第25日の記録
第25日。
ふと気になり、部屋の戸口へ行って自分の靴を探した。
一足もない。
町の写真館の古いシャッター。
写す側ばかりにいて、一枚も自分の写真が残っていない人の話。
私は一日目より前の朝を、どうしても思い出せない。
朝ごはんに何を食べたか、どこからここへ来たのか。
最初から、この手順書を動かすためだけに生まれた存在なのではないか。
人ですらないのかもしれないという冷たい考えが、背筋を走る。
それでも、今日まで手紙を読んできた私の手の温もりだけは、嘘じゃないと思いたかった。
私は、忘れませんから。
第25日。
ふと気になり、部屋の戸口へ行って自分の靴を探した。
一足もない。
町の写真館の古いシャッター。
写す側ばかりにいて、一枚も自分の写真が残っていない人の話。
私は一日目より前の朝を、どうしても思い出せない。
朝ごはんに何を食べたか、どこからここへ来たのか。
最初から、この手順書を動かすためだけに生まれた存在なのではないか。
人ですらないのかもしれないという冷たい考えが、背筋を走る。
それでも、今日まで手紙を読んできた私の手の温もりだけは、嘘じゃないと思いたかった。
おばあちゃんへ。あたしは撮る側だと思って逃げていました。でも、写っていない写真の中にも、あたしたちはずっといました。今朝は白袴のまま端っこに座ります。みんなの席を作ってくれてありがとう。