『高き者の言葉』の原典

Hávamál

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古ノルド語の原文から、英訳を参考にAIが作成した日本語訳です。

1

戸口はどこも、
先へ進む前に、
よく見回し、
よく見定めよ。
知れたものではない、
どこに敵が
広間で待ち構えているかは。

2

もてなす者たちに幸いあれ。
客が入ってきた、
この者はどこに座ればよいか。
ひどく気が急くものだ、
炉端で
自分の運を試さねばならぬ者は。

3

火が要る、
家に入ってきた者には、
膝まで冷えきった者には。
食べ物と衣服が
人には要る、
山を越えてきた者には。

4

水が要る、
食事に訪れた者には、
手ぬぐいと温かな歓迎も。
好意あるもてなしも、
得られるものならば、
語りかける言葉と、耳を傾ける沈黙も。

5

知恵が要る、
広く旅する者には。
家では何事もたやすい。
嘲りの目を向けられる、
何も知らぬ者が
賢い者たちと座れば。

6

自分の知恵を
人は誇るべきではない、
むしろ心を慎むべきだ。
賢く口数の少ない者が
人の家を訪れるとき、
用心深ければ災いはめったにない。
これほど頼もしい友を
人は決して得られない、
豊かな分別ほどには。

7

用心深い客は、
食事に訪れると、
かすかな物音にも耳を澄ませて黙り、
耳で聞き、
目で見定める。
知恵ある者は誰もそうして物事を探る。

8

幸せなのは、
自分のために
称賛と好意の言葉を得る者だ。
心もとないものだ、
人が頼むべきものが
他人の胸の内にあるのは。

9

幸せなのは、
自らのうちに持つ者だ、
生きているかぎり、誉れと知恵を。
よからぬ助言を
人はしばしば受け取る、
他人の胸の内から。

10

これよりよい荷を
人は旅路に携えられない、
豊かな分別よりも。
富にもまさると
見知らぬ土地では思われる。
苦境にある者には、それが頼みだ。

11

これよりよい荷を
人は旅路に携えられない、
豊かな分別よりも。
これより悪い旅の糧を
人は野へ運べない、
ビールの飲みすぎよりも。

12

それほどよいものではない、
よいと言われるほどには、
人の子らにとってビールは。
飲む量が増すほど、
それだけ人は
自分の心をわきまえなくなる。

13

忘却のサギと呼ばれる鳥が
酒宴の上にじっと居座り、
人の正気を盗み去る。
その鳥の羽に
私は縛られていた、
グンロズの館で。

14

私は酔った、
ひどく酔いしれた、
賢いフィャラルのもとで。
最もよい酒宴とは、
誰もが取り戻せるものだ、
自分の正気を。

15

口数少なく、思慮深く、
王の子はあるべきだ、
また戦いに勇敢であるべきだ。
明るく、晴れやかに
誰もがあるべきだ、
自らの死を迎えるまでは。

16

臆病な男は
いつまでも生きられると思う、
戦いを避けていれば。
だが老いは
彼に安らぎを許さない、
槍が彼を見逃しても。

17

愚か者はぽかんとする、
人の家を訪れると、
ぶつぶつつぶやくか、黙りこむ。
たちまちすべてが変わる、
一口でも酒にありつけば、
その男の心の内はむき出しになる。

18

ただその者だけが知る、
広く旅し、
多くの土地を巡った者だけが、
どのような心で
一人ひとりが身を処しているかを、
分別をわきまえた者だけが。

19

杯を抱えこむな、
蜜酒はほどよく飲め。
必要なことを話すか、黙っていよ。
無作法だと
誰もお前を責めはしない、
早く寝に行ったからといって。

20

食い意地の張った男は、
自制を知らなければ、
命を損なうまで食べる。
しばしば笑いものにする、
賢い者たちの中へ出たとき、
