CHAPTER 13/ 全体

まとめ

くり返す波・予言の地図・分かっていないこと

4回のブームを重ねると、同じ流れがくり返したように見える。けれど、それは本当に決まった形なのか。このサイトが集めた予言を1枚の地図にし、何年先を言ったか、どう選んだか、どう数えたかで答えが変わることを確かめる。最後に、まだ分かっていないことを全部集める。

011956〜2026・4つの波

4つの波を重ねる

4回のブームは、同じ流れをくり返したのだろうか。

このサイトでは、4回のブームを同じ基準で区切った。引き金は、1956年の研究会、1980〜1982年の企業でのAI活用と第五世代コンピュータ計画、2012年の画像認識コンペ、2022年の生成AIの公開だ。

右の図は、ブームごとの期待・予言・実際・冬を並べたものだ。引き金の年でそろえるを押すと、4本の線が同じ位置から始まる。期待がふくらみ、「この年までに」という予言が出て、答えの年に予言どおりには実現せず、冬が来る。そう見える所がある。

しかし、よく見ると違いも大きい。第1次の冬は国ごとに時期がばらばらだった(第5章)。第3次と第4次の間には冬がなく、2024年の総務省白書の図にもと書かれている。第4次の予言の多くは、まだ答えの年が来ていない。

ずれ = 出来事の年 − 引き金の年
引き金の年
1956・1980・2012・2022(このサイトでの区切り)
知ってるつもりよく言われる話:AIの歴史は毎回同じ流れをくり返す
元の資料では:並べると似て見えるが、冬の訪れ方も、冬が来たかどうかもブームごとに異なる。調査会社の期待の山と谷の図を研究者が確かめたら、型どおりとは言えなかった(この章の11)。

図が示すこと:4回のブームを引き金の年でそろえて重ねると、期待・予言・冬が同じように並ぶ所がある。でもよく見ると、冬の来方はばらばらで、第3次と第4次の間には冬がない。似て見えることは、決まった法則ということではない。

021957〜2023・今度こそ本物

「今度こそ本物」は4回言われた

ブームのさなかの人は、自分の時代をどう見ていたのか。

どのブームでも、当時の人は「今度こそ本物」と感じていた。第1次:1957年の講演で、サイモンとニューウェルは(訳)と話した。第2次:1984年のAIの大会の展示会場で、AIツールのパンフレットは(訳)とうたった(同じ大会で、研究者たちはを心配する討論をしていた)。

第3次:松尾豊さんの本の紹介文(2018年と表示)はと書いた。第4次:2023年、松尾さんはと話した。

右のカードでその後のつまみを動かすと、何が起きたかが出る。

その後の年数 = 出来事の年 − 言った年
「今度こそ本物」はこのサイトの呼び名。カードの言葉は、元の資料の言葉

図が示すこと:どのブームでも、さなかの人は自分の時代を『今度こそ本物』と感じていた。その後に何が起きたかは、ブームごとに違う。

031950〜2052・予言の地図

予言の地図

AIの予言は、いつ、何年先について語られてきたのか。

右は、このサイトが元の資料で確かめた予言のうち、言った年と「この年までに」の年が両方ある47件を点や帯などで示した予言の地図だ。横軸が言った年、縦軸が答えの年。斜めの点線は、言った年=答えの年。点線から上に離れるほど、遠い先の予言だ。

今年のつまみを動かすと、期限の終わりを過ぎた予言は青、まだの予言と期限の終わりがない予言は紫で示される。点や帯を押すと、中身とその後が出る。

当たり・外れで色は分けていない。何をもって当たりとするかが、予言によって違うからだ(たとえば1950年のチューリングの予言はの見分けについてで、2002年の賭けは「合計24時間」の試験だった)。

何年先 = 答えの年 − 言った年
答えの年
予言の中で指定された年(年が書かれていない予言は除外)

図が示すこと:言った年と答えの年が両方ある47件の予言を1枚に並べると、答えの年を過ぎた予言と、まだ来ていない予言が見える。当たり・外れは、何をもって当たりとするかが予言で違うので、色分けしていない。

04分布と中央値

予言は、何年先を言ってきたか

「あと何年」の予言は、何年先に集まっているのか。

地図の47件で、答えの年 − 言った年(何年先か)を数え、分布(散らばり方)を棒グラフにした。最も多いのは5〜9年先だ。真ん中の値(中央値)は9年先で、時代別に見ると、2000年より後の予言ほど近い先を言っている。

