活発に発生する。エ は,太陽の表面やコロナで発生する爆発的な現象であり,強い X 線や紫外線,太陽風が宇宙空間に放射,放出される。オ はコロナ中のプラズマが突発的に惑星間空間へ放出される現象で,地球の カ 圏に影響を及ぼす。これらの現象は,④現代の人間社会に多大なる影響を与えるため,太陽活動を常に監視し,地球への影響を予測する「宇宙天気予報」が重要となっている。
問 1 文章中の空欄 ア 〜 カ に最も適切な語句あるいは数字を答えよ。
問 2 下線部①に関して,以下の (1) 〜 (4) に答えよ。
(1) 恒星の進化において,水素の核融合によって安定して輝く段階の恒星は何と呼ばれるか,答えよ。
(2) 太陽の質量を kg,核融合反応に使われる水素がこの太陽質量の約 10 %,反応を行う水素の量が 1 秒間に kg としたとき,太陽の寿命(年)を求めよ。解答欄に計算過程を記し,有効数字は 1 桁とせよ。
(3) 太陽よりも質量が大きい恒星では,一般的にその寿命は太陽よりも長くなるか,短くなるか,理由とともに答えよ。
(4) 中心部の水素を消費し尽くした後,太陽は次のような進化をたどると考えられている。下の文中の空欄 キ 〜 ケ に当てはまる語句として最も適切なものを答えよ。
中心核での水素の核融合が終了することで重力収縮が始まり,中心温度が上昇して キ の核融合が始まる。その際,外層が膨張して太陽は ク と呼ばれる段階に移る。キ が燃えつきると,外層のガスを放出し,放出されたガスは広がって惑星状星雲となる。そして,中心部は重力で収縮して ケ となり,次第に冷えて暗くなっていく。
問 3 下線部②に関して,以下の (1),(2) に答えよ。
(1) 暗線が観察される主な原因を 45 字以内で説明せよ。
(2) 遠くの銀河において,暗線が赤方偏移しているのが観測された。このことからどのようなことがわかるか,以下の a 〜 d から選び記号で答えよ。
a 銀河が地球から遠ざかっていること,つまり,宇宙が収縮していることがわかる。
b 銀河が地球から遠ざかっていること,つまり,宇宙が膨張していることがわかる。
c 銀河が地球に近づいていること,つまり,宇宙が収縮していることがわかる。
d 銀河が地球に近づいていること,つまり,宇宙が膨張していることがわかる。
問 4 下線部③に関して,17 世紀末には,数十年間にわたって太陽に黒点がほとんど現れない時期があった。この時期に,どのような気候変動が生じたかを述べよ。
問 5 下線部④の具体例を一つ答えよ。