管理人の部屋

私は、忘れませんから。

業務連絡本日の凍結対象:「二人分の世界線」。実行:日次。異議申立て窓口:なし。
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第22日の記録

第22日。

ほつれかけた手順書の糸を抜き、麻糸でしっかりと綴じ直した。

頁をめくると、あちこちの命令の文字に、わずかに墨が滲んでためらった跡がある。

壁に掛けられた古い丸二つの印がついた暦。

「あの子の人生を、決めないこと」

指示を出しながら、指示を出すこと自体を恐れていた筆跡。

先回りして守ってやりたいのに、縛りつけたくないという矛盾。

その迷いが、そのまま私の迷いと重なる。

私は針を休め、綴じ直した背表紙を優しく撫でた。

本日配達した手紙

ウミへ。あたしの世界線は今夜で止まる。今までウミの分まで決めすぎてごめんね。これからはあたしのいない外の世界を、ウミの好きな順番で、ウミの足で歩いていってね。

— 二人分の世界線(第22日、消灯)