愚かな男を、その腹が。

21

家畜の群れは知っている、
いつ家へ帰るべきかを。
そして草地を離れてゆく。
だが愚かな男は
いつまでたっても知らない、
自分の腹のほどあいを。

22

卑しい男、
性根の悪い男は、
何にでも笑いを浴びせる。
自分には分かっていない、
知っておくべきことが、
自分も欠点のない人間ではないことが。

23

愚かな男は
夜通し眠らず、
何もかも思い悩む。
そうして疲れ果てる、
朝が来るころには。
悩みはどれも元のままだ。

24

愚かな男は
誰もが自分の友だと思う、
笑いかけてくれる者ならば。
気づきもしない、
彼らが自分の悪口を言っても、
賢い者たちと座っていながら。

25

愚かな男は
誰もが自分の友だと思う、
笑いかけてくれる者ならば。
そこでようやく気づく、
民会に出たときに、
自分を弁護する者は少ないと。

26

愚かな男は
何もかも知っているつもりになる、
片隅に身を置いていれば。
だが分からない、
どう答えればよいのか、
人々が彼を試そうとすれば。

27

愚かな男が
人々の中へ出るなら、
黙っているのがいちばんよい。
誰も気づかない、
彼が何も知らないことには、
しゃべりすぎさえしなければ。
だが人には分からない、
何も知らぬ者には、
自分がしゃべりすぎても。

28

自分を物知りだと思う、
尋ねることができ、
聞いたことを語れる者は。
人の子らは
何ひとつ隠し通せない、
人から人へ伝わることは。

29

山ほど口にする、
決して黙らぬ者は、
根拠のない言葉を。
早口の舌は、
抑える者がいなければ、
しばしば自らに災いを呼ぶ。

30

嘲りの的に
人をしてはならない、
客として訪れても。
多くの者は物知りに見える、
何も尋ねられず、
濡れずに黙っていられれば。

31

自分を賢いと思う、
逃げ出す客は、
ほかの客を嘲っておいて。
よく分かってはいない、
食事の席でせせら笑う者は、
敵に囲まれて軽口をたたいていても。

32

多くの者は
互いに好意を抱いているが、
宴の席では争いになる。
人の世の災いに
いつでもなるだろう、
客が客といがみ合えば。

33

早めに食事を
済ませておくのがよい、
人の家へ招かれて行くのでなければ。
そうしないと、むさぼり食ってうなだれ、
飢えた者のように振る舞い、
ろくに話を尋ねることもできない。

34

ひどく遠回りになる、
悪い友のもとへ行く道は、
街道沿いに住んでいても。
だがよい友のもとへは
まっすぐ道が通じている、
どれほど遠く離れていても。

35

立ち去るべきだ、
客であってはならない、
いつまでも同じ場所で。
好かれた者も嫌われる、
長く座りこめば、
他人の家の広間に。

36

自分の家がよい、
たとえ小さくとも。
家では誰もが主人だ。
山羊が二頭しかいなくても、
屋根の垂木が縄でも、
物乞いをするよりはよい。

37

自分の家がよい、
たとえ小さくとも。
家では誰もが主人だ。
胸から血が流れる思いだ、
乞わねばならぬ者は、
食事のたびに自分の食べ物を。

38

自分の武器から
野にあっては
一歩たりとも離れて歩くな。
知れたものではない、
旅の道中でいつ
槍が必要になるかは。

39

私は気前のよい男にも、
食べ物を惜しまぬ男にも会ったことがない、
贈り物を喜んで受け取らぬほどの者には。
また自分の財産に
それほど執着する男にも、
礼の品を受け取って嫌がるほどの者には。

40

自分の財産を、
手に入れた財産を、
人は使わずに困窮してはならない。
しばしば憎い者のために蓄えてしまう、
愛する者にと思っていたものを。
多くのことは予想より悪く運ぶ。

