第1問
次の文を読み,以下の問い(問 1〜問 5)に答えよ。(30 点)
地震波の伝わり方や速度分布から地球内部の構造や (A)<u>化学組成</u>を調べることができる。モホロビチッチ不連続面(モホ面)から深さ約 2900 km までの部分をマントル,約 2900 km から約 5100 km までの部分を外核,約 5100 km より深い部分を内核という。モホ面から深さ約 660 km までは上部マントルで主にかんらん岩からなり,以深は (B)<u>下部マントル</u>である。S 波が伝わらないことから,外核は液体であると考えられる。(C)<u>外核のダイナモ</u>によって,(D)<u>地磁気</u>が生成・維持されている。(E)<u>内核は固体</u>であり,地球の冷却により徐々に成長している。
問 1.下線部 (A) に関し,マントルを構成する物質の化学組成(重量比)として最も適切なものを次の (a)〜(d) から選び,解答欄に記号を記せ。

問 2.下線部 (B) に関し,下部マントルを構成する鉱物の特徴について,上部マントルとの比較を交えて 60 字以内で説明せよ。(解答欄:60 マス)
問 3.下線部 (C) に関して,次の (a)〜(d) の現象のうち,その原因が外核のダイナモであるものはどれか。最も適切なものを一つ選んで解答欄に記号を記せ。
(a) デリンジャー現象 (b) 地磁気の逆転
(c) オーロラの出現 (d) 偏角や水平分力の日変化
問 4.下線部 (D) に関して,地表における 2 地点 P,Q で地磁気を測定したところ,水平分力と伏角がそれぞれ地点 P で 8700 nT,80°,地点 Q で 31000 nT,15° であった。鉛直分力は地点 P,Q のどちらが大きいか,計算に基づいて示せ。, とし,解答欄には途中の計算も示すこと。
問 5.下線部 (E) に関して,外核と内核の組成が同じであるとして,下の文が正しいものになるように,〔 ア 〕,〔 イ 〕に入る語句として最も適切なものをそれぞれの解答群から一つずつ選び,解答欄に記号を記せ。
地球深部には地球の誕生時に〔 ア 〕などによって発生した熱が残っている。地球深部の温度は深くなるほど高く,内核は外核よりも高温であるが,〔 イ 〕ため金属が融けず,固体となっている。
〈アの解答群〉 (a) 放射性同位体の崩壊 (b) 微惑星の衝突 (c) マグマオーシャン (d) 温室効果
〈イの解答群〉 (a) 圧力が高い (b) 圧力が低い (c) 熱流量が大きい (d) 熱流量が小さい
第2問
次の文を読み,以下の問い(問 1〜問 5)に答えよ。(30 点)
地質時代は生物の進化に基づいて区分されてきた。地球が誕生した約 46 億年前から 5 億 3900〜4200 万年前までの時代を先カンブリア時代といい,(A)<u>生命の進化において極めて重要な出来事が起こった</u>。(B)<u>先カンブリア時代が終わると生物は一気に現在の姿に近いものに変化した</u>。図 1 は,5 億 3900〜4200 万年前から現在までの海生動物の科数の時代的変化を示しており,(C)<u>5 回の大量絶滅</u>を経験しながらも生物多様性は増加した。先カンブリア時代より後の時代を〔 ア 〕と呼び,古生代,〔 イ 〕,新生代の三つの地質時代に区分される。
問 1.下線部 (A) について先カンブリア時代に起こった出来事として適切なものを,次の (a)〜(f) からすべて選び,解答欄に記号を記せ。
(a) 真核生物の出現 (b) 多細胞生物の出現 (c) 陸上への生物進出
(d) 脊椎動物の出現 (e) 光合成生物の出現 (f) 原核生物の出現
問 2.〔 ア 〕,〔 イ 〕に当てはまる地質時代を答えよ。

図 1 海生動物の科数の時代的変化。①〜⑤は 5 回の大量絶滅を示す。
問 3.下線部 (B) について,エディアカラ生物群(先カンブリア時代)とバージェス動物群(カンブリア紀)の体のつくりや形態の違いを 100 字以内で説明せよ。(解答欄:100 マス)
問 4.下線部 (C) について,図 1 の大量絶滅③の原因としてもっとも適当なものを (a)〜(d) から一つ選び,解答欄に記号を記せ。
(a) 超大陸パンゲアが形成され,内陸の砂漠化が進んだ。
(b) 超大陸パンゲアが分裂し,大規模な海進が起こった。
(c) 大規模な火成活動や,海洋での極端な酸素欠乏が起こった。
(d) 陸上に森林が発達し,大気中の二酸化炭素濃度が減少した。
問 5.下線部 (C) について,図 1 の大量絶滅⑤の原因は天体衝突によるものと考えられている。大量絶滅⑤の時に起こった天体衝突の地質学的証拠について,証拠を二つあげて,それぞれ 60 字以内で説明せよ。(解答欄:各 60 マス)
第3問
次の文を読み,以下の問い(問 1〜問 6)に答えよ。(30 点)
北半球中緯度の日本の上空では一般的に西風が吹いている。ところが,上空の気圧分布をみると,日本の南では気圧が高く,反対に北では気圧が低くなっている。〔 ア 〕を考えると,高圧部から低圧部に向かって南風が吹かなければならない。この矛盾を解消するために,大気にはたらく遠心力から考えることにする。