中央値は、並べたときの真ん中の値だ。平均と違い、100年先のような極端な値が1つ入っても、ほとんど動かない。右の図で「飛びぬけた予言(50年先から)を入れる」を切り替え、平均と中央値の動き方を比べてみよう。

ただし、このサイトの記録は、章で扱う有名な予言を選んだもので、世の中の予言をすべて集めたものではない。選び方で分布は変わる(次の見開き)。

中央値 = 小さい順に並べた時の真ん中の値 平均 = 合計 ÷ 個数
何年先
答えの年 − 言った年

図が示すこと:47件の『何年先』は5〜9年先がいちばん多く、中央値は9年先。中央値は、100年先のような飛びぬけた予言が入ってもほとんど動かないが、平均は大きく動く。

言った時代ごとの中央値
05選び方のかたより

有名な予言だけを集めると

集め方を変えると、「何年先」の答えも変わるのか。

歴史の本やこのサイトに残る予言は、全部の予言ではない。大胆で、あとで話題になった予言ほど、記録に残りやすい。これを選び方のかたより(選択バイアス)という。

右の図は、このサイトが作った400件の予言の世界。近い先を大胆に言った予言ほど有名になりやすいと決めて、有名なものだけを選ぶ。有名になりやすさ(近い先ほど)のつまみを上げると、選ばれた予言の「何年先」の中央値は、全体の中央値から離れていく。

2012年の研究は、集めた95件の予言を調べて(訳)がいちばん多いとした。AI Impactsは2016年にこの一覧の誤りを指摘し、重複やアンケートのまとめを外して65件に直した。何を集め、何を外すかで、数える対象が変わる。

選ばれる見込み ∝ 有名になりやすさ
図の予言と、有名になりやすさの決め方は、このサイトが作った物

図が示すこと:大胆で近い先を言った予言ほど有名になって残りやすいと、有名なものだけを集めた『何年先』の中央値は、全部の予言の中央値から離れていく。

全体と、選ばれたものの「何年先」の分布
062012・データの誤り

論文の頭に付いた注

有名な研究の結論が、データの読み間違いから来ていたら?

2012年の論文は、AIの実現時期の予言を95件集めた。そして(訳)という予言が最も多く、専門家とそうでない人の予言は見分けがつかないとした。「AIの予言はいつも15〜25年後」は、よく引かれる話になった。

いま公開されている論文の1ページ目には、(訳)という注が付いている。誤りは、専門家かどうかを分ける列の読み間違いだった(AI Impactsが2016年に指摘)。

右の図は、このサイトが作った小さな表。「専門家か」の列を1行ずつずらして読むと、2つの組の平均の差が変わる。列を1つ読み間違えるだけで、見分けがつかないという結論が出たり消えたりする。

組の差 = 専門家の平均 − そうでない人の平均
図の表の数は、このサイトが作った物(元の一覧の数ではない)
知ってるつもりよく言われる話:AIの予言はいつも15〜25年後
元の資料では:元の論文には、いま(訳)という注。ただし誤りの中身は専門家の分け方で、15〜25年の話そのものが崩れたかは、注からは分からない。

図が示すこと:『専門家か』の列を1行ずらして読むだけで、2つの組の平均の差が変わり、『見分けがつかない』という結論が出たり消えたりする。2012年の論文には、いまデータの誤りの注が付いている。

072022・直した一覧

予言した年と「あと何年」に関係はあるか

昔の予言と今の予言で、「あと何年」の言い方は変わったのか。

AI Impactsが直した一覧(65件)では、人間並みのAIが現れる時期の中央値は2033年か2037年だった(読み方が2つある)。2000年より前と後の予言を比べても「あと何年」の分布は似ていて、予言した年と年数の相関は0.13と小さかった。