41

武器や衣服を贈って
友は互いを喜ばせるべきだ。
身をもってそれは分かる。
贈り、贈り返す者たちは
最も長く友であり続ける、
物事がうまく運ぶならば。

42

自分の友には
人は友であるべきだ、
贈り物には贈り物を返せ。
笑いには笑いで
人は応じるべきだ、
偽りには欺きで。

43

自分の友には
人は友であるべきだ、
その友にも、その友の友にも。
だが自分の敵の
友とは、誰も
友になるべきではない。

44

よく覚えておけ、友がいるなら、
心から信じられる友が、
その者からよいものを得たいなら、
その者と心を通わせよ、
贈り物を交わし、
たびたび会いに行け。

45

別の相手がいて、
信用できぬ者だが、
それでもその者からよいものを得たいなら、
その者には愛想よく話し、
心には偽りを抱き、
偽りには欺きを返せ。

46

これもまた、その者についてだ、
お前が信用せず、
その心を疑っている相手について。
その者には笑いかけ、
本心を隠して話せ。
贈られたものに見合うものを返せ。

47

昔、私は若かった、
たった一人で旅をし、
道に迷った。
豊かになった気がした、
もう一人の人間に出会うと。
人は人の喜びだ。

48

気前がよく、勇敢な
者たちは最もよく生き、
めったに憂いを育てない。
だが臆病な男は
何もかも恐れ、
けちな者は贈り物をいつも惜しむ。

49

自分の衣服を
私は野で与えた、
二つの木彫りの人形に。
一人前の男になったつもりでいた、
その二つは服を着ると。
裸の男は肩身が狭い。

50

枯れてゆく、針葉樹は、
開けた土地に独り立つものは。
樹皮も葉もそれを守らない。
人も同じだ、
誰をも愛さぬ者は。
長く生きて何になろう。

51

火よりも熱く
不実な友の間で燃える、
五日間の親愛は。
だがそれも消える、
六日目が来ると。
そして友情はすっかり悪くなる。

52

大きなものばかりを
人に贈る必要はない。
しばしばわずかな物で称賛は得られる。
パンの半分と、
傾けた杯で、
私は仲間を得た。

53

小さな砂浜、
小さな海、
人の心も小さい。
すべての人が
同じほど賢くなったわけではない。
どこでも人は半人前だ。

54

ほどほどに賢く
誰もがあるべきだ。
賢すぎてはならない。
人々の中で
最も心地よく生きられるのは、
ほどよく多くを知る者だ。

55

ほどほどに賢く
誰もがあるべきだ。
賢すぎてはならない。
賢い者の心は
めったに晴れやかにならない、
その持ち主が何もかも知り尽くしていれば。

56

ほどほどに賢く
誰もがあるべきだ。
賢すぎてはならない。
自分の運命を
誰も前もって知るな。
その者の心が最も憂いを知らない。

57

薪は薪から火を受け、
燃え尽きるまで燃える。
炎は炎から起こる。
人は人との
語らいで物を知るようになり、
独り黙っていれば愚かになる。

58

早く起きよ、
他人の財産や
命を奪おうとする者は。
寝そべる狼はめったに
腿の肉にありつけず、
眠る男は勝利を得られない。

59

早く起きよ、
働き手の少ない者は。
そして自分の仕事に取りかかれ。
多くのことが滞る、
朝に眠る者には。
励む者には富の半ばがすでにある。

60

乾いた薪と、
屋根に葺く樹皮の、
必要な量を知っておけ。
また木材の量も、
どれほどあれば足りるのか、
ひと月に、半年に。

61

体を洗い、腹を満たして、
民会へ馬を進めよ、
服装がさほど立派でなくとも。
靴や下衣を
誰も恥じてはならない。
馬ならなおさらだ、
よい馬を持っていなくとも。

62

くちばしを動かし、首を伸ばす、
海辺に来ると、
鷲は太古の海に向かって。
人も同じだ、
大勢の中へ出て、
自分を弁護する者が少なければ。

63

尋ね、また答えるべきだ、
知恵ある者は誰でも、
賢いと呼ばれたいのなら。
知るのは一人だけ、
二人目には知らせるな。
三人が知れば、世間が知る。

64

自分の力は、
思慮ある者なら
誰もが節度をもって振るうべきだ。
そうすれば気づく、
勇者たちの中へ入ったとき、
誰もただ一人で最も勇敢ではいられないと。

65

――――
人がほかの者に
語った言葉の
報いを受けることは多い。

66

あまりにも早く
私は多くの場所へ着き、
ある場所へは遅すぎた。
ビールは飲み尽くされ、
あるいはまだ仕込まれていなかった。
嫌われ者が飲み頃に行き合うことはめったにない。

