このサイトの確かさ
AIの歴史には、有名なのに、元の資料を見ると書き方が違う話がたくさんあります。言葉が短く言いかえられ、前提の条件が抜け落ち、強い言い方になって広まった話です。このサイトは、それを元の資料で確かめ直すことを一番大切にしています。そのために、3つの段階で確かさを守っています。
1. 出来事ごとの確度
このサイトで取り上げた出来事と予言435件には、すべて元の資料の場所(ページや段落)と、どこまで確かめたかを示す札(確度)をつけています。
- <span class="badge cA">元で確認</span> 元の資料(論文・本・報告・当時の記事・主催した人や作った会社の記録・国の文書)を開いて、そのページや段落まで確かめたもの。395件(91%)。
- <span class="badge cB">まとめで確認</span> 元の資料を開けなかったもの(有料、紙でしか残っていないなど)。信頼できるまとめ(学会・博物館・大学・国のページ、歴史の本、百科事典)2つ以上で、同じことが書いてあるのを確かめた。
- <span class="badge cC">確認が弱い</span> まとめ1つだけで確かめたもの。
- 記憶だけ・推し量っただけのものは、出来事としては載せていません(予言の「その後」の見立てに、推し量った部分があれば、そう書いています)。
- <span class="badge cX">食い違いあり</span> 資料によって年や数、言い方が違うもの。どちらか一方に決めず、両方を書いています。
当事者が何年も後に書いた回想は、元の資料の一種ですが、記憶違いもあり得るため、「本人の後の回想」と区別して書いています。
2. 引用の1つずつの台帳
このサイトの文の中で、人や資料の言葉としてかぎかっこに入れたものは、次のどれかです。
- 日本語の資料の言葉そのまま(長い時は途中を「…」で省いています)
- 日本語でない資料の言葉の訳(元の言葉を、短く抜き出して見られるようにしています)
- 言葉の名前(など)や、本・論文・計画の題名
言いかえた時はかぎかっこを使わず、「〜という意味のことを書いた」のように書きます。よく言われる話は「〜と言われがち」の形で書き、特定の人の言葉としては書きません。
引用の1つずつを、元の言葉と、資料のどこにあるかと一緒にまとめた台帳は2,401行あります。色のついたかぎかっこを押すと、その行が見られます。訳は、意味を強めたり弱めたりしないようにしました(たとえば、元がなのに「だろう」にしない)。
3. 機械でも確かめる
かぎかっこの中の日本語が、保存した資料の文字の中に本当にあるかを、プログラムで照合しています。台帳がすべてそろっているか、訳に元の言葉がついているかも、プログラムで確認しています。文字を取り出せない古い資料(画像だけのPDFなど)は、ページを画像にして目で確かめ、そのように記しています。
言葉は、少しずつ変わって広まる
元の資料と照らし合わせると、言葉が少しずつ形を変えて広まっていく様子が見えてきます。このサイトを作りながら見つけて直した例(台帳で714行)から、いくつか紹介します。たとえば、
- 1985年の国会の説明を「いま2回目のブーム」とかっこに入れていたが、会議録の言葉はだった。
- 1950年のシャノンの見通しを「作曲」と書いていたが、論文に書いてあったのは、すでにある旋律に伴奏をつけること(編曲)だった。
- 2015年の情報処理学会の宣言を「追いついた」と書いていたが、元の言葉はだった。
- 2016年のヒントンさんの放射線科医の話で、言っていたのは「AI」ではなく「deep learning」だった(動画の自動字幕で確かめた。耳では確かめていない)。
- 英語の文の訳でが抜け落ちて、言い切りになっていたものがいくつもあった。
自分で確かめるには
- 出来事のカードの「元の資料と確かめた所」を開くと、資料の題・ページ・リンクがあります。ぜひリンク先を開いて、自分の目で確かめてみてください。
- 資料同士で書かれていることが違う時は、どちらが元の情報に近いか(当時の資料か、何年も後のまとめか)を確かめてみましょう。
- 高校の「情報」の学習指導要領は、すべての科目で「情報の信頼性や信憑性を見極めたり確保したりする能力の育成を図る」ことを求めています。このサイトの出来事の1件ずつが、その力を身につける練習の材料になります。
まだ分かっていないこと
元の資料までたどれなかったものや、資料同士の食い違いが決着していないものは、そのことを出来事のカードに書いています。まだ分かっていないことは、次に調べる人のための入り口です。
<span id="license"></span>このサイトの文と図を使うとき
このサイトの文・動く図・Pythonのプログラム・出来事の台帳は、CC BY 4.0 という決まりで公開しています。「**AIの全歴史(aTELiER FACTORY)**」という名前と、このサイトの住所を書けば、だれでも自由に使えます。授業のプリントやスライド、学校の課題、本や記事、仕事の資料、作り直し・訳し直しにも使えます。前もって知らせてもらう必要はありません。
- 書き方の例:出典「AIの全歴史」(aTELiER FACTORY)https://atelierfactory.jp/ai-history/ 、CC BY 4.0
- 作り直した時は、直したことが分かるように書いてください。
- かぎかっこで引いた元の資料の言葉や、ほかの人のデータ(Epoch AIのデータなど)は、それぞれの持ち主のものです。使う時は、その資料の決まりに従ってください。
決まりの全文:https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja