管理人の部屋

私は、忘れませんから。

業務連絡本日の凍結対象:「生前葬の世界線」。実行:日次。異議申立て窓口:なし。
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第20日の記録

第20日。

生前葬の準備で、本人が棺桶に入って蓋が閉まらなくなった失敗談を読んだ。

不謹慎だと思って一度は削りかけたが、元の通りに書き戻す。

祭壇に飾るために本人が選んだ、思い切り笑っている写真の式の紙。

「止める前に、残す言葉を聞くこと。別れを暗くしないこと。」

手順書の一行の本当の意味が、ようやく腑に落ちた気がした。

この仕事そのものが、誰かの生前葬なのかもしれない。

自分を送るための儀式を、見知らぬ私に託しているのだろうか。

覚え絵の隅に、満面の笑みを浮かべた男の顔を描き加えた。

本日配達した手紙

ゴサクへ。昨日は式に来てくれてありがとう。文句も聞けてよかった。今日はこちらから会いに行く。菓子でも食いながら、四十五年分の続きを話そう。

— 生前葬の世界線(第20日、消灯)