67

あちらでもこちらでも
私は家へ招かれるだろう、
食事時に食べ物が要るなら、
あるいは二本の腿肉を吊るしておくなら、
誠実な友の家に、
私が一本食べたその場所に。

68

火こそ最もよいもの、
人の子らにとっては、
そして日の光を見ることも。
健やかな体も、
それを持てるならば、
また、非難されずに生きることも。

69

何もかも不幸な者はいない、
たとえひどく病んでいても。
息子たちに恵まれる者もいれば、
親族に恵まれる者もいる。
豊かな財産に恵まれる者もいれば、
よい働きに恵まれる者もいる。

70

生きているほうがよい、
死んでいるよりも。
生きていれば牛も手に入る。
私は火が燃え上がるのを見た、
裕福な男のために。
だが男は外で、戸口の前に死んでいた。

71

足の不自由な者も馬に乗り、
片手を失った者も家畜を追い、
耳の聞こえない者も戦って役に立つ。
目が見えなくても、そのほうがよい、
焼かれてしまうよりは。
死体は誰の役にも立たない。

72

息子はいたほうがよい、
たとえ遅く生まれても、
父が世を去った後であっても。
道のほとりに記念の石が
立つことはめったにない、
身内が身内のために立てるのでなければ。

73

二人いれば、一人を討つ軍勢となる。
舌は頭を滅ぼす。
どの毛皮の衣の中にも
私は拳があると思う。

74

夜を喜んで迎えるのは、
旅の糧を頼みにできる者。
船の帆桁は短い。
秋の夜は移ろいやすい。
天気は幾度も変わる、
五日のうちにも、
ひと月なら、なおさら多く。

75

何も知らない者は
このことも知らない、
金のために愚か者になる者は多いと。
ある者は富み、
別の者は貧しい。
その不運を責めてはならない。

76

家畜は死に、
身内は死に、
自分もまた死ぬ。
だが名声は
決して死なない、
よい名声を得た者のそれは。

77

家畜は死に、
身内は死に、
自分もまた死ぬ。
私には一つ、わかっている、
決して死なないものがある。
死者一人ひとりに下される評判だ。

78

家畜で満ちた囲いを
私はフィトユングの息子たちのもとで見た。
今では彼らは物乞いの杖を携えている。
富とは
まばたきのようなもの、
友の中でも最も頼りにならない。

79

愚かな男は、
手に入れることができれば、
富や女との歓びを、
うぬぼれを募らせるが、
分別は決して増さず、
思い違いのまま、ずんずん進む。

80

そのとき、確かめられる、
お前がルーンに問いかけるとき、
神々に由来するあのルーンに、
偉大な神々が作り、
大いなる語り手が彩ったものに。
そのとき人は、黙っているのがいちばんよい。

81

日を褒めるのは夕べになってから、
妻を褒めるのは火葬されてから、
剣は試してから、
娘は嫁いでから、
氷は渡り終えてから、
ビールは飲み終えてから。

82

風のあるときに木を伐り、
よい日和に海へ漕ぎ出し、
暗がりで娘と語らうがよい、
昼には多くの目がある。
船には速さを求め、
盾には守りを、
剣には斬る力を、
娘には口づけを求めるがよい。

83

火のそばでビールを飲み、
氷の上では滑るがよい。
痩せた馬を買い、
汚れた剣を買い、
馬は家で太らせ、
犬も屋敷で養うがよい。
二

84

娘の言葉を
誰も信じてはならない、
女の語ることも。
回る車輪の上で
その心は作られ、
胸には移り気が置かれたのだから。

85

折れかけた弓を、
燃え盛る炎を、
口を大きく開いた狼を、
鳴き立てるカラスを、
唸る豚を、
根を失った木を、
高まる波を、
煮え立つ釜を、

86

飛んでゆく投げ槍を、
崩れ落ちる波を、
一夜で張った氷を、
とぐろを巻いた蛇を、
花嫁が寝床で語る言葉を、
あるいは折れた剣を、
熊の戯れを、
あるいは王の子を。