問題を単純にするために,単位質量の大気にはたらく遠心力を とする。また,日本の上空で吹いている西風の風速を ,地球を円盤に見立てたときの自転の角速度を ,回転半径を とする。西風が吹いているということは,地球の自転速度 よりも速い速度で大気が回転していることを意味するので,回転しているその大気にはたらく遠心力は以下の式で表すことができる。
①を展開すると三つの項が得られる。三つの項のうち,風速に比例している項がコリオリの力(転向力)と考えてもよい。
日本の上空では,コリオリの力は風の向きに対して直角右向きにはたらくので,西風に対して南向きの力になり北風成分を生み出そうとする。一方,〔 ア 〕は北向きなので,南風成分を生み出そうとする。もし〔 ア 〕とコリオリの力がバランスしていれば,北風成分も南風成分も生じないので,等圧線に平行な西風が吹くことになる。このような風を〔 イ 〕という。つまり,冒頭の西風はおおむね〔 イ 〕の特徴をもっているといえる。
問 1.文中の〔 ア 〕,〔 イ 〕に入る適切な語句を解答欄に記せ。
問 2.①から得られるコリオリの力を解答欄に記せ。
問 3.風速が同じであればコリオリの力の大きさは緯度によって異なるという特徴をもつが,①はそれを考慮していない。つまり,地球は円盤ではないので緯度補正が必要になる。緯度 におけるコリオリの力を解答欄に記せ。ただし,地球の自転の角速度は を,風速は をそのまま用いるものとする。
問 4.台風の中心付近では,反時計回りで非常に強い風が吹いている。地表摩擦が無視できる上空では,円形の等圧線と平行して風が吹いている。この風は〔 イ 〕とは区別される。両者の異なる点を 60 字以内で説明せよ。(解答欄:60 マス)
問 5.海洋においても,海水面の高低差により,〔 イ 〕と同じ原理の流れを考えることができる。この流れはエクマン吹送流とは区別される。両者の異なる点を 100 字以内で説明せよ。(解答欄:100 マス)
問 6.日本の南岸を流れる黒潮も海水面の高低差に起因している。また,黒潮から暖水渦が切り離されたり,親潮から冷水渦が切り離されることがある。一般的に暖水渦は時計回り,冷水渦は反時計回りに回転している。これらの特徴から,渦の周りの海水面と比べた暖水渦と冷水渦の中心付近の海水面の高低について 100 字以内で説明せよ。(解答欄:100 マス)
第4問
次の文を読み,以下の問い(問 1〜問 6)に答えよ。(35 点)
宇宙の天体の距離を測定することは難しく,太陽近傍の恒星から遠方の銀河までの距離を一つの方法で測定することはできない。そのため,天体までの距離は,さまざまな方法によって測定,または推定される。太陽近傍の恒星については,(A)<u>年周視差</u>を用いて距離を測定することができる。恒星の明るさは,(B)<u>等級</u>で表すことができる。絶対等級を縦軸,表面温度(またはスペクトル型)を横軸にとった HR 図(ヘルツシュプルング・ラッセル図)上では,主系列星は左上から右下へ帯状に分布する。(C)<u>HR 図を用いることで,年周視差の測定が困難な遠方の主系列星の距離を推定することができる</u>。この手法を分光視差という。恒星の中で,周期的に膨張と収縮を繰り返し明るさが変化するものを〔 ア 〕という。遠方に存在する恒星の距離は,〔 ア 〕の周期光度関係を用いて導出することができる。遠方銀河で (D)<u>Ia 型超新星</u>が出現した場合,その最大光度を用いて銀河までの距離を見積もることができる。〔 イ 〕が超新星爆発を起こすと,Ia 型超新星として観測される。十分に遠方の銀河は,(E)<u>ハッブル・ルメートルの法則</u>を用いて距離が推定される。このように,さまざまな手法を組み合わせることで,太陽近傍から遠方までの天体の距離を計測することが可能である。
問 1.文中の〔 ア 〕,〔 イ 〕に入る適切な語句を解答欄に記せ。
問 2.下線部 (A) に関して,ある恒星の年周視差を計測したところ 0.1″ だった。このとき,この恒星までの距離を有効数字 1 桁で求めよ。単位はパーセクとすること。
問 3.下線部 (B) に関して,星は 5 等級異なると明るさが 100 倍異なる。
(1) 等級が , の星の明るさを , とするとき, を , を用いて表せ。
(2) 1 等星は 5 等星のおよそ 40 倍明るい。このことを用いて,1 等星は 10 等星のおよそ何倍明るいか答えよ。解答欄には途中の計算も示すこと。
問 4.下線部 (C) に関して,天体までの距離 ,絶対等級 ,見かけの等級 の関係式を導出せよ。また,主系列星のスペクトル型と見かけの等級が分かっているとき,HR 図を用いて主系列星の距離を求める方法(分光視差)を説明せよ。なお,絶対等級は 10 パーセクの距離から見たときの恒星(天体)の等級として定義される。
問 5.下線部 (D) に関して,Ia 型超新星の最大光度は絶対等級で −20 等級であるとする。Ia 型超新星の見かけの最大光度が 10 等級であったとき,この超新星までの距離を求めよ。解答欄には途中の計算も示すこと。
問 6.下線部 (E) に関して,ハッブル・ルメートルの法則が十分に成り立つほど遠方にある銀河の後退速度が km/s であったとき,この銀河までの距離をパーセクの単位で,有効数字 2 桁で答えよ。ただし,ハッブル定数は 73 km/s/メガパーセクとする。解答欄には途中の計算も示すこと。