相関は、2つの数がいっしょに動く度合いだ。−1から1の間で、0に近いほど関係が弱い。右の図は、このサイトの47件の予言について、横軸=言った年、縦軸=何年先として点を打ち、相関をその場で計算する。このサイトの47件では約 −0.34(後の予言ほど近い先を言う)。ただし集め方が違うので、0.13とそのまま比べることはできない。点を引っぱると、飛びぬけた点1つで相関が大きく動くのが分かる。

r=Σ(x − x̄)(y − ȳ)/ √{ Σ(x − x̄)2 · Σ(y − ȳ)2 }
x
言った年
y
何年先
x̄・ȳ
それぞれの平均値

図が示すこと:相関は2つの数がいっしょに動く度合いで、このサイトの47件では約 −0.34。でも飛びぬけた点1つで大きく動き、集め方が違うAI Impactsの0.13とはそのまま比べられない。

081843〜2025・遅れて実現

予言は外れるだけではない

答えの年に起きなかった予言は、そのあとどうなったのか。

1843年、ラブレスは(訳)と書いた。解析機関そのものは作られなかったが、約110年後の1956年、計算機で作曲した弦楽四重奏曲の楽章が演奏された。1957年、サイモンとニューウェルは10年以内に計算機がチェスの世界チャンピオンになると予言した。計算機が世界チャンピオンに対局で勝ったのは約40年後の1997年だ。

期限の中で起きた予言もある。2022年に確率が8%未満・16%超と見られた数学オリンピックの金メダルの点は、2025年7月に取られた(第12章)。

右の図は、言った年・答えの年・実際に起きた年を1本の線にした。遅れを並べると、何十年も遅れたものと、期限の中のものがある。ただし「実際に起きた」ことが、予言と同じ中身かは1つずつ確かめる必要がある。

遅れ = 実際に起きた年 − 答えの年
答えの年が書かれていない予言は、言った年から数える

図が示すこと:答えの年に起きなかった予言も、何十年も遅れて起きたものがある。期限の中で起きたものもある。ただし、起きたことが予言と同じ中身かは1つずつ確かめる必要がある。

092005〜2026・速さの線

2025年に10の19乗へ

国の教材にある、2025年の脳のシミュレーションの予言の元は何か。

と、高校「情報Ⅱ」の教員向け教材(2020年)は書いた。元は2005年のカーツワイルさんの本の図だ。スーパーコンピュータの速さ(FLOPS:1秒あたりの小数の計算回数)が1.2年で2倍になる線を引き、10の19乗FLOPSに届く所に、脳の神経のシミュレーションに要る速さ(2025)という札を付けたもの。脳のシミュレーションそのものではなく、速さの見通しだ。

答え合わせをしよう。元の図と同じ物差し(順位表TOP500)では、2025年11月の1位でも1.809エクサ(10の18乗)FLOPSで、10の19乗の約5.5分の1。けたの少ない計算を混ぜた別の物差しでは、3台が超えた。右の図で2倍になる年数を動かしてみよう。

速さ(t)=1016 × 2(t − 2013)/T
T
2倍になる年数(元の図は1.2年)
t
年。元の図では2013年に10の16乗

図が示すこと:『2025年に脳を完全にシミュレーション』の元は、スーパーコンピュータの速さの線をのばした見通しだった。2倍になる年数を少し変えるだけで、10の19乗に届く年は大きく動き、実際の1位はまだ届いていない。

102005→2020・伝言ゲーム

札の言葉はどこで変わったか

英語の図の札が、日本の教材の文になるまでに、何が変わったのか。

① 2005年のカーツワイルさんの本の図(英語)。② 2014年2月13日、総務省の会議で木谷強さんが出した資料の図。見出しは。③ 2014年の総務省の情報通信白書の図表。④ 2020年の国の「情報Ⅱ」の先生向け教材の文。

変わった所は2つある。2025年の札(アップロードのための、神経のシミュレーション)にはなかったが足された。2013年の札の(訳)はになった。教材の文はと前置きする。

右の図で1枚ずつ進めると、残った考え・消えた考え・足された考えに印がつく。

残った考え = 前の札の考え ∩ 次の札の考え
∩
両方にあるもの(考えの分け方は、このサイトによる)
知ってるつもりよく言われる話:2025年には人の脳をまるごとコンピュータでまねできるようになる、という予言
元の資料では:元の図は、スーパーコンピュータの速さの線が10の19乗FLOPSに届く年と、それが脳の神経のシミュレーションに要るという見積もりを重ねたもので、2025年に誰かが脳をシミュレーションする、とは書いていない。

