第17日の記録
第17日。
壁際に追いやった椅子を引き戻し、手紙を読む人の目の高さに揃えた。
水族館の大きな水槽で銀色に光る無数のいわし。
誰も怖がらない学校の階段の十七段目。
大勢の群れの中にいても、端っこで半拍遅れて泳ぐ魚がいる。
段数を数えるのを他人に預けて、自分はただ一段を上がる人がいる。
「群れの一匹にしないこと」
手順書を書いた人は、私と同じように、違いを均してしまう自分の弱さを知っていたのではないか。
だからこそ、こんな細かな言いつけを残したのではないか。
背もたれに手を置き、私は小さく息を吐いた。