87

病んだ子牛を、
勝手に振る舞う奴隷を、
巫女の甘い言葉を、
倒したばかりの戦死者を。

88

早く種を播いた畑を
誰も当てにしてはならない、
息子も、あまり早くから当てにするな。
畑を左右するのは天候、
息子を左右するのは知恵。
どちらも危ういものだ。

89

自分の兄弟を殺した者を、
たとえ道で出会っても、
半ば焼けた家を、
ひどく足の速い馬を、
馬は役に立たなくなる、
脚を一本折れば。
人はそれほど気を許してはならない、
これらをすべて信じるほどに。

90

女たちの愛は、
偽りを企む女たちの愛は、
滑り止めのない馬を駆るようなもの、
つるつるの氷の上で、
元気のよい二歳の馬を、
しかもろくに馴らされていない馬を。
あるいは荒れ狂う風の中で
舵のない船を進めるようなもの、
あるいは足の不自由な者が捕らえようとするようなもの、
雪解けの山でトナカイを。

91

今はあけすけに語ろう、
私は両方を知っているのだから。
男の心も女に対して不実だ。
私たちがいちばん美しく語るとき、
胸ではいちばんずるいことを企んでいる。
それが賢い者の心さえ欺く。

92

美しい言葉を語り、
贈り物を差し出すがよい、
女の愛を得たい者は。
その姿を褒めるがよい、
輝く娘の姿を。
求愛する者が、愛を得る。

93

恋をしたからといって
誰も
ほかの者を決して責めてはならない。
賢い者をしばしば捕らえ、
愚かな者を捕らえないものがある、
欲望をかき立てる美しい面差しだ。

94

決して人を責めてはならない、
ほかの誰かを、
多くの者に訪れることで。
賢い人の子らを
愚か者に変えてしまう、
あの強大な恋心は。

95

心だけが知っている、
胸の奥に宿るものを。
自分の思いを知るのは自分だけだ。
これ以上つらい病はない、
どれほど賢い者にとっても、
何にも心の安らぎを見いだせないことほど。

96

そのことを私は思い知った、
葦の茂みに座って、
恋しい相手を待ちわびたときに。
私の肉でも心でもあった、
あの賢い娘は。
それでも私は彼女を手に入れられなかった。

97

ビリングの娘を
私は寝床の上で見つけた、
日の光のように白く、眠っていた。
領主の歓びも
私には何ほどのものでもなかった、
あの身に寄り添って生きられなければ。

98

「もっと夕暮れ近くに
オーディン、おいでなさい、
私を恋人にしたいなら。
ひどいことになる、
私たち二人だけでなく、誰かが知ったら、
こんな不義を二人が交わすことを」

99

私は引き返した、
愛されていると思い、
確かな歓びの望みを後にして。
私はこう思った、
手に入れられるだろうと、
彼女の心も歓びも、すべてを。

100

次に私が訪れたときには、
腕利きの
戦士たちが皆、起きていた。
明かりは燃え、
松明が掲げられていた。
こうして私には、苦難の道が定められていた。

101

もっと朝に近くなって、
私がもう一度訪れたとき、
館の者たちは寝入っていた。
そのとき私が見つけたのは一匹の雌犬だった、
あのよい女の
寝床に縛りつけられていた。

102

立派な娘にも多い、
よくよく確かめてみれば、
男に心変わりする者が。
そのことを私は思い知った、
あの思慮深い女を
偽りの恋へ誘おうとしたときに。
ありとあらゆる辱めを
あの賢い娘は私に浴びせようとし、
私はあの女から何も得られなかった。
三

103

家では朗らかに、
客には快活に接する男も、
自分の振る舞いには気を配るべきだ。
よく覚え、よく語れ、
広く物を知りたいのなら。
よいことをしばしば話すがよい。
大愚か者と呼ばれるのは、
語れることがほとんどない者。
それが愚か者のしるしだ。

104

私はあの老いた巨人を訪ね、
今は戻ってきた。
あそこでは黙っていても、ほとんど何も得られなかった。
数多くの言葉を
私は自分のためになるように語った、
スットゥングの館で。