図が示すこと:英語の図の札が日本の教材の文になるまでに、『完全に』が足され、『脳の働きのシミュレーションに要る』が『人間に近い知的処理を実現可能な性能』に変わった。元の図は、だれかが2025年に脳をシミュレーションするとは書いていない。12章の伝言ゲームは同じ日本語どうしなので『字』で比べられたが、今度は英語から日本語へ言葉がまたがるので、字ではほとんど何も重ならない。そこで『考え』に分けて比べる(残った考え = 前の札の考え ∩ 次の札の考え)と、4枚ずっと残ったのは『速さの見通し』と『2025年』の2つだけで、その上の言葉が入れかわっていたことが見える。

112016・期待の山と谷

期待の山と谷の図は本当か

新しい技術は、必ず期待の山から幻滅の谷を通るのか。

調査会社ガートナーのハイプ・サイクルは、新技術への期待が高まり、幻滅の谷へ落ち、やがて定着していく様子を描いた図だ。2016年の研究によると、この図は2つの曲線を合成して作られている。人々の期待を表す釣り鐘型の曲線と、技術が成熟していく S字曲線だ。右の図で「山の高さ」や「成熟の始まり」を変えると、谷の深さや位置が変わる。

その研究でガートナー自身の過去の記録を確かめると、実際の推移と図のパターンには食い違いがあった。「毎回同じ流れ」は、並べるとそう見える形で、決まった法則とは言えない。

同じ会社の日本の見立てでは、人工知能は2019年に「幻滅期」とされた。2025年には生成AIがとされ、ある報道の見出しはと書いた(図では、ピーク期と幻滅期の境目にあたる)。

期待 = 釣り鐘の曲線 +S字の曲線
図の曲線の高さ・速さは、このサイトが決めた数
知ってるつもりよく言われる話:新しい技術は必ず期待の山から幻滅の谷を通って落ち着く
元の資料では:研究で実際の記録を確かめると、型どおりとは言えなかった。

図が示すこと:期待の山と谷の図は、人の期待の釣り鐘と技術のS字を足した形で、高さや速さを変えると谷が深くなったり消えたりする。実際の記録を確かめると、型どおりとは言えなかった。

12物差し

冬は、何で測るのか

は、数字で決められるのか。

の年は資料で違う(第5章)。国の白書は1970年代をとし、AIの歴史を書いたNilsson(2010)は1975〜1985年ごろをと呼んだ。という言葉の早い例は1984年で、これから来るかもしれない最悪の事態の名前だった。

右の図は、国会でAIの意味で「AI」が出た発言数(このサイトが国会会議録を数えた数)に、冬の決まりを当てはめた。山からしきい値以上下がった年を冬とする。しきい値を30%にすると、2019年の593件から2021年の336件への減少が冬になる。けれど、この時期を冬と呼んだ資料は、このサイトでは見つかっていない。2020〜2021年に減った理由も1つには決められない(感染症が広がった年と重なる)。

冬の判定は、何を数え、どこにしきい値を引くかで変わる。研究費で見るなら、第3次から切れ目は無い、という見方もある。

冬 ⇔(山の数 − その年の数)÷ 山の数 ≥ しきい値
しきい値
このサイトが仮に決める割合
2026年は年の途中なので入れていない

図が示すこと:冬の判定は、何を数えて、どこにしきい値を引くかで変わる。国会の発言の数でしきい値を30%にすると2020〜2021年が冬になるが、その時期を冬と呼んだ資料は見つかっていない。

132025〜・自分で考える

冬は来るか:材料だけを並べる

第4次のあとに、冬は来るのか。

このサイトは答えを言わず、材料だけを並べる。

冬が来そうだという材料:2025年10月、イギリスの中央銀行は(訳)と書いた。日本の調査会社の見立て(2025年)では、生成AIは期待の山の頂上あたり。

冬は来ないかもしれないという材料:人工知能学会の座談会(2023年)では、第3次から資金が途切れずに生成AIのブームになったので、、という声が出た。

右の天秤に、材料のカードを置いてみよう。傾きは置き方で決まる。

置き方の差 = 来そう側の枚数 − 来ないかも側の枚数
カードは1枚ずつ同じ重み。置き場所は読む人が決める

図が示すこと:このサイトは答えを言わず、材料だけを並べる。どの材料をどちらに置くかで、天秤の傾きは読む人ごとに変わる。

14全部の章から

分かっていないことを全部集める

AIの歴史で、まだ分かっていないことは何か。

このサイトの章は、どれも「分かっていないこと」で終わる。右の図は、それを1枚に集めたものだ。タイルを押すと中身が出る。

今の大きなAIの中で何が起きているか(第12章)。これからの進歩の速さ(第12章)。冬が来るか(第12・13章)。をどう測るか(第5章)。機械が「考える」「分かる」とはどういうことか(第2・5章)。「AIが書いた」と言えるのはどこからか(第10章)。人の脳全体の働きに必要な計算量(見積もる人で大きく違う)。何ができたら人間並みのAIと呼ぶのか(基準が人や会社で違う)。

