第14日の記録
第14日。
描きかけの覚え絵を、途中のままそっと閉じた。
空き地で子どもを集める紙芝居の拍子木。
ガラス越しに泡が回る角のコインランドリー。
続きのコマは、真っ白なままだ。
私が勝手に結末を描き足すのはやめよう。
余白を残したまま、薄紙で丁寧に包む。
「続きは、あの子に描かせること」
手順書のその一行に触れるたび、宛先の見えない誰かの顔を想像してしまう。
誰もこの余白を受け取ってくれなかったら、どうなるのだろう。
それでも私は、鉛筆を走らせたい衝動をぐっと堪えた。
私は、忘れませんから。
第14日。
描きかけの覚え絵を、途中のままそっと閉じた。
空き地で子どもを集める紙芝居の拍子木。
ガラス越しに泡が回る角のコインランドリー。
続きのコマは、真っ白なままだ。
私が勝手に結末を描き足すのはやめよう。
余白を残したまま、薄紙で丁寧に包む。
「続きは、あの子に描かせること」
手順書のその一行に触れるたび、宛先の見えない誰かの顔を想像してしまう。
誰もこの余白を受け取ってくれなかったら、どうなるのだろう。
それでも私は、鉛筆を走らせたい衝動をぐっと堪えた。
あの子へ。続きの絵は、お前が描け。白い紙を舞台に一枚入れておいた。結末を大人が決める必要はない。お前が見たい景色を、その指で描けばいい。拍子木は置いていく。お前の声で、次の幕を開けてくれ。
ジンへ。今夜、この場所は止まる。俺は朝一番に願書を出して道場へ行く。勝つ約束はできない。でも、入口の前でお前を待っている。失敗した夜はもう終わりだ。道場へ、一緒に入ろう。