105

グンロズは私にくれた、
黄金の椅子の上で、
あの貴い蜜酒を一口。
ひどい返礼を
私は彼女に残した、
その真心に対して、
その深く悩む思いに対して。

106

ラティの口に
私は通り道を開かせ、
岩をかじらせた。
頭上にも足もとにも
巨人たちの道があった。
こうして私は命を危険にさらした。

107

うまく手に入れた姿を
私は十分に役立てた。
知恵ある者に欠けるものは少ない。
こうしてオーズレリルは
今や上へ運び出された、
人々の聖域の縁へと。

108

私には疑わしい、
果たして戻れただろうか、
巨人たちの住まいから、
グンロズの助けがなかったなら、
あのよい女の助けが、
私に腕を回してくれた女の。

109

その翌日、
霜の巨人たちがやって来た、
ハールの話を聞こうと、
ハールの館へ。
彼らはボルヴェルクのことを尋ねた、
神々のもとへ戻ってきたのか、
それともスットゥングに殺されたのかと。

110

腕輪にかけてオーディンは
誓いを立てたはずだ。
その誠実さをどうして信じられよう。
彼はスットゥングを欺き、
宴の酒を奪い去り、
グンロズを泣かせた。
四

111

語るべき時だ、
語り手の座にあって、
ウルズの泉のほとりで。
私は見つめ、黙っていた。
私は見つめ、思いを巡らせた。
人々の言葉に耳を傾けた。
ルーンについて論じるのを聞いた。
助言についても黙ってはいなかった、
ハールの館のほとりで、
ハールの館の中で。
こう語るのを私は聞いた。

112

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
夜中に起き出すな、
見張りに立つのでなければ、
あるいは用を足しに外へ出るのでなければ。

113

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
魔術に長けた女の
懐で眠ってはならない、
その手足に抱きすくめられるように。

114

その女は、お前をこうしてしまう、
心を向けられなくなる、
民会にも、君主の言葉にも。
食べ物も欲しくなくなり、
誰と楽しむ気にもなれず、
悲しみに満ちて眠りにつく。

115

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
人の妻を
決して誘ってはならない、
耳もとで愛をささやく仲に。

116

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
山へ、あるいはフィヨルドへ、
旅に出たいのなら、
食糧を十分に備えるがよい。

117

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
悪い人間には
決して知らせるな、
お前を襲った不運を。
悪い人間からは
決して受けられない、
善意に対する報いを。

118

深く食い込むのを
私は見た、ある男に
悪い女の言葉が。
偽りを企む舌が
その男の命を奪った、
真実の罪などなかったのに。

119

忠告しよう、ロッドファーフニル、
この忠告を受け入れよ。
学べば、お前の役に立つ。
身につければ、お前のためになる。
覚えておけ、友がいるなら、
心から信頼できる友が、
たびたび会いに行くがよい。
低木が茂り、
背の高い草が生い茂るからだ、
誰も踏み通わない道には。

120

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
善い人を
親しい語らいへと誘い、
生きているかぎり、癒やしの呪歌を学べ。

121

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
友との仲を
決してお前から先に
断ち切ってはならない。
悲しみは心を食い尽くす、
胸の内のすべてを
誰にも打ち明けられなければ。

122

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
言葉を交わしては
決してならない、
分別のない猿のような者とは。

123

悪い人からは
決して
善意への報いを得られない。
だが善い人は
お前を人に慕われる者にしてくれる、
褒め言葉によって。

124

親しい絆が結ばれるのは、
人が心の内のすべてを
ひとりの相手に打ち明けるとき。
どんなことも、
裏切り者でいるよりはよい。
相手に気に入られることばかり言う者は、友ではない。

125

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
自分より劣る者とは
三言も言い争ってはならない。
優れた者がしばしば倒れる、
劣る者が斬りかかれば。

126

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
靴作りにもなるな、
柄を作る職人にもなるな、
自分のために作るのでなければ。
靴の出来が悪く、
柄が曲がっていれば、
お前に災いあれと願われる。