分かっていないことには2種類ある。資料がまだ見つかっていないもの(1970年代のAI研究費を国ごと・年ごとに並べた数字など)と、専門家にもまだ答えがないものだ。分けて見るを押すと、色が分かれる。

分かっていないこと = 資料がまだ見つかっていないもの + 専門家にもまだ答えが無いもの
分け方は、このサイトがした

図が示すこと:分かっていないことには、資料がまだ見つかっていないものと、専門家にもまだ答えが無いものの2種類がある。

15確度

このサイトは、どこまで確かめたか

このサイトの出来事は、どれくらい確かなのか。

出来事には1件ずつ確度が付いている。元の資料をページや節まで確かめたものは「元で確認」。元の資料は開けず、信頼できるまとめ2つ以上で一致を確かめたものは「まとめで確認」。まとめ1つだけや資料の食い違いが決着しないものは「確認が弱い」。確かめていない記憶は「記憶」、資料にない見立ては「推定」。

右の棒は全記録を章ごとに数え、確度で色分けしたものだ。下のボタンとチェック欄で確かめ方を選ぶと、決まりを順にたどる決定木で確度が出る。

確度 = 決まり(見立てか → 記憶か → 元の資料の箇所まで確かめたか → まとめはいくつか)
A
元で確認
B
まとめで確認
C
確認が弱い
D
記憶
E
推定

図が示すこと:このサイトの出来事には1件ずつ確度があり、確かめ方の決まりを順にたどるとA〜Eが決まる。確度は『どこまで確かめたか』の印で、資料そのものが正しいことの印ではない。

16答え合わせできる予言

自分の予言を答え合わせできる形で書く

あとで答え合わせできる予言には、何が書いてあるのか。

答えがはっきり出た予言は、先にルールを決めていた。2022年の数学オリンピックの予想は、どの大会で、どんな決まりなら金と言えるかを書いた。2002年のチューリング・テストの賭けは、審査員の数と、合計24時間という時間まで決めた。

反対に、年を書かない予言や、言葉の意味を決めない予言は、答え合わせが難しい。2011年に人間並みのAGIの年を予想したレッグさんは、自分で(訳)と書いた。

右の図で、予言のカードに書く項目を選んでみよう。期限・何ができたら当たりか・だれが判定するか・見込み。そろうほど、答え合わせしやすい。図の数は書いた項目の数で、中身が具体的かは別に確かめる。最後に自分の予言を1つ書いて、答えの年を待ってみよう。

書いた項目の割合 = 書いた項目の数 ÷ 4
4つの項目はこのサイトが選んだ物差し

図が示すこと:年・何ができたら当たりか・だれが判定するか・どれくらいの見込みか、の4つがそろうほど、あとで答え合わせができる。答えがはっきり出た予言は、先にルールを決めていた。

おわりに

まだ分かっていないことから、始める

4回のブームを重ねると、期待が高まり、「この年までに」の予言が出て、その年に予言の形では実現しない、という流れが何度も見える。けれど冬の訪れ方はブームごとに異なり、第3次と第4次の間には冬がなかった。「毎回同じ流れ」は、並べるとそう見えるだけで、決まった法則ではない。

予言の分析も、選び方と数え方で答えが変わる。有名な2012年の研究にはデータの誤りの注が付き、国の教材にある、2025年に人の脳を完全にシミュレーションできる性能に達する、という文も、元をたどると速さの見通しだった。物差しを変えると、答えが変わる。

分かっていないことは、まだたくさんある。今の大きなAIの中で何が起きているか。これから進む速さ。第4次のあとに冬が来るか。このサイトは答えを言わない。材料と、確かめ方を渡す。答えの年が来たら、自分の手で答え合わせをしてほしい。