第16日の記録
第16日。
朝、机の上に、初日に予告されていた通りの紙が一枚届いていた。
震える手で開くと、そこにはこうあった。
『最後の日に、この世界線の全てが動き出すと思っているかもしれませんが、それはありません』
息が止まった。
夜空を見上げる星座早見盤。
便箋の角に歪んで貼られた記念切手。
どこかで信じていたのだ。
止めた世界は、最後の日に全部息を吹き返すんじゃないかと。
甘い期待を抱いていた自分が恥ずかしくて、私は思わず椅子を壁へ乱暴に押しやってしまった。
壁にぶつかった椅子の乾いた音が、部屋に響く。
戻らないなら、私は何のためにこれを覚えているのだろう。
胸がひどく痛んだ。