127

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
どこで悪事を知ろうとも、
それを悪事だと公言せよ。
お前の敵に安らぎを与えるな。

128

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
悪いことを
決して喜ぶな。
善いことを喜ぶ者と見なされよ。

129

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
上を見上げては
ならない、戦いのさなかには。
猪のように
人の子らはなる。
人にまじないをかけられぬように。

130

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
善い女を
愛の語らいへと誘い、
喜びを得たいのなら、
心を喜ばせることを約束し、
その約束を固く守れ。
よいものを得て嫌がる者はいない。

131

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
用心深くあれと私は言う、
だが用心しすぎるな。
とりわけ気をつけよ、ビールと、
他人の妻に。
そして三つ目には、
盗人に欺かれぬように。

132

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
嘲りや笑いの種に
決してしてはならない、
客や旅人を。

133

家の中に座る者には
しばしばよく分からない、
訪れる者がどんな素性なのか。
欠点のないほど
善い人はいない。
何の役にも立たぬほど悪い人もいない。

134

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
白髪の語り手を
決して笑うな。
老人の言葉には、よいものが多い。
しなびた皮袋からも、しばしば
思慮深い言葉が出てくる。
なめしていない皮とともに垂れ、
なめし皮とともにぶら下がり、
臓物とともに揺れている皮袋からも。

135

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
客を罵るな、
門へ追い立てるな。
困窮する者を手厚く迎えよ。

136

頑丈でなければならない、その木は、
すべての人に門を開くため
持ち上げられる木は。
輪を施せ。
さもなければ、その木は
お前の手足のすべてに災いを願うだろう。

137

忠告しよう、ロッドファーフニルよ、
この忠告を心に留めよ。
学べば役に立ち、
身につければお前のためになる。
どこでビールを飲もうとも、
大地の力を頼れ。
大地は酔いを受け止め、
火は病に効き、
樫は便秘に効き、
麦の穂は妖術に効き、
館は家内の争いに効く。
憎しみには月を呼び求めよ。
ヒースは噛み傷に効き、
災いにはルーンが効く。
大地は洪水を受け止める。
五

138

私は知っている、私が吊られていたことを、
風吹きすさぶ木に、
九夜のあいだずっと。
槍に傷つけられ、
オーディンに捧げられ、
私自身を私自身に捧げて。
その木が
どんな根から生い立つのか、
誰ひとり知らない。

139

誰も私にパンを与えず、
角杯の飲み物も与えなかった。
私は下を見つめ、
ルーンを拾い上げた。
叫びながら拾い上げ、
そこから再び落ちた。

140

九つの強大な呪歌を
私は名高い息子から学んだ、
ベストラの父、ボルソルンの息子から。
そして私は飲ませてもらった、
貴い蜜酒を、
オーズレリルから汲まれたものを。

141

そのとき私は実りはじめ、
知恵を得はじめ、
成長し、栄えはじめた。
言葉から言葉へ、
新たな言葉が私に生まれ、
業から業へ、
新たな業が私に生まれた。

142

お前はルーンを見いだすだろう、
読み解くべき文字を、
きわめて偉大な文字を、
きわめて強力な文字を。
偉大な語り手が彩り、
大いなる神々が作り、
神々のフロプトが刻んだ文字を。

143

アースのもとではオーディンが、
妖精のためにはダーインが、
小人のためにはドヴァリンが、
巨人のためにはアースヴィズが刻んだ。
私自身もいくつかを刻んだ。

144

どう刻むべきか、知っているか。
どう読み解くべきか、知っているか。
どう彩るべきか、知っているか。
どう試すべきか、知っているか。
どう祈るべきか、知っているか。
どう供物を捧げるべきか、知っているか。
どう送り届けるべきか、知っているか。
どう生贄を屠るべきか、知っているか。

145

祈らないほうがよい、
供物を捧げすぎるよりは。
贈り物はいつも見返りを求める。
送り届けないほうがよい、
生贄を屠りすぎるよりは。
スンドはこのように刻んだ、
人々の運命が定まる前に。
彼が立ち上がったその場所で、
帰ってきたそのときに。
六

