第27日の記録
第27日。
裏表紙の補強に使われていた古い厚紙を剥がすと、その裏に殴り書きがあった。
『百の話を並べて、読まれたものだけが残っていく。いつか、これをやってみたい』
小さな箱の中に残された、子犬の小さな首輪。
読んだ瞬間、胸の底から猛烈な怒りが湧き上がった。
やってみたい、だと?
そんな思いつきの遊びのために、私は毎晩、心を削りながら世界を消してきたのか。
けれど、怒りのあとに残ったのは、やるせない寂しさだった。
この人は、こんな悪ふざけの形をとらなければ、自分の人生を誰かに渡せなかったのだ。
私は紙を机に叩きつけ、それから、ゆっくりと引き出しに収めた。