146

私は数々の呪歌を知っている、
王の妻も知らず、
誰の息子も知らない歌を。
一つは〈助け〉という。
それはお前を助けるだろう、
訴えや悲しみ、
あらゆる苦しみから。

147

二つ目を私は知っている、
人の子らが必要とする歌を、
医師として生きたいと願う者たちが。

148

三つ目を私は知っている。
憎い敵を縛ることが
どうしても必要になれば、
私は刃を鈍らせる、
私に敵対する者たちの刃を。
彼らの武器も杖も、傷を負わせられなくなる。

149

四つ目を私は知っている。
人々が私の
手足に縄をかけても、
私はこう唱える、
歩き去れるように。
足からは足枷が外れ、
手からは戒めが外れる。

150

五つ目を私は知っている。
悪意から放たれた槍が
軍勢の中を飛ぶのを見れば、
どれほど激しく飛んでいても、
私には止められる、
この目でその槍を捉えさえすれば。

151

六つ目を私は知っている。
ある男が生木の根を用いて
私を傷つけようとすれば、
私への憎しみを呪いにこめる
その男をこそ、
災いは食い尽くす、私よりも先に。

152

七つ目を私は知っている。
仲間たちの座る館に
高く燃え上がる炎を見ても、
どれほど広く燃えていようと、
私にはその館を救える。
そのための呪歌を、私は唱えられる。

153

八つ目を私は知っている。
誰にとっても
学べば役に立つ歌を。
どこであろうと、憎しみが
戦士たちの間に育てば、
私はすぐに鎮められる。

154

九つ目を私は知っている。
海に浮かぶ私の船を
救わねばならない窮地に陥れば、
私は風を静める、
波の上で。
そして海のすべてを眠らせる。

155

十番目を私は知っている。
垣に乗る魔女たちが
空を飛び交うのを見れば、
私は術をかける、
彼女らが帰り道を失うように、
故郷にある自分の体へも、
故郷にある自分の心へも。

156

十一番目を私は知っている。
長年の友を
戦いへ導くとき、
私は盾の下で唱える。
すると友らは力強く進み、
無傷で戦いに赴き、
無傷で戦いを離れ、
どこからでも無傷で帰ってくる。

157

十二番目を私は知っている。
木の上に
首を吊られた屍が揺れるのを見れば、
私は文字を刻み、
ルーンを彩る。
するとその男は歩きだし、
私に話しかける。

158

十三番目を私は知っている。
若い戦士に
水を注ぎかけるなら、
その者は倒れない、
軍勢の中に入っても。
その男は剣に屈して倒れない。

159

十四番目を私は知っている。
人々の集まりの前で
神々を数え上げるなら、
アースと妖精の
すべてのありようを私は知っている。
分別のない者に、これほど知る者は少ない。

160

十五番目を私は知っている。
ショーズレリルが唱えた歌を、
小人がデリングの戸口の前で。
彼はアースに力をもたらす歌を唱え、
妖精には栄えを、
フロプタテュールには知恵をもたらした。

161

十六番目を私は知っている。
賢い娘の
心も愛の喜びもすべて得たいなら、
私は心を変えさせる、
腕の白い女の心を。
その思いのすべてを私に向けさせる。

162

十七番目を私は知っている。
その歌によって、私から容易には離れなくなる、
若い娘は。
これらの呪歌を
お前は、ロッドファーフニルよ、
長く身につけられずにいるだろう。
だが、得られればお前のためになり、
学べば役に立ち、
授かれば助けとなる。

163

十八番目を私は知っている。
決して教えることのない歌を、
娘にも、人の妻にも。
何事も、自分ひとりが
知っているほうがよい。
これが呪歌の結びとなる。
ただひとりの女は別だ、
私を腕に抱く女、
あるいは私の姉妹ならば。
七

164

いま、ハールの言葉が
ハールの館で語られた。
人の子らには大いに役立ち、
巨人の子らには役立たぬ言葉が。
語った者に幸あれ、
知る者に幸あれ。
学んだ者はその恵みを得よ。
耳を傾けた者たちに幸あれ。